今回はデミノーやコスチュクが愛用しているラケットであるウイルソン・ウルトラ99プロv5をインプレ。

| ダブルス | ・・○・・ | シングルス |
| ボレー | ・・・○・ | ストローク |
| 低弾道 | ・・・○・ | 高弾道 |
| 多彩さ | ・・○・・ | 安定性 |
| 柔らかい | ・・・・○ | 硬い |
| 片手バック 打ちにくい | ・・・○・ | 片手バック 打ちやすい |
| スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
| イージー | ・・・○・ | スパルタン |
減衰性やアシスト性能が高められた近年の製品と比べると、ダイレクトな感触+むき出しの粗いパワーが際立つ尖ったラケットですね!
使いこなすためにあれこれ工夫するのが面白いラケットですね。
| 【 ULTRA99PROの特徴 】 |
| しっかり打ち合いつつカウンター狙い 高剛性+重みが生み出すパワー かなりダイレクトな感触 引っかかりは良いけど武器はドライブ系 速いテンポでプレーしたい人向け |
Wilson
ULTRA99PRO v5


ウルトラファミリーの中でもひと際異彩を放っているのがこのウルトラ99プロv5。

グロス仕上げの美しいブルーの塗装、シャープなフォルムも相まってウイルソンのラインナップの中でもトップクラスにカッコいい・強そうなビジュアル。
X-LOOPにグルーブも搭載
このラケットなんですがとにかく普通じゃないんですよね。

シリーズ的にはウルトラに分類されているものの、BLADEのアイデンティティであるX-LOOPを搭載。
(※それもあってこれまではBLADEのペイントジョブとなっていました)


さらにフープの内側、トップ部分と5・7時部分に深いグループも設けられており、同じような形状のラケットが他にないんです。
STeam99のリバイバル
ウルトラ99プロのベースになっているのがこのSTeam99(2013年モデル)。
モールドはもちろん基本的なスペックもそのまま踏襲、まさにリバイバルといった感じですね。
Embed from Getty Imagesハレプの過去のラケットを調べてみたんですが、BLADE98(18×20)だったりPROSTAFF SIX-ONE100だったりと結構スイッチしてたのがSTeam99(2013)登場以降はペイントジョブしながらずっとこのラケットを愛用。

モールド自体は共通なんですが、ヨーク部分の樹脂パーツは若干厚みのあるものに変化。

見た目的にはウルトラ100と同じクラッシュゾーンが入ってそうな感じなんですが、実際はただ厚みがあるだけの構造だそうです。

ちなみにエンドキャップはエルゴ形状+でっかいフタのタイプになっているんですが、個人的にはかなりイマイチな部分。

こっちがSTeam99のエンドキャップなんですが、デザインも質感も明らかにこちらの方が良いんですよね。
現行モデルももっと質感の良いエンドキャップにしてもらえないもんでしょうか。
【打球感】
ダイレクトに情報が伝わる
| 柔らかさ | -1 | ダイレクトな感触 |
| 打ち応え | 1 | 手応えはしっかり |
| スイート エリア | 0 | 面98とほぼ変わらない |
| 弾き感 | 1 | ラウンド系のような弾き |
| 安定感 | 1 | ブレ感はほとんどない |
| 減衰性 | -1 | 減衰する感じはほぼ無し |
| 快適性 | -1 | 一昔前の感触 |

X-ONEやBRIO、PTプロなど複数のストリングでテストしてきましたが、打球感はかなりダイレクトな感触があって結構硬め。
フレームのしなりやねじれ感はほとんど感じず、剛性の高さで言えばピュアドライブに近いくらいだと思います。
X-LOOPを搭載はしているものの、感触的にはラウンド系フレームのような鋭いレスポンスを発揮してくれますね。
2020年代ではかなり特殊な打感
2020年代に入ってテニスラケットの減衰性は相当に引き上げられ、パワー系だろうがスピン系であろうがマイルドな打球感なのが常識になりつつあります。
一方でウルトラ99プロの打球感はスティーム99が出た2013年頃の水準のままと言っても過言ではなく、インパクトの情報(衝撃や振動含め)がそのままフィルターを通さずに伝わってくるかのよう。
最新のEZONE100やBOOM MPなどの快適な打球感に慣れていると、UTLRA99PROの打球感にはビックリしてしまうかも笑
ウルトラ99プロには減衰性を高める素材などは搭載されていないようで、それゆえにテクニのT-FIGHTなどグラファイト100%のラケットと同じようなフィーリングになっているんだと思います。
(※素材について具体的な記載が無くバサルトファイバーなどが使われているのかは不明)
【性能】
高剛性+重みで火力は十分
| ストローク | 1 | テンポの速い打ち合い〇 |
| ボレー | 1 | ブレずに打ち返せる |
| サーブ | 0 | ピーキーだが威力はある |
| ドライブ | 1 | ドライブ系が1番の武器 |
| トップスピン | -1 | スピン量はほどほど |
| 弾道の高さ | 1 | 弾道上がるが収まりにくい |
| スライス | 1 | シャープに打てて良好 |
| パワー | 2 | 剛性+重みで十二分 |
| 操作性 | -2 | ヘッドの重みがキツい |
| 振り抜き | -1 | 重みもありやや微妙 |

高い剛性+重みによってパワフルさは十二分、しかし弾道やスピン量はバラつきやすくピーキーな使用感でもありますね。
打球感同様に性能面も尖っていて、ポジティブな面とネガティブな面のどちらもハッキリ感じられます。
打ち合いつつカウンター狙いが吉

剛性の高さと重みのおかげで高い強度のラリーをしてもブレることはなく、ストロークだけでなくボレーでもキレのあるショットが可能。
速いテンポでしっかり打ちつつも堅実に組み立て、要所でコンパクトなスイングからカウンター気味のショットを決めるような戦術と相性良し。
その意味ではちょっとデミノーっぽい戦い方とも言えるかも?
弾道は上がるけどドライブ向きの1本

ピッチの広い16×18のパターン、グロメット径も大きいので、引っかかりは良くて弾道は上げやすいですね。
ですがレスポンスの鋭さやパワフルさゆえに回転量不足でそのままバックアウトしてしまいがち。
このラケットの良さが出るのはあくまでも弾道を抑えたドライブ系ショットなんだと思いますね。
なので弾道は上げやすいラケットなんだけど弾道は上げずに打ちたいというギャップを感じる瞬間は有りますね。
打ち方や戦い方を色々と工夫してみたりはしたんですが、ベースライン後方からスピン系で粘ろうとするとミスが出やすく、逆にポジションを上げてコンパクトに打ち抜いた方が安定するしミスするリスクを減らせるという感じでしたね。
【ライバル比較】
【ライバルラケット】
・ピュアドライブ98
(特に前作2023モデル)
→高剛性+重みのパワフルさ
・ラジカルMP
→ガチッとした打球感+ドライブ
・SX300
→高剛性が生み出すパワー感
・FX500TOUR
→打ち応えと若干のシビアさ
・T-FIGHT300
→ダイレクトな打球感
ウルトラ99プロの使用感はかなり独特、競合ラケットに関しても「この部分はちょっと似てるかもね」と言った感じでのチョイスですね。
剛性の高さが生み出すパワフルさがあるというのが基本的な共通点にはなるのかなと思います。
使用感が近いのは旧ピュアドラ98

個人的に一番近しい使用感なのはピュアドライブ98(前作2023年モデル)だと感じました。
どちらも高剛性かつトップヘビー気味の重みによってパワーを引き出す設計になっていて、ガシガシ打ち合うハードヒッター向けのラケット。
ピュアドラ98のほうが空気抵抗が少なく、鋭い低弾道フラットに近い高速ショットで自ら展開を作るタイプ。
ウルトラ99プロは若干ですがインパクトでの食いつきと弾道の持ち上がりやすさがあり、ピュアドラ98に比べると球際のショットをなんとか相手コートまで飛ばす能力にアドバンテージがあるように感じました。
ウルトラツアーとは別テイスト
同時期に発売されたウルトラツアー98/98Jがあり、こちらも本家ウルトラ100とは全く異なる仕様の個性派ラケット。
ツアー98Jと99プロを比較すると、設計思想は全くの別物に感じましたね。
ウルトラツアーはしなやかなフレームに18×19の密なストリングパターン、反対にウルトラ99プロは高剛性なフレームに16×18の粗いストリングパターン。
実際打ってみてもウルトラツアーは安定感があり、ミスを恐れずにガンガン振って打ち込むスタイルにフィットしやすいですね。
反対にウルトラ99プロはパワーは潤沢にあるものの、それを制御するために丁寧さやスイングの正確さが必要な感じ。
自分のプレースタイルに合わせて選び分けましょう。
相性の良いストリング(ガット)
現時点でX-ONE1.24、BRIO1.30、ポリツアープロ1.25の3パターンを試しましたが、基本的にはポリエステルストリング前提のラケットなんじゃないかなと思います。
というのも剛性の高いフレームにピッチの粗いパターンが組み合わされているため、ナイロンだと頼りなく感じてしまうし、ショットを制御するのに神経質になってしまいがち。
太めの丸ポリでマイルドさや安定感を引き出すのが良いのではと予想、近々リンクス1.30を試してみる予定です。
【個人的評価】
かなり尖っていて面白い1本

高剛性で重みも十分、16×18の粗いストリングパターン、X-LOOPにフェイス内側の深いグルーブ・・・といったようにとにかく特徴的な仕様になっているULTRA99PRO。
普段は打球感の柔らかいBOOM MP NEONを使っていたこともあって、ULTRA99PROのパキッとした打球感にはビックリしましたね。
2020年代に入ってから減衰性やマイルド感がトレンドになって急速に成熟が進んだ中で、このラケットの振動をそのまま伝える感覚は逆に新鮮。
設計も独特、打球感も独特、性能面も独特。
トレンドに流されたり、変にユーザーに媚びたりしていない、良くも悪くも尖っていて面白いラケットに感じました。
使いやすいとか快適とかっていうのとは距離のあるラケットだとは思うんですが、特定のシチュエーションや使い方では猛烈に輝くタイプ。
万人向けではないものの、ハマれば凄いラケットと言えそうです。
動画インプレはこちら
ULTRA99PROのスペック

| モデル名 | Wilson ULTRA99PO v5 |
| フェイス サイズ | 99 inch2 |
| 重量 | 305 g |
| バランス | 325 mm |
| フレーム 厚さ | 22 24 21 |
| 長さ | 27 inch |
| RA値 | – |
| ストリング パターン | 16×18 |
| グリップ サイズ | 2,3 |
| 発売予定 | 2025年 9月 |
| 価格 | 39930 |
面99に16×18のオープンストリングパターン、中厚ながら高剛性、305gだけど325mmとトップヘビーという個性的なスペック。

フレームの厚みを実際に計ると上記の通りで、カタログ値と比べると根元部がやや肉厚な感じになっています。
シャフト周りから根元部分にかけて厚みがあることで、高い剛性とブレない安定感を生み出しているのだと思います。
発売日:2025年9月
ウルトラ99プロv5は2025年9月から発売されています。
プロラボ扱いなのかどうか微妙なラインにいるラケットで、発売から約1年経過していますが他のPRO名称のラケットよりも若干ですが実勢価格が安めになっているのも面白いところ。

















