・高速スイングが生み出す推進力
・低く突き刺すようなドライブ
・力を逃さないカッチリフレーム
・ストローク主体のプレイヤー向け
・サーブも球速アップを実感
“錦織圭選手を育てたスペック”と呼称される軽量・トップヘビーのコンセプトを継承した『ウイルソン・ウルトラツアー95J v4.0 (ULTRA TOUR95J v4)』をインプレッション!
こんな人にオススメ |
ストロークの球威で打ち勝ちたい人 スピードを追求したい人 バックハンドでも火力が欲しい人 3球目攻撃で仕留めるプレーが得意な人 |
メリット・デメリット |
○ 鋭い振り抜き ○ カチッとした打球感 ○ 推進力の出しやすさ ○ 塗装クオリティは高水準 × 対応力は低め × ボレーがシビア × 合わせるショットは不可 |
この記事では『Wilson ULTRA TOUR95J v4.0』を徹底的に解説させて頂きます!
ウイルソン・ウルトラツアー95J v4.0
(Wilson ULTRA TOUR95J v4)
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ダブルスで大活躍を続ける青山修子選手が使用しているラケットがこのウルトラツアー95J v4.0。
ウルトラ100v4とは異なりウルトラツアーはグロス仕上げになっていて、より高級感があって艶やかな外観になっています。
ULTRA TOUR95J v4.0のスペック/仕様
モデル名 | Wilson ULTRA TOUR95J v4.0 |
フェイス サイズ | 95inch2 |
重量 | 290g |
バランス | 340mm |
スイング ウェイト | – |
フレーム厚 | 22mm 均一 |
フレーム長 | 27.25inch |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×20 |
グリップサイズ | 1,2,3 |
発売予定 | 2023年 3月末 |
価格 | 税込 38,500円 |
95平方インチに16×20、22mmフラットビームで断面はラウンド形状、レングスは27.25インチとなっており、過去のツアー95系のスペックをほぼそのまま継承しています。
ULTRA TOUR95J v4.0の特徴
軽いハンマーバランスで薄いフレーム厚のレクタングル形状がヘッドを利かせた破壊力を生む軽量競技スペック。スウィングからの走り出しは格段に高い弾道を維持し相手コートでのバウンド後の伸びを加速させる。ボールインパクト時につぶれることで、スイートエリアの拡大、パワーUPを発揮する「クラッシュゾーン」を搭載した、世界で勝つ日本人を生み出す、本質を受け継ぐ軽量競技スペック。
https://jp.wilson.com/products/tennis-racket-ultra-tour-95j-v-4-0?variant=44092664774869
ULTRA TOUR95J v4.0をインプレ!
サーブ | 2 |
ストローク | 2 |
ボレー | -1 |
反発力 | 0 |
パワー | 1 |
ホールド感 | -1 |
弾道の高さ | 1 |
トップスピン | +1 |
スライス | -1 |
安定性 | 0 |
操作性 | 0 |
振り抜き | 1 |
減衰性 | -1 |
快適性 | -1 |
※-2から+2までの5段階で評価
打球感:95らしいがっちりした感触
95平方インチ+縦長フェイス+ラウンド形状はがっちりした感触を生み出していて、インパクトでもブレずにしっかり力を伝えてくれる剛性を感じることが出来ました。
歴代モデルがそうであったように今作もフレーム自体はしっかりしている分、基本的には硬めの打球感に分類されると言えるでしょう。
ただウルトラツアーシリーズに移行した際に搭載されたクラッシュゾーンのおかげで、擬似的にホールド感がプラスされているように感じます。
性能:振り回してこそ良さが出る1本
290g/340mmの設計はラケットヘッドを加速させやすく、フォロースルーまで気持ちよく振り抜くことが出来ます。
特にスピード重視のサーブ、フォアハンドで推進力の強いショットを打ち込むことが出来、積極的にウィナーを狙って行きたくなる味付けになっています。
95平方インチ+16×20のパターンでもスピンも十分掛かってくれるのもこのラケット独自の性能と言えるでしょう。
高弾道から落とすようなショットではなく、直線的で速いボールを安定してコートに収めるためのスピンという表現が最適。
片手バックも多少の慣れは必要ですが、大きな問題なく打つことができました。
一方で良さが引き出しにくいのは合わせるようなスイングになってしまった場面で、反発力が少ないので伸びのない浅いボールになりがち。
また歴代モデルでも良く言われたかと思いますが、ボレーに関してはあまり打ちやすいラケットとは感じませんでした。
特にミドルレンジから丁寧につなぐようなボレーは面の小ささなどがデメリットになりやすいので、ネット近くから剛性を生かしてねじ込むようなパンチボレー/ポーチを打てるような展開に持ち込む方が効果的かなと思いました。
(青山選手もネット近くでのパンチボレーが武器になってますよね!)
ストリング選び・セッティング
ラケットの特性を考えるとハイパーGやレブのようなホールド感の強いストリングよりは、ポリツアープロやレッドコードなどのように適度な反発力を持ったタイプの方が相性としては良さそう。
フィジカル的に問題がなければアルパワーやRPMブラスト、ポリツアーストライクなどのしっかりした打球感を持っているタイプを張ることでより球威を高めることが出来るのではないでしょうか。
メリット・デメリットまとめ!
メリット | デメリット |
・推進力のあるストローク ・95だけどスピン量は十分 ・振り回しやすさ ・塗装クオリティは高水準 |
・軽くても楽は出来ない ・振らないと良さが消える ・+0.25inchは好き嫌い出る |
ULTRA TOUR95J v4.0のライバル
<ULTRA TOUR95J v4のライバル>
・ELEVATE LITE
・EZONE98L
・SX300TOUR
・EXTREME TOUR など
100平方インチ未満、振り抜きが良く重さor反発力でパワーを引き出しやすいストローク重視のラケットがライバルと言えるでしょう。
ULTRA TOUR95J v4がライバルに勝っているところ
長い歴史を持つ軽量+トップヘビー+0.25インチの完成度・熟成度の高さが生み出す、290gとは思えない推進力の大きさが最大の特徴。
95平方インチに16×20のストリングパターンもパワーロスを防ぎ、効率的に力を伝えるのに貢献しています。
スペック的にもライバルとはあまり被っていないので、黄金スペックカテゴリーのように数値的には全く同じラケットが複数あるような状況にはならないので・・・気に入ったら即購入で!となるモデルでしょう。
総評:星★★☆ 個性は強い
すでに長い歴史を築いてきたらスペックで、今回のモデルもその流れをしっかりと継承したラケットに仕上がっているといった印象でした。
唯一無二のスペック、そしてそれが生み出す使用感はやはり独特のものであり個性は強め。
シングルスでストロークの打ち合いが主体→球威とスピードで相手を追い込みチャンスボールを強打で仕留めるorイージーボレーで決めるというパターンを作りたいプレイヤーには刺さりそう。
逆に相手の様子を見ながらじっくり丁寧に展開するスタイルや、合わせるようなスイングをなりがちな人だとラケットの旨味は消えがち。
ある程度リスクを取って自分から攻める人のためのラケット言えるでしょう。
ウルトラツアー95J v4.0(2023年モデル):まとめ
・サーブ、ストロークが球威UP
・ブンブン振り回して使ってナンボ
・290gとは思えない推進力
・相手を押し込んで攻め切る人に