インプレッション・感想

プロスタッフツアー90 (Wilson ProStaff Tour 90) | ヴィンテージラケット・インプレッション

プロスタッフツアー90


使いこなせるかどうか・・・そんな問題を超えて愛してしまったラケット。
ウイルソン・プロスタッフツアー90を敢えて今紹介致します。

この記事のポイント

・フェデラーも愛用したツアー90をインプレ
・今のプロスタッフにはない90平方インチの使い心地とは
・17mmフラットのフレームからの反発力は?
・ヴィンテージラケットの実力をレポート!

プロスタッフツアー90はこんなラケット!

みなさん、こんにちは!
いつもは基本的に新製品・現行品の情報をお届けするようにしているのですが、今回は趣向を変えて僕の大好きなヴィンテージラケット情報をお届けします。

今回お届けするのがプロスタッフツアー90

ウィルソン プロスタッフツアー90
モデル名
Name
ウイルソン プロスタッフツアー90
(Wilson Pro Staff Tour 90 )
フェイスサイズ
Headsize
90平方インチ
(90 inch2)
重さ
Weight
315 g
バランスポイント
Balance
315 mm
フレーム厚
Thickness
17 mm 均一
フレーム長
Length
27 inch
販売時期
Released
2003 ~

今見るとゾッとするくらいハードスペックなラケットなんですが、当時の僕はこれが史上最高のラケットと思ってました。

プロスタッフツアー90はサンプラス用だった?

インターネット上に懐かしいものが。
Wilson Tennis 2003
発売当時のウイルソンのカタログがありました!
フェデラー、サンプラス、カナス、デント・・・掲載されている選手が懐かしい。
(今もフェデラーが現役なのがただただ感動。)

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元々サンプラスが現役続行するために従来の85平方インチだったラケットを、90平方インチに大きくしてパワーアップを図る・・・という話から生まれたのがこのプロスタッフツアー90でした。
このラケットこそが、その後も続く90平方インチモデルの先駆け。
結局のところ、2002年全米オープン優勝以降試合には出場しないままサンプラスは引退してしまいましたが。

プロスタッフツアー90でフェデラー時代が始まる

入れ替わるかのように、プロスタッフツアー90を手にしたロジャー・フェデラーが台頭

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2003年ウィルンブルドンで優勝、翌2004年全豪オープンもこのラケットで制覇しました!
その後のフェデラーの活躍については言うまでもないところですよね。

そんなドラマを生んだラケットなんですが、2004年以降はn-codeシリーズが登場したため、1年ちょっとでモデルチェンジという短命に終わりました。

プロスタッフツアー90のここが好きだった!

先ほども述べたように、今のテニスラケットからするとビックリするくらいのハードスペックラケット。

フェデラーのセンセーショナルな登場がこのラケットに憧れた大きな理由の一つですが(笑)、使っていて好きだった部分がいくつもありました。
  

90平方インチ・17mmフレームは空気抵抗が少ない

面が90平方インチと小さく、フレーム厚が17mmと極端に薄かったので、空気抵抗がとっても小さかったんです。
おかげでスイングがとってもスムーズ。
とっても気持ち良い。

特にスライスは空気もボールも切り裂くような快感。

トップスピンは全然掛かりませんでしたが、スライスの打ちやすさは今のラケットではなかなか出会えない素晴らしいものでした。
(良いボールだったかどうかは別問題ですよ?笑)

当時は日本スペックとUSスペックの2種類が流通していて、僕が持っていたのは日本スペックの315g / 315mmでした。
USスペックは確か340g / 305mm くらいの設計で、とてもじゃないけど手が出せませんでした。

真芯を捉えた時の柔らかさ

そもそもテニスラケットに「真芯」という表現を使うのもどうかと思う部分もあるのですが、少なくともプロスタッフツアー90に関しては間違いなく真芯としか表現出来ない感触がありました。
スイートスポットの本当に一番良いポイントを捉えた時の気持ち良さ・・・これはたまらんでしたね!

上手くボールを捉える事が出来ると、急に手応えが柔らかく軽く感じるようになります!
なのに放たれるボールは普段以上に伸びる・・・という、不思議(使いにくい?)ラケットでした。

「リラックスして、ボールを綺麗に捉える。」というのが、当時の僕がこのラケットを使いこなす為に常に意識していた事です。
まぁ試合では全くもって上手く行きませんでしたが!

このラケットを愛した故の弊害?

そんなわけでこのラケットが大好きだった当時の僕。
しかし、これだけハードなスペックのラケットを選んではいたものの、当時の僕は高校1年の終わり・テニス歴もようやく1年になろうかという頃でした。
簡単に言えば初心者がハードスペックに手を出した末路が今の僕です。
そんな僕が苦しんだ問題についてまとめました。

トップスピンの掛け方が分からず、スライスで繋ぐテニスに。

言うまでもなくプロスタッフツアー90はスピンが掛かりにくいラケットでした。
気付いた時には、すぐにスライスで繋ごうとするスタイルになっていきました。
バックはもちろんフォアハンドですらスライスで繋ぐこともありました。

初心者同士の試合ならスライスで繋いでも問題なかったのですが、格上を相手にするとすぐボロが出る出る・・・。
ほとんどトップスピンで打ち合う事がないシコラーへと豹変してしまうのでした。

30歳間近になった時、ピュアストライクを使うようになってようやくまともなトップスピンを打てるようになった気がします。笑
そのくらい根深い問題になってしまっていたのです。

そうだ!パワーのあるラケットに変えよう!
→感覚・性能違い過ぎて無理!!

部活に打ち込んだ10代、そして社会人となった20代。
当然練習量も落ち、もっともっと扱いやすいラケットを探すのは当然の流れでした。
しかし、そんな時にもプロスタッフツアー90に慣れてしまった僕。
他のラケットだとあまりにも感覚・性能が違いすぎて、上手くアジャスト出来なくなっていたのです。

プロスタッフの95平方インチモデルはもちろん、黄金スペックのラケットも試しました・・・ボールスピード・回転量は明らかにアップするのですが、これまでの感覚とかけ離れ過ぎ。
「え?このスイングでそんなボールになっちゃうの!?」と、疑心暗鬼状態。
自信を持ってボールを打つことが出来ませんでした。

プロスタッフが極端なスペックだったからこそ起きた問題、だったかなと思います。
(あとは僕自身の調整能力の低さも・・・)

おまけ:デザインとグリップの長さのトリビア

販売当時から使用していたから知っている、ちょっと細かい(いや、細かすぎる)トリビアネタをシェアしたいと思います!

実はフレームのデザインが2パターン存在

実はこのプロスタッフ、デザインが2種類ありました。
販売初期は下の写真ような[Wilson]の大きな文字は無く、DOUBLE BRAIDのマークがプリントされていました。

もし中古でTOUR90を手に入れて、シャフトにWilsonという文字がプリントされていなかったらそれは前期モデルです!
調べてもどうやら後期型(Wilsonの文字がある方)が数が多いと思われるので、前期型はレアな存在かも!

なんでロンググリップしたのかわからない

プロスタッフツアー90は本当に好きなラケットでしたが、本当に謎だと思うのが市販品はグリップがめっちゃ長い。笑
どう考えても両手打ち用の長さ。

それまでのプロスタッフ85平方インチも、フェデラーが使っていたラケットも、片手打ちがやりやすい短めのグリップだったので・・・市販品の異様に長いグリップは「なんでそうしたの!?」と思わずボヤいてしまう謎使用でした。

このグリップの長さは2世代後の、K six-oneになってようやく短いものに修正されました。
(ただ製品名からプロスタッフはすでに消えていました。笑)

まとめ:記憶に残る逸品でした。

なんでここで紹介するかというと、結構プロスタッフに近い感触があるからです。
・薄ラケに独特の振り抜きの良さ
・適度なしなり感
・黒主体のデザイン etc.
扱いやすさとしてはXCALIBREの方が断然上だと思いますが。
ベストなセッティングを探し出したいと思います!

プロスタッフツアー90が好きだったなら

プロスタッフツアー90はもうないけれど、近い感触のラケットを考えてみました。

まずはTENXPROのXCALIBRE。
20mmフラットのフレームに、しなやかであっさりとした打球感が魅力のラケット。

そしてもう1つはBRIDGESTONEのX-BLADE BX315。
芯のある打球感、しっかり感はあの頃のプロスタッフを彷彿とさせる1本。

この他にもラケットのインプレをいくつも用意していますので、合わせてチェックしてみてくださいね!
→ ラケットインプレッション一覧