ジョコビッチが実際に使用しているラケットのスペック、ストリングセッティングについて調べました。
・ストリングはハイブリッドなの?
・市販品とどう違うの?
“Novak Djokovic” by Andrew Campbell Photography is licensed with CC BY 2.0. To view a copy of this license, visit https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/
<TOPICS>
ビッグ4のリアルなラケットスペックが知りたい!
10〜15年に渡り男子テニス界を席巻し続けている存在、それがBIG4。
ノヴァク・ジョコビッチ ( Novak Djokovic )
ラファエル・ナダル ( Rafael Nadal )
ロジャー・フェデラー ( Roger Federer )
アンディ・マレー ( Andy Murray )
この4人の圧倒的なパフォーマンスについては、みなさんご存知かと思いますのでここでは割愛。
市販品とはスペックが違う・・・
今回注目するのは、この4人が使っているラケットの実際のスペックです!
◯◯選手使用モデル!という売り文句は多く見かけますが、どうやら実際に使っているラケットは違うらしいじゃないか!という事で詳しく調べてみる事にしました!
今回はノヴァク・ジョコビッチが実際に使用している、ラケットのリアルなスペック、ストリングについてまとめました。
ノバク・ジョコビッチ
(Novak Djokovic)
今回パーソナルスペックを調べるのは、最強のディフェンスの持ち主ノヴァク・ジョコビッチのラケット。
Embed from Getty Images
一時期はランキングを落としてしまい、燃え尽き症候群か?と心配された時期もありましたが、2018年には完全に復活。
GSを複数勝利し、2019年のウィンブルドンではフェデラー相手にマッチポイントを握られたところからの逆転優勝。
あの正確なストローク、驚異的なディフェンスはどんなラケットから生み出されているのか?
詳しくチェックしてみました!
ジョコビッチ:市販品ラケット
HEADのHP上では、ジョコビッチの使用モデルはG360 SPEED PRO (スピードプロ)となっています。
市販されているG360 SPEED PROのスペックがこちらになります。
モデル名 | G360 SPEED PRO (市販品) |
フェイスサイズ | 100 平方インチ |
重さ (フレームのみ) | 310 g |
バランス (フレームのみ) | 315 mm |
フレーム厚 | 23 mm 均一 |
フレーム長 | 27 インチ |
ストリングパターン | 18 x 20 |
Stiffness | 62 |
G360になって、より広いユーザーが使えそうなスペックへと変化。
振り切れる人にはパワーとコントロールの両立が可能なラケットですね。
これらの市販品スペックを踏まえて、ジョコビッチが実際に使用しているスペックも比較していきます。
ジョコビッチ:パーソナルスペック
Embed from Getty Imagesそしてジョコビッチが実際に使用してるラケットに関する情報源はこちら。
Playing with Novak Djokovic’s Racquet
tennisnerd.comさんのページから参照しています。
実際に使っているラケットのスペック
モデル名 | G360 SPEED PRO (プロストック) |
フェイスサイズ | 95 平方インチ |
重さ (ストリング込み) | 353 g |
バランス (ストリング込み) | 324 mm |
フレーム厚 | ( 21 mm ) ※1 |
フレーム長 | 27.10 インチ |
スイングウェイト | 360 |
ストリングパターン | 18 x 19 |
Stiffness | RA60 |
グリップサイズ | 3 |
※1:調べても詳しい記載がなかったので推定です。
リキッドメタルラジカルがベースらしいので21mm前後かと思われます。
いかがでしょうか?
市販品とは全然スペックが異なる事が分かりますね!
というか、コスメ以外に共通する部分はありません。笑
フェイスサイズは95平方インチと小さめで、RA値も60と低めの設定。
しなやかさのあるフレーム、そしてコントロール重視のスペックなのが分かります。
所謂、プロストックと呼ばれるモデルで、市販品スピードプロとは全く別物。
HEAD契約のトップ選手は大体こんな感じで、市販品には大きく異なる仕様のラケットを使用しています。
ジョコビッチ復活を実現させたスペック変更!
またジョコビッチは一時期の不調から脱出するため、スペックの変更を行ったとのことでした。
・長さ:27インチ → 27.1インチへ延長
・重さ:359グラム → 353グラムへ軽量化
(スウィングウェイト:370 → 360)
・ストリングパターン:18×20 → 18 x 19へ変更
とスペックが変化しています。
これが大きかったのか、ラケットを変更した2018年中盤以降驚きの活躍ぶりはみなさんのご存知の通り。
本人もインタビューでラケットについて、
『ラケットのちょっとした変更が、僕たち(プロにとって)にはとても大きい事なんだ。』
と語っていたそうです。
このちょっとしたスペックの差が、ここまで勝敗にも影響するんですね!
使用しているグリップサイズは3。
HEADのレザーグリップに、オーバーグリップを2枚巻いているそうです。
1枚目のオーバーグリップは重ねずに巻き上げ、
その上に2枚目のグリップを通常の巻き方で重ねているそうです。
グリップにも強いこだわりを感じますね!
ジョコビッチ:使用ストリング
ジョコビッチの使用ストリングはハイブリッド仕様となっています。
モデル名 | テンション | |
縦糸 | バボラ VS TEAM natural gut (1.25mm) | 27~28kg (59~61ポンド) |
横糸 | ルキシロン アルパワー (1.25mm) | 26~27kg (57~59ポンド) |
縦にバボラのナチュラル、横にアルパワーという組み合わせ。
テンションは縦を60ポンド前後、横を58ポンド前後と、一般プレイヤーよりは高めの設定。
フィーリングやコントロール重視のセッティングとだと推測されます。
市販品ですがスピードXと組み合わせれば、もうほぼジョコビッチ!
2021年モデルも登場して、さらにシンプルで美しいデザインへと進化!
ライバル比較:ナダルは黄金スペック
対戦のたびにATP屈指のラリー戦が繰り広げられるジョコビッチvsナダル。
そのナダルが実際に使用しているラケットはアエロプロドライブをベースに加重したもの、そしてストリングはポリの1.35mm!
ジョコビッチとは対照的なセッティング!
またこれ以外にもトッププロのパーソナルスペックをまとめているので、合わせてチェックしてみてくださいね!
→ プロが実際に使用するスペック!(パーソナルスペック)
まとめ:コントロール重視のスペック!
いかがでしたでしょうか。
とにかく市販品とは全然違うラケットを使っている事が分かりましたね。
もしも全く同じラケットを手に入れられたら・・・
僕には使えないでしょうね(笑)
95平方インチに18×19、ストリングは60ポンド、SW:360~370なんてとてもじゃないけど振り切れない!
ジョコビッチが実際にしているラケットのスペックや形状をみると、少なくともスピードシリーズには同じような設計のものは見当たりません。
(プレステージTOURって事になりますかね?)
ジョコビッチが好きでSPEEDシリーズを買った人をガッカリさせていない事を願うばかりです・・・。
<おまけ>
市販品ならこれが近いスペックでは?
ジョコビッチのパーソナルスペックに近い市販品を探したら、プレステージツアーが良さそう!
ストリングパターンが18×19を採用しているレアなモデル。
重量はリードテープでカスタムして、
ストリングもナチュラル x アルパワー
で張ってみたらいい感じに仕上がりそうですね!
今回も最後までお読み頂きありがとうございます!
質問はもちろん、感想などもお気軽にコメントして頂けると嬉しいです。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!