車いすテニスプレーヤー:国枝慎吾選手
日本が世界に誇る車いすテニスプレイヤー、国枝慎吾選手(公式サイト)。
この記事では国枝選手のプロフィールから、使用しているラケット・ストリングについてまとめています!
国枝慎吾選手:プロフィール
生年月日 | 1984年2月21日 |
出身地 | 東京都 |
利き手 | 右 |
プロ転向 | 2009年 |
グランドスラム・シングルス通算23勝
グランドスラム大会におけるシングルスタイトル数は通算23勝。
<全豪:10回>
2007-2011(5),2010,2011,2013-2015(3),2020
<全仏:7回>
2007-2010(4),2014,2015,2018
<全米:6回>
2007,2009-2011(3),2014,2015
パラリンピックでは2008北京、2012ロンドンでシングルス2連覇を達成しています。
使用しているラケット:ヨネックス EZONE98
Embed from Getty Images国枝選手が現在使用しているモデルはヨネックスのイーゾーン98(EZONE98)です。
国枝選手と言えば、そのキャリアの多くをダンロップのラケットで戦ってきたのは有名。
キャリア中期の苦戦、肘の手術などを経て、2017年末にヨネックスとの契約を決定づけたのがこのEZONE98。
使用しているストリング:縦ナチュラルx横ポリ
Embed from Getty Imagesラケット | ヨネックス イーゾーン98 (EZONE98) |
縦ストリング | バボラ VS タッチ |
横ストリング | ソリンコ ハイパーG |
写真をからも分かる通り、ストリングはハイブリッドを使用中。
縦にはバボラのナチュラルストリング、横にソリンコのハイパーGを組み合わせています。
同じセッティングを試してみました!
国枝選手に近いセッティングで打ってみたくて・・・全部揃えました。笑
なお僕が揃えたセッティングは以下の通りです。
ラケット | ヨネックス EZONE98 (2020) |
メインストリング | バボラ VS タッチ |
クロスストリング | ソリンコ ハイパーG 1.25mm |
テンション | 45ポンド x 45ポンド |
※市販品で揃えています。国枝選手が実際に使っているアイテムに関しては、仕様が異なる可能性があります。ご了承下さいね。
聞いたところによると国枝選手のストリング・テンションは、54,55ポンドをベースに調整しているらしいです。
僕のスイングではそのまま同じテンションでは厳しいので(笑)、普段通りの45ポンドで張り上げました。
ホールド感は残しつつ軽やかな飛びとスピン
打ってみましたが、ナチュラルが入っている事によりボールをホールドする感触が結構あります。
それでいてボールがしっかり飛びスピンも掛かるので、全体的に使いやすく感じるセッティングでした。
ハイパーG単体使用時のはっきりした打球感が多少マイルドになり、腕への負担が減っているかなと思います。
車いすテニス独自の技術を支えるセッティング
今回、国枝選手と同じようなセッティングを試してみて、国枝選手がこの組み合わせを選んだ理由を、僕なりに(勝手に)考察してみました。
車いすテニスの特徴をおさらい
①車いすに乗って打つ必要がある
→スイングの軌道・フォームに制限が生じる
→ボールへの入り方にも制限があり、極端なライジングなども必要
②ルール上、2バウンドまでOK
→ポジションはより後ろ、ボールの勢いが無くなった状態から返球する場面もある
普段のテニスと大きく異なるのはこの2点です。
このセッティングを使うメリット
①パワーのあるスピンボールが打てる
スイングに制限があり、2バウンド後に打つ場面もある為、ボールのパワーを生み出す為にはラケット・ストリングのパワー、そしてバウンド後の伸びを出すためのスピンが必要となります。
EZONE98の反発力、ナチュラルストリングのパワー、そしてハイパーGによってスピン性能を高めているんじゃないかなと思います。
②食いつき感によるコントロール性能
2バウンドまでOKなので、球威はもちろん、精度の高いコントロールも求められるのがトップクラスの車いすテニスの世界。
瞬間的なインパクトから高いコントロールを実現するのに、EZONEのシャフトのしなり感、ナチュラルの食いつき感が貢献しているのではないでしょうか。
③腕への負担を軽減
肘の手術なども経験した国枝選手ですので、身体に掛かる負担を軽減する事も必要だったのではないかと考えています。
ヨネックス独自のアイソメトリック形状はスイートエリアが広めで、多少スポットを外して打った時もある程度許容してくれます。
またナチュラルは柔らかい打球感、振動吸収性などにより負担を軽減してくれます。
ポリ単体では負担が大きいので、ナチュラルを取り入れているのではないかと思います。
デメリット:時間経過と共に振動が増えるかも
このセッティングで合計6時間半ほどプレーしていますが、時間経過と共にちょっとインパクト後の振動が増えたかな?という感じがあります。
おそらくポリのハイパーGの影響なんじゃないかなぁと思います。
僕は振動止め使わないのが好きなんですが、このセッティングで最後まで使い切るなら振動止め使った方がベターかと。
国枝選手も振動止め使ってます!
ちなみに錦織圭選手と同じキモニーのクエークバスターです!
車いすはOXエンジニアリング製
最後に国枝選手が使用している車いすについてもちょっとご紹介。
車いすテニス用の車両と言えば大きく傾いた左右一対の車輪と、前後に設けられた小さなキャスターが大きな特徴。
国枝選手が使用している車いすは、千葉県にあるOXエンジニアリングという会社で製造されたものです。
まとめ:復活を支えたラケット・ストリング
それではこの記事のまとめです。
・国枝選手が使っているのはヨネックスEZONE98
・ストリングは縦にナチュラル、横にポリのハイブリッド
・メインストリングにバボラのVSタッチ
・クロスストリングにソリンコのハイパーG
・車いすテニスでは2バウンドまでOK。
・車いすに乗っているのでスイングに制限が生じる。
・これでパワーとコントロール、負担軽減を実現!
・このセッティングで復活を遂げ再び世界1位に!
いかがでしたでしょうか?
ATPのトッププロの道具を調べるのもいいですが、世界一の車いすテニスプレイヤーの道具からも、僕たちが参考に出来る点がいくつも見つかったのではないでしょうか!
この記事で紹介した商品一覧
↓ ラケットはヨネックスのEZONE98。中厚フレームに19mmシャフトの組み合わせは、パワーとしなり感が融合した1本。
↓ ストリングのメインにはバボラのナチュラルストリングVSタッチを。
黒色も展開されており、より締まった印象に。
↓ クロスストリングにはソリンコのハイパーGを。
切れ味の良いスピンボールを実現出来る多角形ポリストリングです。
↓ どうしてもポリの雑振動が気になる人は振動止めを使うのがベター。
より打感が落ち着いた方向になります!
錦織選手も使うこの振動止め、カラーバリエーションも多いので好みに合わせてゲットしましょ!