テニスの歴史に名を刻むプレイヤーのひとり:ラファエル・ナダル。
ナダルが実際に使用しているラケットのスペックや仕様を最大限再現して販売されたのが『バボラ・ピュアアエロラファ・オリジン (Babolat PURE AERO RAFA Origin)』。
通常の黄金スペックや現行ピュアアエロとは大きく異なる使用感に仕上がっており、正真正銘のシグネチャーモデルとして1本は手元に残しておきたいラケットになっています。
「実用性はどうなんだろう?」と気にする人は買うべきではありませんが(笑)、後世に語り継がれる1本であることは間違いありません!
こんな人にオススメ |
ナダルが大好きな人 コレクションしておきたい人 異次元の破壊力が欲しい人 ダイレクトな打感が好きな人 |
メリット・デメリット |
○ ナダルスペックを再現 ○ 素直な打球感 ○ 推進力のあるショット ○ 今後希少価値上がりそう × 使いこなすのは難しい × 減衰性も低い × 実用性は低い |
バボラ・ピュアアエロラファ・オリジン
(Babolat Pure Aero Rafa Origin)
グランドスラム通算22回優勝、ローラン・ギャロス14回の優勝を誇るレジェンド:ラファエル・ナダルのシグネチャーモデルとして発売されたのがこのバボラ・ピュアアエロラファ・オリジン (Babolat Pure Aero Rafa Origin)。
Embed from Getty Imagesナダルが実際に使用しているスペックやフレームを可能な限り忠実に再現されており、現行ピュアアエロとは大きく異なるラケットとして仕上げられています。
ピュアアエロラファ・オリジンのスペック/仕様
モデル名 | Babolat PURE AERO RAFA ORIGIN (2023) |
フェイス サイズ | 100inch2 |
重量 | 317g |
バランス | 330mm |
スイング ウェイト | SW335 |
フレーム厚 | 23~26mm |
フレーム 長さ | 27インチ |
フレックス | RA73 |
ストリング パターン | 16×19 ※初代APDと同じ |
重量は317g、バランスが330mm、スイングウェイトは驚異のSW335(カタログ値)というモンスタースペックになっています。
(※市販品の多くがSW280前後)
フレーム自体も初代アエロプロドライブ(APD)がベースとなっており、現行にはない山型のウーファーも搭載されています。
ナダルのパーソナルスペックについては別記事にまとめていますので、こちらもチェックしてみてください!
ピュアアエロラファ・オリジンの特徴
エネルギッシュで闘志にあふれ、決断力も備えていて、ラファと同じ精神でプレーしているプレーヤーにぴったりのラケットです。
バボラ ピュアアエロラファ オリジン – テニスラケット
この第2世代ラケットは、言わずと知れたトップスピンとクレーコート上のアーティスト、ラファとの密接なコラボレーションにより開発されました。
RAFA(ラファ)の名が冠されたピュアアエロはこれが2世代目。
初代は黄色+紫+黒のカラーリングでしたが、今回は水色やピンク色が強くなったことでより一層派手で目立つデザインへと変化しています。
インプレ・評価:相当なハードスペック!
ストローク | 1 | 振れたらパワフル |
ボレー | -1 | おまけ程度 |
サーブ | -1 | 振り上げにくい |
ドライブ | 1 | 直線的で速い |
トップスピン | -1 | サポートはない |
弾道の高さ | 0 | プレイヤー次第 |
スライス | 1 | 重さが使えるなら |
反発力 | 1 | 剛性で飛ばせる |
パワー | 1 | ポテンシャルはある |
ホールド感 | -1 | 掴みは少ない |
安定性 | 1 | 重さが若干生きる |
操作性 | -2 | 重さの問題は感じる |
振り抜き | -1 | 重さ+空気抵抗ある |
減衰性 | -1 | 振動は残る |
快適性 | -1 | 快適ではない |
ラファ・オリジンの実打インプレッションはこちらの動画でチェック!
打球感:硬めで減衰も少ない
今回はルキシロン・アルパワーが張られているものをテスト。
打球感は硬めでホールド感は控えめ、ダイレクトにボールへ力が伝わる+情報が伝わってくるという表現がぴったり。
押して運ぶのはNGで、強烈なインパクトでボールをシバき倒すような打ち方と相性良し。
減衰性はお世辞にも良いとは言えないレベルで、このラケットの後に現行ピュアアエロを使うと相当快適で優しく感じるほどでした。
遊びの少なさはピュアドライブ98にも近いレベルで、全力フルスイングをしても絶対にブレないという安心感はありました。
最近の黄金スペックと比べるとマイルドではなく、あらゆる点でスパルタンな使用感と言えると思います。
性能:推進力は楽に引き出せる
SW335というスペックからも分かる通り、振り抜くことが出来たなら想像以上のスピード+飛距離が出せるラケット。
ナダルはこのとんでもないパワーのラケットで、とんでもないフィジカルパワーを使って、とんでもないスピン量でコートに抑え込んでいる・・・のではないかと思います。
ボールの引っかかりはそれほど強い感じはなく、弾道の高いショットよりも低めで直線的に突き刺さるショットの方が僕には打ちやすかったです。
ヘッドを効かせて強烈なスピンを打てれば1番良いのですが、現実としては重さを生かして小さいスイングで弾き飛ばす方が良い球を打てました(笑)
球離れは早いので”ゆったり振って押すように打つ”というのは非常に難しく(※アルパワーでは)、操作性も悪いので小技で誤魔化すというのにも不向き。
現行アエロと比べると弾道の高さは同等か少し低めになり、どのショットにおいてもプレイヤーがしっかり制御しないといけない“完全マニュアル型”のラケットだと感じました。
セッティング:ホールド系ポリ推奨
ストリングのタイプ | 相性 |
ナイロンモノ | △ |
ナイロンマルチ | ○ |
バランス系ポリ | ○ |
カッチリ系ポリ | × |
ホールド系ポリ | ◎ |
多角形ポリ | △ |
一般プレイヤーがこのラファ・オリジンを使う時には、ストリングでホールド感・食いつき感を出して制御しやすくするのが良さそうです。
ラフィノさんの動画内でも言われているようにナイロンマルチで優しさをプラスしたり、ポリエステルでもポリツアーレブやファントムタッチなどの食いつきとアシストを感じやすいタイプを選ぶのが無難ではないでしょうか。
(正直このラケットにアルパワーだと全く使いこなせない・・・)
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・ナダルスペックを再現 ・素直な打球感 ・推進力のあるショット ・今後希少価値上がりそう |
・実用性は度外視 ・使いこなすのは難しい ・減衰性も低い |
ナダルの現状を踏まえるとこれが現役最後のラケット・最後のシグネチャーモデルになる可能性は高いかもしれません。
今後希少価値としては上がると思いますし、少なくともコレクションとして持っていて後悔はしない1本だと思います。
(フェデラー引退後のRF97 v13、一気に値上がりしましたからね)
実用性とか快適性とかは前時代っぽさが否めませんが、そういった点を踏まえてもナダルが好きなら十分買う意義はあるラケットになっています。
みんなの感想/口コミ
テニスベア上でのラファ・オリジンに対する一言コメントをまとめてみました!
・飾り用です
・可愛いけどちょっと重い
・使いこなせませんw
・重い!
・重いけど面ブレしない
・よく飛ぶ
・懐かしい感覚
・振り抜きが良い
・317gは重いけど好き
・カッコいい
・気分が上がる
・使いにくい
・ハマった時は良い球
・最高
・コレクション用 etc…
ピュアアエロ2022(現行)との違い
・全体的に現行の方が扱いやすい
・減衰性も現行の方が優れている
・弾道の高さは同等か現行が高め
・推進力のポテンシャルはオリジン
・振り抜き(空気抵抗)は現行が優秀
・実用性は現行アエロが断然上
実際の練習や試合で使用することを考えると、現行ピュアアエロ2022の方が圧倒的に使いやすいのは間違いありません。
機能的なサポート、打球感の快適性など、約20年の変化は如実に感じられると思います。
オリジンの優れている点としてはSWが大きい分、振り切れた時の推進力だけは現行モデル以上。
ただしその振り切るスイングがどのくらい出来るのか?っていうことになりますが、週1,2回のプレー頻度だと厳しいかなと・・・というのが個人的な感想ですね。
ライバルラケットと比較
<ラファ・オリジンのライバル>
・ウルトラツアー95CV
・TF40 315g
・EZONE98 TOUR(海外モデル)
・ピュアストライクツアー
・エレベートツアー など
SW335というモンスターラケットなのでがっつりライバルと呼べそうなラケットはほとんどないのですが、高重量+トップヘビー気味という要素でピックアップしてみました。
ラファ・オリジンが優れているところ
ライバルラケットと比べてラファ・オリジンが優れているところを挙げるとするなら、機能性ではなく希少性の高さになりますね。
ナダルのパーソナルスペックを忠実に再現している点、初期APDのモールドやグロメットを再現している点、ナダル最後のシグネチャーモデルになる可能性がる点など、とりあえず1本確保しておいた方が良いかもと思わされるラケットです。
個人的総評★★☆:希少性だけでも買う価値あり
300g前後、SW280台のラケットに慣れている自分からすると、このラファ・オリジンの317g/SW335はとにかくハードスペックすぎて実用性はほぼ皆無に近いレベルでした。
ただそれを踏まえても『ナダルはこのラケットであのスーパーショットを打ってるのか!』とリアルに想像出来るというのはそれだけでも相当楽しかったです。
コレクションとしての希少性は文句なしだと思いますし、ナダルファンならずともできれば1本保管しておきたい・・・そう思わせてくれるラケットでした。