・錦織選手が作り上げたスペックを継承
・高重量/トップヘビーの尖ったスペック
・とにかく使い手を選ぶラケット
“錦織圭選手が作ったスペック”を継承した最新モデルの『ウイルソン・ウルトラツアー95CV v4.0 (ULTRA TOUR95CV v4)』をインプレッション!
こんな人にオススメ |
フィジカルに自信がある人 シングルスでの球威を求めている人 フルスイングで組み立てたい人 ラケットに重みが欲しい人 |
メリット・デメリット |
○ 重みと長さによる破壊力 ○ 打ち負けしないパワー ○ 推進力のあるショット ○ 塗装クオリティは高水準 × 完全に人を選ぶラケット × フィジカルもスキルも必要 |
この記事では『Wilson ULTRA TOUR95CV v4.0』を徹底的に解説させて頂きます!
ウイルソン・ウルトラツアー95CV v4.0
(Wilson ULTRA TOUR95CV v4)
錦織選手が世界で活躍し続けるために作られたラケットの最新作がこのウイルソン・ウルトラツアー95CV v4.0。
ウルトラ100v4とは異なりウルトラツアーはグロス仕上げになっていて、より高級感があって艶やかな外観になっています。
ULTRA TOUR95CV v4.0のスペック/仕様
モデル名 | Wilson ULTRA TOUR 95CV v4.0 |
フェイス サイズ | 95inch2 |
重量 | 309g |
バランス | 325mm |
スイング ウェイト | – |
フレーム厚 | 22mm 均一 |
フレーム長 | 27.25inch |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×20 |
発売予定 | 2022年 11月 |
価格 | 税込 40,700円 |
95平方インチに16×20、22mmフラットビームで断面はラウンド形状、レングスは27.25インチであり、モールドを含めて95Jと共通。
309g・325mmで高重量・若干のトップヘビーになっていて、重みをパワーに変換出来る設計になっています。
ULTRA TOUR95CV v4.0の特徴
薄いフレーム厚でレクタングル形状のハンマーバランス設計。スウィングからの走り出しは格段に高い弾道で、相手コートでのバウンド後の伸びを加速させる。ボールインパクト時につぶれることで、スイートエリアの拡大、パワーUPを発揮する「クラッシュゾーン」を搭載した、錦織圭が世界で勝つためにたどり着いた答え「日本発・世界基準の侍・スペック」。
https://jp.wilson.com/products/tennis-racket-ultra-tour-95cv-v4-0?variant=43523620176085
ULTRA TOUR95CV v4.0をインプレ!
サーブ | 0 |
ストローク | 1 |
ボレー | -2 |
反発力 | 0 |
パワー | 1 |
ホールド感 | -1 |
弾道の高さ | -1 |
トップスピン | 0 |
スライス | -1 |
安定性 | 1 |
操作性 | -2 |
振り抜き | 0 |
減衰性 | 0 |
快適性 | -1 |
※-2から+2までの5段階で評価
重みによるパワーが武器になるラケットなんですが、僕の体力で使うにはプラスもマイナスも極端に出るといった印象。
打球感:パワーロスは皆無
ストリングはナイロンマルチのNXT、そしてクラッシュゾーンが搭載されていることで、打球感は硬くはないもののダイレクトな手応えを感じられます。
インパクト前後でボールに押し込まれる・パワーロスする感じは皆無。
要因としては95平方インチの小さめ縦長フェイス、16×20の少し密なパターン、22mmでもラウンド系のフレーム形状、309g/325mm+27.25inchが生み出す重みによるパワー、とにかくパワーを生み出すポテンシャルに溢れた仕様になっています。
性能:ロマンはある、ロマンはある・・・
実際に使ってみると、何よりもヘッド側のずっしりとした重みをはっきりと感じます。
これが武器でもあり欠点にもなりうるラケットで、フォアハンドや両手バックなど力強くスイング出来るショットでは大きな推進力を得ることが出来ます。
ただ片手バックハンドでは扱い切るのが大変に難しく、スライスor当てるだけになりがちで旨味を発揮させられず。
サーブやストロークにおいてもスピン系よりもフラット系に自然とガイドされる感じになるので、ラリーにおいても常に先手を取って攻撃的なプレーを信条にしている人と相性は良し。
ボレーは重さを生かしてブロックするような使い方は出来るものの、反射的なボレーやパンチを出していくような打ち方はかなり難易度高いです。
ラケット側が用意してくれるのは重みによるパワーと剛性の高さだけ、それをどう扱えるか?という点はプレイヤー側に丸投げされているモデル・・・そんな印象でした。
メリット・デメリットまとめ!
メリット | デメリット |
・打ち負けない重み ・パワーロスしない ・インパクトでの安定性 ・塗装クオリティは高水準 |
・振りきるのが大変 ・圧倒的に使い手を選ぶ |
ULTRA TOUR95J(290g)との違いは?
モデル名 | 95CV | 95J |
重量 | 309g | 290g |
バランス | 325mm | 340mm |
価格 | 税込 40,700円 | 税込 38,500円 |
95CVと95Jの違いは重量・バランス・価格の3点。
一般プレイヤーが使うのであれば間違いなく95Jの方がラケットの個性や利点を引き出しやすいと思います。
95CVは重さを気にせず振り切れる筋力のある男性プレイヤーが使うラケットだと思うので、ターゲット層はかなり狭いモデル。
重さと剛性を生かせば、ゆっくりとしたスイングでもフラット系のボールをある程度飛ばすことが出来るのですが・・・ラケットの良さを引き出しているとは言い難く、もっと適したモデルを選ぶ方がパフォーマンスを引き出せると思いますね。
ULTRA TOUR95CV v4.0のライバル
<ULTRA TOUR95CV v4のライバル>
・ELEVATE TOUR v3
・PURE DRIVE98
・TOUR95 など
ライバルとしてはエレベートツアーやピュアドラ98、ツアー95など、面が小さくて重たいモデルになってくるでしょう。
エレベートツアーは315gという高重量とウレタン充填による打ちごたえ、ピュアドラ98はRA74が生み出す硬めでパワーロスしない性能が魅力。
数少ない95平方インチモデルであるTOUR95はフェイス形状などがウルトラツアーに近いですが、ボックス系らしいしなやかさがありフィーリング的には対極にいる存在。
ULTRA TOUR95CV v4がライバルに勝っているところ
ライバルと比較してもウルトラツアー95CVは1番尖っているスペックだと思います。
ちょっと重ためだけど振らないとダメ、剛性は高いけど振らないとダメ、そんな感じでプレイヤー側に色々と要求される、要求を満たせれば(たぶん)大きなリターンを得られるラケットという感じ。
個人的総評:星★☆☆ 完全オーバースペック
個人的には完全にオーバースペックに感じましたね!
ラケットの味付け・方向性はなんとなく感じ取ることは出来ましたが、自分がこのラケットを使うメリットはゼロに近いというのが現実だなと。
特にバックハンドは両手じゃないとスピンがほとんど打てないし、フォアですら振り切り続けるのはしんどい・・・実用性という点ではとにかく厳しいラケット。
憧れだけで購入するのは危険だなと改めて思うのでした・・・。
ウルトラツアー95CV v4.0:まとめ
・高重量/トップヘビーの尖ったスペック
・とにかく使い手を選ぶラケット