00-解説

ストリング(ガット)のテンションによる違いを徹底解説![テニス基礎知識編]

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ストリングのテンションってどのくらいがいいの?
60ポンドって人もいれば、40ポンドって人もいるみたいだし・・・どうしたらいいの??
こんなふうに悩んだ事のある人も少なくないんじゃないでしょうか!

僕は高校生の頃、ストリングのテンションは高い方がカッコいいという謎の理由から62、63ポンドくらいで張ってました(笑)
今思うと自分にはあってなかったし、プレーレベルにも上達スピードにも影響していましたね・・・反省。

トロフィーポジション/プロスタッフツアー90

この記事では、ストリング・テンションへの理解がより深まるよう、これまでの経験も踏まえつつ分かり易く解説していきます。

この記事で分かる事

・ストリングのテンションについて解説
・テンションが高い/低いでどう変化するのか
・面圧という考え方について
・自分用のテンションの見つけ方

ストリングのテンション:引っ張る強さの事

Embed from Getty Images

「ストリングのテンションってなーに?」って聞かれたら、ざっくり答えるなら『ストリングを張る時の引っ張る強さ』の事!

ストリングを張る時には、機械によって力を掛けて引っ張る⇨固定する⇨次の糸を引っ張る⇨固定する・・・・この手順を繰り返して行われています。

張りの強さはポンド(lbs)かキログラム(kg)で表される

ストリングを引っ張る強さを表す単位はポンド(LBS)かキログラム(kg)となっています。

日本ではポンド表記が主流となっていて、張り替えサービスやカタログでもポンドで指定することがほとんどです。

選手によってテンションが全然違う

このストリングを張る強さは選手によっても大きく異なり、フェデラーは約59ポンド×55ポンド、錦織選手は一時期40ポンド前後で張っていたこともあったそうです。

気温やコートの種類、ボールの特性などによって微調整する人もいれば、基本的にテンションは変えないという選手もいるそうです。

テンションの高い/低い:飛びや打感に影響

テンション低い=ボールが良く飛ぶ
テンション高い=コントロールしやすい
ってことなんでしょ?
こんなふうに聞いた事ありませんか?
僕もテニス始めた頃は、こう思ってたんですが・・・どうやら必ずしも正しいとは言い切れない部分もあるみたい!

テンション低め:ボールが飛びやすくなる傾向

例えばいつも50ポンドでストリング張っていたラケットに、同じストリングを45ポンドで張ったとしたら・・・ボールが飛び易くなった!と感じる人が多いと思われます。

硬い地面でジャンプするより、トランポリンの上でジャンプした方が高くまで飛べる・・・そんなイメージです!
(かなり乱暴な例えだけど許してね!笑)

なので『ボールをもっと飛ばしたい』と感じた時には、少しテンションを下げてみるのがオススメです。

テンション高め:ボールが飛びにくくなる傾向

先ほどとは反対に、50ポンドで張っていた人が55ポンドにしたらどうなるか?
基本的にはボールが飛びにくくなった!と感じる人が多いと考えられます。

ここでもトランポリンをイメージしてみましょう。
ビヨンビヨーンとジャンプ出来ていたトランポリンを、パンパンに硬く張った状態にして体重をかけても沈まなくしたら・・・高くジャンプ出来なくなりますよね!

『飛距離が出すぎて振り切れない』と感じている人は、少しテンションを上げるとスムーズに振り切り易くなるかもしれません。

“ボールの飛び”と”コントロール”は複雑な問題

テンションの基本をおさらいしたところで、改めて飛び&コントロールの問題について解説して行きますね。

まず”テンション低め = ボールが良く飛ぶ”ですが、基本的には正しいと思います

ですが実際には限界点があって、テンションを下げすぎるとボールが食いつきすぎてしまって飛びにくく感じるようになる可能性もあります

“テンション高め = コントロールしやすい”ですが、これは正直あまり関係がないと思います。

というのも、それぞれの人に適したテンションで張れているかどうかが最重要なのであって、自分にあったテンションでなければ高かろうが低かろうがボールをコントロールしやすく感じる事は出来ません

“面圧”が打球感に影響する!!

え?
『面圧』ってなんのこと?

[テンション = ストリングを張る時の引っ張る強さ]とは別に、『面圧』という考え方があります。
実はコレ、打球感の硬い・柔らかいに影響する重要な数値なんです!

面圧というのは張り上がった状態のストリングに力をかけて、どのくらいたわむか?というのを表したもの。

ここでもトランポリンをイメージしてみてください(笑)

(1)ビヨーンと30センチ沈み込むトランポリン
(2)ガチガチで3センチしか沈まないトランポリン
どっちが硬く感じると思う!?
これは言うまでもなく、(2)の3センチしか沈まない方が硬く感じるはずですよね。

ストリングの面圧もこれとほぼ同じで、面圧が高い方が打球感を硬く感じ、面圧が下がると打球感が柔らかく感じられるようになります。

[同じテンション = 同じ面圧]とは限らない!

面圧がややこしいは、[同じテンション = 同じ面圧]とは限らないという点

ラケットが違うと、同じテンションで張っても同じ面圧にはならない事がほとんど。
イメージしやすいように、スペックの異なる2本のラケットを比較!

ラケット
フェイスサイズ93平方インチ110平方インチ
ストリングパターン縦18本
横20本
縦16本
横19本
テンション50ポンド50ポンド

この場合、小さな面に沢山のストリングが通っている①のラケットの方が面圧が高くなります!

なので単純にテンションの高い・低いだけでは、面圧の高い・低いは断定出来ないんですね。
ラケット以外にも、ストリング張りの技術、機械の精度、ストリングの種類・伸び具合などによっても変動するので、かなりややこしい要素が沢山含まれている数字なんです。

TRUEMAN
TRUEMAN
まぁ実際は専用の測定機器が必要だし、とりあえず覚えておけばOKだと思います(笑)

ラケットも一緒、ストリングも一緒、張り方も機械も張ってる人も同じであれば、テンションに連動して面圧も上下するはず・・・なので。

自分にあったテンション:絶対の正解はない

Embed from Getty Images

最後に”自分にあったストリングのテンション“について解説します。

まずお伝えしたいのはテンションに絶対の正解はないという事ですね。

最適テンションは人によって違うもの!

最適テンションは人によって違う!というのは、なんとなく理解してもらえるんじゃないかと思います。(筋力・体力が違えば、ラケットもストリングも違うので)

他にも影響する要素が沢山あって
・プレイヤーの体調/メンタル
・天気(晴れor雨、風上or風下 etc)
・気温(高いと飛びやすい傾向)
・気圧(気圧が低い方が飛びやすい傾向)
・ボール(飛びやすさに差がある)
・対戦相手のボールの威力
・コートの速さ などなど

多分、もっともっと沢山の要素が影響してると思いますが・・・

調子に合わせて対策(微調整)するのがオススメ

いろんな要素によって、快適にプレー出来るテンションはその時々で変動してしまいます。
状況に合わせて対策(微調整)をするのが現実的な方法だと思います。

例えば、錦織選手は怪我の影響などもあって一時は40ポンドくらいまでテンションを落として張っていました。

昨年末の大会では48ポンドx45ポンド前後だったそうで、状況に合わせてテンションを変えている事が分かりますね。

緊張してボールが浅くなる⇨低テンションを予め用意

僕の場合、試合の緊張した場面になると振り切れなくなってボールが浅くなりがちでした。なので、2ポンドほどテンションを下げてストリングを張ったモノを使って調整するようにしていました

同じラケットを3本持っていたので、
(1) 通常テンションで張った練習用
(2) 通常テンションで張りたての試合用
(3) 通常よりも2ポンド下げたもの
この3パターンを用意していました。

使っているラケット、ストリングによっても違いますが、最近は45ポンドを基準にして用意をしています。

40〜50ポンドくらいで始めたら良いんじゃない?笑

テニスのこと、全く分からないけどテンションはどうしたら良いの?
と聞かれたら・・・40~50ポンドで初めてみたら良いんじゃないかと思います。
かなり雑で乱暴なアドバイスで恐縮です、本当に(笑)

関連コンテンツ

ストリング・テンション|まとめ

まとめ

・テンションとはストリングを引っ張る強さ
・テンションの高い/低いでボールの飛距離が変わる
・テンションが低い方が飛び易くなる傾向
・テンション高い=コントロールしやすい、とは限らない
・打感には面圧が重要な要素
・テンションに絶対的な正解はない
・複数本で対策/調整するのがオススメ!

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Follow-me-1-1024x213.jpg

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です