ブリジストン(ブリヂストン)のテニス事業撤退が決定してしまいました。
この記事では、
・BSのラケットをおさらい
・ブリジストンがテニス事業にもたらしたものとは?
・今後、テニスボールはどうなるの?
と言った項目を踏まえつつ、今後のテニス界への影響を考察しました。
コトウダマサト (TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年
・ATP観戦歴も約20年
・オールラウンド器用貧乏
・TOUR100 290gを愛用中
・BSのボールが好きでした!
→ 詳しいプロフィール
ブリジストンがテニス事業から撤退
テニス界に衝撃のニュースが走りました。
ブリジストンがテニス事業から2020年いっぱいで撤退するという事が発表されました。
今回はこのニュースを踏まえ、ブリジストンのテニス事業について振り返りたいと思います。
こだわりのあるブリジストンのラケット作り
この10年以上、ブリジストンのメインラケットだったのがX-BLADE(エックスブレード)シリーズ。
多くのラケットがカーボンのシートを切ったり貼ったりして筒状に形成するものがほとんど。一方のX-BLADEシリーズは、あらかじめ筒状に編み込まれた素材を使用したブレード製法を採用している数少ないモデルとなっています。
この製法のメリットはラケットひとつながりで製造される事によって、しなやかでありながらダイレクトな打球感。
X-BLADEの歴代モデルを一気に振り返る記事も用意したので、合わせてチェックしてください!
こだわりのある玄人向けのラケットたち
BSのラケットはブレード製法である事だけでなく、同一シリーズであっても重量毎に異なる剛性・しなり具合など細かく調整されていたり、こだわりの強いラケットたちが魅力的なブランドでした。
一言で表現するなら”玄人向けのブランド“。
僕は好きなブランドだったんですが、売上的には・・・厳しかったのかも。
オンコートでも見かける事が少なかったですね。
(たまにマダム層が325スペックを使ってたりしたけど・・・チョイスとしてはちょっと疑問形、な人が多かった印象。)
テニス用品は国内販売のみ
ラケットやアパレルなど、BSの製品は国内のみの販売となっていました。
ATPやWTAの海外選手との契約も(僕が知る限りでは)なかったはずです。
タイヤ事業では世界でトップシェアなのに、ラケットは日本だけなんだなぁ?と疑問に思っていましたが・・・。
ブリジストン最後の逸品になるかも?
ブリジストンが現段階で最後にリリース(追加)したモデルは、X-BLADE BX315。
しなり感のあるBX305をベースに、フレーム内部に発泡ウレタンを充填するなどの調整が行われており、315g/320mmというハードめなスペックに仕上がっています。
ブレード製法によるしなり感はフラットドライブ系のスイングと相性が良く、重量アップによって球威と安定性がアップしています。
ハイブリッドストリングを張って、丁寧なテニスをしつつも打っていける・・・そんなセッティングが似合う1本ですね。
BSのラケットが無くなったら??
ここでは、BSのラケット無くなった後のテニスラケット事情を考えてみましょう。
独特の感触と性能を持っていたX-BLADEシリーズから乗り換え候補として考えられるモデルをいくつか挙げてみました。
アドブロ的にはこの3機種を推したいですね。
フレームのほどよいしなやかさ、アシストしすぎない性能、プレイヤーの意図を素直に反映してくれる使用感など、BSラケットに通ずる部分があると思います。
プリンス ファントムグラファイト・シリーズ
BSラケット、特に310g以上の重たいモデルを使っていた人にはぜひオススメしたいのがプリンスのファントムグラファイト97。
しなやかでしっとりとした打球感はありつつもクロスバーの効果で非常に高い安定性を持っているというのが、X-BLADEに近い使い心地に感じられる要素になっていると思います。
【インプレ一覧】
ファントムグラファイト93
ファントムグラファイト97(315g)
ファントムグラファイト97(300g)
ファントムグラファイト100
ファントムグラファイト107
ウィルソン BLADE・シリーズ
ウイルソンの主力製品であるブレード・シリーズは乗り換え候補としてオススメしやすいですね。
もともとX-BLADEとほぼ同じラインナップ+ライバル関係だったので、近しいスペックを選んで試せばスイッチはしやすいと思います。
テクニファイバー T-Fight・シリーズ
ブリジストンが取り扱っていたテクニファイバー(今はラコステが取り扱い中)のT-Fightシリーズも候補としてアリだと考えています。
T-FightはX-BLADEと比べればしなやかさはだいぶ控えめですが、プレイヤーの意図を素直に反映してくれる使い心地・ストイックさは近いものがあるんじゃないかと思います。
全仏が最後のGS大会、有終の美??
Embed from Getty ImagesブリジストンのX-BLADE RZ300を使用している青山修子選手が、柴原瑛菜選手とのペアで全仏オープンベスト8に進出。
海外進出していないブリジストンのテニスラケットが、グランドスラムという大舞台で活躍しているのを見られるのも今大会が最後かも・・・。
今後の動向も気になりますが、まずは今大会で青山/柴原ペアが1つでも多く勝ち上がってくれる事を願うばかり。
XT8/NX1などのボールはどうなる?
実はラケット以上に深刻な問題はテニスボールの選択肢が減ってしまう事。
ブリジストンのボールと言えばXT8、NX1、ツアープロ。
特にXT8は公式戦でも使用されており、FORTをシェアを二分している状態ですね。
その1つがなくなるというはかなり大きな衝撃。
生産終了の時期などは名言されていませんでしたが、いずれ購入出来なくなって行く事でしょう。
特に練習に大活躍していたツアープロはまとめ買いしておいてもいいかも。
<2022.5.1追記>
徹底表明から約2年が経過、当然のことながら現在ではBSボールを購入する事は出来ません。
ほぼ同等品としてTecnifibreのCourt、YONEXのTOURが販売されていますので、ぜひこちらをご活用ください。
FORTが嫌いなんですよね。笑
ということでFORTを使うことが今後増えそうな状況ですが、正直FORTは好きじゃないんですよね。
マイルドな打球感に定評があると思いますが、価格の割に耐久性がイマイチだったりとBS系のボールに比べると球速も出にくい印象。
なんといってもFORTが誕生したのは1961年、なんと今から59年も前のお話!
(St.Jamesはさらに遡って1952年誕生!)
1960年代と言えばロッド・レーバー、ケン・ローズウォールといった選手たちが現役で活躍していた頃。笑
ラケットもストリングも大きく変化した中で、ボールだけいまだにFORTが現役なのはすごいなぁと思う一方で、もっと新しいスタンダードが出てきてほしいなぁと思うのです。
ボール探しをして行く予定です。
ボールに関しては色々試して、使用感や耐久性、コストパフォーマンスなどのバランスが良い製品を探して行こうと考えています。
ダンロップの全豪オープンやATP、スリクソンHDあたりに期待をしています・・・テスト出来次第、改めて記事を作成してシェアさせて頂きます。
ブリジストンがテニス事業撤退|まとめ
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。
ブリヂストンの撤退はとてもショックですよね・・・こだわりの強いラケットを作る国内ブランドが減ってしまうだけでなく、公式球の選択肢にも影響を与える事間違いなし。
今後、身近な大会でも新しいボールを選ぶところが現れるのか、それともFORT一択になってしまうのか・・・様子を見ていきたいと思います。
初代・3代目と愛用していたX-BLADEが懐かしくなって中古市場漁っています。笑
『BSのこのラケットが好きだった!』というコメント、お待ちしてます!
普通に使いやすいX-BLADE BX300も優秀な1本だし・・・食わず嫌いせずに試してみたら気に入ってもらえると思うんですけどね!