今回インプレするのはテクニから送られてきた謎の白塗りラケット。
具体的なモデル名は伏せられていたものの、【300gの100平方インチ】と【300gの98平方インチ】の2本であるということは教えてもらえました。
カチッとした打球感と硬派な使用感がテクニらしいフィーリングで好印象!
テクニファイバーの白塗りラケット
テクニファイバーのほうから「ぜひ試してインプレしてください」っていうことで送られてきた2本の白塗りラケット。
文字などは何も書かれておらず、真っ白なペイントにグロス仕上げで非常に美しいですね。
300グラムで面100と面98の2種類
スペック等は記載がないのですが、一応どちらも重量は300gでフェイスサイズが98と100の2種類とのこと。
それ以外には特に情報はなく、具体的なスペックや搭載されているテクノロジーなどは分からない状態のままテストしてきました。
見覚えはあるがなにか違うぞ・・・
「具体的なモデル名は教えてもらっていない」状態ではあるものの、フレームの外観やグロメットの形状などは明らかに見覚えのあるものでした。笑
おそらく新型T-Fightであることは間違いないだろうと思うのですが、その一方でフレームの形状を見た時に若干の違和感を覚えました。
なんかフレームの内側がすっごいフラットなんですよね。
イメージ的にはブレードのX-LOOPみたいな感じで、フープの内側がフラット、外側がラウンド気味という雰囲気。
これまでのT-Fightは平べったい6角形という感じだったのに、この白塗りラケットはかまぼこ型っぽい断面形状に見えます。
(※ペイントが違うのでもしかしたら目の錯覚かもしれませんが!)
何かしらフレームの形状には変更が加えられていると予想しています。
295gの面100じゃなくなる?
T-Fightの300gと言えば面98で、面100のほうは295gというラインナップになっていたはずなのですが・・・今回は300で98と100の2パターンということになるみたいですね。
個人的には295gの振りやすさ・カスタムのしやすさなどが魅力でしたが、市場的に見れば「300gじゃない」という理由だけで比較対象から外れてしまうことが多々あったんだろうと思うので賢明な変更だろうと思います。
また凄く細かいところなんですが、グリップの巻き終わり部分の形状が若干変わっているような感じもしますね。
(フレームの露出してる面積が広い感じ)
スロート周辺が少しスリムになったような雰囲気もありますし、片手バックの自分からするとこの新しい白塗りフレームの方が握りやすくて良いですね。
打球感:ダイレクトでクリア
今回は白いポリエステルストリング(未発表)が張られているものを振動止め無しで使用しましたが、テクニのラケットらしいダイレクトでクリアな打球感がしっかりありますね。
現行品と思われるモデルと比べるとストリングのたわみが大きいような感じがあって、減衰性も若干ですが改善しているように感じます。
面98:芯のある打感に若干のしっとり感
面98はフレームのわずかなしなり、ストリングのたわみがミックスされた感触があり、芯のある打球感でありつつ若干しっとりしたフィーリングですね。
現行と思われるモデルと比べると、乗り感と反発力のバランスが改善されているように感じます。
ほど良く乗りつつスムーズにボールが出て行ってくれるので、直線的なショットを高い精度でコントロールしやすく感じました。
面98の中では結構硬めの打感でRF01のカッチリ感が近いのですが、白塗りテクニの方が少ししっとり感もあるのが違いかなと思います。
面100:ドライで弾き感が強く減衰性が改善
面100はカチッとしていて98以上に弾く感触がより強く感じられます。
98と比べるとフレームのしなやかさは少ないものの、若干ですがストリングのたわみ量はこちらの方が大きい印象があります。
たわみのおかげで98よりもボールを持ち上げるようなショットも打ちやすく、スピン系を軸に組み立てる人はこちらの方が相性は良さそうに感じました。
またT-Fight295isoは減衰性の面でかなり厳しいものがあったのですが、新しい白塗りラケットでは市場全体で見ると依然として控えめではあるものの問題のないレベルに改善されています。
打球感はCX400TOURをもっとカチッとさせた感じで、個人的にはグラフィンXT時代のスピードMPの硬質感に近い印象ですね。
23㎜フラットの面100よりも、現行ピュアドラなどパワー系黄金スペックに近い部分があるかなと思います。
性能:強い推進力で押し込める
2本に共通して感じられたのが想像以上の推進力の強さで、自分の予想よりも低く速く深い球が飛んで行って相手を押し込む・振り遅れさせる場面が何度もありました。
面98:ドライブ系を高精度に打ち込める
98は100よりも低めに弾道が出やすくこれぞドライブというようなショットをコンスタントに打つことが出来ました。
アシストやスイートエリアの広さなどはスペック相応~少しストイックな感じではありますが、プレイヤーの狙いに過不足なく応えてくれるので安心感はあると思いますね。
スライスは少し乗せて押すような感覚で打てば抑えが効かせやすいですね。
全体的にショットが浮かない・抜けない安定性があり、相手に打ちごろのボールを与えることなくラリーの主導権を握ってプレー出来るラケットと言えそうです。
面100:スピンも交えつつ速いテンポで攻める
基本は98に近いカッチリ感から生まれる推進力+ドライブ系が魅力ではあるのですが、100の方がスピン量や弾道の高さを出しやすいのが違いですね。
スイートエリアも若干広く感じられ、98よりも多少コントロールがアバウトになるところはあるかもしれませんがスピンも駆使してガシガシ攻めていくことが出来ます。
ボレーでのアシストやタッチも良好で、ストロークだけでなくネットプレー含めたオールラウンドな組み立てが楽しいラケットです。
一緒にテストしたずぉさんは100がお気に入りで、高い打点からも伸びるスピンで打ち抜かれました笑
ライバル比較
【300g+面98のライバル】
・ラジカルMP
・ブレード98
・EZONE98
・RF01
・CX200 など
【300g+面100のライバル】
・スピードMP
・CX400TOUR
・パーセプト100
・X100TOUR
・ウルトラツアー100v4 など
今回打ってみてライバル・比較対象になりそうなラケットの一覧がこちら。
スペック的に近いのはもちろん、使い心地が似たモデルなども含まれています。
面98:RF01が最大のライバルか
面98+300gというスペックでピッタリくるのがラジカルMP、RF01(あと一応ミズノD300)が挙げられますが、一番近い使用感なのはRF01だと思いますね。
どちらも基本はカチッとしたフィーリング、直線的でスピードのあるショットが打ちやすいという点は共通。
個人的には白塗りテクニの方が少ししっとり感+推進力の強さが感じられ、RF01にBLADE98のテイストをちょい足ししたらこうなりそうっていうイメージでした。
それ以外の面98に関して言えば、大半のモデルがこの白塗りよりは柔らかめ+減衰性が強いんじゃないかなと思いますね。
その分、白テクニの前方への推進力・スピードは強く感じられ、ライバルラケットと比べると意外と個性的な味付けなんじゃないかなとおみます。
面100:実際はパワー系黄金スペックに近いかも
一方の100に関してはスピードMPやCX400TOUR、パーセプト100など300g+面100+23㎜のスペックがライバルかと思います。
この3本の中で考えると一番近いのはCX400TOURだとは思うのですが、それでも白塗りテクニの方がだいぶカチッと硬い・硬質感の強い打球感です。
硬さが生み出すパワーロスの少なさ・推進力の強さを、粗めのストリングパターンによる回転量で収める・制御するっていうような使い方が白塗りテクニには合いますね。
その意味では現行ピュアドライブなどRA値の高いパワー系黄金スペックの方が使い方としては似ているんじゃないかなと思います。
個人的評価:孤高の存在になるかも?
今回は白塗りのラケット2種類を打って来ましたが、どちらの想像以上に強い推進力があり球威で相手を押し込んで行くようなプレイヤーには特にフィットするのだろうと感じました。
面98はスピードと伸びで相手を押し込み高精度なウィナーで決めきる、面100はスピードは出しつつも回転で変化をつけ相手を崩していく、どちらも自分から積極的に展開する人向けのラケットですね。
テクニカルなショットが打てないワケではないですが、ラケットの特性を踏まえるとしっかり打ち抜く・真っ向勝負のプレイヤーの方が旨味を引き出しやすいと思います。
減衰性についても必要最低限という感じがあり、減衰性/振動減衰素材がトレンドになっている現市場においては非常にストイックで飾り気のない使用感になってますね。
イマジナリーな柔らかさとかも無いですし、過剰なアシストやスピン性能もない、本当に素直で実直なラケット。
ある種の潔さみたいなものも感じられ、現市場における孤高の存在だなと思うのでした。