最初の1ラリーをした時点で、これは今までに経験したことのない事態になっていることに気づいたのでした・・・
先月手に入れたテクニファイバー・T-Fight295isoflexの打球感が驚くほど硬かったのです。
ガチっとしたフィーリング、手に残る振動、とりあえず硬さが心身ともにツラい。
レビュー記事や動画ではisoflexによって前作より柔らかさを感じる的なコメントをしている人もいたので、パワーは出しつつもある程度乗る感触を味わえるラケットなのではと期待して買っていただけにショック。
テクニと言えば高強度のハイテク素材はあまり使わずにシンプルで素朴な打球感というイメージだったのですが、どうしてT-Fight295をこうも硬く感じてしまったのでしょうか?
テクニの人気製品T-FIGHT
テクニファイバーはメドベージェフやシフィオンテクを擁しているフランス発祥のブランド。
2022年には男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルスの4種目全てで世界ランキング1位を獲得するという快挙を達成。
今一番おしゃれなデザイン
今のテクニファイバーのラケットはいずれも白を基調とした配色が特徴で、僕がしょっちゅうラケットを買い替えても何も言わない嫁ちゃんもT-FIGHTを見て「今までの中で一番オシャレなデザインじゃん」という高評価。
そう言われるとなぜか持ち主の自分も嬉しい。
逆にデザインが統一され過ぎていてシリーズの見分けがつきにくいという面もあるんですが、自動車でも統一デザインにするブランドが複数あることを考えると良い戦略なのかも。
面100のT-FIGHT295購入
僕が今回購入したのは295グラムで100平方インチのモデル。
白基調のシンプルなデザイン、メッチャ良いですよね。
面100ですがかなりスリムに見え、98だよって言われたらたぶん信じちゃうレベル。
(これと比べるとEZONE100は103くらいはあるように見える)
しっかり剛性のある23.5㎜厚フレーム
厚さは23.5㎜でRA値は約70で、中厚系ながらもしっかりとした剛性があるフレーム。
面や厚みがほぼ同じSPEED MPはRA60であまり飛びを感じられず、CX400TOURはRA68でパワーや使用感は良いもののデザインや塗膜強度の不安を抱える・・・ということでこのT-FIGHT295を選んだワケです。
実際に打ったら硬くてツラい
打感が硬い。
おかしい。
思ってたんとちゃう。
最悪でも「柔らかくはないけど硬くはない」程度には収まると思ってたんですけど、歴代でもトップクラスに硬質な打球感でした。
しなりやたわみなどフレーム自体の変形が少ないのは予想通りなんですが、なんかやたらストリングベッドのたわみも少ない。
PTプロ125、ポラリス125、エンブレムLT、レーザーソフト120(35ポンド)と複数のセッティングを試したのですが、多少の差はあれどどうにもストリングのたわみは感じにくかったです。
ストリングの可動域を均一化させるアイソフレックスの影響なのか?
(だとしたら僕には恩恵になってない)
様々な環境下でも変わらぬ感触
ストリングを複数種類試しただけじゃなく、コートはオムニとハード(屋内外両方)、天候も炎天下や雨の中でもテストしました。
結果、どの環境下でもあまり使用感が変わらない。
ベースとして硬質感が目立つので、炎天下でも乗り過ぎる感じしないし、雨でも鈍重さは控えめ。
条件が変わってもここまで感触が変化しない安定感、それって逆に凄いんじゃね?
ちなみに知り合い3人にこのT-FIGHT295打ってもらったのですが、程度の差こそあれど全員が打感は硬いと評価していました。
トレンドには流されないラケット?
ヨネックスのVDM、プリンスのPVS、バボラのフラックスなど、フレームの振動を減衰or制御するというのがここ数年の大きなトレンド。
しかしT-FIGHTシリーズには減衰性を大幅に高める技術は使われてないんですよね。
※300g以上のモデルにはウレタンフォーム充填もされてるようなんですが、295以下はたぶん非搭載
ポジティブに言うならクラシカルで素朴なフレーム、ネガティブに言えばローテクで前時代的。
TF-X1のX-DAMP、TF40の全周ウレタンフォーム充填がされているので、テクニ自体が減衰性を無視してるワケじゃないとは思うんです。
T-FIGHT305の方が柔らかい
T-FIGHT295isoにレーザーソフト125を35ポンドで張ったものと、T-FIHGT305isoにレーザーソフト125/120を47ポンドで張ったものを打ち比べしました。
テンションは10ポンド以上離れているし、305はメインが18本というのも大きな違い。
そんな条件でも明らかにT-FIGHT295の方が硬さのある打感でした。
305の方がショートラリーでも柔らかさを感じるし、しっとり感もある。
アイソフレックスによる恩恵も305の方が感じられる気がする・・・
こんなに差があるとは驚き。
RA値は69と高めな295
ラケット選びの際に参考にしている人も増えたRA値で比較をしてみました。
T-FIGHT295と同じRA69だとピュアアエロ2024やNOVA100、68だとCX400TOURやウルトラツアー100v4などがあります。
RA値と硬さは比例する?しない?
T-FIGHT295はRA69で硬く感じたので、他のRA値が近いラケットも打感が硬ければ話は早いのですが・・・現実はそう簡単じゃないんですよね。
RA68のCX400TOURはビックリするくらいマイルドで食いつきがあるし、カタログ値ですがRA72のピュアスト100なんかも弾きはするけどあまり硬さは感じないラケットでした。
ピュアドラ100もRA72だし硬い硬いと言われることは多いですが、実際打ってみるとT-FIGHT295ほどの硬さは感じませんでした。
まぁRA値も万能じゃないんですわな。
例えばRA60とRA70を比較すればそりゃRA70の方が硬めの打感だろうってのは分かりますが、RA62とRA66みたいに数ポイントの差だとどっちが硬いかを推測するのはかなり難しい。
周波数の高低は使えないだろうか?
そこで僕が最近注目しているのがフレームの(固有)振動数。
テニスウェアハウスに振動数が一覧でまとめられていて、だれがこんなマニアックな情報使うねんと思っていましたが。
T-FIGHT isoflexシリーズの一覧データがこちら。
スペック | 周波数 [Hz] | RA |
295 | 161 | 70 |
300 | 148 | 66 |
305 | 141 | 64 |
315 | 160 | 69 |
これで見ると295が一番RA値も周波数も高く、305はどちらも一番低くなっています。
うーん、これだけ見るとRA値とほぼ同じ傾向があるだけだなと。
振動数を有効活用するにはもっと考察していく必要がありそうですね。
295と315が近しい数値になっているので、315も結構硬めのフィーリングなのかも?
(重量が違うので差はあると思うけど意外と似てたりして)