・RA値が前作の70から68へ
・アエロと同じくフラックス搭載
・ダルさが無くシャープ
・ドライブ系ストロークの伸び◎
・ハリのあるストリングが吉
・ライバルはBLADE98 16×19
今回インプレするのは約5年振りにモデルチェンジされた『ピュアストライク98 16/19』です!
2世代目以降の98・100を毎度購入してきた私アドブロが、この最新のピュアスト98を正直にレビュー!
ストイックな使用感ですが振り切ればシャープで強い推進力を得られるドライブ系のストロークで押し切りたいプレイヤー向けのラケットですね!
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
柔らかい | ・・○・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
シャープなパワーがありつつも、インパクトでのマイルドさも実現したバランスの良い仕上がりの1本。
メリット |
ドライブ系が伸びる パワーロスが少ない クセが少ない ショットがバラつきにくい 前作よりも落ち着きがある |
こんな人にオススメ |
ストロークの伸びが欲しい 相手を押し込んで崩したい ライジングでもしっかり捌きたい しっかり攻めて点を取りたい |
低~中弾道のストロークで伸びを感じやすく、クセが少なく落ち着きのある使用感を味わえるラケットに仕上がっています。
ピュアストライク98 16/19(2024)
約5年という長い時間を経てついにモデルチェンジが行われた新型ピュアストライク98 16/19。
モールドやスペックに大きな変更は無いものの、デザインは2世代目を思わせるようなシンプル・ミニマルなものになっています。
左右対称なデザインに関しては赤黒の初代以来で、歴代の要素を盛り込みつつキレイにまとめられた印象。
ピュアドラ・ピュアアエロとは違い、今回のピュアストライクにも山型のウーファーが継承されています。
(※ピュアアエロRAFAも山型ウーファー搭載)
グリップエンドはいつも通りの黒ですね。
スペック/仕様
モデル名 | Babolat PURE STRIKE98 16/19 |
フェイス サイズ | 98 inch2 |
重量 | 305 g ±7g |
バランス | 320 mm ±7mm |
スイング ウェイト | 305 |
フレーム厚 | 21-23-21mm |
フレックス | RA68 ±3 |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 2,3 |
発売予定 | 2024年 1月 |
価格 | 38,500 |
スペックの変更点としては前作よりもRA値が2ポイント引き下げられています。
ライバルラケットに比べてRA値が高いのが特徴でしたが、今回のモデルチェンジでより近しい味付けになったと言えますね。
実測値:SW291・RA64
今回はカスタムを前提に考えていたため300g以下というスペック指定で購入をしました。
重量 | 299g |
バランス | 321mm |
スイング ウェイト | SW291 |
RA値 | RA64 |
ライズテニスサービスさんで計測して頂いた結果が上記の通りで、かなり軽めの個体を入手することが出来ました。
それでもスイングウェイトはSW291で十分高く、カタログ値だと本当に300オーバーになりそうな感じです。
またRA値は64でカタログ値よりも4ポイント低く、なんならちょっとしなやか寄りのフレームだという事が分かります。
※実際前作もカタログ値よりはRAが低いことが多く、相対的に見れば64は妥当な数値かと思います。
特徴:RA値を下げフラックスを搭載
4世代目の大きな変更点は2つあり、①RA値の引き下げ、②フラックスの搭載です。
①RA値の引き下げついては先述の通りで、よりコントロールセグメントらしいしなやかさをこれまでよりも強調した感じと言えるでしょう。
②フラックスの搭載についてはピュアアエロの時にも触れましたが、従来のSMAC社製減衰素材よりは減衰性が控えめになっているそうです。
ですので今回のピュアストライクに関しても減衰性を大幅に高めているというよりも、RA値引き下げ+フラックス搭載で無駄な振動を伝えないようにしているというような設計なのではないでしょうか。
しなりは大きく、ねじれは小さく
テニマカンパニーさんの分析によると、前作よりもしなりは大きく・ねじれは小さくなったとのこと。
スペック的にはRA値くらいしか変わっていませんが、この特性の変化によってフィーリングにも新旧で差が生じているかもしれませんね。
打球感:ダルさが無くシャープ
柔らかさ | 0 | マイルドさはある |
打ち応え | 1 | ほど良い手応え |
スイート エリア | 0 | 98相応の広さ |
弾き感 | 0 | ダルさは無くシャープ |
安定感 | 1 | ブレ感は少ない |
減衰性 | 1 | 不快な振動は感じない |
快適性 | 1 | 比較的快適なほう |
G-TOUR3 1.23mm/45ポンドでセッティングして打ちましたが、打球感はラケット全体で見ると硬くも柔らかくもなくといったところ。
インパクトで食いつき過ぎる事もなく、マイルドな感触とスッキリした感触を上手く両立しているように感じました。
手応えの重さはEZONE98と同じか、ほんのり重たいくらいかなと思います。
一番のライバルであろうBLADE98 16×19と比較するとピュアストの方が少ししっとり感が強め、BLADE98の方がドライでカチッとした印象ですね。
面100よりもシャープで気持ち良い
98よりも前にピュアストチーム2024を買って打っていたのですが、どうにも球離れが悪くパワーロスしている感覚が強くてフィットしなったんですよね。
そこから98になるとパワーロスが抑えられ、フィーリングも球の飛びもよりシャープになって快適。
2代目と3代目の間の印象
旧作と比べた時のイメージとしては2代目と3代目の間という感じ。
2代目の柔らかさやマイルドさはありつつももう少しシャープ、3代目のシャープはありつつもう少ししっとりした感触という感じ。
なので旧作から移行する際にも、フィーリング的な違和感は少ないと思いますね。
性能:しっかり推進力が出せる
ストローク | 1 | 球威は出しやすい |
ボレー | 0 | 前作よりは打ちやすい |
サーブ | 1 | 回転系も十分打てる |
ドライブ | 2 | 一番旨味が出る |
トップスピン | 0 | 必要な分が掛かる |
スライス | 1 | 少し打ちやすくなった |
弾道の高さ | 0 | 上げ下げはしやすい |
パワー | 1 | 重みで威力が出る |
操作性 | -1 | 良いとは言えない |
振り抜き | 1 | ヘッドが走る感覚有 |
しっかりとしたスイングウェイトがあるということも影響してか、ストロークやサーブでは気持ち良く球威が出てくれますね。
軽めの個体でも操作性は普通ぐらいなので、カタログスペックになると多少厳しさを感じそうな気もします。
とは言えサーブからストローク、ボレーまでどのショットも自然なフィーリングで打つことが出来るのは好印象。
サーブ:球威重視しつつ回転系も十分
一度ヘッドが加速すればフォロースルーまで一気に振り抜けるので、特にフラット~スライス系などスピードのあるサーブの伸び感は良いですね。
スピン系に関しても、僕が長く使って来たEZONE98/98Lよりも掛けやすく変化量も大きめな印象。
ストローク:鋭い攻めを可能にする
ピュアスト最大の魅力はやはりストロークの打ちやすさで、特にドライブ系で球威や伸びを感じられました。
直線的なショットはもちろん、弾道を上げたスピン系で繋ぐというのもある程度対応出来ます。
ベースライン後方からフルスイングで打ち込む時には乗りの良さが安心感に繋がり、コート内にポジションを上げてライジングで打つ時にはラケットの剛性感や安定性によってシャープに捌く事が出来ます。
重みはあるものの、一度振り出せばヘッドが走ってくれるので片手バックの打ちやすさも上々。
また100よりもヨーク部分がスリムなので左手でのホールドしやすさもも◎。
スライスは可もなく不可もなくといった印象ですが、前作・前々作と比べると若干乗る感じが増えたのがプラスに作用しているように感じますね。
またセンターフォーカスになっているストリングパターンの恩恵でボールが浮きにくく感じるのもいいですね。
ボレー:歴代モデルよりマシかも?
ボレーが凄く打ちやすい!っていうほどではないのですが、打ち負けにくい重みとほど良い乗り感によって違和感なくボレーを捌けます。
操作性は良くないものの、逆にラケットの動きは最小減に抑えるように意識することで安定したボレーを繋ぐことが出来ます。
総合評価:100よりもむしろ楽かも
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
柔らかい | ・・○・・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
パワーロスの少なさ、振り抜きの良さ、重みによるパワーが良い相乗効果を生み出し、使っていて気持ちの良いラケットに仕上がっています。
モデルチェンジが発表された直後は正直パッとしない変更だな・・・という気持ちもあったのですが、実際に買っていつもの環境で使ってみたら意外なほど良い感じにまとまったラケットになったんだなと。
今回は軽めの個体ということも良いほうに作用した可能性はあり、これがカタログスペック~上振れの重い個体だともう少し難しく感じる場面が増えて来るんじゃないかなと予想しています。
打球感や性能に尖った部分は少ないものの、正統にブラッシュアップされた最新モデルと言えると思いますね。
単複両方で使ってみた感想については別記事にもまとめているので合わせてお読みください。
メリット:伸びのあるショット
・パワーロスが少ない
・クセが少ない
・ショットがバラつきにくい
・前作よりも落ち着きがある
特にドライブ系ストロークの伸びの良さ、パワーロスの少なさは98が持つ大きなメリット。
使用感としても全体にクセが少なく、どのショットもこなせるオールラウンドさは前作よりも優れているのではないかと思います。
RA値の引き下げた恩恵なのか、ゆったりとしたショットでも若干制御しやすくなったようにも感じます。
デメリット:操作性は良くない
・個体差の影響が大きい
・振り切って使うのがマスト
305gという重量に加え、カタログ値で305という高いスイングウェイトがあるため操作性は正直良くはないです。
ネットプレーでの素早い操作、ラケットの細かい操作を重視する人にはあまり相性は良くないのではないかなと思います。
動画インプレはこちら
小雨が降るウェットコンディションでの初打ちでしたが、久しぶりのピュアスト98は非常に好印象!
チームの時よりも球が走るのが「これぞピュアスト」っていう感じで気持ちが高まりました!
ライバル:BLADE98 16×19 v9
【ライバルラケット】
・BLADE98 16×19
・VCORE98
・EXTREME PRO
・FX500TOUR
・ELEVATE98
・RF01 300
・T-FIGHT300iso など
面98で21~23mm前後のラケットがライバル候補になってきますが、その中でも最も比較対象としてピックアップされる事が多いのはBLADE98 16×19だと思います。
BLADEは今まで以上に近いライバル関係
ピュアストライクがRA値を下げしなやかになったのに対し、BLADE v9は剛性を挙げてパワーやスピードを高める方向へとモデルチェンジしています。
その結果としてピュアスト4th GenとBLADEv9は今まで以上に近い位置にあるライバル関係になったと感じます。
ウインザーさんの動画でもピュアスト98とBLADE98の比較がされていますので参考に。
食いつきと重みによるパワーならピュアスト、空気抵抗の少なさとスピード感のあるショットを重視するならBLADEと言った感じかと思います。
相性の良いストリング(ガット)
G-TOUR3のようにしっかりしつつ滑りの良いポリエステルは相性が良いと思います。
前作よりもフレーム自体のマイルドさは感じやすくなっているため、ストリングは以前よりもハリのあるタイプの方がフレームの良さを引き出しやすいと予想。
ファントムプロやポリツアーレブなども組み合わせてみると面白いかもしれません。
発売日:2024年1月
4世代目となるピュアストライクは2024年1月に発売開始となりました。
同デザインのラケットバッグも
ラケットと同じ配色・デザインのラケットバッグも販売されています。
ラケットとバッグの統一感が増すと、テニスへのモチベーションも段違いですよ(※個人の感想です)。
現行の初動売り上げはイマイチ・・・?
かなり好印象なピュアスト98 2024なんですが、発売から10ヶ月経ちましたが売上としてはそこまで良くはないのかなと言った印象。
2世代目で男女問わずユーザー数が増え、3世代目で若干減少、そしてこの4世代目になったワケですが正直って使っている人をほとんど見かけません。
同時期にCXシリーズやBLADEシリーズが発売された事、約5年待った割に変更点が少なかったことなどが要因なのではないでしょうか。
とは言えおそらく今回も長いスパンで販売されるラケットだと思うので、時間を掛けて魅力の周知や売り上げの改善につながって行く未来もあるでしょう。
まとめ:ピュアストライク98 16/19
・RA値が前作の70から68へ
・アエロと同じくフラックス搭載
・ダルさが無くシャープ
・ドライブ系ストロークの伸び◎
・ハリのあるストリングが合う
・ライバルはBLADE98 16×19