・扱いやすさに攻撃力をプラス
・シリーズ内では最もバランスが良い
・球速とスピンのバランスが良い
・しっかりした打球感
ロマンのある攻撃力と実用性を上手くミックスしたテニスラケットである『ウイルソン・ウルトラツアー100v4 (ULTRA TOUR100v4)』をインプレッション!
こんな人にオススメ |
安定した攻撃力を発揮したい人 強打に打ち負けないパワーが欲しい人 スピードだけじゃなくスピンも欲しい 単複両方プレーする人 |
メリット・デメリット |
○ パワーと扱いやすさ ○ 打ち負けにくい安定性 ○ スピンの調整がしやすい ○ 塗装クオリティは高水準 × 単純な球速なら95CV/95Jが上 × 100としては若干アシスト控えめ × しっかりスイングが前提の100 |
この記事では『Wilson ULTRA TOUR100 v4.0』を徹底的に解説させて頂きます!
ウイルソン・ウルトラツアー100 v4
(Wilson ULTRA TOUR100 v4.0)

加藤未唯選手や荒川晴菜選手などが実際に使用しているテニスラケットが、今回インプレするウルトラツアー100v4。

ウルトラ100v4とは異なりウルトラツアーはグロス仕上げになっていて、より高級感があって艶やかな外観になっています。
ULTRA TOUR100 v4のスペック/仕様
モデル名 | Wilson ULTRA TOUR100 v4.0 |
フェイス サイズ | 100inch2 |
重量 | 293g |
バランス | 330mm |
スイング ウェイト | – |
フレーム厚 | 22mm 均一 |
フレーム長 | 27.25inch |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×20 |
グリップサイズ | 1,2,3 |
発売予定 | 2023年 3月末 |
価格 | 税込 38,500円 |
100平方インチに16×20、22mmフラットビームで断面はラウンド形状、レングスは27.25インチになっており、市場的にもかなり独特なスペックとなっています。
ULTRA TOUR100 v4の特徴
100スクエアインチのハンマーバランスで薄いフレーム厚のレクタングル形状がヘッドを利かせた破壊力を生む王道競技スペック。スウィングからの走り出しは格段に高い弾道で<相手コートでのバウンド後の伸びを加速させる。ボールインパクト時につぶれることで、スイートエリアの拡大、パワーUPを発揮する「クラッシュゾーン」を搭載した、錦織圭が世界で勝つためにたどり着いた答え「日本発・世界基準の侍・スペック」。
https://jp.wilson.com/products/tennis-racket-burn-100-v-5-0?variant=44092664971477
ULTRA TOUR100 v4をインプレ!
サーブ | 1 |
ストローク | 2 |
ボレー | 0 |
反発力 | 1 |
パワー | 1 |
ホールド感 | 0 |
弾道の高さ | 0 |
トップスピン | 0 |
スライス | 0 |
安定性 | 1 |
操作性 | -1 |
振り抜き | -1 |
減衰性 | -1 |
快適性 | 0 |
※-2から+2までの5段階で評価
打球感:しっかりしてるがストリングがたわむ
フレーム自体のしっかり感があり、パワーを逃さずボールに伝えてくれる剛性を感じることが出来ます。
その上で100平方インチになったことでストリングの有効長も長くなり、インパクトでストリングがたわむことによるマイルドさもありました。
またクラッシュゾーンを搭載していることもマイルドさに貢献していると思われます。
過去のウイルソン・ツアー系(≒ハンマー系)ラケットにあった金属バットのような打球感とはかなり変化していると言えるでしょう。
性能:扱いやすさを残しつつ火力をチョイ足し
スペック的にはかなり特殊なラケットですが、実際にオンコートで使用してみるとプレーやポジションを問わずとても扱いやすかったです。
ストロークでは早いタイミングで捉えるライジング、後方からしっかり撃ち抜くドライブ、繋ぐループ系スピン、どの球種・スイングにも素直に反応してくれました。
とは言えストロークが良いのは歴代ツアーシリーズですでに証明済。
ただ一方で「ボレーはおまけ程度に・・・」と言われていた部分も。
ウルトラツアー100は反発力が引き上げられているので、ボレーの打ちやすさがかなり改善されています。
サーブも95CV/95Jほどじゃないですがスピードは出しやすく、フラットからスピン系まで平均以上の球威を引き出せる感じ。
球威・ショットクオリティで言えばほとんど隙のないラケットですが、27.25inchとほんのわずかに長いのが人によっては気になる・合わないと感じる場合もあるかもしれません。
ストリング選び・セッティング
速いスイングスピード、瞬間的なインパクトで打ち抜くラケットなので、球離れが良く滑りの良いタイプのストリングが相性が良さそう。
ある程度のアシスト感や快適性もプラスするならポリツアーファイア、ファントムタッチ、G-TOUR3などのストリングがオススメ。
メリット・デメリットまとめ!
メリット | デメリット |
・パワーと扱いやすさ ・打ち負けにくい安定性 ・スピンの調整がしやすい ・塗装クオリティは高水準 |
・単純な球速なら95が上 ・スペックがかなり独特 ・+0.25inchは好き嫌い出る |
ULTRA TOUR100 v4のライバル
<ULTRA TOUR100 v4のライバル>
・TOUR100
・T-Fight295
・GRAVITY MP
・CX400TOUR など
98~100平方インチで300g以下、比較的薄めで振り抜きが良く性能バランスが良いラケットたちがライバルになるでしょう。
ULTRA TOUR100 v4がライバルに勝っているところ
やはりウイルソンの”ツアー系のアイデンティティ”でもある軽量+トップヘビー+0.25インチを採用している部分が1番の違いになっています。
これにより筋骨隆々のプレイヤーではなくても遠心力を上手く利用して、ショットにパワーを加えやすくなっています。
女性プロ選手にも利用されるのはこういった側面も影響していると推察しています。
また100平方インチになったことで、スイートスポットも若干広めになっているので扱いやすさや攻撃力にもつながっています。
BLADE100v8との違い
ウルトラツアー100とブレード100、どちらも100平方インチ+22mmフラットのラケット。
この2本の違いを考察してみました!
ラケット | ULTRA TOUR100 v4 | BLADE100 v8 |
重量 | 293g | 300g |
バランス | 330mm | 320mm |
長さ | 27.25 | 27 |
フェイス 形状 | 縦長 | 丸 |
断面 形状 | ラウンド | D型 |
PWS | 有り | 無し |
しなり | 少 | 大 |
打感 | カッチリ | 柔らかい |
フェイスサイズと厚みは同じですが重量やバランス、長さも異なっています。
打球感も縦長フェイス+ラウンド断面形状+PWSのウルトラツアー100はかなりカッチリ方向のラケットで、ボールを掴む感覚・乗っかる感覚は最小限。
その結果、フォロースルーまでスイングの勢いが衰えにくく、ショットのパワーを引き出しやすくなっています。
一方のブレード100は丸いフェイス+D型断面形状+PWS無しなので、フレームのしなやかさもストリングのたわみやすさもウルトラツアー100以上。
ボールの食いつきをしっかり感じ取りつつ、インパクトで押すような打ち方、感覚的なコントロールがよりやりやすいラケットになっています。
総評:星★★★ とっても良き!
期待をして試打させてもらった1本でしたが、その期待を超えるラケットでしたね!
歴代のツアー95系は突出した攻撃力の代わりに結構色んな事を犠牲にした尖ってるラケット(※操作性やボレーやループ系ショットなど)でしたが、このウルトラツアー100v4に関してはそういった犠牲をほとんど出さずに火力と実用性を高いレベルで両立。
強いて言うならば95ほどの破壊力・推進力は出ないのですが、実際の試合で多く使うショットやペースを考えるとやはり100の方が現実的なチョイスでしょう。
ウルトラツアー100v4(2023年モデル):まとめ
・シリーズ内では最もバランスが良い
・球速とスピンのバランスが良い
・しっかりした打球感