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[ざっくり解説] テニス観戦初心者向け | 男子テニスツアー 各世代ごとに現状をまとめて解説。

テニスを詳しくない人でも、これを読めば男子ツアーの今・勢力が分かります。
またテニスが好きな人は大会観戦がより楽しくなるかも!

男子ツアーは未だかつてない状況。

今回は、男子ツアー界をいくつかの世代にグループ分けしてざっくり解説をしていきます

そもそもなんでこんな記事を書こうと考えたのかというと、今の男子テニス界は未だかつてない状況にあるからなんです!
10年くらい前まではテニス選手のピークは20代という考え方が一般的で、30歳を超えたら大ベテランと言っても良いような感じで、いつ引退してもおかしくはない年齢でした。

30代を迎えてなお活躍する選手が増加

しかし今では30代を超えても一線で活躍する選手が多数存在しています。
昨年のクリスマス(2018.12.24)時点での世界ランキングTOP10には30代の選手が7人も!

今までは考えられなかったほど幅広い世代が同じフィールドに立って戦う状況となった男子ツアー。
この未だかつてない状況を世代分け(グループ分け)して考える事で、分かりやすくまとめようと思います。

いろんな世代をそれぞれざっくり解説。

BIG4
(Federer / Nadal / Djokovic / Murray )

男子テニス界はここ15年ほど、ほぼこの4人の独壇場でした。

・グランドスラム(GS)で歴代最多20勝を誇るロジャー・フェデラー (37歳)
・全仏12回優勝を誇る赤土の王者、GS18勝のラファエル・ナダル(33歳)
・鉄壁の守備と抜群のフィジカル/メンタルを持つGS16勝のノヴァク・ジョコビッチ(32歳)
・優れた戦術眼でポイントを奪うオリンピック2連覇、GS3勝のアンディー・マレー(32歳)

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直近10年、BIG4以外のGS優勝者は3人。

この4人を除くとこの10年間でGS優勝を果たした選手はわずかに3人
恐ろしいほどの独占ぶり。

一時引退の可能性を示唆していたマレーも、手術に踏み切り今はダブルスをプレー中。もうすぐシングルスにも復帰予定。
とにかくコンディションさえ崩さなければ、今後もツアーの中心はBIG4である事は変わらないでしょう!

それぞれが刺激しあう関係

それぞれが刺激しあい高めあう関係にあり、男子ツアー界を変えてしまったと言っても過言ではない存在。
おそらく、今後出場する大会数は最小限になってくるとは思いますが、だからこそ参戦する大会ではベストなパフォーマンスを発揮してくれる事でしょう。

ベテラングループ(30代〜)

30代に突入してまだなお活躍する選手が沢山いる、今の男子ツアー。

BIG4に一番近い存在だったのがスタン・ワウリンカ
ウィンブルドン以外のGS3大会で優勝。

Stan Wawrinka

怪我でランキングを大きく落としていたものの、再びTOP20目前。
爆発力がある選手なので、今後も大穴としてGSでの活躍が期待されます

美しく力強いバックハンド。


そして30代前半の選手たちもまだまだ活躍中。
ファビオ・フォニーニ
ケビン・アンダーソン
バウティスタ・アグート
ジョン・イズナー
ガエル・モンフィス
リシャール・ガスケ
ジョー・ウィルフライ・ツォンガ
etc….

特にフォニーニ、アンダーソンは30歳を越えてからキャリアベストのパフォーマンスを発揮。
今からBIG4のような存在になるのは難しくとも、特定の大会では台風の目になれるはず

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そしてさらに上の年齢のフェルナンド・ベルダスコ(35歳)、フェリシアーノ・ロペス(37歳)の2人も長く活躍中。
ナダルも含め、相変わらず層の厚いスペイン。

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ベテランといえば、超ビッグサーバーのイヴォ・カルロビッチ( 40歳)も活躍中。
長くツアーで戦い磨き抜かれたスキルや戦術はもちろん、選手の特徴が際立っているのもベテラングループの見どころ。
いかに今後も活躍を継続出来るかが焦点になって来ているグループです。

錦織世代

大変勝手ではありますが、錦織世代という区切り方をさせていただきました。
このグループは20代後半の世代、グランドスラムタイトルやランキングNo.1を十分に狙えると目されて来た選手たちです。
・2014年全米準優勝の錦織圭選手
・2014年全米優勝マリン・チリッチ
・2009年全米優勝ファン・マルティン・デルポトロ
その他にもミロシュ・ラオニッチ、グリゴー・ディミトロフ、ジャック・ソックといった選手たちが該当します。

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5、6年前の男子ツアーはこの年代が急速に力をつけて、BIG4の時代を終わらすのは彼らだろう!という期待感で溢れていました。
ところがどうでしょう。
今だにBIG4の牙城は崩せず、下の世代からの突き上げは激しくなり、上の世代もリタイアはせずに残り続けている状況。

一番苦しい世代に?

今一番しんどいのがこの世代だと思います。
錦織選手は日本人選手として異次元の活躍を続けています。
それはもうありえないくらいすごい事なんですが・・・その一方で、グランドスラムタイトルへの大きな期待感を背負わされている事も事実。
このままだと上にはBIG4、下からはティエムやズベレフといった勢力に板挟みにされるばかり・・・。
キャリア後半となり、どんな形での活躍を見せてくれるのかに注目です。

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錦織選手以外は背が高く、体格に恵まれた選手が多いこの世代。
怪我によってツアーを離れてしまう事もしばしば。
また大きな怪我はなかったものの、昨年以降ランキングを大きく落としている選手が多く今年が正念場のように思います。

若手グループ

完全に頭角を現したのがこの世代。
・ATP Finals を制したアレキサンダー・ズベレフ
・全仏2年連続準優勝、強烈なストロークを持つドミニク・ティエム
・今年一気にブレークスルーを果たしたステファノス・チチパス
この3人はいつグランドスラムで優勝してもおかしくない、そう期待させるだけのパフォーマンスを発揮しています。

Dominic Thiem

その他にも
・驚異の身体能力と(色んな意味で)爆発力を持つニック・キリオス
・トップ10入りを果たしたダニール・メドヴェデフ
・堅いストロークが持ち味のボルナ・チョリッチ
・新サーブ王候補のマッテオ・ベレッティーニ
・華のあるプレーが魅力のデニス・シャポバロフ
・全豪ベスト4にもなったチョン・ヒョン
・最年少TOP100のフェリックス・オジェ・アリアシム
といった選手たちが後に続いています。

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個人的には高い身体能力+オールラウンドな戦い方の出来てるアリアシムがイチオシ。
次に来るのは(たぶん)この選手だ!フェリックス・オジェ=アリアシム (Felix Auger-Aliassime)

10代から活躍していた選手たちも20代となり、いよいよツアーの中核を担っていく世代となって来ています。
この世代が活躍してこそ真の意味での「世代交代」と言えるのではないでしょうか。

どうなる男子テニス界?

ざっくりとですが、各世代の選手や現状を解説してきました。
各世代の今後の流れを予想してみました。

BIG4 → あと2〜3年は覇権を譲らず、TOPを独占しそう。誰かしらサプライズ引退もあるかも?引退以外、いまだに負けるイメージが出来ない。
しばらくはコンディション、モチベーションの維持が課題。
ベテラン → グランドスラムタイトル獲得は厳しそう。しかしダブルスも含め、今後も同等の活躍は期待出来るのでは?
錦織世代 → プレースタイル、戦術、チームの再考が行われる確率が高いのがこの世代。グランドスラムタイトル獲得の為、現状から更に前進するためのもう一手が欲しいところ。
若手世代 → 一番現実的なのはティエムの全仏制覇。来年勝っても全然おかしくはない。ズベレフはGSでの活躍にはもう少し時間が掛かりそう。チチパス、メドヴェデフ、アリアシムはハードコートならGSベスト4も可能性高し。

うーむ、やっぱり一番苦しいのは錦織世代の選手たちかな、と。
BIG4のように時代に名を刻む為には、もう一手なにかが欲しいのと、あとほんの少しの幸運さえ訪れればチャンスはあるはず。
しかしそのチャンスを若手世代がかっさらって行こうとしつつある現状。

全米に向けたハードコートシーズンに突入しつつありますが、いよいよ各世代間の戦いが激しくなってくる2019年後半戦。
どの世代が活躍するのか、注目していきましょう!