・面98+300gの珍しいスペック
・実測値はRA65/SW284
・シフィオンテクも2024から使用中?
・カッチリ+ドライな打球感
・ロスが少なくスピードは出やすい
・柔らかめのポリが合いそう
・RS300よりも使い手を選ぶ印象
今回インプレするのはテクニファイバーの主軸ラケットである『T-FIGHT300 isoflex』です!
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・・○・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・○・・ | 安定性 |
柔らかい | ・・・○・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・・○ | スパルタン |
T-FIGHT300isoflexはパワーロスを最小限に抑え、これまでのT-FIGHTシリーズ同様にプレイヤーの意図をショットへ正確に反映してくれるラケットになっています。
メリット |
ラケットが邪魔をしない カッチリしててパワーロス少ない ドライブ系ストロークで押し込みやすい 強打してもフレームがブレない 薄めのグリップで強打しやすい |
デメリット |
意外と硬い打球感 空気抵抗は結構ある 扁平グリップは好みが分かれる 汚れが目立つ |
特にドライブ系ストロークのキレを生み出しやすく、ブレの少ないフレームは強打するほどにメリットを感じられますね。
性能の偏りは少なくオールラウンドなラケットですが、扁平グリップだったり汚れの目立ちやすい白色だったりと前作よりも好き嫌いが分かれるようになっています。
T-Fight300 isoflex
(テクニファイバー)
テクニファイバーの主力モデルであるT-FIGHTシリーズの中でも最もベーシックなスペックなのがこのT-FIGHT300 isoflex。
テクニらしい白地+トリコロールの配色は非常にオシャレで、このラケットの大きな魅力のひとつとなっています。
フェイスの3・9・12時部分のグロメット・バンパーには飾り穴が空いていて、そこからフレームの赤や青が見えるようにデザインされています。
T-FIGHT295isoはグロメットはフレームにピッタリと収まるような形状でしたが、300は一段高くはみ出すような形状になっています。(RSはグロメット全体でこうなっていました)
スペック/仕様
モデル名 | T-FIGHT300 isoflex |
フェイス サイズ | 98 inch2 |
重量 | 300 g |
バランス | 320 mm |
フレーム厚 | 22.5 mm 均一 |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 2,3 |
発売予定 | 2023年 2月 |
価格 | 38,500 |
面98+300gという珍しいスペックを採用しているT-FIGHT300。
22.5㎜のフラットビームに、ハイブリッド型のフレーム断面形状を採用。
実測値:SW284・RA65
重量 | 302g |
バランス | 318mm |
スイング ウェイト | SW284 |
RA値 (フレックス) | RA65 |
いつも通りライズテニスサービスさんで計測をして頂いた実測値がこちら。
SW284で丁度良い感じ、RA値65と高くもなく低くもなくといった所。
前作RS300が実測値でRA68でしたので、数値的には低くなったので少ししなやかになっているのかもしれませんね。
RA値はCX200、EZONE98、VCORE98(2021)に近い数値となっていますね。
使用選手:シフィオンテクなど
Embed from Getty Images【主な使用選手】
イガ・シフィオンテク
ダニエル・コリンズ
コンスタン・レスティエンヌ
山﨑郁美選手 など
女子テニスの覇権を握っているシフィオンテク、引退シーズンで覚醒中のコリンズ、曲者という表現がピッタリくるレスティエンヌなどがT-FIGHT300isoを使用。
また日本人では山﨑郁美選手が使用しており、オールラウンドなプレーで活躍しています。
2024年からはシフィオンテクがT-FIGHTを使うというニュースに驚いた人も多かったのではないでしょうか。
打球感:予想よりも硬い
柔らかさ | -1 | かなりカチッとしてる |
打ち応え | 1 | 手応えは十分ある |
スイート エリア | -1 | 98の中でもシビア |
弾き感 | 1 | レスポンスは◎ |
安定感 | 1 | フレーム剛性感じる |
減衰性 | -1 | 現行の中では控えめ |
快適性 | 0 | 使い手次第な1本 |
ストリングはレーザーソフト125、PTストライク125/120を使用。
98平方インチ+22.5㎜厚のフレームは剛性感があり、打球感はかなりダイレクトな印象。
余計な変形やブレ感は皆無で、フルスイングして攻め勝つような積極的なプレーとの相性は良いと思いますね。
295よりは減衰性が良い300
295も購入して使っていたのですがとにかく減衰性が悪く、ポリを張ると振動止め無しではかなり厳しいレベルでした。
それと比べると300はだいぶマシで、振動止め無しでも十分プレー出来るレベルになっています。
ソースは忘れたのですが300以上はフレームの一部(おそらくグリップからシャフト)にウレタンが充填されているらしく、これが影響して中空の295のよりも減衰性が高くなっているのかなと思います。
性能:ドライブ系で打ち込みやすい
ストローク | 1 | 直線的に打ち込める |
ボレー | 1 | 弾きでパンチが出る |
サーブ | 1 | 球速重視で打ちやすい |
ドライブ | 2 | しっかり打ち込める |
トップスピン | 0 | 回転量は平均レベル |
弾道の高さ | -1 | 意外と低めに出る |
スライス | 1 | 浮かさずに打てる |
パワー | 0 | 振った分しか行かない |
操作性 | 0 | 問題無く扱える |
振り抜き | 0 | 意外と空気抵抗ある |
ドライブ系ストロークが打ちやすいというのはあるものの、性能的にはバランス型のラケットでなにかひとつが突出しているという感じではないです。
ラケットが何かしてくれるタイプではないので、良くも悪くも使い手次第だと思います。
サーブ:スピードで押し込むのが吉
サーブはスピードが出しやすく、上手くフラット系サーブをまとめる事が出来ればサービスキープも楽ちん。
回転系のサーブも問題無く打つ事が出来るのですが、バウンド後の変化量は若干控えめ。
変化量よりもスピードと深さで相手を押し込んで行くイメージの方が、ラケットの旨味を引き出しつつ得点につなげやすくなりますね。
ストローク:ドライブ系でコースを突く
扁平グリップという事もあり、少し薄めの握りにしてレベルスイング気味にフラットドライブを打ち込むのは非常にやりやすかったです。
レスポンスが良くパワーロスも少ないので、ポジションを下げずに早いタイミングでコースを切り替えて相手を走らすような展開に持ち込みやすい性能をしてます。
逆にポジションを下げてスピンで繋ごうとすると伸びが出にくく、いかに攻撃的なプレーをし続けられるか?っていうタイプのラケットに感じました。
スライスは浮きにくく、扁平グリップのおかげでコントロール性も優秀。
ただし油断すると浅めに落ちてしまいがちなので、スライスでも自分の力で飛ばす意識は必要と考えた方が良さそうです。
ボレー:ブロックして弾き返す
レスポンスが良いのでインパクトさえしっかり決まれば、かなりパンチのあるボレーが飛んで行ってくれました。
相手の速いショットに対してガチっと腕を固めてブロックするようなボレーも打ちやすく、特に速い展開で仕掛けたい上級者などには武器になりそうです。
ただお世辞にもスイートエリアが広いという感じはなく、アシストを求める人には厳しそう。
インプレ動画はこちら
購入直後のファーストインプレッションをまとめたのがこちらの動画。
T-FIGHT295isoとの違いや、実際に使ってみて感じたことなどを正直にお話しています。
県トップクラスの実力者たちとのダブルスをした様子がこちら。
フラットの速いサーブ、時折見せたフラットドライブ系のストロークなど光るところもありましたが、安定して火力を出し続けるのが難しい感じがしました。
メリット:シャープなショット
・ラケットが邪魔をしない
・ドライブ系ストロークで押し込みたい
・薄めのグリップで強打しやすい
・カッチリしててパワーロス少ない
とにかくどの場面においてもラケットが勝手になにかしちゃう感覚は皆無で、プレイヤーの邪魔をしないっていうのは歴代モデルから継承している部分ですね。
弾道を抑えて直線的にフラットドライブを打ち込む時は非常に気持ち良い・爽快感があり、テンポを早めてどんどん攻めたくなるラケット。
しなりや捻じれ、ブレ感などはほとんどなく、どの局面でも安定しているのもこのラケットの魅力ですね。
デメリット:意外と打感が硬め
・意外と硬い打球感
・空気抵抗は結構ある
・扁平グリップは好みが分かれる
・汚れが目立つ
前作と比べても打球感はドライで硬めの印象が強くなり、僕はIsoflexというテクノロジーの良さ・恩恵を感じることは出来ませんでした。
Isoflex搭載が一番の目玉ですが、スイートエリアが広いという感覚はありませんでした。
また前作よりはマシになっているものの、グロメットが出っ張っていたりするので縦長スリムの98平方インチにしては空気抵抗が大きい気がします。
素振りすると「ヒュン」という風切り音がするのも好みが分かれそうなポイント。
あとは扁平グリップ+真っ白デザインというテクニのアイデンティティの部分なんですが、これもかなり好みが分かれるところですね。
個人的・総合評価
購入してから複数のセッティングで試したのですが「RS300よりも難しい」というのが正直な評価ですね。
過去にもテクニのラケットを複数使ってきましたが、今作は想像以上にシビアでストイックなラケットに感じました。
ラケットがプレイヤーの邪魔をしないっていうのは間違いないのですが、RS300の時よりも剛性感が強くて強打が前提って感じがしました。
あくまで想像にはなりますが、僕よりもスキルや体格がある人が使うなら恩恵を感じられるんだろうなと思います。
ただし僕のような一般愛好家の平均レベルだと恩恵を感じられる場面は少ないし、なにより扁平グリップが他社製品からのスイッチが難しい大きな要因になってしまっているのも難しいところ。
味付けとしては汎用モデルなのは間違いないのですが、他人にオススメするのは難しく「買うなら1本試してから」っていう感じになりそう。
これまでのテクニはハイテク素材やテクノロジーをあまり使わず素朴で柔らかめの打球感だったんですが、Isoflex世代になってカッチリ+ダイレクトという印象が強まりました。
相性の良いストリング(ガット)
打球感が硬く感じやすかったため、普段以上にたわみやすいストリングと組み合わせる方が快適にプレー出来るんじゃないかなと思いますね。
ポリならホークタッチやファントムタッチ、ブラックヴェノムなどが無難で合わせやすそうですね。
ドライな感触を抑えるならアイスコードやエレメントなどもありかもしれません。
ライバルラケットの比較
【ライバルラケット】
・ラジカルMP
・D300
・プレステージMPL
面が100未満、重量が300g以下というので探していくとラジカルMPを筆頭に、ミズノのD300やHEADプレステージMPLなどがライバル候補と言えるでしょう。
T-FIGHTの白基調のデザインは大きな差別化ポイントになるかと思いますね。
みんなの感想/口コミ
準備中
まとめ:T-FIGHT300 isoflex
・面98+300gの珍しいスペック
・実測値はRA65/SW284
・シフィオンテクも2024から使用中?
・カッチリ+ドライな打球感
・ロスが少なくスピードは出やすい
・柔らかめのポリが合いそう
・RS300よりも使い手を選ぶ印象