今回はBRIDGESTONEの競技者向けラケット:X-BLADE BX305のインプレをお届け!初代のX-BLADEのように、しなりにフォーカスした原点回帰とも言える仕上がりの1本!
X-BLADE BX305とは?
2005年に初代(PROBEAM X-BLADE)が登場し、2020年に15周年を迎えたX-BLADEシリーズ。
ブレード製法にグラスロービングを編み込むなど、独自の製法・仕様にこだわったラケットです。
X-BLADE BX305は2019年3月発売されたモデルで、ブレード製法を継承。さらに新しい素材や設計をプラスし、しなり感に優れた1本に仕上がっています。
スペック:X-BLADE BX305
モデル | BRIDGESTONE X-BLADE BX305 |
フェイスサイズ | 98平方インチ |
重さ | 305 g |
バランス | 315 mm |
フレーム厚 | 21mm |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
フレームのしなりによるホールド感を追求した技巧派プレーヤー向けトップモデル。
https://www.bs-tennis.com/xblade_bx/lineup.html
305g/315mmはVCORE98やCX200と同じスペック。
各ブランド、競技向けスペックのラケットに採用している重量バランスなので、BRIDGESTONEがどう味付けをしたのかが気になるところ。
採用テクノロジー:ホールド感アップの機能搭載
X-ブレード製法 | 筒状に編み込まれたカーボン繊維で製造。 ホールド感・マイルドな打球感を実現。 ねじれを抑制。 |
CGカーボンブレード | 24Tカーボンとグラスファイバーを使用。 伸縮性が高く、しなりとホールド感が向上。 |
パワースタビリティ カーボン | フェイス5・7時に高密度のカーボンを配置。 安定性能と高速スイングを実現。 |
レジツイストBフレーム | グロメットの溝を深くしたフレーム断面形状。 フェイスのたわみが大きくなりホールド感向上。 |
従来のX-BLADEを代表するX-ブレード製法はもちろん、新しい素材の追加+断面形状の変更など、こだわりの詰まった1本に仕上がっています。
ガッチリしたグロメット+ストリングパターンは共通
グロメットは幅もボリュームもあり、がっちりとした作りをしています。
打球感にも影響する部分なので、ここにもこだわりを感じます。
ストリングパターン、ストリングの間隔は300/305/315全て共通となっています。
セッティング:ブラックコード1.24mm
ストリング | ブラックコード 1.24mm |
テンション | (BSモニターラケット) |
張り方 | 1本張り |
総重量 | 330g |
カスタム内容 | ・オーバーグリップ1枚 ・振動止め無し |
ストリングはテクニファイバー・ブラックコード。BRIDGESTONEオンラインで当選したモニターラケットのため、詳細なテンションは不明です。
(だいぶ緩んでいると推察されます。)
オーバーグリップを一枚巻きましたが、それ以外は完全にノーマルで使用しています。
動画インプレ:305/315/300を打ち比べ!
315/305/300を打ち比べてきましたよ!
305はしっかりしなってホールド!でもちょっと軽すぎる気も。
打感:しなり感・柔らかい打球感
BX315の後に打ったのですが、同じくらいのしなり具合があり、柔らかい打感に仕上がっています。
305の方が軽い分、インパクト時の手応えが強く、ボールの抜けが遅い印象。ボールとの接触している時間が長く感じられるので、コントロールはしやすいと思います。
性能:扱いやすさ・コントロールのしやすさ◎
フレームのしなり、ボールの食いつき感が強いBX305。
重量バランスは扱いやすく、プレイヤーの意図を反映しやすいしなり系ラケットに仕上がっています。
反発力:かなり抑えめ!もう少し重みが欲しい。
反発力についてはかなり抑えめの印象。
しなり・柔らかい打球感は快適ですが、スイングのパワーが素直にボールへと伝達していかない感じでした。
良いボールを打つには、しなりに負けないだけのスイングスピードを保つ事が必要ですね。
BX315は振り出しはしんどいのですが、重みでボールを飛ばしてくれる感触があったので意外と快適。305もウェイトチューンしたら良い感じに仕上げられると思います!
スピン:フラットドライブ向き
他のBXシリーズと共通、スピン性能はそれほど高くはありません。
しなりや食いつきを感じながら、厚い当たりのボールを打ち込んでいくスタイルにオススメです。
ホールド感もあるので、スライスもスムーズに打つことができます!
一方で弾道は上げにくく、ベースライン後方から高弾道で繋ぐようなショットには不向き。ボールが持ち上がり切らずに浅くなったり、推進力が足りずに相手を押し返せないかも。
操作性:非常に良い
305g/315mmの重量設計はストロークでもボレーでも快適。
定期的に運動している人であれば、問題なく扱える設計だと思
ダブルスや反射的なボレーで不安なく使えると思います。
ただ球威の面を考えると鉛テープによる荷重を検討する必要が出てくるかも。操作性との兼ね合いをはかりながら鉛テープで調整する、カスタムベースとしては最適な1本かもしれません。
データ比較:BX300/BX315/ピュアストライク
ここではBX300・BX315(いずれもブラックコード張上げ)、そしてメインラケットであるピュアストライク16/19(ナイロン張上げ)との違いについて触れていきます。
実際に打ってみた感触、ZEPPテニスセンサーで集計したデータの両面からまとめてみました。
BX300:スピンのかかり方に大きな差が
同じBXシリーズではありますが、300/305の差は大きかったです。
300の方が少ない労力でスピードが出てくれる、一方305はスピンが掛かるので思いっきり振っても収まる印象。
グラフを見ると305(青い丸)は回転数のバラツキが大きく、1700rpm以上にも多く分布。一方、300(緑色の丸)の回転数は1400-1600rpm前後に多く分布しており、スピードに変換されるエネルギーの割合が多いと推察されます。
BX315:重さでフラットなボールが伸びる?
305をベースにモディファイされたのが315。
重量・バランス以外の基本設計はほぼ同じフレームですが、305はスイングの速さ、315は重みによるエネルギーで球威を作り出すイメージでした。
基本設計が同じという事もあってか、グラフを見てもかなり似通った分布になっています。
操作性を優先するのなら305、インパクト前後の安定感や柔らかい打球感を優先するなら315がオススメ。
試合を考えるなら305をベースにウェイトチューニングしていくのが一番現実的な選択肢だと思います。
ピュアスト16/19 : ストリングの差も影響?
ピュアストライク16×19(バイオロジックXX128)と比較したデータがこちら。
回転量のばらつきが大きい305に対し、ピュアストライクは1700~1900rpmに多く分布しています。
メインラケットだから?ナイロンだから?理由はいくつか考えられますが、いずれにせよ安心して打てるのはピュアストライク。
BX305もストリングやバランスを突き詰めて行けば、回転量のばらつきも小さくなったりするのかもしれませんね。
まとめ:しなり+カスタムベース向きの1本
BRIDGESTONE X-BLADE BX305のインプレまとめです!
・しなり+柔らかい打球感
・305g/315mmは操作性が良い
・フラットドライブ向け
・良いボールを打つにはスイングスピードが必要
・鉛テープで重量カスタムが必要かも
・カスタムベースとしての伸び代は大!!
BX305はしなりが強く、僕のスイングスピードでは旨味を引き出しきれなかった印象。球が伸びなくてかなり苦戦しましたが、裏を返せば伸び代がたっぷり!笑
ストリングや重さなどを調整する楽しみを求める方はもちろん、実戦向きのしなり系ラケットに仕上げたい人にもオススメの一本ですね。
ゆったり大きなスイングでBX315を使う?
305とフレームはほぼ同じながら、発泡ウレタンの充填などで315g/320mmに変更されたのがBX315。
スイングスピードを引き出すのは本当に大変ですが、あえてゆっくり大きなスイングで安定したボールを作るのもアリかも!