ポリストリング市場が成熟した今、改めてこのストリングの魅力に迫りたいと思います!
この記事で分かること!
・アルパワーの使用感、性能
・どんな人、ラケットにあうのか
・逆にどんな人には不向きなのか
・実際にコスパはいいのか
・ライバル製品との比較
ルキシロン・アルパワー (ALU POWER)とは?
今回はルキシロンが誇るベストセラーポリエステルストリング:アルパワー(ALU POWER)。
トッププロからアマチュアプレイヤーまで幅広く愛される、非常に有名・人気のストリングです。
ポリストリングの先駆け的存在 BigBanger
Embed from Getty Imagesアルパワーが登場したのは、トッププロ = ナチュラルストリング(ガット)というイメージが色濃く残っていた90年代後半。
グスタボ・クエルテンやファン・カルロス・フェレーロ、アルベルト・コスタなどが相次いでルキシロンのポリエステル・ストリング(Big Bangerシリーズ)を使用して全仏を制覇。
トッププロのストリング事情は急速に変化していくのでした。
ジョコビッチやマレー、フェデラーもアルパワー
そして現在のトッププロ選手にも高い使用率を誇っているのがアルパワー・シリーズ。
Embed from Getty Imagesジョコビッチを筆頭に、マレーやフェデラー(※アルパワーラフ)、モンフィスやディミトロフ、また一時期は錦織選手(※アルパワーフローロ)も使用。
多くのトップ選手に愛されています。
(→ BIG4 パーソナルスペック 総比較 | ラケット / ストリング比べてみた!)
また男子トッププロだけでなく、国内女子選手(岡村恭香選手、美濃越選手etc.)が単体で使用していたりと、幅広い選手層に支持されています。
(詳細はこちら→ テニス×美女特集[日本人選手編])
アルパワーのスペック&テクノロジー
ここではアルパワーのスペックやテクノロジーについて解説していきます。
新モデル:1.15mm/1.28mm(RG)も追加
製品名 | LUXILON ALU POWER |
素材 | ポリ・エーテル・エーテル +アルミ・ファイバー |
太さ | ・1.10mm ・1.15mm ・1.20mm ・1.25mm ・1.28mm (RGモデルのみ) ・1.30mm |
カラー | ・シルバー ・アイスブルー ・レッドクレー(RGモデル) |
製造国 | ベルギー |
定価 | ¥2,900 + tax (12.2m) |
素材にアルミ・ファイバーが配合されており、これがアルパワーという名称の由来。
(廃盤になりましたがTIMOというモデルは、チタン:Tiとモリブデン:Moが由来。)
一番細いアルパワー1.10mmについては別記事でレビューしていますのでこちらも要チェック。
インプレのセッティング:BX315に45lbs
ストリング | アルパワー 1.25mm (シルバー) |
ラケット | BRIDGESTONE X-BLADE BX315 |
ストリングパターン | 16 x 19 |
総重量 | 349g |
張ってみた感触:若干の硬さ+ツルツル
少し青みのあるシルバーは、品があってカッコいい!
張るだけでもちょっとテンションが上がる気がします。
素材自体には若干の硬さを感じます。ヨネックスのポリツアープロをもっとはっきりと硬くしたような印象。
表面はツルツルとした感触で、クロスを通す時の摩擦は少なかったです。
アルパワーの性能:厚い当たりで攻められる!
随分前にアルパワー打った時には、”もっさりしているポリ”っていうイメージでしたが・・・が!
最近のポリ製品に比べるとアルパワーはしっかりとハリ感があって、意外なほどボールの抜けの良さ(≒弾き)を感じる事ができました!
スピンも自然に掛けられるので、厚い当たりのボールで攻め込んでいけるストリングです!
打感:当たりは柔らかいけどハリ感がある
2000年代初め頃はかなり柔らかい方のポリでしたが、最近の製品群の中ではそこそこの柔らかさという感じですね。
インパクト時にはカツンと来る感じが少なく、そこからハリ感が出てきてボールを気持ち良く打ち出してくれる・・・確かにこれは気持ち良いかも(笑)
反発力:パワフルという事はないけど問題無し
ストリング自体のパワーはそれほどありません。
ただハリ感がある事で、ボールを過剰にホールドし過ぎずに飛ばしてくれるので割と快適な感じでした。(もちろん飛び過ぎてしまう、というレベルではありませんが。)
しっかり振り抜けるプレイヤーが、力強いボールを打ち込むのに適したストリングなんだなぁと実感。
1.15mmも追加された事でより幅広い層がアルパワーを楽しめるようになっています。
体力に合わせた太さを選びましょう!
スピン性能:滑りは良い!割とスピン掛かる。
表面の滑りが良く、割とスピンは掛かってくれるように感じました!
ハイパーGのようなボールを削り取るようなスピンではなく、ホールド感と滑り(スナップバック)によって自然とスピンが掛かるイメージです。
テンション維持性:普通のポリエステル
色々と言われているアルパワーですが、テンション維持性に関しては普通のポリといった印象。
これはもうアルパワーがどうこう・・・ではなく、ポリエステル全般に言える事なので、定期的な張り替え前提でチョイスするべきだと思います。
以前の記事(グリスを塗ったら回転量は増えるのか確かめた!|ストリング・スナップバック考察)でも言及した事がありますが、ストリングは緩んでくると①球速が上がる②スピンが掛かりにくくなるという傾向がある為、厚い当たりのボールがコントロール出来なくなる可能性が考えられます。
過剰に不安視する必要はないと思いますが、やはり早め早めの張り替えをしたいストリングでしょう。
コスパは△:ロールで買うと¥1,250くらい
コストパフォーマンスははっきり言って良くはないですね。
¥2,900という価格の高さがネック。
あと数年で登場から四半世紀経つストリングがこの値段・・・というのはちょっと見直してほしいところ(笑)
実勢価格(12mカット品)で¥1,600前後と、他のポリと比べても若干の割高感は否めず。
多少のコスパを犠牲にしても、アルパワーの気持ち良い感触を優先させたいという人が選ぶべきかと。
ロールは2万円前後が最安値。
12mずつ使った場合、1張り当たり約¥1250。
アルパワーにこだわる人は、絶対ロールで買った方がお買い得。
オススメ:ハードヒットで攻めるプレイヤー
・厚い当たりで打ち抜ける人
・スピード+スピンが欲しい人
・独特な打感が好きでたまらない人
・定期的な張替えに抵抗がない人
・多少コスパ悪くても気にしない人
アルパワーの打感が好き!っていうハードヒッターがメインターゲットと言えますね!
こんな人は合わないかも!
・楽にボールを飛ばしたい人
・コスパも気になる人
・手首や肘などに不安がある人
無理に使うのはオススメしないですよ(笑)
ライバル比較:PTストライクやRPMブラストなど!
アルパワーはしっかり打ち込んでいけるスピード&スピンのバランスにストリング。
ライバルとしてはヨネックスのポリツアーストライク、ダンロップのエクスプロッシブ・ツアーなどが挙げられます!
ポリツアーストライク(ヨネックス):ほぼ上位互換!?
『アルパワー好き!』って人は、一度はこのポリツアーストライクを試してみるべきですね!
ハリ感と柔らかさのバランス、強打に応えるレスポンスの良さ、時間経過による変化の少なさ・・・正直、アルパワーの上位互換かも?
エクスプロッシブ・ツアー(DUNLOP)
こちらもアルパワーと同系統と言えるポリエステルストリング。
インパクト時の柔らかさがありつつ、適度なアシスト感もあるため、『アルパワーは好きだけどちょっとつらい・・・』と感じていた人には凄く良い1張りになるはず。
RPMブラスト(バボラ):同等のハリ感+スナップバック
アルパワー同等のハリ感、+αのスナップバック(滑り)を持っているRPMブラスト。
RA値の高いラケットなどに組み合わせれば、ブラストの滑りの良さがより攻撃的なショットをもたらしてくれるはず。
他にも多数ストリングのインプレ記事を用意しています。
ストリング選びの参考にしてみてくださいね!
→ ストリング・インプレ一覧
まとめ:打ち込んでいけるストリング
・アルパワーは厚い当たりで攻められる!
・振り切っていける人向けのストリング
・スピード&スピンがバランスされた性能
・テンション維持性は普通のポリ。
・実勢価格はお高め。コスパはイマイチ。
<紹介した製品一覧>
単張最安値:¥1,630+送料
アルパワーの単張最安値は¥1,630+送料。
価格は高い部類になり、コスパとしては決して優れてるとは言いにくいところ。
フィーリングを重視する方にオススメのストリングです!
ロール最安値:¥19,306 (1張り分¥1,207)
ロールは2万円切り。1張り分は¥1,207まで安くなります。
ヘビーユーザーの方はロールガイ必須。