00-解説

【テンション=年齢】ストリング(ガット)を36ポンドで張ってみた。

年齢とストリングのテンションを同じ36ポンドにしてみた件
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ストリングのテンションを年齢と同じにしてみた。

ウイルソン・プロスタッフTour90

テニスを始めた15歳の時、サンプラスなどトップ選手に憧れ90平方インチのラケットに62ポンドくらいでポリを張っていた私アドブロ。

それから20年以上たった今、36歳となりストリングのテンションは基本45ポンドまで落ち着いてきました。笑

アドブロ
アドブロ
面90に60ポンド超はさすがにやり過ぎ感がありますが、僕と同世代以上であればこのくらいのセッティングを1度は試したことあるって人も多いのではないでしょうか!

年齢を重ねるにつれて徐々にテンションは低下、その結果として年齢とストリングテンションがだいぶ近づいてきたワケなんですね。

そこで今回は「ストリングのテンションを年齢と同じ36ポンドにしてみたら?」という切り口でテストをしてみました。

36ポンド(ローテンション)の効果やメリットを考察してみた

ezone98lにNXT16を36ポンドで張り上げ

今回は36ポンドというローテンションで張り上げたので、その効果やメリットについて考察をしてみました。

また年齢とストリングテンションの数値に相関性や関連性(※年齢から理想のテンションを算出する方程式をつくるとか)があるのかどうかも考えてみました。

セッティング:ストリングを36ポンドで張り上げ

ポリツアーストライク1.25とNXT16

今回はヨネックス・EZONE98Lに以下のストリングを張り上げました。

ストリング素材
構造
テンション
ヨネックス
ポリツアー

ストライク
(青)
1.25mm
ポリエステル
モノ
36 lbs
ウイルソン
NXT

(黒)
1.30mm
ナイロン
マルチフィラメント
36 lbs

EZONE98/98Lで繰り返し愛用していたポリエステルストリングのポリツアーストライク、硬めの素材でハッキリとし打球感が特徴。

そしてもうひとつは方向性を大きく変えてポリウレタンを配合したナイロンマルチのNXT16で、柔らかい打球感やホールド感が特徴。

結果:硬めのポリではメリットを感じなかった

ポリツアーストライクでは36ポンドにするメリットをほとんど感じることが出来ませんでした

若干柔らかい感触が出た気はするものの、インパクトでのパワーが伝わりにくい印象が強まりむしろしんどいかもしれないという印象すらありました。

もともとEZONE+PTストライクを使っていた大きな要因はちょっとしんどいけれどシャープかつパワーロスの少なさだったのですが、ローテンションにすることでそういった元々の魅力が半減してしまうという現象が起きてしまいました。

柔らかいナイロンマルチの方がローテンションと相性良し

ポリツアーストライクでの失敗(?)を踏まえNXTで再調整してみましたが、明らかにこちらの方がローテンションとの相性が良かったです。

ストリングの柔らかさとローテンションによる柔らかさや乗り感が相乗効果を生んでおり、ゆったり振っても乗せる・運べる感触がありました。

ストロークではゆったり振るフラットなフォア、低く深いバックのスライス、押して滑らすスライス・・・という感じで、特に同レベル帯の人たちとダブルスする時には非常に快適な仕上がりでした。

ローテンションのメリット・デメリット

メリットデメリット
前方への推進力
オフセンターでもなんとかなる
(柔らかい打球感)
回転が掛けにくい
飛距離のバラつき

メリット:前方への推進力+オフセンターでも助けてくれる

36ポンドにしてみて実際に感じたメリットとしては①前方への推進力が出やすい、②オフセンターでもなんとかなる、という2点が大きかったですね。

①前方への推進力についてはフラット~ドライブが打ちやすくなることで、普段と同じくらいの力感で打っても回転が掛かり過ぎずにボールが深くまで飛んでくれました

②オフセンターで捉えた時にも若干スイートエリアが広い感覚があり、普段よりも腕への衝撃が少なくボールも多少飛んでくれる気がします。

EZONE98Lでボレーが苦手・手首が痛くなりがちという悩みがあったのですが、NXTの36ポンドだと非常に快適にボレーが出来て感激しました(笑)

アドブロ
アドブロ
PTストライクだと36ポンドでもあまり柔らかく感じなかったので、打球感はテンションよりもストリング自体の特性・素材に依存する割合が高いのかもしれません。

デメリット:スピンが掛けにくい+飛距離がばらつく

一方のデメリットとしてはスピンが掛けにくいこと飛距離がバラつきやすいという2点。

どの角度から当たってもストリング面がたわむような感覚があり、ボールを擦るようにしてスピンを掛けるような打ち方には適さない・向いてないですね。

そこに関連する部分でもあるのですが若干面の角度が感じ取りにくい瞬間があり、思ったよりも打ち出し角度が上がり過ぎてオーバーしてしまったりすることがありました。

特に自分よりも同等以上の強度で打ち込んでくるような相手と戦う場合には、このローテンションだと安定性に不安を感じるかも・・・という印象。

ストリングのテンションで飛びは変わるのか?

ハードスペックなラケットのセッティングを考える

ここでそもそも論にはなるのですが、巷では「テンションが低いほど良く飛ぶ」、「テンションを上げると飛びを抑えられる」と言われているのですが本当にそうなのでしょうか?

・真ん中で打てばどんなテンションでも反発性には影響なし!

・真ん中を外した時には、ローテンションが多少は反発性の助けになる可能性はある

・スイングスピードが遅い(ボールとの衝突速度が遅い)場合は、ローテンションが多少は反発性の助けになる可能性はある

テニスを人一倍楽しむ方法 (https://tennisenjoy.com/stringlowtension)

詳しくは『テニスを人一倍楽しむ方法』をご覧いただければと思うのですが、ストリングのテンションを変えても真ん中で捉えてる限りは反発性に影響はないというのが実験結果で示されているそうです。

じゃあ何のためにストリングのテンションを変えるのか

GOSEN AK PRO (ゴーセン・エーケー・プロ)の表面

「テンションを変えても実は反発力は変わらない」なら何のためにストリングのテンションを調整したりするのか?

今回の36ポンドを打ってみて感じたのは、テンションを変えるのは性能の為ではなく感覚・感触を調整するためだと感じました。

物理的な反発力が変わらないとしてもインパクトで手に伝わる感触はテンション次第で変化しますし、その伝わる感触次第で自分のスイングや出力の仕方というのも自然と変化すると思います。

アドブロ
アドブロ
ローテンションなら乗せて運ぶようにしてフラット系を打ちやすいですし、普段の45ポンド+ポリならインパクトで瞬間的に引っぱたいて飛ばすようなスピンが打ちやすい・・・というような感じですね!

テンションに正解はないけれど限度はあると思う

今回の検証も含めて様々テンションやセッティングでプレーをしてきましたが、本当にストリングのテンションにはこれが正解!と言えるようなものは無いと改めて実感しました。

年齢との相関性(※何歳だから何ポンド)を持たせるというのも難しそうです。

50ポンドが好きな人がいれば30ポンドじゃないとダメという人もいて当然、しかも物理的な性能にはあまり差がないので要は好みの問題と言えるのかもしれません。

アドブロ
アドブロ
怪我しない、道具に無理な負荷が掛からない、この2つを満たしているのであれば正直何ポンドで張ってもOKだと思ってます!

ただし自分に適したセッティングを探すという点においては、選択するテンションにも限度があると思ってます。

僕個人の経験を基に言うのであれば45ポンドを中心に±5ポンド、つまり40~50ポンドの範囲で快適に打てる・良い球が打てるラケットやストリングを見つけるようにするのが失敗しにくいと思いますね。

もしもここよりも極端に外れたテンション(例:20ポンドや70ポンドなど)で張らないと上手く打てないという場合、そもそも自分に合っていない道具を選んでしまっている可能性が高いと判断するべきです。

今後はトレンドが変わるかもしれないけれど・・・

時代が変わればトレンドや常識というのは変わったりしますので、テンションの適性値・適性範囲というのも徐々に変わってくるかもしれません。

アドブロ
アドブロ
メーカー推奨テンション30~40ポンドっていう時代がいつか来たりする・・・かも?笑

ただし現時点では40~50ポンドが無難ですし、インプレ記事・動画などの情報も参考にしやすいと思うので、特にストリング選びで”沼ってる”人であればこの範囲内で良い感触にたどり着けるように意識するのがオススメです。

まとめ:ストリングを36ポンドで張ってみた。


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テニス系ブロガー
コトウダマサト (TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年

・オールラウンド器用貧乏
・EZONE98Lを愛用中
・クセの少ないラケットが好き
詳しいプロフィール

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