STeam99はウルトラ99プロのベース
僕も含め多くの人が気になっているであろう2025年9月頃発売予定の新型ウルトラ99プロ。
実はこのラケットは元になっているモデルがあり、それが今回インプレするSTeam99(2013年モデル)。

使われている素材やヨーク部分の樹脂パーツなどに細かい違いはあるみたいですが、モールドは全く同じですしカタログスペックも同じ。
つまりウルトラ99プロってジェネリックSTeam99みたいなもんだと考えているワケです。
Embed from Getty Imagesトッププロではデミノーやハレプ、晩年のフェレールやロブレドなどもこのラケットを使用しているのが確認出来ました。
フィジカルの強さでガンガン打ち合うというよりは、機動力の高さを活かしてラリー戦を展開していく選手が多いのが特徴かもしれませんね。
日本未展開:縁あってお譲り頂きました!
このSTeam99なんですが日本には展開されていなかったスペックで、16x15のパターンを採用した99Sしかなくて泣いた人もいたことでしょう。
縁あってヒロポンさん @7VhNKo2OVmnqlup にお譲り頂いたSTeam99(※日本展開無)。
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) July 23, 2025
感謝!
これがウルトラ99プロの元になったやつですね。99プロは9月発売なので先にこちらで敵情視察です笑
実測値↓
✅301.5g(シンテックプロ巻)
✅322mm
✅SW287
✅RA71(!!)
硬いし重みもある薄めのフレーム。 pic.twitter.com/Ixu2r98a5B
そんなレアな1本を所有している方から譲って頂き、インプレすることとなりました!
これが使いこなせればウルトラ99プロを買うという可能性も出てくるワケです。
(逆に使いこなせなければ買うのを事前に諦められる)
スペック:304g+325mmでパワフル
項目 | カタログ | 実測値 |
フェイス サイズ | 99inch2 | – |
重さ | 304g | 301.5g※ |
バランス | 325mm | 322mm |
ストリング パターン | 16×18 | – |
厚さ [mm] | 22 24 21 | – |
長さ | 27inch | – |
スイング ウェイト | – | SW287 |
RA値 | – | RA71 |
(※グリップはシンテックプロを巻いた状態で計測しています)
このラケットのスペックを一言で表すと、重みもあるのにしっかり硬い。
SW287でやや高め、RA71は実測値としてはSX300やブラックアウトなどの最大26mm厚の硬いフレームとほぼ同等。(今回もライズテニスサービスさんで計測してもらいました)
最大24mmのフレームとしてはトップクラスにしならない仕様となっています。

厚みを実際に計ったのがこちらで、厚みとしてはピュアストライクシリーズに近いフォルムになっていますね。

フェイス内側のグルーブも特徴で、ストリングの動きや空気抵抗にどのくらい影響があるのかは気になるところ。

加えてX-LOOPを採用しているのも特徴で、BLADEのようなしなやかさが生まれるのか同かも確認してきました。
セッティング:ナイロンモノを40ポンド
フレーム | STeam99 (2012) |
ストリング | ダイアデム エボリューション |
太さ | 1.30mm (16G) |
テンション | 40ポンド |
張り方 | 1本張り |
重量増加 | +14.8g |
ウルトラ99プロのインプレ動画をいくつか見ており、おそらく結構厳しいラケットなんだろうなと予想していたのでナイロンモノのエボリューションをチョイス。
ナイロンモノの弾き感で少しでも快適に、少しでもヘッド側を軽くして扱いやすくしようとう狙いです。
【打球感】
当たりはマイルドだが球離れ早い

ナイロンを張ったおかげか事前の予想よりは柔らかさやフレームのしなやかさを感じられたかなと。(※あくまでスイートエリアで捉えた時の話)
ただ球離れ自体は結構早い感じで、スピード感はまさしく高RA値のフレームのそれ。
球種としてはフラット系がメインになる使用感ではあるんですが、乗せて運ぶような打ち方ではなくてレベルスイングでシバキ倒すみたいな打ち方のほうが相性は良いですね。
スイートエリアは98よりもシビアかも?
99平方インチですがそれほどスイートエリアは広い感じはなく、BLADE98と同等か下手したらSTeam99の方が狭いorシビアに感じる人が多くなりそうですね。
スイートエリアを外し気味になると極端に飛ばなくなるため、良いショットと悪いショットの差が極端になりがち。
外した時の衝撃の伝わり方、ゴツっとくるような硬さはピュアドライブを使っている時に感じたものと似てます。
今年になってEZONE100やSX300などスイートエリア広くてサポートしてくれるラケットを使っていた自分からすると、このSTeam99はかなり厳しくてストイックな使用感でした。
【性能】
ハマれば凄いロマン砲っぽい味付け
基本はどのショットもフラット系をシャープに打ち抜くような使い方になりますね。
ヘッド側の重みが十分にある上にしなりが小さいのでパワーロスも最小限、クリーンに打てた時のスピード感・爽快感は相当なものではあります。
逆にスイートエリアを外してしまうと本当にネットまで届かないような飛びになるので、ハマれば凄いロマン砲ってテイストのラケットになってます。
イメージ的には弾道が上げやすくなったT-FIGHT RS305(18×19)っていう感じ。
フラット気味に打つストローカー向け
レベルスイングでフラットに近いショットを使う人、ライジングで速いテンポで打ち合っていく人、カウンターを狙っている人、そういったプレイヤーとは相性が良さそうなSTeam99。
ただ片手バックだと重みが結構しんどく感じる場面もあり、両手バックのほうが良さを引き出しやすいところはあるかなと感じました。
Embed from Getty Imagesその意味ではやはりハレプやデミノーみたいに機動力と速いテンポ、シャープなショットを武器にするプレイヤーが使うのは納得感ありますね。
(逆に片手バックでこれを使ってたロブレドは凄いなと思います)
サービスゲームが思ったよりキツイ
昨日のテニスでは計4回のサービスゲーム(すべてダブルス)をSTeam99でプレーしたんですが、残念なことにすべて被ブレークで一度もキープできず。
得点率も非常に低く、おそらく20%くらいしかポイントも取れてなかったんじゃないかなと。
肩を痛めていて無理できないっていう背景もありましたが、並行してテストしたSTeam100ではしっかりキープも出来ていましたし・・・STeam99は生半可なスイングだとオーバーヘッド系のショットはスピードも球威も出てくれないですね。
【結論】
シャープでストイックなフラット系ラケット
今回STeam99を初めて打ってみたのですが、シャープでストイックなフラット主体のラケットという印象でした。
ハマれば凄く良い球が行くし、さぼったり外したりしたらヒョロヒョロになる、そういったシビアさもありました。
ただ当たり外れがハッキリ分かることに加えて、カチッとしたフレームの特性によってピンポイントなコントロールも出来るんだろうなと感じます。(※使いこなせなかったのであくまでも予想というか予感レベルですが)
速いテンポ、フラット系ショット、高精度なコントロール、これらを上手く組み合わせて戦いたいよって人には合いそうです。
ナイロンよりもポリを張るべきだったかも
今回はナイロンモノのエボリューションを張りましたが、STeam99との相性は正直そこまで良くなかったように思います。
飛びは良いけどスピンが掛からないし、慎重にスイングしないといけない神経質な感じになってしまいましたね。
今回の感触を踏まえると1.30mmくらいの太いポリエステルストリングを合わせてあげたほうが、ほどほどの飛びとコントロールのしやすさが引き出しやすくなるのかなと予想。
近日中にリベンジしたいと思います。
ULTRA99PROも基本は同じなのでは
あくまで予想ではありますが、基礎設計が全く同じウルトラ99プロも基本的な特性はSTeam99と同じになると思うんですよね。
モールドもスペックも同じですので、細部に違いがあるとは言え全くの別物になるとは考えにくいですからね。
ウルトラ99プロを検討中の方は参考にしていただけると幸いです。
僕自身は・・・STeam99でのパフォーマンスを踏まえると今すぐウルトラ99プロを買おう!っていうことにはならなかったですね笑
ただしあのグロスの見た目とほぼプロストックな仕様、所有欲をかき立てるてるという性能においては抜群な1本なのは間違いありません。
やっぱり最新モデルの性能は凄い。
途中でリペルを張ったSX300を打ったんですが、打球感はマイルドだし楽にパワーは出せるし・・・研究を重ねて進化してきた最新モデルはやっぱりすごいよ!と再認識したアドブロでした。
あとはSTeam99と同じような特性で考えるならEZONE98でも全然問題無いかなと・・・色も似てるし笑
打球感もマイルド、ショットのテイストや戦術的にも同じような使い方が出来るので僕ならこっちを選んでしまうかも。
STeam99と近しいスペックで探すならT-FIGHT300S、CX400TOURなども選択肢に入るんじゃないかなと思います。