ウイルソン・リペル
(Wilson REPEL)
今回はウイルソンの最新作であるREPEL(リペル)をインプレ。

ウイルソンのメルマガ会員向けのトライアルで1張りゲットしましたので、マイラケに張ってテストしてみました。
※上の写真のパッケージはトライアル用で、実際の製品パッケージとは異なるそうです。
湿度に強く耐久性のあるナイロンマルチ
GORE社との共同研究の上、開発された新しいストリング。湿度や高温、紫外線等の様々な影響に対し高い耐久性を発揮。テンション維持力にも優れ、「ストリングが切れやすい」というナイロンマルチストリングのデメリットを克服。プレー頻度が高いナイロンマルチファンにピッタリのストリング。
https://jp.wilson.com/products/tennis-strings-repel-16-set-natural-16g
リペルのコンセプトは湿度や高温、紫外線などに対して高い耐久性を発揮するというもの。
従来のナイロンストリングは水分を吸ってしまうため雨や湿度などが天敵とされてきましたが、リペルはその問題点を解消するべくゴアテックス素材を作っているGORE社と共同開発。

ePTFE繊維(いわゆるテフロンという理解で良いみたいです)を芯として使用しており、摩擦・摩耗に強く高湿度の中でも安定してパフォーマンスを発揮できるとのこと。
スペック
製品名 | ウイルソン リペル (REPEL) |
素材 | ナイロン ポリウレタン |
断面形状 | 丸 |
構造 | マルチ フィラメント |
太さ | 1.25mm(17G) 1.30mm(16G) |
色 | ホワイト |
製造国 | ベトナム |
価格 | 税込3,080円 (12.2m) 税込42,350円 (200m) |
発売日 | 2025年 7月10日 |
リペルはePTFE繊維を芯としたマルチフィラメント構造を採用。
太さは1.25mmと1.30mmの2種類が用意されています。
セッティング:SX300に45ポンドで張り上げ

ストリング | リペル |
太さ ゲージ | 1.30mm (16G) |
ラケット | SX300 (2025) |
テンション | 1本張り |
重量増加 | +14.5g |
マイラケであるSX300にリペル1.30mmを45ポンドで張ってみました。

重量増加は14.5gだったんですが同じ太さのエクサルトが15.4gでしたので、リペルはナイロンマルチの中でも結構軽めの部類になりそうです。
ポリエステルの1.25㎜を張ると16g台になることが多いので、ポリユーザーがリペルを張ると実質的な重量とスイングウェイトが下がるので調整が必要になるかもしれませんね。
伸びはそこそこ、ニオイは結構強い

実際にストリンギングしてみたんですが、表面の触り心地はややムチッとしていて滑らか。
滑りは悪くないので張りやすいのですが、ムチッとした感じがあるのでスナップバックは控え目になりそうな感触。
テンションを掛けた時の伸び具合はそこそこあって、ナイロンマルチとしては標準~若干伸びが多めかなと思います。
パッケージを開けた時に絵具みたいな溶剤っぽいニオイがしてちょっとビックリ。
※ゴーセンのナイロンマルチとかでも同様のニオイがすることはあるので珍しくはないのですがシンプルにクサいのは嫌
打球感:ムチィっと食いつく感触
柔らかさ 食いつき | 2 | ムチッと食いつく感触 |
弾き 球離れ | -1 | 乗る・食いつく感覚強い |
打ち応え 手応え | 1 | ブリオやAKプロに近い やや重みのある手応え |
打球音 | -1 | ちょっと鈍い感じの音 |
スイート エリア | 0 | ぼやける感じはない |
減衰性 | 2 | 雑な振動が無く好印象 |
快適性 | 1 | 不快感無く使える |
ePTFE繊維がどういった感触をもたらすのか想像がつかないところがありましたが、ナイロンマルチの中でもしっとりとした柔らかさが感じられました。

実際に打ってみるとムチッ・モッチリとした食いつき・乗りがあり、球を押すようにして飛ばす打ち方が出来ます。
打球感はエクサルトに近いんですが、リペルのほうが若干ですが粘っこいフィーリングに感じました。
ブリオやAKプロに近い打ち応え
ブリオ1.30mmやAKプロ1.31mmに近い打ち応えがあり、ナイロンだけどある程度重みのある打球感を求める人には最適。
ブリオよりはクリアな打球感で、AKプロよりはモッチリとした弾力を感じやすくなってます。
性能:コントロール重視のフラットが〇
プペってきた、じゃなくてリペってきました。
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) July 17, 2025
SX300にリペルを45ポンドで張りましたが打球感の柔らかさは十二分。意外と飛びは抑えめになり、ナイロンでもある程度自分の力で飛ばす感覚が欲しい人にはオススメ。スピン量は控えめで弾道も低くするイメージ必要ですがナイロンに慣れてるなら無問題かな。 pic.twitter.com/uigkC1gmKg
反発力 | 1 | 軽やかさは少ない |
飛び 飛距離 | -1 | 若干飛びは控えめになる |
球威 | 0 | 低弾道で打ち抜く必要有 |
スピン | 0 | ナイロンの平均レベル |
フラット | 1 | 直線的に打ち込むと良き |
スライス | -1 | 乗りすぎて飛ばしにくい |
滑り | 0 | そこそこ滑るかも |
引っかかり 弾道の高さ | 0 | 高さの調整はしやすい |
耐摩耗性 | 1 | ノッチは出来にくく優秀 |
維持性 | 1 | 変化は少ない印象 |
コスパ | 1 | 結構良いほう |
打球感がモッチリしていて特徴が分かりやすかった一方、性能的にはバランス型で突出した部分はあまり感じないリペル。

反発で飛ばす感じは少なく、乗る・押す感覚を活かしながらフラット気味に打って深さを出す感じでしたね。
一般的なナイロン同様に弾道が持ち上がる感覚は薄く、ポリみたいな高めの弾道+スピンをイメージして打ってしまうと球が落ち切らずにアウトしがち。
低めの弾道で打っていく意識が大事になるセッティングですね。
ライジングからのネットプレーが快適

単純な飛びで見ると若干控えめという評価にはなりますが、その代わりにコンパクトなスイングでライジングを打っても弾かれにくく安心感につながってますね。

ボレーも乗り感があって制御しやすく、ストロークで粘るよりも積極的に前に出ていきたいなと思う感触でした。
ダブルスで色々やりましたが、リターンをライジングで捌いて素早くネットに出ていくというパターンが一番リペルの良さを感じましたね。
メリット:乗り感と大人しさ
・モチッとした柔らかい打球感
・乗り感は強くほど良い打ち応え
・落ち着きのある使用感
・ノッチは出来にくい
・速いテンポで捌きやすい
リペルを使ってみて感じたメリットは打った時の乗り感や食いつき、全体的に落ち着きのある使用感になっていることですね。
ナイロンにありがちな神経質さはやや抑えられていると思います。
湿度に対する強さは今後検証する必要があるかとは思いますが、耐久性・耐摩耗性自体は良好そうなのでそれだけでもプラス評価ですね。
デメリット:球威やキレはやや出しにくい
・球威やキレが出にくい
・開封時はクサい
デメリットは少ないのですが、実戦の中でショットの威力やキレが不足しがちだったのが数少ない不満点ですね。
丁寧に打とうとすると球持ちの良さゆえに失速してしまいがちで、前述の通りライジング+フラットの早い展開で補う意識が必要になりそうです。
あとは細かいところで言うとパッケージ開封時に絵具というか溶剤みたいなニオイがしてクサいのも心理的にはマイナスですね。
(※販売用パッケージはまた別なので気にならない可能性もありますが)
セッティング:じゃじゃ馬なラケットに張りたい
リペルはナイロンマルチの中では落ち着きがあり、やや引き算っぽいセッティングに向いていると思います。
なのでちょっとじゃじゃ馬っぽいラケットに合わせると丁度良い感触に仕上がるかも。

あくまで個人的な意見にはなりますがピュアドライブ98やTOUR O3に張ってみたら、乗り感もアップして扱いやすくなりそうだなと思いました。
発売日:2025年7月10日
リペルは2025年7月10日に発売開始となっているので、気になった人はすぐに購入して試すことができます。