今回はPrince(プリンス)のテニスラケットについて徹底解説&比較!
どんな特徴があるの?
どれを選べばいいの?
コレを読めばあなたもラケット博士!!
プリンスで現在販売されている6つのシリーズ(※国内モデル)についてそれぞれ解説します!
①X(エックス)シリーズの特徴
②PHANTOM(ファントム)シリーズの特徴
③BEAST(ビースト)シリーズの特徴
④TOUR(ツアー)シリーズの特徴
Prince(プリンス)ってどんなブランド?
Embed from Getty Images・1970年ボールマシン製造メーカーとしてアメリカで創設
(今年ちょうど50周年!)
・1976年、標準よりも1.5倍大きいフェイスの『デカラケ』を開発
・憧れの名器:グラファイトを生み出す
・独自の素材/技術が魅力のラケット
・日本独自の企画/スペックのラケットを展開中
名器:グラファイトを生み出したプリンス
一定以上の年齢層のプレイヤーは、Princeと聞けばグラファイトを連想するのではないでしょうか。
Embed from Getty Images優れた性能と使用感、憧れの一本としての地位を築いたグラファイトシリーズはマイケル・チャンやアンドレ・アガシ、杉山愛など、多くの選手に愛されるモデルになりました。
シャラポワの活躍で女性ユーザーも増加!
2004年にはウィンブルドンでマリア・シャラポワが優勝。
その美貌も相まって、ものすごい人気と注目を集めました。
それに伴ってプリンスのラケットも人気となり、特に女性プレイヤーがプリンスを選ぶパターンが非常に多くなりました!
他社にはない革新的な構造を開発
1976年には平均的なラケットよりも1.5倍大きなフェイスの『デカラケ』を開発するなど、他社にはない革新的な構造やアイディアを製品化してきたのがプリンスラケットの特徴。
そして2000年代以降でもっとも特徴的な構造はO3(オースリー)。
フレームに大きな穴が設けられ、空気抵抗の低減・ボールの食いつき感の向上・スイートエリアの拡大などのメリットをもたらしています。
日本独自のスペック・商品企画を展開中
シャラポワなどの人気選手が相次いでプリンスから離脱した事も影響したのか、2012年には経営破綻。
現在日本ではグローブライドがライセンス販売権を持っていて、海外とは異なる日本独自のスペック・製品を販売しています。
(日本とアメリカのPrinceでは売ってる製品がかなり違うんです!)
X(エックス)シリーズの特徴
・左右非対称の設計
・フォアとバックで異なる特性のラケット
・日本独自規格のラケット
<代表的な選手>
秋山みなみ / 三木拓也(車いす)
左右非対称デザインの奇抜なラケット
Xシリーズ最大の特徴は左右非対称のフレームデザイン。
フォアハンドではカッチリした特性でパワフルなボールを打ちやすく、バックハンドではしなりが出る特性でボールを押し込んでいけるフィーリングへと変化します。
このラケットは、以前ファンミーティングに参加させて頂いた秋山みなみプロが実戦で使用中。
PHANTOM(ファントム)シリーズの特徴
・最新素材を搭載した競技向けラケット
・カッチリした打球感
・バランスの良い性能
・海外モデルと日本モデルは別物
・ファントムグラファイトが追加!
最新素材を搭載!バランスの良いラケット
TeXtreme x TwaronやATSなど、プリンスの技術を積極的に取り入れているファントムシリーズ。
カッチリしたフェイスに薄いシャフトを組み合わせ、エクスパンドホールとパラレルホールの両方を採用した事で、パワーとフィーリングを高次元でミックスしたラケットに仕上がっています。
ファントムグラファイトが追加!
そして2020年、新たに追加されたのが”ファントムグラファイト“。
名器:グラファイトの要素と、現在の素材や技術をミックスさせ生まれ変わった、ネオクラシックと呼ぶべきラケットになっています。
100と107の2種類があるのですが、特に107が人気。
大きめのフェイスがボールの食いつきや高いスピン性能を発揮。
新たな価値観を提案するラケットの登場です。
そしてハイドロゲンによる限定デザインも登場!
このデザインはかっこいい!
BEAST(ビースト)シリーズの特徴
Embed from Getty Images・プリンスの”黄金スペック”
・パワーのあるショットを打ち込めるラケット
・球持ち感+復元力の向上で球速アップ
パワーと打球感を高バランスで両立したモデル
新しいビーストシリーズはTeXtreme × Twaronの採用によって、フレームの剛性を高めつつも振動吸収性も向上。
パワーと打球感のバランスが取れた「掴んで弾く」というコンセプトを実現したモデルとなっています。
98平方インチモデルも追加され、より選択肢の幅が広がっています。
TOUR(ツアー)シリーズの特徴
Embed from Getty Images・オーソドックスな使用感
・数少ないボックス形状フレーム
・フィーリングがよく、コントロールがしやすい
<代表的な選手>
L・プイユ
数少ないボックス系フレームを採用
フランスのルカ・プイユ(2019年まで)、2020全仏女子決勝に進出したイガ・シフィオンテクなどが使用しているのがこのTOURシリーズ。
大きな特徴はフレームの断面形状がボックス系で、しなり感やボールの食いつき感が強くコントロールしやすいという点です。
95/100/100(O3タイプ)の3種類。バランスの良い100、コントロール性の高い95、ホールド感やパワーに優れた100(O3)という選び方になってきます。
HYDROGEN(ハイドロゲン)とのコラボモデルも!
ウェア等で知っている人が多いと思いますが、HYDROGEN(ハイドロゲン)とコラボしたO3 TATTOO 100が限定で販売されています!
圧倒的存在感を放つ唯一無二のデザインを採用!
ベースになっているのは欧州版TOUR O3で、国内モデルよりもボールを潰していける仕様となっています。
ボールをパンクさせるようなハードヒッターならこの打ち応えは刺さるはず!
おまけ:過去の名選手たちを紹介
最近はプリンスラケットを使っているトッププロはあまり多くないのですが、時代を遡るととても華やかだった時代もあります!
ここでは過去の名選手達をご紹介して行きます!
まずはパトリック・ラフター。
プリンスのレスポンスやTTウォーリアーなどを使用。
少し厚めのフレーム+丸いフェイスは、ラフターのダイナミックなネットプレーを支えた名器でした。
2003全仏オープンを制したファン・カルロス・フェレーロ。
ラケットは100平方インチ+28インチのグラファイトLBをペイントジョブで愛用していました。
高速スイングと長さによるパワーが組み合わさり、強烈なストロークを打ち込んでいました。
ギレルモ・コリアは小柄ながら、高い機動力とストローク力によってトップ選手として活躍しました。
フェレーロと同じグラファイトLBや、O3 TOURなどを使用。
そしてダビド・フェレールもキャリア初期から全盛期にかけてプリンスラケットを使用。
特にO3 TOURを長く愛用しており、小柄ながらも機動力・タフなメンタルとフィジカルで全仏準優勝も果たしました。