COVER PIC:“Grigor DIMITROV (BUL)” by janmci is licensed under CC BY 2.0
Embed from Getty Images“BABY FEDERER”と呼ばれた才能の持ち主
Embed from Getty Images片手バックハンドからの多彩な展開力やオールラウンドなプレースタイルなど、フェデラーと多くの共通点を持つ事から”ベイビー・フェデラー“と呼ばれたのがグリゴー・ディミトロフ(Grigor Dimitrov)選手。
薄めのグリップの美しいフォーム+身体能力
Embed from Getty Imagesフォア・バックともに薄めのグリップから大きく振り抜くフォームが特徴です。
特にバックは近年ではかなり珍しいと言えるくらいのグリップの薄さで、フラットで引っ叩く感じの強いスイングになっています。
身体能力の高さ、とりわけ可動域の広さとバランス感覚に優れており、球際で大きく足を開きながら返球する場面も頻繁に見る事が出来ます。
ディミトロフのプロフィール&キャリア
Embed from Getty Images名前 | Grigor Dimitrov |
生年月日 | 1991年5月16日 |
身長 | 191cm |
体重 | 81kg |
出生地 | ブルガリア |
居住地 | モナコ公国 モンテカルロ |
プロ転向 | 2008年 |
コーチ | Dante Bottini |
最高ランク | 3位 |
通算タイトル | 8 |
身長はフェデラーより6cm大きい191cmですがフットワークも非常に素晴らしく、近年活躍している選手に多く見られる[高身長]+[高機動力]の要素を兼ね備えています。
錦織選手と長年タッグを組んでいたダンテ・ボッティーニ氏をコーチとしてしています。(2021年〜)
一時期の不調から再びトップ選手としての活躍を狙っています。
ジュニア時代:全仏・全英Jr.単制覇+1位を記録
Embed from Getty Images物心ついた頃にはすでにお父さんとテニスをプレーしていたというディミトロフ。お父さんはテニスコーチ、お母さんはバレーボール選手、正にアスリート一家。
ジュニア時代には2008年のウィンブルドンJr、全米Jrのシングルスで優勝。
ジュニアランキングも1位を記録し、正に次世代を担う逸材として期待される存在となっていたのです。
2008年プロ転向:ベイビー・フェデラーとして躍動
Embed from Getty Images2008年にはプロ転向し3つのフューチャーズで勝利をあげるなど、早速の活躍を見せ始めたディミトロフ。2011年にはランキングもTOP100を突破。
当時大幅に減少しつつあった片手バックハンドのトップ選手の流れを止めてくれる存在として、”ベイビー・フェデラー”と呼ばれ非常に大きな期待を集める選手として徐々に認知度を高めて行きました。
2013年:初タイトル獲得(ストックホルム)
Embed from Getty Images2013年にはストックホルムオープン(インドア/ハード)でツアー初タイトルを獲得。
同年末のランキングは23位までジャンプアップ。
GS大会でもシード選手として活躍をし始めるのでした。
WTAのレジェンド:マリア・シャラポワとの交際が明らかになったのが2013年頃。
テニス界のビッグカップルは最終的に2015年頃には破局となってしまうものの、2014年にはシャラポワが全仏制覇・ディミトロフはTOP10突破など、意外と(?)戦績的には悪くない時期を過ごしたのでした。
2017年:ATP FINALS 制覇
Embed from Getty Images2014年には8位まで上がっていたランキングでしたが、2016年には40位まで降下させてしまったディミトロフ。
しかし2017年には再び復調、自身初なるATP1000タイトル(シンシナティ)を獲得。最終戦であるFINALS出場を果たし、予選から無敗の5連勝で優勝を果たしたのでした!
未だGS制覇に届かないYoung Guns世代。
Embed from Getty Images2017年以降はパフォーマンスが安定せず、ランキングも一時は78位まで再び降下、2020年は20位前後で推移しています。
上の世代のBIG4は未だに存在感を失っておらず、一方で下の世代からはティエムやNextGenが大きく飛躍を遂げてきています。
ディミトロフを始め、錦織選手、ラオニッチなどは”Young Gun”と呼ばれた世代(今30歳前後)は、デルポトロ・チリッチ以外GSタイトルを獲得出来ずにいます。
今後新たにGSタイトルを獲得出来る選手が現れるのかが注目点となります。
ディミトロフ使用ラケットを振り返る!
Embed from Getty Imagesディミトロフの歴代ラケットを振り返って行きましょう!
Jr.時代はHEAD PRESTIGE MIDを使用。
Embed from Getty Imagesジュニア時代はheadのPrestigeを使用。おそらくMIDサイズ。
そしてウェアはアディダスとの契約でした!
[片手打ちとHEADプレステージ]
— アドブロ(ADVNTG.BLOG) (@ADVNTG_kotodama) June 23, 2020
ティエム
ワウリンカ
ディミトロフ
ガスケ
クエバス
ムゼッティ
ガルシアロペス
クエルテン
ハース
ベルロク
セバジョス
リスナール
フェルケルク
増田健太郎
片手バックハンドなら、とりあえず一度はプレステージなのかも(笑)
Adidas+Prestigeのディミが好きでした😂 pic.twitter.com/9ybdu2PG6T
片手バックハンドの選手の多くが使用してきたプレステージシリーズ。
片手打ちなら一度は使っておきたい名器でもあります。
プロ転向後Wilsonプロスタッフにスイッチ
Embed from Getty Images2010年にはウイルソンのSix-One Tour BLX90にスイッチし、ウェアもNIKEへと変化。正にベイビーフェデラーという出で立ちになったのはこの頃から。
ボールの弾道、フットワークなど非常に分かりやすい、至近距離から録画されているのがこちらの動画。
ディミトロフのしなやかさ、ワウリンカの力強さが良く分かる良い動画です!
2012:95平方インチのプロスタッフへ
Embed from Getty Images活躍の契機となったのは95平方インチプロスタッフを手にしたタイミングから。(Wilson PROSTAFF SIX.ONE 95)
プロスタッフらしさを残しつつパワーアップを可能にした絶妙な設計がディミトロフのプレーに非常にマッチしていました。
2014:ストリングパターンを18×17にスイッチ
Embed from Getty Imagesその後発売されたプロスタッフ95Sのコスメにスイッチしていたのですが、ストリングパターンが18×17のものに変更されていました。
(※市販品のプロスタッフ95Sは16×15のパターンでした。)
2015:プロスタッフ97Sへスイッチ
Embed from Getty Images2015年頃には97平方インチとなったプロスタッフ97Sへとスイッチ。
低迷し始めた戦績に対し、新しいラケットで打開して行こうという意志を感じられるスイッチでした。
市販品にも97Sが登場し18×17というパターンはディミトロフと同じ、さらに310g/335mmという重い上にトップヘビーというとんでもないスペックを採用。
(ほとんどの一般プレイヤーには恩恵よりもデメリットの方が大きいラケットでしたね・・・)
現在:PROSTAFF RF97ベースに18×17のSパターン?
Embed from Getty Images現在使用しているラケットはプロスタッフ97(RF)をベースに、ストリングパターンを18×17へとカスタムしたものだと思われます。
もちろん市販品には存在しないスペックとなっています。
やはり近代的なテニスに対応するべく、フレームの厚みによる剛性・パワーを取り入れようとした結果のチョイスなのではないかと思われます。
使用ストリング:ナチュラル+ルキシロン4G
Embed from Getty Imagesいつもお世話になっているTennisnerdさんの記事によると、メインにナチュラル、クロスにルキシロン4Gを組み合わせたハイブリッドのセッティングとなっています。
過去には錦織選手も採用していたハイブリッドですね。
硬さをある程度抑えつつも、しっかりパワーが伝えられる・・・そんなハイブリッドだと言えるでしょう。
まとめ:GSタイトル獲得出来るかに注目。
Embed from Getty Imagesいかがでしたでしょうか!少しでもディミトロフの魅力をお伝え出来ましたでしょうか?
錦織選手も含めてYoungGuns世代が一体いくつのGS優勝を飾るのか・・・と期待され続けた2010年代。しかし実際には2014USのチリッチが優勝したきりとなってしまっています。
かつてないほどに幅広い世代がエリートクラスのパフォーマンスを見せている現在のATP。
でも勢いに乗る事が出来れば、キャリアにひとつGSタイトルを加える事が出来るはず・・・と僕は信じています。
これからもディミトロフの華やかなプレーを楽しみつつ、応援していきましょう!