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錦織選手の戦績・スタッツを分析!強さの要因に迫る。[データ分析]

世界ランキング4位まで上り詰めた錦織選手。
今改めて、錦織選手の強さをスタッツ分析しながら振り返ります。

この記事のポイント

・錦織選手のスタッツを分析
・強さの要因を数字から導き出す
・コーチについても解説

スタッツから錦織選手の強さに迫る

ATP TOURのSTATSなどを参照し、錦織選手が世界トップクラスの選手として活躍出来ている要因に迫りたいと思います。

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錦織選手のプロフィール

最初に、改めて錦織選手のプロフィールと現在のコーチ達についておさらいしていきましょう!

名前
Name
錦織 圭
身長
Height
178 cm
体重
Weight
73 kg
出生地
Birth Place
島根県
Japan Shimane
居住地
Residence
アメリカ フロリダ州ブラデントン
Bradenton, FL, USA
コーチ
Coach
Michael Chang
Max Mirnyi

マイケル・チャンとマックス・ミルニーがコーチ

現在のコーチにはマイケル・チャン、マックス・ミルニーの2人が就任。
(長く一緒に活動していたダンテ・ボッティーニとは2019年終盤に契約解消となりました。)

マイケル・チャンは17歳3ヶ月というGS最年少優勝記録を持つレジェンド。ミルニーはダブルスで世界ランク1位、シングルスでも18位を記録した名選手。(2019年引退)

小柄ながら抜群のコートカバーリング、粘り強いストロークで世界のトップ選手となったチャン。
一方、今回新たにコーチへ就任したミルニーは身長196cm、強烈なサーブとボレーが持ち味・・・と、チャンとは対照的なプレイヤー。

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錦織選手と共通点の多かったチャンコーチとのケミストリーは上手く作用していたと思いますが、ここにミルニーが加わる事でどのような変化が起こるのか注目したいですね!
ツアーが再開した暁には、より攻撃的なネットプレーを織り交ぜた錦織選手のプレーが見れるようになるかも!?

錦織選手のラケットやストリングについては、以前の記事にまとめているので合わせてお読みくださいね!

1番勝率の高いコートは??

ここからは錦織選手のスタッツを分析していきます!
第5セットの勝率が1番良いっていうスタッツはかなり有名だと思うので、今回は別の切り口から考察してみました。

各コート別の勝率:クレーコートが1番勝率高い

ATPツアーではハードコート、クレーコート、グラスコートの3種類が使用されおり、錦織選手の各コートにおける勝率を一覧にしてみました。

サーフェス試合勝率 (勝敗数)
ハード67.8% (268-127)
クレー70.7% (94-39)
グラス62.5% (40-24)

1番勝率が高いのはクレーコートでした。
全米準優勝の印象が強く、ハードコートが1番勝率高いと考えていたのでこの結果はちょっと意外でした。

サービスゲーム:サーブ後のプレーが重要

クレーコートでの勝率が高い要因を、まずはサービスゲームから分析していきたいと思います。

キープ率:ハード・クレーで同水準

サーフェスサービスゲーム勝率
(ゲーム数)
ハード80% 
(4497)
クレー80% 
(1600)
グラス84% 
(846)

サービスゲーム勝率=キープ率ですね。
サーブでポイントが決まりづらいクレーでも、ハードと同水準のキープ率を残しています

エース&ダブルフォルト:クレーではDFが上回る

次はサービスエース、ダブルフォルトについて調べました。

サーフェスサービスエース本数
(1ゲームあたり)
ダブルフォルト回数
(1ゲームあたり)
ハード1346
(0.2993)
1028
(0.2286)
クレー306
(0.1913)
313
(0.1956)
グラス277
(0.5187)
178
(0.2104)

エース、ダブルフォルトの点から見ると、スタッツが良いのはグラス→ハード→クレーの順番。
コートの特性を考えると順当な結果ですね。
クレーではむしろサービスエースの取りにくさが目立ち、1ゲーム当たりのダブルフォルト数がサービスエース数を上回っています

それでもキープ率がハードコートと変わらないので、サーブ以降のプレーの強さがキープ率に貢献しているようです。

ブレークポイントセーブ率:クレーが1番良い

次に、自分のサービスゲームでブレークポイントのピンチになった時、どのくらいしのげるのかを算出。

サーフェスブレークポイント
セーブ率
ブレークポイント
回数
ハード60%2277
クレー65%901
グラス61%355

セーブ率が1番高いのはクレー。
先ほどと同じく、サーブだけでは決まりにくいクレーの方がセーブ率が高くなるという点から、錦織選手のストローク力の高さが伺い知れるスタッツとなっています。

リターンゲーム分析:ブレーク率上がるクレー

ではここからはリターンゲームのスタッツに注目していきます。

サーフェスブレークポイント
獲得率
ブレークポイント
回数
ハード41%3004
クレー43%1147
グラス41%475

ブレークポイントが来た時に、ポイントを取る確率が1番高いのはクレーコートでした。

サーフェスリターンゲーム勝率 
(ブレーク率)
ハード27%
クレー31%
グラス23%

リターンゲーム勝率(つまりブレークする確率)をみても、クレーが1番高くなっています。

サービスのキープ率はハードコートと変わらず、ブレーク率はそれ以上に高くなっているので、それだけクレーでの勝率が高まるのは間違いない結果に。

ブレークしたあとのサービスゲームが重要

テニス中継で解説の方が良く言うのが「相手のサービスをブレークしたあと、サービスゲームをキープするのが重要」というフレーズ。
みなさんも一度は聞いた事があるのではないでしょうか。
大会に出ている人なら、ブレーク出来た直後のサービスゲームでブレークバックされてしまった・・・そんな経験をしている人も少なくないはず。
(僕はだいたいブレークバックされてる気がする・・・)

2018年の動画になりますが、ブレーク後のキープ率について言及されているものがありました。

錦織選手のシーズン平均キープ率は81.4%で、当時のTOP10では最も低い数字。
しかし、相手のサービスゲームをブレークした直後のゲームは87.3%の確率でキープしており、その差は実に+5.9%。
TOP10選手の中で最も+が大きい選手となっています。
(フェデラーとアンダーソンはブレーク後にマイナスに変化。でも十分高いキープ率。)

重要な局面で、普段以上の確率でキープ出来る錦織選手。
まさにClutch Kei。

現TOP10比較:キープ率とブレーク率の両立

錦織選手がクレーコートで、ハードコートと同水準のキープ率ハードコート以上のブレーク率を持っている事が先ほどまでのスタッツで分かりました。

ここでは錦織選手と、現TOP10選手のクレーコートにおけるキープ率とブレーク率を一覧にしてみました。
(キャリア全体のスタッツとなっています。)

選手名キープ率ブレーク率
Djokovic8235
Nadal8543
Thiem8229
Federer8528
Medvedev7423
Tsitsipas8326
Zverev7829
Berrettini8520
Monfils7729
Goffin7532
Nishikori8031

錦織選手のキープ率&ブレーク率を両方上回っているのはジョコビッチとナダルの2人だけ!!
フェデラーやティエム、チチパスであっても、ブレーク率の面では錦織選手を超えていません。
錦織選手のスタッツの凄さが理解して頂けるのではないでしょうか。

体格やプレースタイルの近いゴファンと比較すると、リターンゲームのスタッツはほぼ同じ。しかしサービスキープ率は錦織選手が5%以上優れています。

まとめ:やっぱり勝負強い錦織選手

スタッツ分析を総括して行きましょう!
・勝率が1番高いのはクレー
・キープ率はハードとクレーが同水準
・ブレーク率はクレーが1番高い
・ブレーク後、普段以上のキープ率に向上
・キープ率とブレーク率が高水準で両立

色々な数字を持ち出して来ましたが、特にクレーでは錦織選手の強さが発揮されるという事が分かりました。

ミルニー加入でプラスαを求めてる?

ここで再びコーチの話になりますが、チームにミルニーを迎えたのは、ネットプレーなども含めたサービスからのポイント獲得率の向上、サービスキープ率の向上が狙いなんじゃないかと推測しています。

すでにストローク戦、特にリターンゲームでは高い水準のスタッツを残しているので、そこで更にキープ率が高まれば・・・期待は膨らみますね!!

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今回も最後までお読み頂きありがとうございます!
数字ばかりで読みづらい部分もあったかもしれませんが、錦織選手の今後の活躍を期待して記事にさせて頂きました。

みなさんは錦織選手にどんなイメージ持っていますか?
「ハードコートの選手だと思ってた!」とか「もっとこういうスタッツに注目したら?」など、コメントして頂けると励みになります!

またミルニー加入に関する感想などもお待ちしております!

それではまた次回!!