テクニファイバー

T-Fight RS300インプレ|抜群の面安定性が生み出す扱いやすさ。テクニファイバー(Tecnifibre)ラケット

面安定性+競技者向けの仕上がり

T-FIGHT RS300

抜群の面安定性

バランスが良い性能

プレイヤー次第のラケット!

パワー
7
スピン性能
8
面安定性
10
扱いやすさ
8

ラケットが勝手にスピンをかける?飛ばす?

いきなりですがあなたに1つ質問。
『勝手にスピンが掛かるラケット』
『勝手にボールを飛ばすラケット』
『ラケットが修正をしてくれる』
こういったラケットを探していますか?

もしもそういったラケットを探しているのなら、残念だけれどはっきり言って今回のインプレは役に立たないでしょう。
ブラウザの戻るボタンを押すか、もっとパワフルなラケットのインプレ記事へと速やかに移りましょう。

でももしもあなたが
『意図を正確に反映出来るラケット』
『自分で好きに調整出来るラケット』

を探しているのなら、是非この記事を最後まで読んで欲しいのです。

T-Fight RS300はプレイヤーの最高の相棒になる可能性を秘めたラケットだから。

自動車で言う所のレースベース車両

少し話題はそれますが、自動車レースを見た事がありますか?
レースの種類によっては市販されている自動車がベースになっていて、様々な改造を施す事によって競技車両が製作されています。

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現在では非常に珍しくなりましたが、市販車でも種類によってはエアコンやオーディオなどの無駄な装備を全て省きチューニングを前提とした『レースベース』という車両が存在します。

T-Fight RSはまさにそのレースベースのようなテイストのラケット。

ノーマルでも使えない事はありませんが、特筆すべきポイントと言えるような性能はなく、良く言えばバランスが良いラケット、悪く言えばとても凡庸なラケット。

しかし、ストリングとの組み合わせ、重さやバランスなどのカスタムを施す事で、凡庸なバランスを超えてプレイヤーの期待に応える性能を発揮してくれるラケットへと成長するのです。

メドベデフも使用するT-Fight RSシリーズ

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メドベデフの活躍もあって、少しずつではあるものの再び注目を集め出しているテクニファイバー(Tecnifibre)のT-Fight RSシリーズ。
(※メドベデフはRS305を使用中)

前作XTCと比べて、よりシンプルなデザインとなり精悍さが増しています。
男女問わず使うことが出来るデザインと言えるでしょう。

スペック:T-Fight RS300(テクニファイバー)

フェイスサイズ
Head size
98平方インチ
重量
Weight
300 g
バランス
Balance
320mm
フレーム厚
Thickness
22.5mm
フラットビーム
フレーム長
Length
27インチ
ストリングパターン
Strings Pattern
16 × 19
グリップサイズ
Grip
2,3
RA66※
発売日
Released
2020年9月
価格
Price
¥33,000+tax
(※Tennis Warehouse参照)

今回購入したRS300はシリーズの基準となるモデル。
重量バランスは黄金スペックと同じ300g/320mmですが、98平方インチの22.5mmフラットビームという”ありそうで意外とない”スペックになっています。

(※RA値ですがチューニング時に計測を行った所、RA68でした!)

シャフトの形状は扁平な5角形に変化

フレーム断面形状は前作のボックス形状(4角形)から、扁平な5角形へと大きく変化しています。
剛性が高まる事で、ボックス形状よりもしなりやねじれに強くパワフルなボールを飛ばしやすくなっています。

打球感:ボックスぽさもあるがブレない

インパクトの瞬間、ボールが少し食いつてくれるような感触はボックス形状っぽいテイスト。

なのにとにかく面がブレない。

フレームがねじれたり、撓み過ぎるような事は無く、安定性・安心感はラウンド系にも通じる部分があります。

しっとり感があり、中空っぽさは感じない

手に伝わる感触はしっとりとしたイメージで、カンカンとした硬さや中空っぽさを感じる事はありませんでした。
シャフトは5角形で剛性が高いのですが、フェイス(フープ)まわりは上図のような扁平な6角形になっている事で自然でしっとりとした打球感やホールド感を生み出しているのでしょう。

打感比較:新旧ラジカルMPの中間

色んなラケットを打ってきましたが、T-Fight RSのボックスともラウンドともつかない打球感は結構表現が難しいです。

強いて言うのならG360ラジカルMP新ラジカルMP(プロトタイプ)を足して2で割ったようなイメージ。

T-Fight RS300はストリングのマス目が広いのでG360ラジカルMPと同じく食いつく感じがありつつも、フレーム自体はしっかりしていて面安定性やブレない感じが新ラジカルMPに近い感じ。

同じような打感のラケットが意外と少ないかもしれません。

性能:抜群の面安定性が全てを支えてる

ノーマルの状態で使って見ましたが、なんと言っても面安定性が抜群でした。
勝手にボールを飛ばしてくれるようなアシスト感はほとんどありませんが、この高い面安定性がストロークからボレーまでショット全般の打ちやすさ・安心感に繋がっています。

パワー:SWは十分あるので打ち負けにくい

300g/320mmの重量バランスですが、振った時の重み(=スイングウェイト:SW)はノーマルでもしっかり感じることが出来、面安定性もあってラリーでも打ち負けにくくなっています。

ハードでは無いけれどボールを弾き出すような感じも薄く、飛びの面でのアシストはまさしく±0。
プレイヤー側のスイングがそのまま素直にボール(球威)に反映されるラケットと言えます。

スピン:厚い当たりでも自然と掛かってくれる

比較的マス目の大きな16×19パターンを採用しているため、ボールの引っ掛かりや持ち上げやすさは悪くないです。

ストリングの種類によっても大きく左右されるとは思いますが、擦るようなスピンでは浅くなりがち。
厚めの当たりでも自然とスピンが掛かってくれるため、フラットドライブ主体で攻めて行きたいプレイヤーとの相性は良いでしょう。

取り回し:軽すぎず重すぎずちょうど良い

300g/320mmは黄金スペックのラケットと同じなので、ほとんどのプレイヤーが操作性の面で問題を感じる事はないはず。
スイングウェイトも軽すぎず重すぎず、ちょうど良い感じですね。
僕の感覚ではFX500(=SWが軽め)とピュアドラ2018(=SWしっかりある)の中間ぐらいのイメージ。

僕はほとんどのラケットで鉛テープによる加重カスタムを行いますが、T-Fightは最小限の加重で十分かも。

どのショットでも違和感なく打つ事は出来る

FX500ならフラット系サーブ、ピュアストライクなら厚い当たりのフォア、X-BLADE BX315ならスライスという感じに、僕の体力・技術だとラケットによって打ちやすいショットに差が出ます。
それがT-Fight RS300になるとどうでしょう・・・

どのショットも
違和感なく打てる

本当にこんな感じです。
なんだかメーカーの売り文句をそのまま言っているようで本当に嫌なんですが(笑)、事実だからしょうがない!

ストローク:厚い当たり打つべし

ストロークは厚い当たりで打つのが気持ち良いです。
ネット上1.5mくらいを通してベースライン近くに落ちるようなボールが1番安定させやすく、打ちやすく感じました。

SWがしっかりあるので、振りさえすればボールが飛んでくれます。
意外とスピンが掛かって落ちてくれるので、プレイヤー側としてはクリーンな当たりに注力すればOK。

ボレー:楽では無いけどコントロール◎

スイートエリアは特段広くはなく、弾きもそれほど強くないので、楽に打てる感じでは無いです。
ですが、フレーム自体が持つ面安定性によって安心感があり、コントロールしやすかったです。

弾きの良いストリング、細ゲージのポリ、ポリxナイロンのハイブリッドなど、ストリングを調整する事で十分改善出来ると範囲でしょう。

サーブ:1番技量が素直に反映される

ストロークやボレー以上に、スイングの強弱や良し悪しが素直に反映されるのがサーブでした。

ごまかし利かない。
これが自分の実力。

そんな事を思いながらプレーしてました(笑)
厚く捉えられればしっかりスピード出るし、スピンサーブも振り切ればちゃんと跳ねてくれます。
でも適当に打ったサーブは、ボールも適当な感じになります。
FX500とかピュアドラのようなアシスト感・スピード感を期待するのはやめて、トレーニングに勤しもう。

RS300の動画インプレもご用意しました!

1本目の動画はT-Fight RS300のファーストインプレッション!
アイスコードとの組み合わせで、エクストリームツアーとの打ち比べをしました。

2つ目の動画はストリングをTOUR XX スピン17に変更してヒッティングテストをしたもの!
ホールド感とスピン性能のバランスが非常に良しな組み合わせ。

そして2020年モデルの良い所も悪い所もまとめて解説したのがこちらの動画!
この中でもとにかく面安定性が高いのが秀逸・・・そんなT-Fight RSですね!

セッティング:体力に合わせたストリングを

ラケット自体の弾きやアシスト感は本当に必要最低限。
僕のような一般週末プレイヤーの場合、ストリングはある程度ハリがあって飛ばせるものを選んだ方が良さそうです。

山﨑郁美選手はアイスコードを42ポンド!

このラケットを買うに至った大きな要因の1つが、亜細亜大の山﨑郁美選手が使っているからという理由。
(ミーハーだって?否定しない。)

本人にお伺いしたのですが、テクニファイバーのアイスコード1.25mmを42ポンドで使用しているそうです。

という事で僕もアイスコード1.25mmを用意し、いつもと同じ45ポンドで張ってみましたが・・・打ち応えがあって良いけど結構しんどい!
体調が万全じゃないと性能を出しきれないなぁという印象。
(インカレ級の選手と一般人を比べたらあかん。笑)

レッドコードやPTプロが合いそう

比較的あっさりとボールを飛ばしてくれる、レッドコードやポリツアープロなどを選んでおけば失敗しにくそう。

ここは気になる:グリップが扁平!

テクニファイバーのグリップって実は結構扁平なんですよね
HEADの扁平パレットほどでは無いですが、なかなかの扁平率。

まずは写真のようなテーピングを使った調整が手軽なのでオススメ。
完璧を目指すならチューニングショップでのウレタン再成形なども視野にいれた方が良いかも。

ライバル:どれも似てないけど敵は多いかも

98平方インチ+300g/320mm+ボックス寄りの断面形状なので、スペック的に重複するラケットは意外と少ないです。
しかし、300g前後でオールラウンドな性能を持っているラケットという観点で考えるとライバルは多い!

プリンス TOUR100 (2020)
 →バランスと癖の少なさの最高峰
ヘッドG360+SPEED MP
 →振りやすさ、パワフルさが◎
ダイアデム NOVA100 (2020)
 →打球感は近く、アシストもある
バボラ PURE STRIKE 100
 →球威の出しやすさが凄い

などなど、ラケットを探す時にはT-Fight RSよりも先に目につく製品は沢山存在しています。

基本的な配慮が行き届いた設計も魅力

ライバル比較したらT-Fightは買うに値しないのか?と言ったら、全くそんな事は無いのです。
基本的な部分での配慮が行き届いた、地味だけれど非常に優れた設計がされています。

イージーアイレットはストリングもグロメットも傷めにくく、作業もしやすいスグレモノ。
バンパーは他ラケットよりも長く設計されており、フレームが傷つきにくく長く愛用するには非常にありがたい。
グリップは短めで片手バックハンドの筆者には凄くありがたい(笑)

(両手バックハンドでもう少し長さが欲しい人は、上部までオーバーグリップを巻く事で解決出来るはず。)

使い倒してなんぼ。
使い込んでなんぼ。
そんな言葉が似合うラケットなんです。

最後に:市場にも人にも媚びないラケット

2020年も色んなラケットが販売されましたが、T-Fight RS300はその中でも”市場にも人にも媚びないラケット“と言える仕上がり。

パワーアシストはまさに±0という感じでスイングの強弱がそのまま反映されるし、打球感やスピン性能はストリングの特性が素直に感じられます。

しっかり打ち込めばコート深くに伸びる球が打てる、でもプレイヤーがサボればボールも失速します。
でもそんな媚びない素直なフィーリングこそが、長く愛用出来る信頼感にも繋がっているのだと感じました。

あなたもきっとこう言いたくなったに違いない。

俺んとこ来ないか?

(2021/1/1 追記)
2021年、ブリヂストンからラコステジャパンに取り扱いが変更されるに伴い、各種通販でも在庫状況が不安定になっているようです。
しばらくすればまた通常の在庫に戻るとは思いますが、すぐに手に入れたい人にとっては微妙な状況かもしれません。
今後も状況が変われば、改めて情報を追記させて頂きます。

今までのこんなセッティングを試してきました!