プロ関連

2020全米男子シングルス決勝を10倍楽しく観戦しよう!ティエムvsズベレフ

2人のプロフィールをおさらい

Embed from Getty Images
名前ドミニク・ティエムアレキサンダー・ズベレフ
年齢27
(1993.9.3)
23
(1997.4.20)
身長185198
体重7990
キャリアハイ
ランキング
3位3位
キャリア
タイトル
1611
今大会シード25

体型:従来型か、次世代型か。

体型にはかなり差があり、これまでのATPを牽引して来たフェデラーやナダルなどに近いサイズなのがティエム。

Embed from Getty Images

一方のズベレフは2m近いサイズがありながら、高い機動力とストロークを持っている次世代型の体型。メドヴェデフも198cm、チチパスが193cm、ベレッティーニが196cm、ハチャノフが198cmと、ATPの大型化が顕在化して来ています。

Embed from Getty Images

2000年代前半、大型で機動力のある選手と言えば193cmのサフィンくらいしかいなかったんですけどね・・・ここ3,4年でATPトップ選手のサイズ・フィジカルは大きく変化しましたね。

・従来からの体型っぽいティエム
・大型化を加速させている筆頭のズベレフ

使用ラケット:Babolat vs HEAD

使用しているラケットはバボラ・ピュアストライク18/20とヘッド・グラビティプロです。

ティエム躍進を支えたピュアストライク18/20

Embed from Getty Images

ティエムが使用しているのはピュアストライク18/20(2019年モデル)
ボックスとラウンドが組み合わさったような形状のフレームは、パワーとフィーリングを高いレベルで両立。
18/20の密なパターンは、強烈なスイングでもしっかりパワーを受け止めて高いコントロール性を実現するスペック。

Embed from Getty Images

2014年頃まではHEADプレステージを使っていたティエムでしたが、ピュアストライクに切り替えた2015年から一気に戦績が向上。
ティエムの近年の活躍の契機になったのがピュアストライクだったのです。

ズベレフ用に開発されたグラビティシリーズ

Embed from Getty Images

2019年に発売されたヘッドのグラビティシリーズ。
フレームが薄めでしなり感によるフィーリングに優れたラケットです。
ズベレフのために開発されたシリーズだと言っても過言では無いのですが・・・中身が実際にグラビティと同じ金型を用いたラケットなのかは微妙なところ。

Embed from Getty Images

以前はスピードシリーズを使っていたのですが、そもそもこのスピード自体が当時の市販品とは異なる形状。
なので現在も使用しているフレーム自体は同じで、デザインだけを変更しているのではないかと予想しています。
(女子のバーティも同じような感じですね。)

・ピュアストライク18/20を使うティエム
・グラビティプロを使うズベレフ

ストリング:ポリ単張 vs ハイブリッド

ストリングに関してはティエムがポリエステルの単張、ズベレフがナチュラルxポリのハイブリッドを採用しています。

ティエムはRPMパワーを単張で使用

表面を硬いコーティングで覆われているのがRPMパワーの特徴。
ストリンギングの際に(下手クソな)バイオリンのような不協和音を響かせるのが特徴。
ティエムのスイングパワーを受け止め、強烈なスピンボールへと変換する事が出来ます。
なおハイブリッドでは一気に滑りが悪くなる為、一般的なパワーのプレイヤーがハイブリッドで使うのには不向きです。

ズベレフはホークタッチとナチュラル

ある大会でのズベレフのストリング・セッティングがこちら。
縦にポリ、横にナチュラルを組み合わせたハイブリッドです。

ストリングテンション
HEAD
ホークタッチ 1.25
24kg
(約53ポンド)
バボラ
VS タッチ 1.30
25kg
(約55ポンド)

縦ポリx横ナチュラルの組み合わせはアンディ・マレーと同じ。
ストロークをコントロールしつつ、強烈な1発を打ち込むようなスタイルと相性が良いのかも。

・ティエムはポリのRPMパワーの単張
・ズベレフはポリxナチュラルのハイブリッド

ウエア:アディダス同士の戦い

2人とも着用しているのはアディダスのウエア。

Embed from Getty Images Embed from Getty Images

シューズは別モデルを使用

ティエムが使用しているシューズはソールコート(SOLE COURT)。
BOOSTミッドソールを採用し、高いクッション性と反発力を両立したモデルとなっています。

ズベレフはウーバーソニック2を使用。
市販品はすでに3までリリースされていますが、2も健在。
比較的軽量で、レスポンスに優れた1足です。

アディダス同士の決勝は2008年以来

Embed from Getty Images

グランドスラムの男子決勝がアディダス同士の戦いとなるのは、2008年全豪のジョコビッチvsツォンガ以来。
この時、ジョコビッチは初のGS優勝となりましたが、今大会も勝った方が初のGS優勝となります。

・2人ともアディダスを着用
・シューズは異なるモデルを使用
・アディダス同士の決勝は2008全豪以来

データから予想する決勝戦のアレコレ

ここからは2人の対戦を、過去のデータを参考にいくつか予想(考察?)してみました。
データを見れば全米決勝戦がより楽しめるはず!

Embed from Getty Images

H2H:ティエムが大きく勝ち越してる

2人の対戦成績はティエムが7勝2敗と勝ち越しています
直近の対戦ではティエムが3連勝中。
グランドスラムではティエムが3勝0敗
2020全豪で3-1、2018全仏で3−0、2016全仏3-1という内容でした。

ズベレフが勝利したのは2018年のATP1000マドリッド(クレー)の2-0、2016北京(ハード)の2-1。
データ上ではティエム優勢と言えます。

2019年のハードコートの戦いは?

2019年のハードコートでサービスゲームのスタッツを比較。

ティエムズベレフ
サービスエース187396
ダブルフォルト79203
1st サーブ確率65%67%
1st 得点率74%76%
ブレークポイント・セーブ率66%60%
サービスゲーム獲得率85%82%

ズベレフの方がエースもダブルフォルトも倍以上となっており、サービス自体の決定力、サービスへの依存度が高い印象。
ただブレークポイントをしのぐ確率とキープ率はティエムが上。

全米準決勝のスタッツがこちら。

ティエムズベレフ
サービスエース224
サービスウィナー14
ダブルフォルト38
ブレークポイント2/87/16
1st最速135mph
(216km/h)
139mph
(222.4km/h)
1st平均116mph
(185.6km/h)
127mph
(203.2km/h)

ティエムは接戦ながらストレート勝ち、ズベレフは5セットだったので数値に差があります。
ただ球速などを比較するとズベレフは平均でも200キロ超で、サーブ自体の球威で押し込んで行こうというスタイルに見えます。
(時々200km/hを超える2ndサーブを使う事もあります。)

5セットマッチの戦いはズベレフ優位?

フルセットマッチになった場合の戦績は以下の通り。
ティエム:63.8%(81-48)
ズベレフ:58.7%(74-52)
若干ですがティエムの方がフルセットマッチ勝率が上。

ただ5セットマッチに限定すると異なる結果に。
全米前までの5セットマッチの戦績は以下の通り。
ティエム:53.3% (8-7)
ズベレフ:68.4%(13-6)

5セットにもつれ込んだ試合ではズベレフの方が高い勝率を残しています。

ただティエムが5セットになってる相手はジョコビッチが多かったりもするので・・・どこまで参考になるかはなんとも。

・直接対決はティエムの7-2
・サーブ単体のスタッツはズベレフ優位か?
・サーブゲームのキープ率はティエムが上
・最高速度はズベレフが上
・5set勝率はズベレフが上

過去20年の全米オープンをデータで振り返る

Embed from Getty Images

ここからは全米オープンの過去データを考察していきます。

やはり勝負の鍵は1stセットを取れるかどうか

非常に重要になるのが『1stセットを取れるかどうか』という点。
過去20年の全米男子シングル決勝では、『1stセットをとった選手』の勝率は90%となっています。

1stセットを落としたところから挽回して優勝した選手は、20年の間にたったの2人だけ。

Embed from Getty Images

2009年にフルセットでフェデラーを破ったデルポトロ。

Embed from Getty Images

もう1人は2016年に3-1でジョコビッチを破ったワウリンカ。
過去20年では、1stを落として優勝した選手はこの2人しかいないのです。

しかも全米OPは他のGS大会と比べても1STセットを落とした場合の逆転劇が少ないのです。(過去20年分)

1st落として勝利
AUS7
RG6
WIM5
US2

コートの特性なのか、それとも観客の応援なのか・・・なぜか全米では1stを落とすと優勝の確率が非常に低くなる事が分かります。

2セットダウンからの勝利は60年以上前の話。

Embed from Getty Images

ズベレフがSFでやってのけた0-2からの逆転勝利。
全米決勝で0-2からの逆転劇があるのかを調べてみたところ・・・
1949年のパンチョ・ゴンザレス
1947年のジャック・クレーマー
なんと60年以上前まで遡らないといけない事が判明。

もしも0-2になった場合、準決勝のズベレフのような逆転劇が起こる可能性はかなり低そう。

・過去20年のデータを考察
・1stセットをとると優勝する確率90%
・1st落として優勝したのはデルポとワウリンカだけ
・他のGS以上に1st落とすと逆転するのが難しい
・0-2から優勝したのは60年以上前に遡る

実績ではティエム、プレッシャーが少ないのはズベレフか

色々と見てきましたが、ざっくりまとめると・・・
☑️ GS4回目の決勝であり実績ではティエム優位
☑️ プレッシャーが少なく思い切れるのがズベレフ
と言えるのではないでしょうか。

Embed from Getty Images

RGで2回、全豪で1回、FINALSでも1回と、決勝には行くものの優勝出来ていないティエム・・・今回は本当勝って欲しいと思ってますが、プレッシャーは少なくないはず。

一方のズベレフはこれまでGSでは思うような実績を残せていませんでしたが、2020年は連続して好成績を残しています。
対ティエムでは分が悪いものの、開き直って積極的なプレーが出来れば勝機はあるはず。
破壊力のあるサーブ、ストロークを持っているので、ティエムの安定感を打ち破れるのかどうかがポイントとなりそう。

決勝戦は9/14(月)の4:45からWOWOWで。

時差の関係で、放送されるのは9/14(月曜日)の早朝4:45からとなっています。
WOWOW独占中継となっているので、LIVEで観戦したい人は以下のリンクを要チェック!