今回インプレするのはトアルソンの競技者向けスペックの『エスマッハプロ97 295 ver2.0+』です!
ダブルス | ・・○・・ | シングルス |
ボレー | ・・○・・ | ストローク |
低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・○・・・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
面97なのに最大厚24㎜と非常にユニークなスペックをしている一方、意外なほど優しい打球感になっているラケットです。
メリット |
柔らかい打球感 高い操作性とカスタム性 意外なほどハードルは低め 丁寧な配球と相性良し デザイン・塗装が〇 |
デメリット |
性能は全体的に控えめ 打感が若干ぼやけやすい カスタムが前提 |
エスマッハプロ97 295 ver.2.0+
トアルソンの競技者向けラケットであるエスマッハプロ97 295 ver.2.0+をインプレッション。
295は黒に近いグレー基調にグリーンの差し色、グロス仕上げの美しい塗装が非常に魅力的ですね。
スペック/仕様
モデル名 | Toalson S-MACH PRO97 295 ver.2.0+ |
フェイス サイズ | 97 inch2 |
重量 | 295 g |
バランス | 315 mm |
フレーム厚 | Max 24mm Min 21mm |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップ サイズ | 2 |
価格 | 36,300 |
面97という少し小さめの面に、最大厚24㎜と珍しいスペックになっています。
他社ではEZONE98、SX300ツアー、X98ツアーなどが近しい設計という感じですね。
実測値:RA64、SW272
重さ | 296 g |
バランス | 314 mm |
スイング ウェイト | SW272 |
RA値 | RA64 |
ライズテニスサービスさんで計測をして頂いた結果が上記の通り。
296g/314mm/SW272なので重量としては軽めで、カスタムベースとして考えるのが良さそうですね。
RA64はEZONE98とほぼ同等の数値になっています。
特徴:フォルムはEZONE98にソックリ
特にシャフト回りの形状はEZONE98にそっくりなエスマッハプロ。
シャフトの断面が6角形に近い形状になっていること、分厚いフェイスからシャフトにかけて一気に薄くなるフレーム厚など、肉眼で見る限りではかなり近い設計になっていると思いますね。
打球感をインプレ:想像以上の柔らかさ
柔らかさ | 2 | 食いつき+乗りが強い |
打ち応え | -1 | 軽い力で飛ぶ |
スイート エリア | 1 | 97としてはかなり広い |
弾き感 | -1 | シャープさは少ない |
安定感 | -1 | ノーマルではツラい |
減衰性 | 0 | 減衰性は平均以上 |
快適性 | 1 | マイルドで快適 |
打球感は非常に柔らかく、ストリングのたわみや球の食いつきをしっかり感じられるラケット。
(ストリングはアスタリスタアーマード1.25xポリツアーストライク120を45ポンド)
手応えは軽め、ストリングも大きく動くこともあってか、面が少しブレるような印象がありました。
97としてはかなり優しい打感
面97のラケットとしては非常優しい打球感に仕上がっていると思いますね。
スイートエリアは広く感じ、多少外してもそこまで極端に飛ばなくなったり打感が重く硬くなったりすることもありませんでした。
性能:全体的に控えめ
ストローク | 0 | しっかりスイングは必要 |
ボレー | 1 | 押して運ぶ感覚あり |
サーブ | 0 | 目立つ部分は無いかも |
ドライブ | 0 | 悪くないけど少し軽い |
トップスピン | 1 | 意外と悪くない |
弾道の高さ | 0 | 基本低いが調整力〇 |
スライス | 0 | 若干ブレる感覚がある |
パワー | -1 | 重量不足を感じる |
操作性 | 1 | 軽くて扱い易い |
振り抜き | 1 | 空気抵抗は少なめ |
性能面に関しては正直に言って目立った部分は少なく、全体的に控えめな印象となっています。
ポジティブに言えば面97にしては操作しやすいラケット、ネガティブに言えば他の面97のラケットのような重厚感やスパルタンな使用感などは味わえないラケット。
サーブ:操作しやすいが球威控えめ
295g/315mmの重量バランスはサーブでも非常に操作がしやすく、スイング軌道を細かく調整するのも簡単。
回転の掛けやすさは97の中では平均以上ですが、サーブの球威は控えめに感じました。
American WTA player recorded 136mph(219kmh)! Service in AO 2023.
— toalsonusa (@toalsonusa) February 3, 2024
She using S-Mach Pro97!
Let’s try it!! pic.twitter.com/uJU5Lo4jnc
Twitter(X)でトアルソンUSAからコメント頂いたんですが、ソフィー・チャンというWTAの選手がエスマッハプロ97で219km/hを記録していたらしいです・・・マジか!
ストローク:調整力〇、推進力△
ストリングのピッチが97にしては比較的広いこともあってか、弾道の調整はしやすいラケットですね。
全体的にあまりクセはなく、合わせるスイングから打ち込むスイングまで割と素直に反応してくれます。
ただやはりここでも推進力は控えめになっており、球威だけで押し切るのは難しいのである程度丁寧に配球するようなテクニカルなプレイヤーやベテラン勢などが相性は良さそう。
ボレー:乗せて押す感覚あり
ボレーでも食いつき・乗りを感じる事ができるので、押して運ぶような打ち方をすることが出来ます。
アーマード125xPTストライク120のハイブリッドだと手応えは軽めで楽ではあるのですが、ストリングのたわみも大きくなるので細かいコントロールやパンチの効いたボレーは少し難しく感じる場面がありました。
ただ、面97でここまで楽に食いつく感触が出るラケットはそう多くは無いのでエスマッハプロの大きなセールスポイントだと思います。
個人的・総合評価
このエスマッハプロ97 295gというラケットに関しては、EZONE98Lの乗り換え先の有力候補としてインプレさせて頂きました。
シャフト回りの形状がそっくり、フレーム厚も似たような感じ、でもフェイス形状はアイソメトリックじゃない!っていうところで、EZONEに似てるけどオーソドックスな使い心地に着地してるんじゃないかと大きな期待を寄せていました。
結論としてはEZONE98Lとは別物の使用感で、そのまますぐスイッチ出来るか?っていうとかなり難しく感じました。
同じストリングセッティング、ストラングの重量差も2g程度と近い状態にしていたのですが・・・細かい調整は難しいけどとにかくショットが安定するEZONE98L、一方のS-MACH PROは扱い易く色々とやれるけど安定性と推進力が物足りないという感じ。
性格的には反対とは言わないまでも、その差は想像以上に大きかったですね。
ただ295g/315mm/SW274というスペックはカスタムベースとしては十分魅力的で、レザーにしても良し、鉛テープでスイングウェイトを上げても良し。
面97にしては使用するためのハードルは低めで優しさもあるラケットですが、武器として輝く所まで育てるにはスキルもノウハウも必要そうだなという感じでした。
相性の良いストリング(ガット)
アスタリスタアーマード+ポリツアーストライクのハイブリッドだとかなり打球感が柔らかめに出ました。
295gになってスイング速度が引き出しやすくなっているので、その特徴をしっかり活かす為にもある程度硬さがあるポリなどを合わせるのが良さそう。
ポリツアーストライクやRPMブラスト、レーザーコードなどを組み合わせてスピードを引き出しやすくするのも良いと思います。