今回インプレするのはダンロップの新型SX300TOUR(2025)です。

98平方インチ+最大26㎜厚フレーム+スピンコンセプトは弾道と回転の調整が非常にしやすく、高精度なコントロールを実現したラケットです!
メリット |
高精度なコントロール 面98としては強いサポート ブレない安定性 ドライブ系が伸びる バラつきにくい安定性 |
デメリット |
色は好みが分かれる SX300に比べたらパワー控えめ |
DUNLOP SX300 TOUR
(2025)

2022年に発売された前作から約3年の時を経てモデルチェンジとなった新型SX300TOUR。
新型SX300は非常に好印象でしたので、こちらのSX300TOURもそれに続けるのかどうかオンコートで確かめてきました。
スペック/仕様
モデル名 | SX300 TOUR (2025) |
フェイス サイズ | 98 inch2 |
重量 | 305 g |
バランス | 315 mm |
フレーム 厚さ | Max 26mm min 23mm |
フレーム 長さ | 27 inch |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップ サイズ | 2,3 |
発売予定 | 2025年 1月 |
価格 | 税込 39,600 |
スペック上では前作2022年モデルからの変更点はないのですが、今作からフレックスの部分が非公表へと変わっています。(前作はRA68)
TennisWarehouseではStiffness:69となっているため少し剛性は上がっていると思われますが、非公表にしたのは高RA=打感が硬いという先入観で選択肢から外されないようにするためなのではと予想しています。
剛性は高いのに打球感は柔らかいというのがダンロップのセールスポイントのひとつなので、個人的には公表し続けてほしいというのが正直な気持ちですね。
新型の変更点は多岐にわたる
https://sports.dunlop.co.jp/tennis/contents/2025sx/tech.html
新型SXシリーズはハッキリ言ってテクノロジーはてんこ盛り過ぎて全部書き出して解説するのは無理なレベル。
詳しくは公式サイトでチェックして頂けたらと思います。
【打球感】
ほど良い打ち応えと乗り感
柔らかさ | 1 | 乗り感がある |
打ち応え | 1 | ほど良い重み |
スイート エリア | 1 | 98にしては良好 |
弾き感 | 0 | ダルさはない |
安定感 | 1 | ブレる感じはない |
減衰性 | 1 | 振動の収まりは○ |
快適性 | 1 | 全体的に良好 |
実際に打ってみるとブレない安定性はありつつも、乗り感も十分にあって少し柔らかい打球感になっていました。

フレームは最大厚26㎜・最小23㎜と面98としてはかなり厚く剛性も高いのですが、特殊な形状のシャフトや新設計のグロメット、それ以外にもソニックコアやバイブロシールドなど数多のテクノロジーによって柔らかさを感じられるようになっています。
SX300よりも柔らかく
食いつく感じが強め
SX300と比べるとSX300TOURのほうが打球感は柔らかく食いつきも強めで、ボールを押して打つような感覚も分かりやすくなっています。
その代わりに反発による飛びはSX300よりも控えめになっているため、プレイヤー側のフィジカルで飛ばすような感覚は少し増えますね。
ただそれでもVCORE98やピュアアエロ98など、ライバルとなるとなるようなラケットに比べたら十分にアシストが有るとは思います。
黄金スペックと細マッチョ系スペックの中間と考えるとちょうど良いかもしれませんね。
【性能】
総合的なコントロールが秀逸
ストローク | 1 | 弱点が少なく○ |
ボレー | 1 | 押して制御できる |
サーブ | 0 | 尖ってなくて無難 |
ドライブ | 2 | 推進力が出て良好 |
トップスピン | 1 | 回転は普通に掛かる |
弾道の高さ | 0 | 標準+調整しやすい |
スライス | 1 | 浮きにくく安定 |
パワー | 0 | ツラくはないレベル |
操作性 | 0 | ほど良い重み |
振り抜き | 1 | SX300とほぼ同等 |
一番印象的だったのはコントロールの精度の高さでしたね。

回転量・弾道・飛距離の調整が直感的に出来るので、自分が狙ったところに高い精度で打ち込めるのが最大の魅力に感じました。
弾道の高さは意外と普通レベルで、SX300と比べると少し低めに出やすい感じになってます。
ただし弾道を上げようと思った時はちゃんと上げることが出来ますし、むしろ弾道がまとめやすいというメリットになっているかと思います。

スライスも浮きにくく非常に好感触でしたね。
スピンで攻めつつスライスを混ぜて相手に低い打点で取らせる、地味だけど普通にいやらしい感じの配球がしやすく感じました。

ボレーは想像以上に押す・運ぶような打ち方が可能で、薄ラケが好きなプレイヤーでも違和感なくコントロール出来そうです。
逆に反発を使って弾き返すような打ち方をしたい人は少し物足りなさを感じそうですね。
【SX300TOUR】
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) February 15, 2025
昨日に香田さん @RTS_K とのポイント形式練の中でのハイライトプレー。追い込まれた所から片手バックが上手くクロスに入る、自分でもびっくりのパッシングショット。普段だったら多分ネット超えない・クロスに行かない状況だったので、決まった時は自分でもビックリしました😳ミラクル pic.twitter.com/XTIHWsRO3Z
スピン量自体よりも
調整力で巧みに配球する人向け
スピンコンセプトというイメージからグリグリスピンや高弾道ショットを期待する人もいるかもしれませんが、このSX300TOURの最大の魅力・武器は高精度なコントロールですね。
スピード、高さ、角度、スピン量を細かく調整し、相手の嫌な所にピンポイントで狙っていく緻密なプレーとの相性が良いと思います。
【個人的総合評価】
コントロールが最大の魅力
ダブルス | ・・○・・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・・○・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・○・・・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・○・・ | スパルタン |
何度も触れていますがやはりこのSX300TOURの一番の魅力はコントロール性能。
単純なパワー、単純なスピン量という点ではSX300のほうが上なんですけど、少し抑えが効いている分だけSX300TOURのほうがより精度やタッチを出しやすい感じ。
それでいて多くの面98のラケットよりはアシストもありますし、単複問わず戦えるラケットになっていますね。
【ライバル比較】
VCORE98やAERO98が競合
【ライバルラケット】
・VCORE98
・PURE AERO98
・AXIS 98
・EXTREME PRO など
ライバルとしてはスピンコンセプトの細マッチョ系ラケットであるブイコア98、ピュアアエロ98などが筆頭として挙げられます。
比較するとSX300TOURは最大26㎜厚ということもあってアシストは強めなので、これだけちょっと味付け・方向性が違うよなという雰囲気がありますね。
ライバルラケットの多くはしっかりとしたフィジカルがあってガシガシ打っていきたい人向けという感じなので、SXとの選び分け自体は分かりやすいかと思います。
【ダークホース?】
TF-X1 305かなり近いスペック
面98+305gのラケットにもかかわらず24.5-25.5-25㎜という全体的に分厚いフレームになっているのがこのTF-X1 305。
コンセプトには違いがあるものの、スペック的には一番のライバルと言える存在になっています。
相性の良いストリング(ガット)
オススメはG-TOUR3やポリツアーファイアなど滑りの良い丸いポリエステルストリング。
しっかり推進力は出しつつ、滑りの良さでスピンブーストXTグロメットの作用も最大化出来るはず。
多角形ポリで弾道を上げようとすると推進力が減じてしまったり、ストリングの滑りにくさによって持ち前の弾道補正の良さも出にくくなる可能性があるのでまずは丸ポリで良いんじゃないかなと思います。
発売日:2025年1月11日~
新型SX300TOURは2025年1月11日より発売がスタートとなっています。
同色のラケットバッグも発売
新型SXと同じ配色のラケットバッグも発売されています。
非常に発色も良く、SX300TOURはとのコーデも完璧にすることが出来ますね。