2019年から全豪オープンの公式球として採用されたDunlop AO(Australian Open)をインプレッション・感想をまとめました!
スピードが乗りやすい、世界基準のテニスボールの登場です!
全豪オープン大会公式球がこちら
2019全豪オープンからボールはDUNLOP AOに。
2019年の全豪オープンから、大会で使用されるボールがダンロップ製品となっています!(テニスの四大大会「全豪オープン」とオフィシャルスポンサー契約を締結)
コンセプト:スピード感としっかりとした打球感
スピード感のある、しっかりとした打球感で、多様なプレースタイルに適応する高品質な試合球。
https://sports.dunlop.co.jp/tennis/products/ball/dunlopao.html
スピード感があるというのが大きなポイントですね!
国内大会で多く使われてるフォートは柔らかく重めでスピードが出しにくいタイプのボールなので、AOは対照的な製品となっています。
「軽くて良く飛ぶ」らしい・・・
以前の記事でも触れているのですが、実際に全豪オープンに出場しているトッププロから、このAOボールの使用感を直接聞く事が出来ました!
・打球感が軽い
・良く飛ぶ(飛び過ぎる)
・テンション10%増で対応
打球感は軽く、とにかく良く飛んでしまうとの事でした!
ストリングのテンション調整必須?
今までの大会公式球と感触が違うようで、調整に結構な苦労をしたそうです。
オーストラリアの気温の高さもあって、手応えは軽くて良く飛ぶ(むしろ飛び過ぎる)感触だったそうです。
最終的には、普段のプラス5〜7ポンド(+10%程度)で張り上げてアジャストしたとの事。
(※実際に話を聞いた選手は普段55P前後、全豪仕様は60P前後)
実際に使ってみた!軽くて飛びすぎた!
そして先日、ようやくオンコートでこのAOボールをテストする事が出来ました!
条件は以下の通り。
ラケット | バボラ ピュアストライク16/19 (2019) |
ストリング | ゴーセン AK PRO CX 1.30mm |
テンション | 45ポンド |
サーフェス | ハードコート (屋外) |
気温 | 30℃超 |
屋外ハードコートで30℃超、全豪オープン気分を味わうには最高のコンディションですね!
(暑すぎてヒートポリシー発動しそうでしたが。)
ストリングに関しては当日張りたて、いつも通り45ポンドです。
良く飛ぶからコントロールが難しい
結論から言うと、ボールが飛びすぎてコントロール出来なかったです。
ラケット側のセッティングも割と飛びやすい感じだったのも、完全に逆効果になってしまいました。
手応えは軽く、軽く振っても飛距離が出るように感じました。
バウンドしてからも減速が少なく、いつもより相手のボールに詰まってしまう場面が多かったです。
明らかにいつもの45ポンドでは緩すぎで、強めに打つとバックアウト、薄めに当てると持ち上げきれずネット・・・トラウマ級にボールをコントロール出来ない時間が続きました。
テンション調整は必須のボール
普段使っているボールや環境にもよりますが、AOを使う場合にはストリングのテンションや組み合わせなどは調整した方が良さそうです。
僕の場合だと、テンションを50ポンド前後したり、ポリとのハイブリッドにしてしっかりした打球感をプラスした方が良さそう。
2023.3.14追記:初めて実際の大会でAOを打ちました!
AOの登場から数年が経過した2023年3月、初めて実際の大会でAOを使用してプレーしてきました。
TTCのハードコート(デコターフ)、3月ながら気温は20℃に近い暖かさ、そして相手はIH上位進出校のエース・・・という要素が組み合わさり、バウンドの高さ・伸びを非常に強く感じました。
普段のフォートとは明らかに感覚が違うため、やはり若干ストリングの調整(※テンションを上げる/ゲージを太くする)を行わないと制御がしづらくなるかと思います。
比較:スピード感はBSのボールに近いかも
ここでは他のテニスボールと使用感を比較。
僕が普段から練習で使うようなボール(St.JamesやTOUR PROなど)とは完全に別物の感触でした。
近い感触を探すなら・・・ボールのスピードの出方はBRIDGESTONEのNX1に近くて、打球感はHEAD PROのあっさり具合が似てるかも。
互換性は低い。使う場面は当分無さそう。
いずれにしても、他のボールと比べると独特の感触は互換性低め。
使う時にはしっかりした調整をして臨みましょう。
と言っても、実際にAOボールを使うイベントや大会はほとんど無いでしょうから・・・あまり心配はいらないのかも(笑)
現状では、試合球に合わせてフォート/St.James、XT8/TOUR PROを使い回せばOKだと思います。
ボール変更の影響はあったか考察!
トッププロの激しい打ち合いにおいては、ボールの特性は戦績にも関わる要素の1つ。
全豪OPの優勝者(準優勝者)をおさらいしてみると、
<2016年>
ジョコビッチ(マレー)
ケルバー(S・ウィリアムズ)
<2017年>
フェデラー(ナダル)
S・ウィリアムズ(V・ウィリアムズ)
<2018年>
フェデラー(チリッチ)
ウォズニアッキ(ハレプ)
<2019年> ※ダンロップボール
ジョコビッチ(ナダル)
大坂なおみ(クビトバ)
<2020年>
ジョコビッチ(ナダル)
ケニン(ムグルサ)
どうでしょうか?
まだ2年しか経っていないのなんとも言えない所ですが・・・
強いストロークを打ち込める選手が優位になったような気が・・・するようなしないような!笑
まとめ:軽くて良く飛ぶAOボール
・DUNLOP AOテニスボールをテスト
・軽い打感で良く飛ぶ
・炎天下だと飛び過ぎるかも
・スピード感はNX1に近い印象
・打球感はHEAD PROに近い印象
・ストリング調整は必要かも
・他ボールとの互換性は低め