HEAD EXTREME PRO (2024)

今回は2024年にモデルチェンジが行われたヘッド・エクストリームプロ(2024)をインプレッション。

淡いイエロー+透明なグロメット・バンパーは非常にデザイン性が良く、老若男女問わず好印象という人が非常に多いのが特徴ですね。

縦長のフェイス形状ということもあり、全体的にかなりスリムな印象のフレームになっています。

なかなかにお美しい。
スペック
モデル名 | EXTREME PRO |
フェイス サイズ | 98 inch2 (630cm2) |
重量 | 305g |
バランス | 315mm |
フレーム 厚さ | 22/23/21mm |
長さ | 27 inch |
ストリング パターン | 縦16 横19 |
CPI | 400 |
発売予定 | 2024年 6月 |
価格 | 税込 40,700 |
このエクストリームプロは従来のエクストリームツアー(EXTREME TOUR)から名称変更されたモデルなので、名前は変わりましたがスペック自体はこれまでと同じになっています。
(※以前は面100で315gのエクストリームプロというのも存在していましたがそれとは完全に別物ですね)

CPI400はややハード寄りの設定で、エクストリームプロ以外ではブーンプロやグラビティMP、ラジカルMPなどが該当します。
TennisWarehouseのデータによるとRA値は64で標準レベル、スイングウェイトはストリング込みでSW322なのでフレームのみだと推定290前後になりそうです。
【打球感】
剛性感と前作以上の減衰性を実現

ホークタッチが張られたものを打ちましたが、インパクトでのカッチリとしたフレームの剛性が感じられますね。
しなりやねじれは最小限、フレーム自体のたわみ感もほとんど感じないラウンド系らしい強さがあります。
ただオーセチック2.0世代に共通して感じられる減衰性の良さ、インパクトでのマイルドはこのエクストリームプロでも多少感じられ、ある程度硬さは感じるけど十分に快適なフィーリングを実現してます。
ここらへんの味付けはさすがのヘッド、っていう感じがしますね。
MPよりもクリアで分かりやすい打球感
100平方インチのエクストリームMPと比べるとPROのほうが面が小さくフレーム薄いんですが、実際に打ち比べてみるとPROのほうがクリアでハッキリとした打球感でした。
スペックだけを見るとPROのほうが柔らかく感じそうな雰囲気ですが、MPは面の大きさとグロメットの大きさが組み合わさりかなりホールド感が強く出るので柔らかく感じやすい、少しネガティブに言うならパワーロス感のあるフィーリングなんですよね。
外した時のサポートはMPには劣りますが、上手く捉えて打ち抜いた時のスピードは明らかにエクストリームPROのほうが上ですね。
【性能】
バランスの良さが1番の武器
スピン系コンセプトのラケットに分類はされますが、実際に使ってみると全体の性能バランスの良さが一番の武器なんじゃないかと感じましたね。
HEADのラケットって結構シリーズごとの個性やクセが強かったりするのですが、このエクストリームプロはややハードスペック寄りではあるもののクセがなくプレイヤーのスイングに素直に答えてくれるラケットだと思います。
弾道は上がりすぎず調整もしやすい
スピン系=高弾道という方程式を信じている人もいるかもしれませんが、それはこのエクストリームプロには当てはまらないですね。
弾道が自動に上がったりイメージよりも上がりすぎるようなこともなく、上げたい時にはしっかり上げられるっていう表現がピッタリ。
上がりすぎず調整もしやすい、ちょうど良い仕上がりですね。
初代エクストリームツアー(2020)はスイングウェイトも軽くとにかくヘッドがブンブン振れちゃう・暴れちゃうっていう感じがありましたが、今作ではSWも引き上げられたのかヘッド側に十分な重みが感じられ安定したショットに寄与してます。
反発力によるスピード感も十分
エクストリームプロはシャープな打球感とフレームの剛性感のおかげで、直線的に速いショットも打ちやすいですね。
そのスピードのあるショットをスピンをかけて収める・コントロールする、というイメージで運用するのがよさそうです。
フラットサーブや球速重視のスライスサーブも打ちやすく、ボレーでも反発力を活かしてコンパクトに当ててパンチを出しやすいのも好印象でした。
ややハードスペック寄りではある
スピードも出せてスピンや弾道の調整も十分可能、全体的に非常にバランス良く仕上げられているエクストリームプロ。
とは言えややハードスペック寄りのラケットであることは否めず、ある程度のスイングスピードを持ったプレイヤーでないとあまり武器となるショットやプレーが見出しにくい状況になる可能性もありますね。
HEADにはもっとハードスペックで難しいラケットはたくさんありますが、重みのあるプレステージ、シバけるグラビティ、よりパワーロスしにくいラジカル、という感じで個性が光るモデルが多いので特性さえフィットすれば意外と使えちゃったりするんですよね。
その点でエクストリームプロはHEADにしては素直すぎるというか優等生すぎるというか(笑)
ライバルより癖が少ないのが魅力
ライバルラケットとしてはVCORE98、ピュアアエロ98、SX300TOURなどスピン系を謳うものが一般的だと思いますが、実際にはEZONE98やFX500TOUR、T-FIGHT300Sなどのモデルも比較対象にはなってきますね。
そういったライバルたちと比べてエクストリームプロが秀でているポイントはクセの少なさだと思いますね。
打球感はシャープでありつつも快適性十分、ショットもスピードや回転量が直感的に調整しやすく対応力も高いです。
重さは違いますが非常に扱いやすかったG360ラジカルMPの後継機種と言っても良いくらい、オールラウンドにプレーしやすいラケットだと思います。
スピン系として期待しすぎると失敗しそう
このラケットの懸念点は”スピン系コンセプト”っていう言葉に対して過剰に期待している人が使った時に、なんかパッしないじゃんとガッカリされそうなところですね。
スピン系と聞くと高い弾道や普段以上のスピン量が自動的に得られると考えてしまう人もいると思うんですが、残念ながらエクストリームプロにそういう面でのサポートはないですね。
そういったスピン系らしい分かりやすいサポートを求めるのであればSX300(SX300LS)、ピュアアエロチーム、TF-X1などをチョイスしてもらうほうが失敗しないと思います。
【セッティング】
クセのないシンプルなストリング推奨
エクストリームプロを使うのであればストリングもクセのないシンプルなもののほうが合わせやすいと思いますね。
ポリツアープロやレーザーソフト、ファントムタッチやホークタッチなど柔らかさと飛びを良い感じにミックスしたスタンダードな定番ポリが無難かと。
弾道の上げやすさをプラスするならブラックコードやRPMチームなどホールド感が出やすいものが良いかもしれません。
ナイロンで楽しつつ打ち応えを出すならアスタリスタ・アーマードやブリオ、スピード重視ならアイコニック・オールやマルチフィールなどのナイロンもおすすめです。
まとめ:ヘッド・エクストリームプロ2024
・エクストリームPROはTOURから名称変更
・剛性感がありつつ十分快適な打球感
・MPよりもクリアでダイレクト
・性能バランスの良さが一番の武器
・弾道は上がりすぎず調整しやすい
・ライバルよりもクセが少ないのが魅力
・スピン系として期待しすぎはNG

アドブロ (コトウダマサト/TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年
・オールコートプレイヤー(自称)
・EZONE100(2025)使用中
・ラケット購入本数110本以上
・ラケット累計200本以上テスト
・ストリングは300パターン以上テスト
アドブロの詳しいプロフィール