テニス

[片手打ちバックハンド]男子テニスにみる片手打ちの進化と衰退。

TOPICS
・2019FINALSはチチパスが優勝
・今を代表する片手打ちバックハンドの選手たち
  ・チチパス / ティエム / フェデラー / シャポバロフ / ディミトロフ
・時代は片手打ち or 両手打ち?
 - 実は片手打ちは減少し続けている
  - データから読み解く片手打ち
   - TOP100の比率の推移
    - Finals出場者からみる推移
     - フェデラー1人支えた続けた片手打ち
・今後の片手打ちの推移はどうなる?
 - あと5年は減りはしても増えなさそう
  - 10年後は大きく様変わりするかもしれない?
   - 好きという気持ちが原動力。

2019年ATP FINALSを制したのはチチパス

みなさんこんにちは。
先日行われたATP FINALS (男子ツアー最終戦)。
決勝ではステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas)が、ドミニク・ティエム(Dominic Thiem)をフルセットで破り初出場&初優勝という快挙を成し遂げました!

決勝戦が片手打ちバックハンド同士になるのは、2006年のロジャー・フェデラー(Roger Federer) vs ジェームズ・ブレーク(James Blake)以来13年ぶり。
昨年のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev)に続き、2年連続でNextGenと呼ばれる世代の優勝となりました。

ATPを代表する片手打ちバックハンドの選手達

チチパスやティエムの活躍もあり、2019年は片手打ちバックハンドの選手がよくニュースに登場した1年でした。
ATPを代表する片手打ちの選手たちの2019年をざっくりと振り返りましょう。

ステファノス・チチパス

・全豪4回戦でフェデラーを破り、最終的にベスト4まで進出
・今季3タイトル獲得
(マルセイユ、エストリル、FINALS)
・キャリアハイのランキング5位を記録
ステファノス・チチパスが使用するラケット / ストリングを調べてみた。[ウィルソンBLADEシリーズ]

ドミニク・ティエム

・全仏では2年連続となる準優勝
・今季5タイトル獲得 ※ジョコビッチと並び最多タイ
(インディアンウェルズ、バルセロナ、キッツビューエル、北京、ウィーン)
・インディアンウェルズ決勝ではフェデラーを撃破し、Masters1000初タイトル
・FINALS決勝初進出
ドミニク・ティエム使用ラケット&実際に使っているスペックが判明! | バボラ・ピュアストライク 18×20

ロジャー・フェデラー

・ウィンブルドンでは決勝進出し、優勝まであと1ポイントまで迫る。
・今季4タイトル獲得
(ドバイ、マイアミ、ハーレ、バーゼル)
・4年ぶりの全仏でベスト4へ進出
ロジャー・フェデラーが実際に使用するラケット・ストリング![BIG4のパーソナルスペックを調査]

デニス・シャポバロフ (Denis Shapovalov)

・年始の27位から、キャリアハイ15位へジャンプ(2019.11.4)
・ストックホルムでATPツアー初タイトル獲得

グリゴー・ディミトロフ (Grigor Dimitrov)

・一時ランキングを70位台まで下げるが、20位に復帰
・全米オープンではフェデラーを破りベスト4入り
・Masters1000パリではティエムを破りベスト4入り

時代は片手打ち or 両手打ち?

ここまで見てきた通り、片手打ちバックハンドを使う選手の活躍が印象に残った今シーズン。

じゃあ片手打ちの選手が増えたんだね???

こんなふうに感じた人もいたのではないでしょうか。
実は僕もなんとなーくですがこうやって片手打ち選手が目立っているのは、ツアー全体の片手打ちBH選手の数が増えたから・・・と思ってました。
ところが、数字を調べてみるとどうやら違うみたいなんです。

実は減少傾向にある片手打ち

先日、データ調査の結果をツイートした内容がこちら。

(参照記事:https://www.atptour.com/en/news/federer-tsitsipas-future-one-handed-backhand-2019

約20年前にはTOP100に43人いたにも関わらず、今ではわずか14人に減少してしまっているのです。(2019.11.11時点のランキング)
ニュースに登場する選手に片手打ちが多かったものの、大きい視点でみると明らかに減少傾向にある片手打ち。

TOP100でも偏りのある片手打ち比率

2019.11.11のランキングTOP100を元に、3つのグループに分けて片手打ち比率を算出したのが以下の表です。

順位片手打ち人数
1 – 206人
(30%)
21 – 503人
(10%)
51 – 1005人
(10%)

1~20位では30%いる片手打ちが、21位以降では約10%まで減少という結果に。
強い片手打ち選手がTOP20に集中していて、相対的に比率が高いように見えるだけの状態のようです。

フェデラー1人で支え続けた片手BH

そしてもう次に調べたのが、年間上位8名で行われるATP TOUR FINALS (Masters Cup含む)の出場した選手のうち、片手打ちが何人いるかというデータ。
今回は2000年から2019年までの20年間のリストから抽出しました。

2000
3人
2001
2人
2002
2人
2003
1人
2004
3人
2005
3人
2006
4人
2007
3人
2008
1人
2009
1人
2010
1人
2011
1人
2012
1人
2013
3人
2014
2人
2015
2人
2016
2人
2017
4人
2018
2人
2019
3人

20年間に6回、片手打ち選手が1人しかいない年がありました。
そしてその全てがフェデラーのみの出場だったのです。
特に08~12年の5年連続でフェデラーのみのだったのは、片手打ち選手の衰退がはっきりと現れた時期でもありました。
もしもフェデラーが出場していなかったら・・・おそらく全員が両手打ちBHになっていたはず。

コートで片手バックハンドを打つロジャー・フェデラー選手 (Roger Federer )

今後の男子ツアーでは片手打ちはどうなる?

ここからはこの先の片手打ちバックハンドの状況を予想してみようと思います。
果たして片手打ちは増えるのか、それとも減ってしまうのか・・・

この先の5年、減りはしても増えない

2019.11.11付のランキングTOP100には片手打ちの選手が14人います。

ティエム、チチパス、シャポバロフが20代ではあるものの、それ以外の10人はアラサー or 30代となっており、ベテランが非常に多いのです。
キャリアが長期化している傾向にあるとはいえ、引退する選手も出てくるでしょう。
TOP100圏外から食い込んでくる新しい選手も現れるかもしれませんが、それが5人・10人というような規模で起こるとは考えにくいですよね。

これから先の5年、片手打ちバックハンドを使う選手は減りはしても大きく増える事はなさそうな状態と言えそうです。

10年後は大きく変わるかもしれない?

ただ10年後は状況が変わるのでは?というのが僕の予想。
今、勢いを増している10代・20代の片手打ちバックハンドの選手の多くがフェデラーに憧れて片手を選んできた世代。

その世代が片手打ちで高いパフォーマンスを発揮し続けていけば、今のジュニア世代が片手打ちを選ぶ比率も変わってくると思うのです。
今、8~10歳くらいのジュニアたちが片手打ちを選んだとして、18~20歳になる10年後に今のNextGenのように頭角を表してくるんじゃないかな・・・という予想。

好きという気持ちが原動力に。

習得のしやすさ、力の伝えやすさなど両手打ちのメリット・優位性は間違いないところ。
しかし片手打ちバックハンドの状況も変わってきているように思います。
・フェデラーの超(!)早いタイミング
・ワウリンカの一撃
・ティエム、チチパスのスピンの効いたボール
・シャポバロフのジャンピングショット etc…
10年前にはなかなか見れなかったボール、スキルが登場してきています。
両手打ちを凌駕する場面も沢山出てきました。

そしてなにより片手打ちバックハンド最大の魅力はその美しさ。
メリットとか理論的な話を超えて、僕たちを引き込むのはそういう部分なんだと思うのです。

片手打ちってすごいな!格好良いな!

僕も片手バックハンドにしたい!いや、するんだー!

こう思う人が少しでも増える事で、将来的に片手打ちバックハンドで活躍する選手が現れる可能性が高まるのではないでしょうか。
憧れや好きっていう気持ち事は人を突き動かす大きな原動力になるのですから。

この本は常に最高の効率や戦略を求め続けたプロゲーマー・ときどさんが、勝てない状況が続き苦悩する中で[情熱]こそ1番の武器だと気づき、これが転換点となって再び活躍を果たす・・・という話をご本人が分かりやすく解説している一冊になっています。

「片手打ちが好きでやっているけど上手くいかない。諦めて両手打ちに変更しようかな・・・。」と悩んでいるテニスプレイヤーの皆さん。
ぜひ一度この本を読んで頂きたい。
バックハンドの技術書ではありませんが、きっとあなたのテニスに役立つはずです。