「ウイルソンの革命」として大々的にリリースされたクラッシュシリーズ。
今回はクラッシュ100をみっちりテストしてきました!
優れた操作性と驚異的なしなりによって、高いコントロール性能を実現したラケットに仕上がっていますよ!!
ウイルソン・クラッシュ:しなりと安定性
”ウイルソンの革命”と銘打った意欲作:クラッシュシリーズ。
ウイルソンのブレードシリーズのような「しなるフィーリング」と、ウルトラシリーズ並みの「安定性」を両立させたという事らしいです・・・そんなの本当か!?って疑っていたのは僕だけではないはず!笑
今回テストしてきたのは一番ベーシックなモデルであるクラッシュ100です。
クラッシュ100:スペック&外観
フェイス面積 | 100平方インチ |
重さ | 295グラム |
バランス | 310mm |
フレーム厚 | 24mm均一 |
長さ | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
スペックを見るとHEADのラジカルや、スリクソン・CX400あたりが競合機種となりそうな重量・バランス。
295g / 310mmと軽量かつトップライト気味の設計になっているので、操作性は高そうですね。
デザイン:意外とアリかも?
初めてデザインを写真で見た時には
他のシリーズとは異なる3色デザインも新鮮な印象。
ストリングパターンはオーソドックスな16 x 19。
ストリングの間隔はかなり広く、特にクロスストリングは上下いっぱいに広げられています。
センター付近も同じように目が荒くボールの引っ掛かりが良さそうな予感。
STABLE SMART (ステイブルスマート)
シャフト部分が内側が複雑な形状になっていて、STABLE SMARTと呼ばれる設計だそうです。
肉厚が場所によって異なり、これもしなり感を生み出す要素になっているようです。
フェイスの断面形状も6角形(台形?)で、HEADのスピードをボリューム満点にしたようなフォルムをしています。
単純なボックス形状よりもフレームがしなやかに動きそうな予感。
こうやって細かく見ると形状や構造は手が込んでいて、ウィルソンが力を入れて作ったモデルなんだろうなと感じましたね。
<打感>
24mm厚なのにボールが食いつく!
これまでになかった打感!
(※ストリングはヨネックスのポリツアープロの一本張り。)
1球目からはっきりと感じたのは・・・ボールとの接触している時間が長い!
ぎゅーっとボールが食いついている、乗っかっているような感触を十分に味わえました!
24mm均一というフレーム厚がありながらここまでボールが食いつくラケットというのは初めてかもしれません。
中厚系らしからぬ、しっとりとした打感
中厚以上のラケットだと金属的なカンカンとした打感・音がするものも多いのですが、クラッシュはとってもしっとりとした感触でした。(ストリングによってはしっとりを通り越して、べちゃべちゃするくらいです!笑)
インパクト時の手応えが軽すぎたり、ボールをすぐに弾いてしまったりするような事もなく、良い意味での「打ちごたえ」のあるラケットでした!
肘や手首に不安がある方でも、弾きの良いストリングと組み合わせて使えば快適にプレイすることが出来ると思います。
<ストローク>
パワーやスピンは思ったより普通。
打感はかなり特徴的だったクラッシュ100。
ここからはストロークにおける、パワーやスピン性能などにフォーカスしていきたいと思います。
24mmフレームにしては抑え目のパワー
球が食いつく・乗る感触が強い一方で、100平方インチで24mm厚というスペックのフレームとしてはパワー・反発力は抑えめに感じました。
ゆっくり振っている時はしなり感が気持ち良いのですが、頑張って速いスイングで打ち込もうとすると食いつきが良過ぎてボールがなかなか出ていかない!
ボールが出て行くまで若干の我慢タイム(笑)があるように感じました。(もちろんそれが良さでもあるのですが。)
同じ100平方インチ・24mm厚のCX4.0も打った事がありますが、CX4.0の方がインパクト時の弾きが強い印象でした。
スペックから想像するよりも楽じゃない・・・
クラッシュ100はスペックから想像するようなパワーや楽チンさは感じませんでした。
フレームのRA値が55とめちゃくちゃ柔らかくてしなるという事と、295g / 310mmとヘッドライトなのが影響してるかもしれませんね。
この2点の数字だけ見たら、しなるし軽いし・・・パワフルなラケットではないですよね。
クラッシュのツアーは310g / 306mmあるので、もしかしたらそっちの方が重さを生かしてしなりとパワーをいい感じで引き出せるのかもしれませんね!
スピン性能:普通
スピン性能に関してですが、普通です。
すごい掛かる、って事はないです。
ストリングの目が荒いのでスピンも結構掛かるのでは?と期待していた部分もあったので、その点では多少残念。
しなりがすごいのでスピン量の面では厳しいところもありますが、ボールに対してプレイヤー側の意図は反映しやすいんじゃないかなと思います。
フラットやスライスがオススメ
スイングはボールの食いつきを活かすように、フラットドライブや前に運ぶようなスイングをした方がボールに伸びが出ました。
しなりのおかげか、スライスも打ちやすいです。
一方で、ボールに強いスピンを掛けようとするスイングや、引っ叩くようなスイングだと思うようにボールが伸びてくれません。
そういう打ち方とはあまり相性が良くないのかもしれません。
<ボレー>
操作性が高く良い感触!
ボレーも打ちましたが、ストロークよりも違和感なく打てましたね!
まずは重量バランスが軽めなので操作性が高くて扱いやすい。
そして球持ちの良さがあるので、ボールのコントロールもしやすい。
中厚以上のラケットになると中には弾きが強すぎる・早すぎるせいで、コントロールが難しく感じるものもチラホラありますが・・・このクラッシュはそういったシビアさを感じる事なく、普通に打ちやすいラケットでした。
スライスからボレーに繋げるようなプレー
フラットなストロークを中心に、チャンスボールが来たらスライスで前に詰めてボレーで仕留める・・・そんなテニスがイメージしやすいですね。
最新シリーズのラケットではありますが、フィットするのはクラシカルなプレースタイルかもしれません。
しなりと安定性の両立というコンセプトは、ボレーの局面でより強く感じる事が出来ましたね!
<総合評価>
とても使いやすいコントロール重視のラケット!
かなり特殊な性質のラケットではありましたが、全体としては扱いやすいラケットでした!
ゆっくり打っても食いつき感・しなり感があるので、ボールをコントロールしやすかったです。
そして295g・320mmの重量バランスは操作性が非常に高いですし、ヘッドが軽い割りにはボールに打ち負けにくいというのは良いポイントです。
ボールの威力より、打った時のフィーリングやコントロールを大切にしている方にオススメしたいモデルです。
オススメプレイヤー:コントロール重視!
・扱いやすく、ある程度パワーのあるラケットを探している人
・コントロール重視で、丁寧なスイングでプレイしたい人
・スライスが打ちやすいのが欲しい人、ボレーが好きな人
・重たいラケットは嫌、でもボールの食いつきも欲しい人
ボールスピード / 回転量よりもボールコントロール、ボレーを含めた組立てで勝負したい人にはフィットしそうな予感。
ラケットが軽くて扱いやすいのに、しなりを感じる事が出来るので、中級プレイヤーや女性プレイヤーにもメリットが大きいかもしれませんね。
実際に一度試してみるべきラケット。
このラケットに関しては、スペック上の値が(良くも悪くも)参考にならないと思うので、実際に一度は打ってみてもらった方が無難かと思います。
打球感・フィーリングが好きかどうか、で判断して頂くのが良いと思います。
過去に販売された[ブリジストン・プロビームX-02]や、[トアルソン フォーティーラブBRTハイパー] といった超しなり系ラケットたち。
(かなりマニア向けのラケットでしたが。笑)
そいういったラケットを好きだった人には、クラッシュはフィットするんじゃないかなと思います。
特に男性プレイヤーで、より大きなパワーを求めるなら重量のあるクラッシュ100ツアーもアリですね。
「ウイルソンの革命」は続く。
いかかがだったでしょうか?
“ウイルソンの革命”と大々的に宣伝されたこのクラッシュ・シリーズ。
驚異的なしなり感を武器に、従来のラケットでは合わなかった人達に受け入れられているようですね。
その後も新機種投入によりラインナップが拡充し、自分好みのスペックを見つけやすくなりました。
“ウィルソンの革命”がどこまで進んでいくのか、今後も目が離せません。
正式発表前のダズル柄の方がカッコいいと思うんですけど、僕だけなんですかね?笑
柔らかい打球感:エクスカリバーもオススメ
柔らかい打球感を求める方には、TENXPRO XCALIBREもオススメ。
20mmの薄さで振り抜きも良く、クラッシュよりも打って戦いたいという方にオススメしたい1本です!
この他にもラケットのインプレをいくつも用意していますので、合わせてチェックしてみてくださいね!
→ ラケットインプレッション一覧