今回はヨネックス製品の中でも最重量級モデルである『ヨネックス・パーセプト97D』をインプレッション。
面97に18×20のストリングパターン、そして320g/310mmという圧倒的ハードスペックであるこのモデルを徹底的に解説していきます。
半端なスイングじゃ話にならないモデルですが、しっかり振り切った時の有り余る推進力と伸びが魅力のラケットですね!
こんな人にオススメ |
低く伸びるショットが打ちたい 重さを活かしたプレーがしたい ショットのブレを最小限にしたい フラット系を上手く使いたい |
メリット・デメリット |
○ 有り余る推進力 ○ 低めに安定する弾道 ○ 振れば球威はある ○ 柔らかい打球感 × 振り切るのは大変 × 筋力・技術が必須 × 高弾道は厳しい |
ヨネックス・パーセプト97D
(YONEX PERCEPT 97D)
数あるヨネックスのラケットラインナップの中でも最も重量があるのがこのヨネックス・パーセプト97D。
外観はパーセプトシリーズ全体で統一されているため、ハードスペックらしからぬ淡い緑色で落ち着いたデザインとなっています。
スペック/仕様
モデル名 | YONEX PERCEPT97D |
フェイス サイズ | 97 |
重量 | 320 g |
バランス | 310 mm |
フレーム厚 | 21mm |
ストリング パターン | 18×20 |
グリップサイズ | 2,3 |
発売予定 | 2023年 9月上旬 |
価格 | 41,800 |
モールドはパーセプト97と共通となっています。
重量は+10gの320gでかなり重いですが、バランスは97と変わらず310mmのまま。
実際手に取ってみるとずっしりとした重みを感じることが出来ます。
ストリングパターンも18×20と細かくなっており、グロメット径も97よりも小さいタイプへと変更されています。
パーセプト・シリーズの実測値
スペック | スイング ウェイト (ストリング込み) | RA値 |
97 (ポリツアーレブ125) | 313 | 59 |
97D (ポリツアーレブ125) | SW332 | RA60 |
100 (ポリツアーレブ125) | 318 | 64 |
100D (ポリツアーレブ125) | 320 | 64 |
100L (レクシスコンフォート125) | 308 | 64 |
104 (レクシスコンフォート125) | 302 | 62 |
ライズテニスサービスさんで計測してもらった数値が上図の通り。
97とRA自体はほぼ同じRA60ですが、スイングウェイトが332でシリーズ内でダントツに高い数値となっています。
97よりも振り切るのは大変だけどその分だけパワーは引き出しやすいモデルなのかなと推測出来ますね。
特徴・コンセプト
今回のモデルチェンジの目玉はSERVO FILTER(サーボフィルター)を新たに採用したという点。
それに伴いグリップ部分に搭載されていたVDMは廃止となりました。
パーセプト・シリーズの詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
グリップについて:ちょい扁平+ちょい太め
【現行ヨネックスのグリップ】
・僅かに扁平っぽさがある
・バボラに近い握り心地
・形状は標準的なものに近づいた
・WILSONより少し太く少し扁平
・PrinceやDUNLOPよりも太い
メーカーによってグリップの太さや形状は様々ですが、ヨネックスは僅かに太めですが形状的には標準~ほんのり扁平という感じですね。
扁平率や太さなど握り心地はバボラに近く、標準的な形状と言えるものになっているので、他社からの乗り換えもしやすくなっています。
フラット系が武器になるであろうパーセプト97Dとこのグリップ形状は相性も良いんじゃないかなと思います!
インプレ:気持ち良く振り抜ける
ストローク | 0 | 融通は利かないがアリ |
ボレー | 0 | 重さで弾かれにくい |
サーブ | -1 | 疲れるしスピンもキツイ |
ドライブ | 2 | とにかく真っ直ぐ伸びる |
トップスピン | -1 | スピンは厳しい |
弾道の高さ | -1 | 18×20なので低い |
スライス | 1 | 重さを使えるなら〇 |
反発力 | -2 | 振らないと飛ばせない |
パワー | 1 | 重みでかなり飛ばせる |
ホールド感 | 0 | しなやかさはある |
安定性 | 1 | ブレる感じはほぼない |
操作性 | -2 | 取り回しは悪い |
振り抜き | 1 | 振り出せば一気 |
減衰性 | 1 | 重さもあり衝撃は抑え目 |
快適性 | -1 | 取り回しの面で厳しい |
取り回しやスピンの掛けやすさなど明らかな弱点はあるものの、ドライブ系ショットの飛び・伸び・球威はシリーズでもダントツ。
重さと18×20でパワーロスを抑えつつ、フラットで伸びるようなボールを打ち込めるラケット。
誰にでもオススメ出来るようなスペックではないものの、ハードさに対する見返り(ロマン)を十分に感じられます!
打球感:ブレずロスせずしっかり伝える
ポリツアーレブ1.25mm(47lbs)で打ちましたが、重さと密なストリングパターンのおかげでインパクトでラケットがブレる感覚は皆無。
16×19のパーセプト97と比べると、18×20のパターンなったことで打球感はより引き締まって打ち応えもアップしているように感じました。
性能:突き刺すようなフラット~ドライブが生命線
操作性は悪い方ですし、弾道の調整幅も狭いのですが、その代わりに低めの弾道で直線的に打ち込むようなフラット~ドライブ系のショットの伸びは桁違い。
深さのあるショットで相手のポジションを押し下げ、ボールの伸びの良さで相手にラリーをコントロールさせずにミスを引き出す・・・そんな使い方で光るラケットですね。
サーブ:振り上げるのはかなりキツイ
320g/310mmの重量バランスはお世辞にも振り上げやすいとは言えず、18×20のパターンも相まってスピン系のサーブはとにかく厳しい感じ。
その代わり(?)思い切り振り切るフラット系サーブは球速・深さも出やすいので、実戦の中では1stサーブの球威でいかに押し切れるか?というのが他のラケット以上に重要になってきそうです。
サービスゲームを数回ほどパーセプト97Dでやりましたが・・・かなり疲れます。笑
リターン:ブロックはしやすい
リターンにおいては(僕の筋力では)振り切るよりも、ブロックするようにして浮かさずに返すのが無難な選択でしたね。
アドサイドでバック側にスピンを打たれた時、片手バックのスピンで頑張って返そうとしましたが十分なスイングスピードに達せずヘニョヘニョのリターンになってしまいました(笑)
ストローク:フラットorドライブで攻め切る
重さと密なパターンによってとにかく飛距離は良く出てくれるので、フラット~ドライブ系を相手コート深くに打ち込みやすいのがこのラケット最大の魅力と言えるかもしれません。
もしも相手がボレーに出てきた時にも低く速い突き球を打ちやすいので、無理にパスを抜くよりもボディを狙う方が効果的。
一方で劣勢の時に弾道を上げてつないだり、スピンを多くかけてショートアングルに落とすなど、弾道と回転量を変えてバリエーションを作り出すのはかなり難しいです。
ボレー:重さで負けにくいが基本オマケな印象
取り回しは良くないものの、相手の強いボールに対しても重さでブロックするようなボレーが打ちやすいパーセプト97D。
これまで重たいラケットを使ってきた人なら問題なくボレーも捌けると思います。
ただ積極的にボレーに出て行こうというスタイルなのであれば・・・もう少し打ちやすいラケットはいつくもあるかなと。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・推進力と伸び ・低めで安定する弾道 ・強い球にも負けにくい ・深さも出しやすい ・振れるなら球威出る |
・取り回しは悪い ・バリエーション出しにくい ・スピン系サーブつらい |
パーセプト関連動画はこちら!
ライバルラケットとの比較
<ライバル>
・BLADE98 18×20
・TR960Control Tour 18×20
・ピュアストライク98 18×20 など
ライバルとして挙げられるのはやはり18×20のパターンのラケット。
特にBLADEとTR960は厚みやフェイスサイズも近いので、比較対象としては外せない存在。
ただし他のモデルが305~310gなのに対し、パーセプト97Dは320gとかなり重たいのがポイント。
しっかりとした重さが欲しい、重さを利用してパワーを出したいという人にパーセプトはオススメ出来ますね。
発売日:2023年9月上旬
パーセプト97は2023年9月上旬発売と表記されていましたが、実際には8月25日頃には発売開始となりましたのですでに購入可能です。
ラケットバッグでコーディネート
パーセプトと直接連動したデザインのラケットバッグは残念ながら販売されていないのですが、コーディネートを考えると淡いカラーリングのバッグが良いのではないでしょうか。
黒地にパープル系のラケットバッグなら、可愛さと強さの両方を感じられるデザインにまとまっているのではないでしょうか。