エナジードリンクでテニスのパフォーマンス上がる?
Embed from Getty Imagesテニスを始めてから20年、年を重ね身体は重くなりお疲れ気味の日も増えた筆者アドブロ(35歳)。
同世代と練習することが多いのですが、その中で練習前~プレー中にレッドブルやモンスターエナジーといったいわゆるエナジードリンクを飲む人を以前よりも見かける事が増えたように思います。
Embed from Getty Imagesそれを見た筆者は「エナジードリンクはテニスのパフォーマンス向上に有効なのか?」と興味が湧いたのでありました。
そこでこの記事では主要なエナジードリンクの成分やカロリーなどを調べ、他の一般的な飲み物と比べて優位性があるのかを検証してみました。
あくまで一般人が調査した上での見解、意見を述べる記事となっています。
確実なアドバイスが欲しい!ドーピングが気になる!といった方はドクターや栄養士など、専門家に相談しましょう。
30%前後が良く飲む or 時々飲む
[興味あるので教えて]
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) July 19, 2023
レッドブルやモンスターといったエナジードリンク、テニスの前後・プレー中に飲んだりしますか?🥫🤔
記事作成にあたり、Twitterでエナジードリンクに関する調査を実施。
250票以上の投票を頂き、「良く飲む」「時々飲む」を合わせると約32%という結果でした。
ざっくり言えば3人に1人くらいはテニスをする時にエナドリを飲んでいるという事になりますね。
「思ったりよりも多い」というのが筆者の感想ですが、それだけエナドリを飲む効果があるという事の裏付けなのでしょうか?
エナジードリンクの成分を他の飲み物と比較
カフェイン [mg] | カロリー [kcal] | 炭水 化物 [g] | 価格 | 備考 | |
アイス コーヒー Lサイズ (300ml) | 222 | 15 | 3.0 | 210円 | ※セブンカフェ |
ホット コーヒー Lサイズ (235ml) | 143 | 9 | 1.9 | 180円 | ※セブンカフェ |
レッドブル (250ml) | 80 | 115 | 27 | 217円 | アルギニン (120mg/100ml) |
モンスター (355ml) | 142 | 177 | 46 | 230円 | 高麗人参エキス (82mg/100ml) |
リポビタンD (100ml) | 50 | 74 | 18 | 161円 | タウリン 1,000mg |
ポカリ スエット (500ml) | 0 | 125 | 31 | 180円 | 砂糖 ぶどう糖果糖液糖 |
アクエリアス (500ml) | 0 | 95 | 23.5 | 172円 | 果糖ぶどう糖液糖 甘味料 (スクラロース) |
今回はエナジードリンクの有名どころであるレッドブル(250ml)とモンスターエナジー(355ml)を中心にカフェイン、カロリー、炭水化物、価格などを一覧にしました。
ドリップコーヒー(セブンカフェ)や栄養ドリンクであるリポビタンD、スポーツドリンク類と数値と比較してみましょう。
エナドリは意外とカフェインが多くない
表を見て頂くと分かる通りカフェインが最も多かったのはアイスコーヒーLサイズ、次いでホットコーヒーLサイズとモンスター(355ml)という結果に。
「エナジードリンク=カフェインによる覚醒作用」を期待している人は少なくなと思うのですが、その点ではアイスコーヒーを飲む方がコスパが良いと言えるかもしれません。
最もカロリーが高いのはモンスター
1本あたりのカロリーが最も高かったのはモンスター(355mlボトル)で、次いでポカリとレッドブルでした。
100mlあたりに換算するとモンスターは40kcal、ポカリは25kcal、レッドブル46kcalとなるため、同じ量を飲むのであればレッドブルが最も高カロリーとなります。
手っ取り早くカロリーを摂取したい、そんな人には高カロリーなエナジードリンクは便利な飲み物と言えるかもしれませんね。
パフォーマンスアップに好影響はあるのか?
Embed from Getty Images今回ピックアップしたエナジードリンクで重要な栄養素をピックアップし、パフォーマンスにプラス作用があるのかをまとめてみました。
カフェイン:瞬発力、筋持久力に効果ありとされている
●筋持久力の向上
https://www.ped-doctor.com/caffeine/
●瞬発力(筋力、運動速度)の向上
●全力疾走、ジャンプ力の向上
●集中力、反射神経の向上
●疲労感の軽減
カフェインを摂取することで瞬発力や筋持久力などの向上につながるそうです。
運動後半の疲労を感じる前に摂取する事でも効果があるとされており、ダッシュ・ストップを繰り返しボールを打ち続けるテニスには有用な成分と言えますね。
【参考・引用】
カフェインがスポーツ競技力向上につながる理由 最大筋力、筋持久力に効果ありの研究も(外部リンク)
【医師が解説】テニスにおけるカフェインの効果【エビデンスあり】(外部リンク)
カフェインのデメリット・リスク:不安感、心拍数の増大など
一方、カフェインの摂りすぎは不安感、落ち着かない、吐き気、震え、心拍数の増大などの副作用を起す恐れがあるため、自分に合った量を調整する必要があります。
https://the-ans.jp/food/nutrition/258164/2/
パフォーマンス向上につながるカフェインですが、摂りすぎてしまうと上記のような副作用を起こしてしまうリスクもあります。
1回の摂取目安量は体重1kgあたり3~6mg、1回の接収量は200mg程度が適切とされているそうです。
前記の表を見るとアイスコーヒーLサイズだとちょっとオーバーしてしまうので、レギュラーサイズかホットコーヒーを選ぶと適正なカフェイン量と言えそうです。
モンスターは500mlボトルでちょうどカフェイン200mgとなるので、飲んでもこの量がMAXと覚えておけば良さそうですね。
炭水化物:エネルギー源として非常に重要な要素
様々(瞬発的・持久的)なスポーツのエネルギー源として最も大切な栄養素
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_nutrition/tabid/1481/Default.aspx
車に例えると筋肉がエンジン、炭水化物はエンジンを動かすためのガソリンであり、ガソリンが十分に供給されなければパワーが出ない・距離走れないという状態になってしまうのです。
エナジードリンクには大量の砂糖が使われていることもあり、運動に使われるエネルギーを補給するという点ではプラスでしょう。
過剰な摂取はかえって低血糖を引き起こす?
そんなエネルギーとなってくれる炭水化物ですが、これも摂取しすぎるとかえってイライラやグッタリするような疲れを引き起こす要因となってしまうリスクがあるそうです。
【参考・引用】
「イライラして甘いもの」が低血糖を引き起こす? (外部リンク)
甘いものを摂取したことで血糖値が急上昇→血糖値急上昇を下げるためインスリンが過剰分泌→血糖値が下がりすぎてしまう、その結果として倦怠感や眠気、頭痛、吐き気、不安感といった症状を引き起こしてしまうとのこと。
せっかく糖分やカロリーを摂取=自動車のタンクをガソリンで満タンにしたのに、いざ走りだそうとしたらガソリンがうまく供給されなくてパワーが出ない・・・こんなもどかしい状態になってしまうワケですね。
レッドブルは100mlあたり46kcal、モンスターも40kcalとハイカロリーな甘い飲み物なので、運動前にガブガブ飲んでしまうと動きが悪くなる・身体が重く感じるというような状態になってしまうかもしれないので要注意ですね。
結論:過剰な期待をして飲むのはオススメ出来ない
成分やメリットなどを見てきましたが、結論としては「エナジードリンクを飲めばいつもより動けるはず!」と過剰に期待して飲むのはNGかなといったところ。
効果がないわけではないと思いますが、スポドリや水に加えて決して安いとは言えない価格のドリンクをもう1本買うとなるとコスパとしても微妙なんじゃないかと。
現在ではポカリやアクエリような一般的なスポドリはもちろん、より機能性を重視したピンクイオンやムサシ・リプレニッシュなどのようなドリンクも充実しています。
さらにOS-1のようなハイポトニック飲料も入手しやすくなっており、スポーツをするためにドリンクを買うのであればこういったものをチョイスするほうがより快適にプレー出来る確率が高まるのではないでしょうか。
飲むこと自体は全然アリだと思います。
効果を過剰に期待するのはNGですが、シンプルに味や飲み心地が好き、気分が上がる、頑張れそうな気がするといった理由で適量飲むのであれば全然アリだと思います。
一般プレイヤー、週末プレイヤーの1回2時間程度の練習であれば、(もちろん人や環境によりますが)筋力や持久力などを限界ギリギリのレベルでプレーする人の方が稀なのではないでしょうか。
お酒も飲みすぎなければ健康にプラスになったりするのと同じように、エナジードリンクもほどほどに飲んでリフレッシュ・気分転換に上手く利用するのがスマートなのかもしれませんね。