プリンスから発売された『ファントムグラファイト107』のインプレをお届け!
これまでの伝統を受け継ぎつつも、現代テクノロジーをプラスして生まれ変わったネオクラシックな1本です!
今回はテニス仲間のずぉさん(@zuo_tenniskurui)にご協力を頂きインプレを作成。
私、TRUEMANはボールを受けた側の視点から考察しています。
・スピン量が多い!
・アングルがエグい
柔らかい打球感+高いスピン性能を実現したこのファントムグラファイト107のインプレ、ぜひチェックしていってくださいね!
プリンス ファントムグラファイトとは
Embed from Getty Imagesグランドスラム最年少優勝記録を持つマイケル・チャンや、キャリア初期のアンドレ・アガシなどが愛用したプリンス・グラファイト。
しなやかなフレーム、シャフト部分のブリッジが大きな特徴のラケットです。
安定性やスピン性能の高さなどからプロはもちろん一般プレイヤーにも愛され、名器として語り継がれてきたシリーズでもあります。
2000年代に入ってもフェレーロ、コリア、ナルバンディアンなどのストローカーたちが、100平方インチ+28インチのグラファイトLBをペイントジョブ(塗装を販売中の製品と同じにする事)で使用していました。
Embed from Getty Images現代に生まれ変わった”グラファイト”
そんな長く愛されているグラファイトシリーズが、これまでの伝統を引き継ぎつつも新しいカタチになって現代に生まれ変わりました!
それが”ファントム・グラファイト“シリーズなんです!
スペック:テーパードのフレームに進化
モデル名 | ファントム グラファイト107 | ファントム グラファイト100 |
フェイスサイズ | 107平方インチ | 100平方インチ |
重さ | 305g | 310g |
バランスポイント | 310mm | 310mm |
スウィングウェイト | 290 | 285 |
フレーム厚 | 21.5-20-17.5mm | 21.5-20-17.5mm |
フレーム長 | 27インチ | 27インチ |
ストリングパターン | 16 x 19 | 16 x 18 |
(パワーレベル※) | (850) | (790) |
“ファントムグラファイト”になって大きく変わったのはテーパーがついたフレーム形状になった事。
19mm均一(フラットビーム)がグラファイトの定番でしたが、今作はフレームトップに向かって厚みを増す21.5 – 20 – 17.5mm。
テクノロジー:テキストリームxトワロンなど多数搭載
TeXtreme × Twaron | テキストリームカーボンにトワロンを編み込み。 高剛性と球持ち感を実現。 |
Anti Torque System | フェイス10/2時部分にTeXtreme x Twaron搭載。 剛性が増して推進力をアップさせる。 |
CTS | フレームトップにかけて厚みが増す形状。 トップ方向へのスイートスポットも拡大。 |
ボックスフレーム | フレーム全体が四角形状。 よじれが軽減、面安定性向上させる。 |
セッティング:ポリツアーストライク120を50×48ポンド
ラケット | ファントムグラファイト107 |
ストリング | ヨネックス ポリツアーストライク 1.20 |
テンション | メイン:50ポンド クロス:48ポンド |
今回インプレに協力してくれたずぉさんは、シングルス大好きな30代男性プレイヤー。
ストロークでしっかり打ち合っていけるタイプで、これまではヨネックスのブイコアプロ97+ポリツアーストライク1.20mmの組み合わせがメイン。
(僕はボールを受けた側の視点からインプレしていきます!)
打感:しなりのある柔らかさ!
テーパーがついた事で打球感が大きく変わってしまうのかと思った人もいるかもしれませんが、ここはさすが”グラファイト”。
しなりがあって柔らかい打球感を実現!
107平方インチという大きさもあって、ストリングのたわみ+ボールの食いつきをしっかり感じられるフレームです。
グロメットホールが大きく設計されており、これもストリングの可動域や食いつき感に大きく貢献しているようです。
性能:高い弾道で攻めるスピン系ラケット
面の大きさによる最大のメリットは、非常に高いスピン性能!
高い弾道のスピンボールで相手を押し込んでいけるラケット!
反発力:大きい分のプラスα(でも楽じゃない!)
107平方インチと大きいフェイスサイズにより、ストリングがたわむ量は多い感じ。
最薄で17.5mmではあるもののボールの抜けもそれほど悪くはないので、ある程度のスイングが出来る人なら問題なさそう。
薄さに対しては必要以上にはビビらなくてOKですね。
とはいえ・・・
しなりや食いつきが強いラケットなので、『面が大きい=良く飛ぶ』が必ずしも当てはまるワケではない事を考慮しておきましょ!
スピン性能:激高!トップクラスの性能!
先程も言った通り、このラケットの一番の特徴は圧倒的なスピン性能。
107平方インチに16×19の荒いストリングパターンは、ボールの引っ掛かり感が非常に強く、とにかくしっかりスピンが掛かる!
弾道も上がりやすく、伸びるスピンボール、相手を走らせるアングルショットなどを駆使して戦う事が出来ます。
この日はエラストクロスを有り/なしの両方で打ちましたが、ついてない方がスピンは掛けやすかったですね!
操作性:薄さのおかげ?操作はしやすい!
面が大きくなると結構気になるのが操作性。
ファントムグラファイトはフレームが薄めという事もあってか、操作性に違和感はなし。
ブイコアプロ97より10平方インチも大きいフェイスですが、それほど変わらない感覚で使う事が出来ます。
気になる点:弾道の高さ+ストリング摩耗
高い性能を誇るファントムグラファイト107ですが、ここでは使用する中で気になった部分についても解説。
(1)高弾道:半自動的に弾道が上がってしまう
(2)ストリング摩耗:良く動く分、消耗が激しい
引っ掛かりが非常に良いので、弾道は勝手に高くなる感じ。
そしてストリングの動く量も非常に大きい(多い)ので、消耗がはやい!
どちらもスピン性能の高さゆえの現象なんですけどね(笑)
対策:普段よりも太めのストリングが良いかも!
ファントムグラファイト107に張るストリングは、いつもより1ゲージ太めのものを選んだ方が安心して使えそうです。(いつも1.20mmなら1.25mmに。)
最近の競技者向けラケットに107平方インチというのはほぼ無かったので、このフレーム特性に合わせたストリング選びが重要!
ファントムグラファイト107を活かした戦い方!
サーブはスピン系がオススメ!
バウンド後に大きく弾むようなサーブで押し込んでいけるはず。
ストロークもスピン量+高弾道で相手を後方に追い込んで行きましょ!
相手がポジションを下げたら、角度のついたアングルショットで更に走らせる事が可能!
甘いボールがきたらネットへ出て、面の大きさを活かして確実なボレーでフィニッシュ!
いやもう、負ける気がしないですよね?笑
受けた側から見たファントムグラファイト107
ファントムグラファイト107のずぉさんと対戦。
— TRUEMAN@アドブロ(ADVNTG.BLOG) (@ADVNTG_kotodama) June 18, 2020
左右に打ち分けるずぉさんvsセンターセオリーでしのぎたい自分。最後はPグラ107の特性を活かした豊富なスピン量&アングルのストロークに押し切られる結果に。
ストローカーはもちろん、色んな回転を操る技巧派選手が使用した場合も厄介なラケットかも🤔 pic.twitter.com/6pgO3EKdnN
動画にて、奧に写っているのがワタクシTRUEMANです。
ファントムグラファイト107から放たれるボールを実際に受けてみて感じたのは、やはり高いスピン性能に関連した2つの特徴でしたね。
(1)高弾道+スピン量が多い
(2)アングルがエグい
(1) 高弾道
→ 僕は片手打ちバックハンドなんですが、高い弾道で弾んでくるボールは本当に厄介。
ライジングでさばくか、ポジションを下げて対応せざるを得ない感じ。
とりあえず、やめておくれよw
VCORE PRO97に持ち替えたずぉさんとも戦いましたが、VCORE PROの方がズドン!と速いボールがまっすぐ飛んでくる感じでした。
(推進力はVCOREの方が出やすそうな印象。)
(2) アングルがエグい
高い弾道で押し込まれポジションを下げすぎると、フォアから角度のついたアングルショットを狙われてしまいました。
これ一本ではウィナーにならなくてもバック側にオープンコートが出来てしまうため、次のショットでやられてしまう感じでした。
VCORE PROのずぉさんとは”真っ向勝負!”という雰囲気になるんですが、ファントムグラファイト107の時は左右に振り回されて崩される・かわされてしまう印象でした。やらしいぜ。
100との比較:かっちり感は100が上。
ファントムグラファイト107と100との違いが気になった人も多いはず。
100の方がフレームがかっちりしていて、前へとボールを飛ばす推進力を得られやすい仕上がりになっています。
スピン性能はほしいけれど、ボールスピードも犠牲にはしたくない!という人はファントムグラファイト100の方が気持ち良く使う事が出来そう!
スピンが掛けられる柔らかいフレームを探している人にフィット!
このラケットを強くオススメしたいのは、①柔らかい打球感+②高いスピン性能の2つを求めている人!
現状でスピン性能が高いモデルはフレームに厚みがあって、RAは高めのものも多い印象。
『スピンは掛かってるんだけど感覚が合わない』と悩んでいた人にはファントムグラファイト107はオススメ。
しなやかさによる食いつき、スナップバックの大きさによって、より自然なフィーリングで高いスピン性能を操れるようになると思いますよ!
おすすめストリング:ハリ感のあるタイプ
フレームがしなやかで、ボールの食いつきに優れたファントムグラファイト107なので、ストリングはハリ感のある丸型断面タイプがおすすめ。
ヨネックスのポリツアープロ、ポリツアーストライクあたりはバランス良く使えそうです!
柔らかすぎや多角形タイプは要注意かも。
4Gやエレメントなど、柔らかさに優れたタイプのストリングをチョイスしてしまうと、ボールが出て行かず推進力を得られにくくなる可能性が。
また多角形タイプはスピン性能を高めてくれるものの、組み合わせによってはスピン過多になってしまってショートしやすくなる場合も。
まずは丸型で試してからの方が無難だと思いますよ!
総合評価:スピン性能を活かして戦う1本
・圧倒的なスピン性能をもったラケット
・しなり感があって柔らかい打球感
・高い弾道、スピン量、アングルで攻めるプレーに最適!
・ストリングが消耗しやすいので普段より太め推奨
・柔らかすぎるストリングはNG。ハリ感のあるものを!
・107は柔らかさとスピン、100はかっちり+スピード感
・柔らかいスピン系ラケットを探してた人に!
在庫僅少?107はクーポンでゲットしよう!
107が良く売れているようで、店舗によっては在庫が少なかったり、品切れになっているようです。
また楽天市場での最安値は¥32,560となっているので、クーポンが配布されているタイミングでお得にゲットするのがオススメ!