テニスの中でも美しさを感じる技術の1つが片手打ちバックハンド。
Embed from Getty Images美しいと同時に、力の入りにくさなどの問題から難しいショットの1つでもあります。
片手バックハンドを上手く打つには、片手バックハンドに適したラケットを選ぶ事が大切。
・片手バックが打ちやすいラケットとは?
→ATP選手使用モデルも分析
・一般プレイヤーでも扱えるラケット5選を紹介
・パワー/スピン/振り抜きのバランスが良いモデル
この記事では、片手打ちバックハンドに適したラケットの条件を考察するとともに、オススメのラケットをご紹介させて頂きます!
片手打ちに合うラケットってなに?
今回は『片手打ちバックハンドに適したラケット』について考察していきます。
僕個人はテニス歴は18年以上、ほぼずっと片手打ちバックハンドでプレーしてます!
正直に言えば、片手バックハンド(特にトップスピン)はそれほど得意ではなく、その日の調子によって出来が左右されがちなショット。
また、道具による影響を最も受けやすい=道具による恩恵も最も感じやすいのも片手バックハンド。
ですので、ラケット選び(+セッティング)がめちゃめちゃ大切なショットなんですよね!
経験上、片手バックが打ちやすいラケットの特徴はこれ。
これまでの経験から片手打ちがやりやすかったラケットの特徴をまとめました。
・フェイス形状が縦長
⇨ 片手でも振り抜きやすい
⇨ 面がブレにくい
・27インチの標準レングス
⇨ 振り抜き+操作性の良さ
⇨ 正確なインパクト
・重め+トップライト
⇨ 振り抜き+球威の出しやすさ
⇨ 大きなスイングがしやすい
・多少しなり感があるフレーム
(RA高すぎない)
⇨ しなりがあった方がコントロールしやすい
⇨ 両手よりスイングが大きいので相性良し
はい!これがオススメのラケットの特徴です!
・・・と言っても説得力足らないですよね?笑
という事で、次の項目では片手打ちのトッププロのラケットを調べましたよ!
トッププロの片手打ちに学ぶラケットの選び方!
現在のATPトップ100の片手打ちバックハンドの選手10人のラケットを調べました!
調べたのは3つの要素。
(1) フレームの断面形状
→ BOX系/中間/ラウンド系の3つに大まかに分類
(2) フェイス形状
→ 縦長(気味)/中間/丸型(気味)
(3) テーパーの有無
→ フレーム厚がフラットor変化
選手名 (ラケット) | 断面形状 | フェイス形状 | テーパー (厚さ) |
ティエム (ピュアストライク) | 中間 | 縦長気味 | 有り 21~23 |
フェデラー (プロスタッフ) | BOX系 | 縦長気味 | フラット 21.5 |
チチパス (ブレード) | BOX系 | 縦長 | フラット 21 |
シャポバロフ (ブイコア) | 中間 | 縦長 | 有り 20~21 |
ディミトロフ (プロスタッフ) | BOX系 | 縦長気味 | フラット 21.5 |
ラヨビッチ (プロスタッフ) | ラウンド系 | 縦長 | フラット 22 |
エバンズ (プロスタッフ) | ラウンド系 | 縦長 | フラット 22 |
ガスケ (エクストリーム) | ラウンド系 | 縦長 | 有り 21−25 |
クエバス (プレステージ) | BOX系 | 縦長 | フラット 21 |
コールシュライバー (プロスタッフ) | ラウンド系 | 縦長気味 | フラット 22 |
傾向:フェイスは縦長気味+フラットビーム
フレームの特徴としては、フェイスが縦長気味+フラットビームのものが多い!
フレームの断面形状はBOXもラウンドも両方ありますが、フェイス形状が丸いタイプの選手はほぼなし。
Embed from Getty Imagesフェデラーとディミトロフ以外が使うプロスタッフは、Six-Oneベースでラウンドっぽいフレームになっています。
Embed from Getty Imagesまた、フレーム厚が23mmを超えると推察されるのは、エクストリームを使うガスケぐらい。
(初期インスティンクトベースなので、おそらく25mm程度)。
あまり厚いフレームを使う選手は多くないようです。
特徴を満たすラケットをピックアップ
トッププロのラケットから見えてきた特徴が以下の3点。
・フェイスが縦長形状
・フレーム厚は主にフラットビーム
・フレーム厚23mm以下
ここに僕自身の経験を踏まえて、打ちやすいモデルをピックアップしてみました。
ウイルソン Prostaff(プロスタッフ)シリーズ
まずオススメしたいのは、トッププロも多く愛用しているプロスタッフシリーズ。
Embed from Getty Images色んなモデルが展開されているプロスタッフシリーズ。
弾きとレスポンスに優れたフレームは、片手打ちでもスピード感のあるショットを打ちやすいのが特徴!
以前の仕様を継承したプロラボも登場しています。
意外とPROSTAFF97Lが狙い目かも!
フェデラーの活躍で非常に人気のある最重量級のプロスタッフRF97、扱いやすさとパワーのバランスの良い315gの97/97CV、この2つが人気モデルだと思います・・・
十分な筋力・高い技術を持っている人であればこれらのモデルでも全然良いのですが、片手打ちの一般プレイヤーにオススメしたいのはプロスタッフ97L!
モデル名 | プロスタッフ 97L |
フェイスサイズ | 97平方インチ |
重さ | 290g |
バランス | 325mm |
フレーム厚 | 23mmフラット |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
290g/325mmの重量バランスは扱い易く、スイングスピードを速くしやすい!
23mmフラットのフレームは、コンパクトなスイングでもボールスピードが出る!
『プロスタッフは重たいもの!』というイメージを気にしないのであれば(笑)、この97Lが1番戦闘力が上がるかも!
ヘッド Prestige(プレステージ)シリーズ
現在のTOP100には多くないものの、さかのぼると多数の片手打ち選手(現役含む!!)が愛用していたのがこのプレステージシリーズ。
[片手打ちとHEADプレステージ]
— TRUEMAN@アドブロ(ADVNTG.BLOG) (@ADVNTG_kotodama) June 23, 2020
ティエム
ワウリンカ
ディミトロフ
ガスケ
クエバス
ムゼッティ
ガルシアロペス
クエルテン
ハース
ベルロク
セバジョス
リスナール
フェルケルク
増田健太郎
片手バックハンドなら、とりあえず一度はプレステージなのかも(笑)
Adidas+Prestigeのディミが好きでした😂 pic.twitter.com/9ybdu2PG6T
今は別メーカーを使ってるあの選手も、この選手も以前はプレステージを使っていたんですね!
使いやすいSモデルもオススメ!
最初に紹介したプロスタッフと同じように、プレステージも多数のモデルを展開中。
基本的にはハードスペックなのがプレステージの特徴ですが、プレステージS(エス)は扱いやすさを大幅に向上させたモデル。
モデル名 | プレステージ S |
フェイスサイズ | 99平方インチ |
重さ | 295g |
バランス | 325mm |
フレーム厚 | 21.5mmフラット |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
295g/325mmという絶妙なバランス、21.5mmフラットの組み合わせは、プレステージ感を残しつつも実戦でも扱いやすい優等生。
今まで『プレステージを使いたかったけどハード過ぎて・・・』と感じていた人には、ベストな1本になりそう!!
厚い当たりで打てるならPROも良いかも。
Sほどの扱いやすさはありませんが、厚い当たりで打ち抜ける人であればプレステージプロもおすすめ。
プレステージらしさを残しつつも、剛性感のあるフレームはパワーを無駄なく伝達してくれます。
無論、プレイヤー自身のパワーがないとしっかり飛ばすのが難しいラケットなので敷居は少し高めかと・・・
ヨネックス VCORE(ブイコア)シリーズ
異次元のバックハンドを持っているシャポバロフが使うのがヨネックスのVCORE(ブイコア)シリーズ。
モデル名 | VCORE 98 |
フェイスサイズ | 98平方インチ |
重さ | 305g(G) 285g(LG) |
バランス | 315mm(G) 325mm(LG) |
フレーム厚 | 22-22-21mm |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
カッチリとした剛性感、振り抜くほどにパワーが出るレスポンスの良さが魅力のVCORE98。
インプレ記事もありますので、詳細が気になっている人はぜひチェックを!
ワウリンカも実質VCOREシリーズ・・・
ATPでも屈指の破壊力をもったワウリンカの片手バックハンド。
Embed from Getty Imagesブイコアプロを使ってるとされていますが、実際の中身は初期ブイコア!
ヨネックスの片手打ち = ブイコア、と言えるかもしれませんね。
バボラ ピュアストライク(ピュアストライク)シリーズ
ドミニク・ティエムの活躍により、人気を大きく伸ばしたのがこのピュアストライクシリーズ。
Embed from Getty Imagesボールの食いつき感、ボールの引っかかり感が強く、片手打ちバックハンドでもトップスピンをかけやすいのが特徴!
16/19・100どっちもオススメ
ピュアストライクシリーズも複数モデルありますが、305gの16/19、300gの100はどちらもオススメ。
16/19は305g/320mmの重みによるパワーが出しやすい事、センターで少し密になっているストリングパターンによるクリアな打球感が魅力。
300gの100はより反発力を高めたモデル。
よりも荒いストリングパターンによってボールの引っかかり感が強く、スピードと回転量を高めやすいスペックになっています。
僕もピュアストライクユーザーなので、片手バックハンド仲間の皆さんにもオススメしたい一品です(笑)
ヘッド G360+エクストリームツアー
Embed from Getty Images2020年、ツアー再開後に破竹の勢いで勝利を重ねている18歳のロレンツォ・ムゼッティ。
ツアー中断まではプレステージPROを使用していたのですが、新規追加となったエクストリームツアーへとスイッチ。トップ選手とも互角に打ち合い、ローマ大会では錦織選手を撃破。
振り抜ける!スピンが掛かる!かなりオススメ!
ピュアストライク16/19とほぼ同スペックながらより操作性が高く、振り切ってもよし、当ててコントロールしてもよし・・・と、外見からは想像もつかないほど素直でクセのない使い心地のラケットになっています。
オールランドに戦いたい片手バックハンドユーザーにオススメしたい1本ですね!
ムゼッティが使ってるから・・・なんていう不純な動機で購入した今作ですが、すっごい使いやすい優等生ラケットでビックリです(笑)
片手バックハンドに適したラケット|まとめ
・片手打ちバック向きのラケットを考察
・トッププロのラケット選びも参考に!
・レスポンスの良いプロスタッフ
・多くの片手打ちに愛されたプレステージ
・カッチリした剛性のあるブイコア
・パワーとスピンのピュアストライク