今回はBRIDGESTONEが2020年に追加発表したX-BLADE BX315のインプレをお届け!
BS最後のラケットになるかもしれないこのモデル、こだわりの詰まった本気の1本に仕上がっています!
X-BLADE BX315とは?
2005年にBRIDGESTONEから登場したX-BLADEシリーズ。
ブレード製法にグラスロービングを編み込むなど、独自の製法・仕様にこだわったラケットです。
X-BLADE BX315は2020年に追加された新モデルで、シリーズ中で最もヘビーなスペックとなっています。
スペック:X-BLADE BX315
モデル | BRIDGESTONE X-BLADE BX315 |
フェイスサイズ | 98平方インチ |
重さ | 315 g |
バランス | 320 mm |
フレーム厚 | 21mm |
フレーム長 | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 |
先行して販売されていたしなり重視のBX305をベースに、フレームの内部に発泡ウレタンを充填し315g/320mmへと高重量化・イーブンバランス化されています。
安定性能とコントロール性能を追求した高速スイングプレーヤー向けトップモデル。
https://www.bs-tennis.com/xblade_bx/lineup.html
高速スイングができるプレイヤー向けとの説明がありましたが、重さを活かしてゆったりと大きなスイングでプレーする人にもフィットするんじゃないでしょうか。
採用テクノロジー:ホールド感アップの機能搭載
X-ブレード製法 | 筒状に編み込まれたカーボン繊維で製造。 ホールド感・マイルドな打球感を実現。 ねじれを抑制。 |
CGカーボンブレード | 24Tカーボンとグラスファイバーを使用。 伸縮性が高く、しなりとホールド感が向上。 |
パワースタビリティ カーボン | フェイス5・7時に高密度のカーボンを配置。 安定性能と高速スイングを実現。 |
レジツイストBフレーム | グロメットの溝を深くしたフレーム断面形状。 フェイスのたわみが大きくなりホールド感向上。 |
従来のX-BLADEを代表するX-ブレード製法はもちろん、新しい素材の追加+断面形状の変更もあり、前作以上にホールド感を向上させた1本になっています。
セッティング:ブリオ130を45ポンドなど
ストリング | ① バボラ ブリオ1.30mm | ② ブラックコード 1.24mm |
テンション | 45ポンド | (BSモニターラケット) |
張り方 | 1本張り | 1本張り |
総重量 | 335g | 339g |
カスタム内容 | ・オーバーグリップ1枚 ・振動止め無し | ・オーバーグリップ1枚 ・振動止め無し |
今回は定番のブリオ1.30mmを45ポンドで張り上げ。ブラックコードはBRIDGESTONEオンラインで当選したモニターラケットのため、詳細なテンションは不明です。
オーバーグリップを一枚巻きましたが、それ以外は完全にノーマルで使用しています。
(シンセティックレザー標準採用なので、レザーグリップ派の人も違和感は少ないと思います!)
動画インプレ:315/305/300を比較!
315/305/300を打ち比べてきましたよ!
315は圧倒的な重みは使い手を選びますが、一度振り出せばインパクトでの安定性はピカイチ!最近のラケットにはないフィーリングのなかり面白いラケットです!
打感:しなりが凄い
ストロークではハッキリとしなりを感じ取る事が出来ました!
普段使っているピュアストライクと比べると、ボールの接触している時間が明らかに長く感じるほど。
ベースとなっているBX305もしなりの強いフレームでしたが、BX315は重さもバランスも上がっているのでボールの抜けも315の方が上。
フレーム内に発泡ウレタンが充填されているおかげなのか、手に伝わる振動の収まりも良かったです!
性能:安定感+重さによるパワー!
しなりの強いフレームに315g/320mmの組み合わせは決して楽ではないものの、インパクト時の安定性が高く、振り抜けば大きなパワーが出る1本でした!
反発力:振り抜けば重みでパワーが出る!
重めの設計になっているので、フルスイングするのには一苦労。ただしっかり振り抜けた時には、その重みによって想像を超える球威を発揮してくれます!
また、重さを活かしてゆったり大きなスイングで深さを出していくプレーも有り。(僕の筋力ではこちらの使い方がベター)
スピン:厚い当たりのフラットドライブ向け
スピン性能は控えめ。厚い当たりから放つフラットドライブ向けの1本ですね。
ブリオだとスピードや球の伸びが感じられましたが、高い弾道のボールが打ちにくい感じ。ブラックコードだと若干弾道が上がり、振り抜く時にも安心感がありましたが、反発力が少ないのでスイングが甘くなるとボールが失速してしまいます。
重みによるパワーを活かし切るには、細ポリやハイブリッドなど体力に合わせたストリング選びがとても重要。
→ ストリングインプレ一覧
→ ハイブリットストリング一覧
スライスはかなり打ちやすい!
しなり感と食いつき、重みによってバックハンドのスライスはかなり打ちやすかったです!!
コートの深くに低く伸びるスライスが打てます!!僕がこのラケットでシングル戦うならバックハンドはスライスしか打たないでしょうね・・・
操作性:扱いきれる人は少数!
このBX315は決して楽なラケットではありません。しっかり扱い切れる人は少数だと思います。シングルスで強いストロークを打ち合う人(打ち合える人)向けの設計。
テンポの早いダブルス、スピンサーブなどでは振り切りが甘くなってしまい・・・失点することもしばしば。
操作性に不安を感じる人はBX305をカスタムする方が良いかも!
他のBXシリーズと比べると?
ここではその他のBX300・BX305との違いについて触れていきます。
実際に打ってみた感触、ZEPPテニスセンサーで集計したデータの両面からまとめてみました。
BX300:完全に別物クラスの性能と使用感
BX300はボールの弾き、剛性感、ボールの引っかかりの良さが明らかに別物!ライジングなどのコンパクトなスイングでもしっかりボールが走ってくれるし、スイングの変化をラケットがリニアに反映してくれる印象。
一番使い易いのは間違いなくBX300です。
同じストリングを使用していますが、BX300(赤い丸)の方が速度が高い・回転数が低めに分布。弾きが良く、スイングのエネルギーが効率良く推進力に変換されているのが推察されます。
→ BX300はかっちり感+スピードで攻めるラケット(インプレ)
BX305:ベースモデルだけど、中途半端かも。
315が追加されるまでは一番重たいモデルだったのがBX305。305g/315mmは操作性には優れているものの、フレームのしなり具合に対して重みが不足している印象。315と比べるとインパクト時の安定性・球威の両面で劣っており、ノーマルのままだと中途半端になってしまった感じ。
BX305をベースにウェイトチューンしていくのは面白いかも。
データを見比べると分布の状況はほぼ同じ。
振り出してしまえばヘッドが自然に走っていくBX315に対し、BX305ではスイングスピードの速さを保つ事で球威を出すイメージ。
→ BX305はしなり+コントロールに優れたラケット(インプレ)
まとめ:ツボにハマれば凄いボール打てるけど!
BRIDGESTONE X-BLADE BX315のインプレまとめです!
・ハッキリ感じられるしなり
・315g/320mmでパワー/安定性が凄い
・BX305よりもボールの抜けが良い
・低めの弾道、フラットドライブ向き
・スライスは非常に打ちやすい
・サーブは筋力がないと厳しい
・操作性は低く、ダブルスやボレーは厳しい
・性能を出し切るにはストリング選びが重要
良いところ、厳しいところがハッキリ出るラケットです・・・技量も体力も要求されるラケットですが使うのは楽しかった!笑
現代的なラケットとはあらゆる面で異なる1本ですが、だからこそ他にはない魅力を持っていると感じました。
トッププロのパーソナルスペック(プロストック)もこんな感じなんじゃないの?って思える位の仕上がりでした!
関連記事:BRIDGESTONEがテニスから撤退
以前の記事でも触れましたが、BSはテニス事業から撤退する事が決定。
他社以上にこだわりの詰まったラケットづくりをする国内ブランドだっただけにこのニュースは寂しい・・・