テニスを始めて最初の5年くらい、本当にボレーはしっくりこなかったんですよ!
というのもボレーはテニスの中でも、技術を確立するにための”感覚的”な部分の割合が大きいショットだと思うんですよね。
(パワーやスイングスピードでごまかせないですよね!)
それだけに指導する側のアドバイスも様々。
僕は“打てる理由を言葉で説明出来ないと嫌なタイプ”だったので、そらもう色々トライ&エラーを重ね、10数年を経てどうにか納得出来るボレーに近づいてきました。
そこで今回は、よく耳にするんだけれどどうにもしっくりこなかった3つをピックアップ。
なぜアドバイスがしっくりこなかったのか?
自分がどうやってしっくりくる打ち方を見つけたのか?というお話です。
・ボレーの定説って本当に正しい?
・どうしたらしっくりくるボレーが打てる?
・感覚だけに頼らないボレーを習得出来る!
・ボレー苦手を克服しましょ!
「腕(手首)とラケットは90°に保つ」って本当?
『腕とラケットの角度(≒手首の角度)を90°にしよう!』
僕は高校生でテニスを始めて、最初に教わったこの言葉・・・正直しっくりこなかった!
『なんかすごく窮屈で打ちにくくね?』っていう感じだったのですが、20年続けて分かったことがこちら。
経験して分かった事:90°ではなく110~120°前後がリアル!
Embed from Getty Imagesシングルスのボレーの名手:ティム・ヘンマンのフォア・ミドルボレーがこちら。
手首の角度は110~120°くらいに見えますね!
決して90°とは限らない・・・というのがこの1枚からも分かります。
Embed from Getty Imagesダブルスのレジェンド:ボブ・ブライアンとマイク・ブライアンのバックボレーがこちら。
ヘンマンのフォアボレーに比べると若干角度は小さいようですが、それでも100~110°くらいですね!
僕の違和感は間違いでもないようです!笑
実際、手首がニュートラルな位置でラケットを握ると、だいたい110-120°になるのでこの角度を意識する方が良いんじゃないか・・・と気づいてから、スムーズにボレーができるようになりましたね!
これはちょいと手首伸び気味ですが、それでも120°くらいですよね!
遠いボールは当然手首が伸びる
「110-120°を意識する」という気づきを得てスムーズになった僕のボレーですが、現実にはそうシンプルでもないんですよね(笑)
Embed from Getty Images先ほどと同じくヘンマンのミドルボレー。
綺麗に120°をキープしているのが分かりますが・・・
Embed from Getty Images遠いボールをボレーする時は、腕〜ラケットの角度が大きくなって一直線に近づきます。
遠ければ遠いほど肘・手首も伸ばすような形にしてリーチを確保しなくてはいけないので・・・
基本的には110-120°が自然、だけど実際にはボールに合わせて変化する。
これが僕なりの結論でした。
90°に保つ→手首が過剰に伸びる癖がある人には有効かも?
ただ、別に『90°に保つ!』っていう意識がいけないワケではないとも思っているんです。
例えばミドルボレーでも角度が130°とか140°になってしまっていて安定しない場合、目標(110-120)よりも小さい角度をイメージしながら打つ練習をする・・・というのはありだと思います。
「出来るだけ振らないようにする」って本当?
『ボレーは振らない!』
『ボールを掴まえるように!』
『当てるだけでいい!』
こういうアドバイスも結構耳にしますよね。
僕も初めてすぐは何度も注意されました。
でも4,5年やっても「本当にボレーって振らないのか?」っていうのがかなり引っかかってたのですが、僕なりの結論がこちら。
経験して分かった事:実際にはスイングしてる
Embed from Getty Images結論としては・・・実際にはスイングしてます!
少し表現を変えると、ラケットを動かしてはいる・・・っていう感じですね。
ラケットを全くスイングしないでボレーできなくはないですけど、やっぱり不自然。
パンチが出ないだけでなく、意外とコントロール出来ない。
Embed from Getty Imagesと言ってもストロークとは異なり、テイクバックは最小限・フォロースルーで長短を調整する・・・そんなイメージで打ってます。
頭の中のイメージは
・インパクトの位置に最初からセットしておく
・インパクトと同時にフォロースルーだけする
という感じ。
[感覚的に打てるだけじゃ納得出来ない]
— コトウダマサト(TRUEMAN) / アドブロ (@ADVNTG_kotodama) October 7, 2021
15歳からテニス始めたって事もあると思うんですが、打ち方や打てる理由をある程度言語化出来ないとモヤっとするんです。
その中でもボレーが一番言語化しにくいし、一番苦労してきた(してる)気が🤔
今も上達中だと思うし、これからもきっとずっと楽しいはず。 pic.twitter.com/9ysz1cxPgG
もちろんこれも相手のボールのスピードによりますが、基本的にはある程度スイングしてますね!
シングルスとダブルスのボレーは違う部分がある
さらに突っ込むと、シングルスとダブルスでもボレーのさばき方に違いがあります。
(ポジショニングも当然違います)
シングルスプレイヤーの中でも稀代のボレー能力やタッチセンスを持っているフェデラー。
サービスラインより少し中に入った位置でさばいていますが、割とラケットが動いている事が分かります。
もちろん大振りではなく、ラケットセット・インパクト・フォロースルーが淀みなく行われれている・・・そんな感じ!
一方、ダブルスの前衛になるとボレーはまた別物!
マレー・ソアレス組のボレー練習の動画なんですが、フェデラーのボレーとは全く違うことがすぐに分かります。
速いボールに対して足を踏み込むという動きはほぼないですし、とにかく面を作って壁になっているようなボレー。
いわゆる”クイックハンズ”という感じのさばき方。
このくらいポジションが前で、相手のボールも速い時には”ラケットは振らない”っていう表現も必要になるかも・・・?
「最初から最後までラケット面をキープする」って本当?
『最初から最後まで面の向きをキープだ!』
『打ちたい方向に向ける意識だ!』
こんな感じのアドバイスをいただいたこともあります。
ただ僕はこれを意識するとうまくボレーが出来ない・しっくりこなかったんですね。
経験して分かった事:インパクト後に面の向きは変化する
Embed from Getty Images結論としてはラケットの面の向きは変わる・・・という考えに落ち着きました。
この鈴木貴男選手のボレーもそう。
おそらく腰〜少し低いボレーをさばいた後の一枚だと思いますが、明らかに面は上を向いて開いてますよね。
もしも本当にこの面の角度でインパクトしてたらボールは後ろに行っちゃうw
正確には手首の角度、ラケットと腕の関係性をキープしたままスイングしようとすれば、自然とラケットの面の向きは変化する・・・っていうことなんですよね。
立っていたラケットがインパクト後に寝ていくイメージ
僕のボレーのイメージを言語化すると
①ラケットを立て気味にセット
②そのままインパクト
③ラケットを前方向に押し出していく
= 少しラケットが寝るようになる
F・ロペスのハイボレーを見るとこんな感じ。
インパクトでは地面に対してほぼ垂直だったラケットが、フォロースルーの時点では水平に近づいているのが分かります。
これはハイボレーなのでミドル・ローになると動き方も変わりはするのですが、脳内のイメージ的には大きな変化はないんですよ。
インパクトを迎えたら、フォロースルーで距離をプラスしていく・・・これを意識するようになってからボレーが良くなりました。
まとめ:自分にあった言葉を見つけるのが大事
今回は定説3つピックアップして解説しましたが、正しい・正しくないを決めたいワケではなくて、僕がそれをどう噛み砕いて理解して実際の技術に落とし込んだか?という点を知って欲しかったんです。
そしてきっとこれを読んでくださったあなたも、あなただけの言葉・表現が見つけられるはずです。
「上手く打てた!」「上手く打てないなぁ」で終わらずに、”なぜそうなのか?”っていう部分を言語化してみると、技術の向上・再現性の向上につながるはず。
これを読み終わったらぜひ、次の練習に向けて準備を始めましょう!