一度は絶滅したと思われていたフレームが薄い競技系オーバーサイズラケット。
ここに来て複数のメーカーが新スペックとしてオーバーサイズを復活させています!
そもそもオーバーサイズ(OS)とは?
現在はフェイスサイズをモデル名に表記するのが主流。
(例:VCORE98/100など)
ですが2000年代中頃までは多くのラケットが
・ミッドサイズ(MID/MS)
・ミッドプラス(MP)
・オーバーサイズ(OS)
この3つの表記によって区別出来るような仕組みになっていました。
オーバーサイズ:100平方インチを超えるフェイス
フェイスサイズが100平方インチを超えるのがオーバーサイズ。
フレームがしなやか
→柔らかい打球感を実現
ストリング大きくたわむ
→パワーが出しやすい
オーバーサイズにはこのようなメリットがあります。
同じフレーム厚+フレーム断面形状であれば、フェイスが大きくなるほどフレームはしなやか(変形しやすい)になります。
一方でストリングは長くなるほどトランポリン効果を発揮しやすくなる傾向があるため、パワーが出やすくなります。
打球感が柔らかいのにパワーが出せる!
これがオーバーサイズの大きなメリットなんです!
アガシやチャンなどがオーバーサイズの最後・・・
ATPにおける”競技系”オーバーサイズが活躍していたのは2000年代前半ぐらいまで。
Embed from Getty Imagesライジングのリターンが代名詞のひとつでもあったアンドレ・アガシは、ラジカルのオーバーサイズを使っていました。
Embed from Getty Images最年少で全仏を制覇したマイケル・チャンの手には、グラファイトのオーバーサイズが握られていました。
[復権の予感?]
— コトウダマサト(TRUEMAN) / アドブロ (@ADVNTG_kotodama) August 6, 2021
世代によって感じ方が違うであろうオーバーサイズ:OS。
(聞いたことない人もいるかも?🤔)
競技系オーバーサイズといえば、どのラケットを連想しますか?
その後、オーバーサイズは影を潜めていくことになるのですが、その背景にはピュアドライブをはじめとした100平方インチ+厚みのあるラウンド系フレームが台頭して来た事がひとつの要因として挙げられます。
しかしラウンド系ラケットはフェイスサイズが小さくてもパワーが出しやすいのですが、打球感が硬くなりがちという欠点がありました。
競技系オーバーサイズ(OS)が復活の予感。
一時期は影の薄い存在となってしまっていた競技系(ボックス系)オーバーサイズ。
しかしラウンド系にはないメリットを持っていたのも事実。
グラファイト107の発売を契機に、“競技系オーバーサイズ“のラケットが復活の兆しをみせています!
2021年はじめにはダンロップから104平方インチのCX200 OSも登場。
そして2021年モデルのVCORE PROにも104平方インチのスペックが追加に!
競技系オーバーサイズ(OS)の特徴
・しなやかな打球感
・トランポリン効果によるパワー
・広いスイートスポット
・ハードヒットにも対応
パワーはあるけど打球感が硬くなりがちというラウンド系とは異なり、しなやかさとパワーを兼ね備えているのが競技系オーバーサイズの特徴です。
乗せて運ぶ感覚も強い!
フレームがしなやかなのでボールを乗せて運ぶようなスイングにも相性が良いという点も見逃せません。
ラウンド系フレームだと弾きがどうしても強まるため、ゆったり大きなスイングだと感覚が合わないと悩んだ人も少なくないはず。
競技系オーバーサイズを紹介!
現在販売されている競技系(ボックス系)オーバーサイズのラケットをご紹介!
プリンス ファントムグラファイト107
(Prince Phantom Graphite 107)
モデル名 | ファントム グラファイト107 |
フェイスサイズ | 107平方インチ |
重さ | 305g |
バランスポイント | 310mm |
スウィングウェイト | 290 |
フレーム厚 | 21.5-20-17.5mm |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
107平方インチのフェイスで、強烈な食いつきからヘビースピンを可能にしたファントムグラファイト。
シャフト部分は最薄17.5mmと非常に薄く、トップにかけて21.5mmまで厚くなる設計。
オリジナルの雰囲気は残しつつも、より現代的なストロークにも対応出来るモデルに進化しています。
ダンロップ CX200 オーバーサイズ
(DUNLOP CX 200 OS)
モデル名 | DUNLOP CX200 OS 2021年モデル |
フェイスサイズ | 105平方インチ |
重量 | 295g |
バランス | 325mm |
RA | 62 |
フレーム厚 | 21.5mm フラット |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
ダンロップからもボックス系OSラケットが復活。
フェイスは105平方インチと、扱いやすさとパワーを高いレベルで両立。
ラケットパワーを生かして強打するもよし、しなやかさを使ってボールを押していくのもよし。
幅広い使い方・幅広いユーザーに対応出来るオーバーサイズラケットです。
ヨネックス ブイコアプロ 104
(YONEX VCORE PRO 104)
モデル名 | ブイコアプロ 104 |
フェイスサイズ | 104平方インチ |
重さ | 290g |
バランス | 325mm |
フレーム厚 | 22mm フラット |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 1 , 2 , 3 |
今作で新たに追加になった104。
104平方インチという珍しいフェイスサイズに、22mmと少し薄めのフレームになっています(※100は23mm設計)。
これまでにないスペックなので、『ブイコアプロはきつい』と感じていたひとにも対応出来るはず!
ウイルソン ブレード104
(Wilson BLADE104)
モデル名 | ウイルソン BLADE 104 v7.0 |
フェイスサイズ | 104平方インチ |
重量 | 290g |
バランス | 325mm |
フレーム厚 | 22mm フラット |
フレーム長 | 27.5インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
しなり、ひねりだけでなく、縦しなりも加わったBLADE v7.0。
104平方インチのフェイスに、22mmフラットなので、ブイコアプロ104とも似たスペックですが、こちらは27.5インチのロングタイプ。
ストリングのたわみによるパワーだけでなく、長さによるスイングパワー増強も期待出来るスペックになっています。
競技系オーバーサイズラケット:まとめ
・競技系OSが復活の兆し
・しなやかさとパワーを両立
・ラウンド系にはない使用感
・乗せて運ぶスイングにも
・OS追加するモデルが増えてる!?