00-解説

テニスラケットのRA値で分かること、分からないこと。

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RA値はとても大事な要素

ブログやYouTubeでインプレを発信していくにあたって、極力計測して公表するようにしているのがラケットのRA値

ラケットの反発力やパワーにつながる要素でもあるので、ラケットを選ぶ際にヒントにしているという人も結構多いのではないでしょうか。

TRUEMAN
TRUEMAN
と言っても「RA値」と言ってすんなり伝わるのはアドブロを見て下さっている人の多くが道具に詳しいからであって、一般プレイヤーでRA値を知らない人の方が割合的には多いんだろうなと。笑

全メーカーが公表しているワケではない

diadem elevate tour v3 のスペック表記

スペック表にRA値があればラケット選びのヒントににはなるものの、実際にRA値を公表しているメーカーはごく一部

僕が知っている限りではバボラ、ダンロップ、ダイアデムくらいです。

もっと多くのブランドが公表してくれれば、比較検討する際の判断要素が増えて良いのに・・・と思うんですけどね。

しかし「絶対的な数値」ではない

RA値は凄く意識しているし大事にもしているつもりなのですが、一方で「絶対的な数値ではない」という事も同時に感じています。

RA値が低くても打球感が硬い時もあるし、反対にRA値が高くても打球感が柔らかく感じられる時もあります。

RA値が低い=打球感が柔らかいとは限らない

ここ数週間、モニターさせてもらって大変好印象だったCX400TOUR。

このラケットはRA68(ライズさんでの実測値は69)、RA値は高めですが打球感は十分に柔らかく感じます

一方でRA値の割に硬いなと感じたラケットとしてはプレステージツアーですかね。

RA65とほぼ標準という値ですが、インパクトでの手応えは重くがっちり感も強くて硬く感じてしまいました

前作エレベート98もRA64(カタログ値)ではありますが、フレームがブレにくいからなのか打感はかなりガッシリした印象でした。

なのでRA値の大小で打感の柔らかい・硬いを直接判断出来るワケではないという事が分かります。

RA値はしなりにくさの指標

DUNLOP CX400TOUR (ダンロップ・CX400ツアー)2024年モデルの打球感、フィーリング

改めてRA値とはなんなのか?っていうのをおさらいすると、これはフレームのしなりにくさを数値化したもの。

高ければしなりにくく、低ければしなりやすい。

当たり前ですが、それ以上でもそれ以下でもないんですよね。

ラケットの変形は複雑

テニスラケットのしなり、たわみ、捻じれ、RA値

あくまで簡易的な図解にはなりますが、ラケット変形は色んな方向・種類があると考えられます。

RA値が表せるのはあくまで画像右側のしなり感だけなんですよね。

RAで分かるのはしなりが大きいか小さいかだけ

DUNLOP CX400TOUR (ダンロップ・CX400ツアー)2024年モデルの剛性、変形

新型CXのコンセプト解説の際に「面内剛性」「面外剛性」というキーワードが出てきましたが、これはRA値だけでは打球感の柔らかさを表せないという事に対するアンチテーゼというか、新たな切り口だなと感じました。

特に今回のCXは数値的には前作よりも高いRAになっているため、「前作よりも硬くなるならやめとこうかな」とユーザーが感じてしまったら売れなくなってしまいますからね。

RA値は上がったのに硬く感じない理由っていうのを解説するのに、ダンロップはこの面内剛性という部分を持ってきたワケです。

TRUEMAN
TRUEMAN
こういう部分も数値化してカタログに載せてくれたらいいのに!

しかも「しなり」にも色んなタイプがある

そして肝心のしなりという点においても、しなり方にも色んなタイプが存在しています。

例えばクロスバーが入っているグラファイトは、同じようなフレーム厚のラケットに比べるとしなるポイントが上の方にあるのではないかと予想されます。

ゴールドオリジナルxファントムタッチのハイブリッドを張ったEZONE98

逆に、フェイス周りは最大24.5mmと厚く、シャフトは19.5㎜と薄くなっているEZONE98に関しては、フェイスは変形せずにシャフト部分(手元寄り)から大きくしなっていると予想出来ます。

RAの計測は先端部分に加重して行う事が多いので、似たようなRA値であっても実際にはしなり方が全然違うという可能性があるんですよね。
(※PG97のRA値は公表されてないのですが60台中盤だと予想)

TRUEMAN
TRUEMAN
釣り竿でもしなるポイントが手元寄りなのか先端寄りなのかで全然用途が変わってくるので、ラケットでもそういった部分が分かりやすく表記されると良いですね!

RA値が低いと腕に優しい?

「手首や肘が痛いからRA値が低いのを探してる」という人もいるんじゃないでしょうか。

個人的には、RA値と身体への負担に強い相関性はないんじゃないかと考えています。

語り出すとそれだけでまた1記事書けそうなので割愛しますが、フィーリングなどが変わる事で力の込め方やフォーム、インパクトの位置などが変わってしまう事で痛みにつながっているんじゃないかなと思います。

TRUEMAN
TRUEMAN
僕は弾きが良いラケットだと打点を引き付け過ぎて手首が痛くなったりすることがあります。笑

ちなみに過去にTFCCを損傷した時はX-BLADE315を使ってましたが、RA値は公表されてなかったもののおそらくかなり低めのモデルだったと思うので・・・RA値が低ければ痛めにくいとかはあまりないんじゃないかと考えるきっかけになりました。

それでも数値を出す意義はある

ここまでくると「じゃあRA値には何の意味があるの?」と感じる人が大半だと思います。

そして僕自身もそこは疑問に感じてます。笑

RAがあるからと言って、打球感やパワフルさを推測出来るか?というとそうでもない。

そこだけを考えるとRA値の存在意義は無いようにも思えてきます。

ただ要素が足りていないだけなのでは。

思うに『RA値だけではまだ要素が足りない』という状態なんじゃないかと。

例えばスイングウェイトだけが表記されていて、重量もバランスも公表されていないという状況を想像してみて下さい。

AとBのラケットがあって両方とスイングウェイトが290、でも重量やバランスは分からない・・・ってなるとこのスイングウェイトだけあってもラケット選びにはあまり役に立たないと思うんですよね。

現在のRA値もそれに近い状況なのではないでしょうか。

どの辺りがしなるのか(キックポイント)や、ダンロップのような面内・面外剛性を数値化するなど、RA値と組み合わせて行けばラケット選びに役立つポテンシャルはあるんじゃないでしょうか。

もっともっと細かい数字を出しても良いのでは。

あくまで個人的な意見ですが、ラケットの特性を表す数値は可能な限り公表してもらう方が良いのではと思ってます。

RA値やSWは勿論、キックポイント、固有振動数、グロメット径、ストリングピッチ、対ねじれ剛性などなど、可能な限りの諸元を出してほしいんですよね。

その方が数字から判別や比較出来る要素が増えてマニアは楽しめますし(笑)

ラケットのスペックにこだわるのはキャリアの長い男性プレイヤーの割合が高いと思う(※アドブロのYouTubeチャンネルのアナリティクス見れば顕著)のですが、自動車や自転車、家電やオーディオなどモノを買おうとする時に諸元表を見て比較をした・・・という人が多いのではないでしょうか。

そういう人がもっともっと見てくれるようにデータを充実させるのはアリだと思うのです。

逆にテニスを始めたばかりの人、感覚重視のプレイヤーなどには無駄な情報が増えて分かりづらくなる・・・という懸念もありますが、そういう人向けには今まで通りのスペック表を見せれば良いと思います。

今後ラケットの価格は上がり買い替えるという事に対するハードルは上がる一方だと思うので、より購入意欲の高い人、趣味性・嗜好性が強い層にしっかりアプローチを掛けるのは必要なんじゃないかと思います。


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テニス系ブロガー
アドブロ (コトウダマサト/TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年

・オールコートプレイヤー(自称)
・EZONE98L+PTストライクコンボ
・ラケット購入本数100本間近
・ラケット累計200本以上テスト

・ストリングは200パターン以上テスト
アドブロの詳しいプロフィール

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