全日本の全4種目でウルトラツアーV4が頂点に。
三菱電機ビルソリューションズ
— 日本テニス協会 広報 (@JTA_PR_Team) October 9, 2025
全日本テニス選手権 100th
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女子単ベスト4は、岡村恭香、細木咲良、清水綾乃、小堀桃子。男子単では、熊坂拓哉、市川泰誠、本田尚也が準々決勝進出
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2025年10月に開催された第100回全日本テニス選手権。
終わってみれば女子単複・男子単複の4種目全てでウイルソンのウルトラツアーV4ユーザーが優勝するという覇権っぷり。
女子シングルス優勝:岡村恭香選手
全日本テニス選手権女子シングルス。11日、岡村恭香選手が清水綾乃選手をフルセットの末に破り、初優勝を果たしました。節目の大会ということもあり、会場には歴代のシングルス優勝者が登場し、両選手の健闘をたたえていました pic.twitter.com/5b27mSbJlk
— 読売新聞写真部 (@tshashin) October 11, 2025
女子シングルスで優勝したのはウルトラツアー95(CVかJかは不明)を使用している岡村恭香選手。
アグレッシブなストロークを武器に全試合フルセットの戦いを制した岡村選手。
(おそらく)面95に16×20というやや密なストリングパターン、22mmながらラウンド系で剛性が高く27.25inchと若干長いフレームが高い推進力を生み出し、相手を押し切る強いショットを実現。
特にストローク戦での強度が勝敗に直結する女子シングルスにおいて、市場的には希少種である面95のラケットが今なお強みを発揮しているというのは本当に驚きですね。
女子ダブルス優勝:山崎郁美選手
女子ダブルスで優勝した山﨑郁美選手はウルトラツアー100v4を使用。
基本的な設計はウルトラツアー95Jとほぼ同じですが、面が100平方インチとやや大きくなったことでスピン性能やボレーのしやすさなどが向上。
高い機動力とオールラウンドなスキルで戦う山﨑選手のパフォーマンスを支え、小堀桃子選手(CX400TOUR使用)とのダブルスを頂点へと導きました。
山﨑選手が学生だった時に使用ラケットなどを記事化していたんですが、以前から注目していた選手の全日本優勝は非常に嬉しいですね。
ちなみに以前はテクニファイバーのラケットを使っていましたが、ウイルソンに変えたのがプラスに作用したとみて良さそうですね。
男子単複優勝:田口涼太郎選手
📸フォトギャラリー📸
— THE DIGEST (@THEDIGESTweb) October 12, 2025
100回目を迎えた「全日本テニス選手権」最終日|田口涼太郎がシングルス初V&単複2冠を達成!女子ダブルスは小堀桃子/山﨑郁美が松田美咲/細木咲良に勝って初優勝
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男子の単複2冠を達成したのはウルトラツアー95CVを使用する田口涼太郎選手。
錦織選手の全盛期を支えてきたスペックでもあるこのラケットは、男子テニスの激しいラリーの中でも相手に打ち勝つ火力を発揮出来る1本。
面は小さく重量もあってバランスもトップ寄り、という誰にでも扱えるわけではない難しいラケットではあるものの使いこなした時の破壊力は超一級品ですね。
ほぼ日本限定のラケットが日本テニス界を制す

このウルトラツアーシリーズは基本的に日本でのみ販売されているモデルとなっており、ウイルソンとしても【日本人のためのスペック】という点を強くアピールしているラケット。
そんなラケットが全日本選手権で全種目を制するというのは、ウルトラツアーv4に日本人プレイヤーとのシナジーがあるということを証明しているのではないでしょうか。
このラケットが普通に買える日本に生まれて良かったです笑
※ウルトラツアー95に関してはもともとエナンやダベンポートなども使うグローバルなモデル(当時はハイパーハンマーという名称)でしたが、時代とともにラインナップが変化し気づけばウルトラツアーはほぼ日本でしか展開していない製品へとなっていったのでした。
誰もV5にはスイッチしていないという事実。
という事でウルトラツアーv4の大活躍をまとめてきましたが、一方で最新モデルであるウルトラツアーv5を使う選手はほとんどいなかったというのも事実。
シーズン途中である2025年7月に一般販売されたばかりだからという側面もあるかとは思いますが、それにしても選手がV5にスイッチする雰囲気を感じられないというのが正直な感想。
ウルトラツアー98は失策になる?
Embed from Getty Images発売時期だけでなく、今回はラインナップが大きく変更されているというのも理由のひとつかと思います。
95J v4 (290g) → 95QZ v5(283g)
100CV v4 (293g) → 98J v5(290g)
錦織選手が新たに生み出したウルトラツアー98が主軸になったことで、従来モデルと同一スペックのモデルはひとつもありません。
山﨑郁美選手が使用しているウルトラツアー100v4に関しては廃版になるようで、スイッチするモデルが存在しないという状態になってしまっています。
プロはもちろん一般プレイヤーも今のモデルを使い続けるのか、新しいウルトラツアーv5にスイッチするのか、それとも他シリーズに移行するのか頭を悩ませることになりそうです。
歴代ウルトラツアーを使う一般プレイヤーはまだまだ多い

全日本で大活躍しつつも今後に不安を残すウルトラツアーシリーズ。
草トーなどに行くと今なおウルトラツアーを使うプレイヤーを複数見かけることが多いですし、それだけ競技志向の人たちから厚い信頼を獲得したモデルだと言えます。
細かい変更はありつつも四半世紀近く続く歴史を重ねてきたモデルだという点も、信頼を獲得する大きな要因になっていたと思います。
それがモールドもスペックも変更したということは、良くも悪くも大きなインパクトをもたらすことになるはずです。
今後ウルトラツアー98を使うプレイヤーが日本テニス界で増えていくのかは要チェックですね。