06-パフォーマンスアップ

ATPトップ選手の高身長化は本当?身長/体重/BMIを徹底分析![コラム]

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男子テニスツアーが”高身長化”が進んでいると言われて久しい2020年。

今回はさらに踏み込んで選手の体重とBMIまでに踏み込んで徹底分析してみました!
そこから見えてきた大型化以外の要素とは?

身長だけでなく”体格”の変化を分析してみた!

先の記事でも触れられている通り、ATP(男子プロツアー)で活躍する選手の“大型化”が進んでいると言われています。

・どのくらい身長が変化しているのか
・体重はどのくらい変化したのか
・体型はどう変化してきているか

この記事では、こういった部分にまで踏み込んで深掘りをしています!

BMI(体重と身長の比率)を用いて分析

選手の体型に関しては体重と身長の比率を表すBMI(Body Mass Index)を用いて計算しています。

BMIの計算方法は体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]で求める事が出来ます。

例えば
・身長170cm
・体重70kgの場合

70[kg] ÷ 1.7[m] ÷ 1.7[m] ≒ 24.22となります。

各選手の体脂肪率や筋肉量まで分かれば一番良いのですが、そこまで詳細なデータは分からない(作業量としても難しい)ので、簡単に計算出来るBMIからおおよそ体型を判断する事にしました。

分析対象:ATP最終戦出場選手(2000-2019年)

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今回、分析対象とした選手は過去約20年(2000-2021年)・ATP最終戦に出場した8選手
その年に活躍した上位8人が戦う大会なので、まさに”トップ中のトップ“。

なお、欠場した選手や補欠選手は分析対象に含まれません。

開幕時にエントリーしていた8選手を対象としています。

データ参照:ATPの公式プロフィールを使用

今回のデータはATP TOURの公式プロフィールの数値を参照しています。
ATPツアー・ランキング(外部リンク)

スポーツ選手はコンディションやトレーニングの状況によって体重が変化しているので、必ずしも正確ではないという点は予めご了承下さい。

『へぇー、そうだったんだ!』、「自分は〇〇選手に近いな」という感じで、楽しく見て頂けたら幸いです。

平均身長:約20年で+5.5cm増加

こちらの画像は8選手の平均身長をまとめたグラフとなっています。
2000年に185.5cmだったのが2021年大会では192.5cmに変化、約20年で7.0cmの増加した事が分かります。

サンプラスやフェデラー、ナダルは185cmで、テニスにとっては理想に近い身長と見られていましたが、2008年以降では平均以下である事が分かります

最大平均:192.9cm、最小平均:181.4cm

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各年の平均を見てみると、最大平均は2018年の192.9cm、最小平均は2005年の181.4cmとなっています。

2018年はイズナー(208cm)、アンダーソン(203cm)、ズベレフ(198cm)、チリッチ(198cm)という高身長選手が集まったのが平均値を押し上げる要因になっています。

2005年はコリア(175cm)、ガウディオ(175cm)、ダビデンコ(178cm)、ナルバンディアン(180cm)、アガシ(180cm)と、180cm以下の選手が多く、激しいラリー戦が繰り広げられた大会でもありました。

最高はイズナーの208cm、最小は170cm

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過去20年で最終戦に出場した選手で最も高身長だったのはイズナーの208cm
(それ以前のデータでも208cmは最大だと思われます。)

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2020年に出場したシュワルツマンの170cmが最も低身長でした。

次いで身長が低かったのは175cm。
セバスチャン・グロージャン
ギレルモ・コリア
ガストン・ガウディオ
ダビド・フェレール
の4選手がこの身長でした。

一般プレイヤーが参考にすべきなのはこういった選手たちかも?

平均体重:20年で+5.5kg増加

体重の推移も身長のグラフに近いものとなりました。
2000年では81.4kgだった平均が2019年は86.9kg、20年で+5.5kgの増加となっています。

直近の2020年/2021年大会では80.0/83.5kgと減少傾向が見られました。

最大平均:86.9kg、最小平均:79.0kg

大会ごとの平均を確認すると、最大平均は2018年の86.9kg、最小は2005年の79.0kgとなりました。
いずれも身長と同じ結果となっています。

やはり選手の高身長化に伴って、ある程度体重も増えていると推察出来ますね。

最重量は108kgイズナー、最軽量は64kgシュワルツマン

最重量はイズナーの108kg、最軽量はシュワルツマンの64kgでした。

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最大身長のイズナーの体重が重たいのは納得の結果。
シュワルツマンに関しても最も身長が低い選手なのでこれも納得。

平均BMI:約20年で1.1減少

身長・体重はどちらも増加傾向が見られましたが、身長・体重の比率であるBMIの平均は減少の傾向にありました!

2000年には23.6、2021年には22.5まで減少、約20年で1.1減少しています。

※グラフは表示の関係で、小数点以下1桁に四捨五入しています。

最大平均:24.2、最小平均:22.5

BMIが最も大きかったのは2006年大会の24.2。
一方、最小だったのは2021年の22.5。

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2006年大会はナダル、フェデラー、ロディック、リュビチッチが24台後半で平均を引き上げる結果に。

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2021年はメドベデフ(21.2)、ルブレフ(21.2)、フルカチュ(21.1)がBMI21前半の選手が増え、BMIがかなり引き下げられています。

最大:26.31のツォンガ、最小:20.9のシモン

BMIが最大だったのはツォンガの26.31(188cm/93kg)、最小はシモンの20.9(180cm/70kg)でした。

ツォンガの分厚い上半身ならBMI最大というのも納得。
一方、シモンはなかなか筋肉がつきにくく、70kgよりも増えかなかったのだとか。

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最大も最小もフランス出身の選手だったのが印象的。
フランステニスはプレースタイルに統一感がない印象がありましたが、体格的にも非常に幅がある事が分かりました。

各選手のプレースタイルの違いは、この体格による違いも影響しているのかもしれませんね。

BMIの減少 = より細身の体型へ変化?

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身長・体重は増加の傾向があったにも関わらず、BMIは減少傾向が見られました。
この事から、より高身長でスリムな選手が増えているという事が言えるのではないでしょうか。

BIG4でも体型は異なる

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フェデラーとナダルは2人とも185cm/85kg/BMI24.84。
これまでの実績を考えるとテニスに適した体型と言えるのではないかと思っていましたが、ジョコビッチは188cm/77kg/BMI21.79、マレーは191cm/82kg/BMI22.48。

BIG4といっても2010年代に台頭した2人はより高身長+低BMIと言えます。

NextGenは高身長化が顕著に

NextGen世代の選手は高身長な選手が非常に多く、
・ズベレフ 198cm/90kg/BMI22.96
・メドヴェデフ 198cm/83kg/BMI21.17
・チチパス 193cm/89kg/BMI23.89
・ルブレフ 188cm/75kg/BMI21.2
・ベレッティーニ 196cm/95kg/BMI24.73
・フルカチュ 196cm/81/BMI21.1
いずれも190cmを超えています。

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ただBMIには幅があり、スリムなメドヴェデフ・ズベレフ・ルブレフ・フルカチュ、バランスがいいチチパス、分厚いベレッティーニという印象。

今後トップを担っていく選手の指標となるのかどうか注目ですね!!

高身長はメリットがあるが・・・今後は?

身長が高い選手は手足が長くなるため、ムキムキマッチョな体型でなくてもスピードを出せる・遠くのボールにも届くというのが大きなメリット。

今活躍している選手たちをチェックするとハチャノフは198cm、アリアシムは193cm、シャポバロフやガリンは185cm、そして現在13位につけているシュワルツマンが170cmで最も小柄。

今後も高身長選手が増えるのか、それとも185cm以下の選手の逆襲が始まるのか・・・ツアー再開の暁には、選手の体格に注目してみてはいかがでしょうか。

結論:身長・体重増加、スリム化が進む

では過去20年分のデータを分析した結果をまとめました。

この記事のまとめ

・身長と体重は増加の傾向
・BMIは減少の傾向
・高身長化+スリム化が進んでいると推察
・最大はイズナーの208cm/108kg
・最小はコリアの175cm/69kg
・BMI最大はツォンガ、最小はシモン
・NextGenは190cm越えの選手多数
・今後も高身長でスリムな選手が増えるかも?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
単純な身長だけでは分からない、BMIにまで踏み込んで分析をしてみました!
トップ選手の体格だけでなく、実際に使用しているラケットやストリングについてもまとめているので、合わせてチェックしてみてくださいね!

緊急事態宣言の間に僕のBMI値も上昇(笑)してしまったので、トップ選手のBMIを参考にしつつコンディショニングに勤しみたいと思います。

https://tennis-advantage7.com/2020/02/28/online-training/

それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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