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ニック・キリオスの物語&実際に使用するラケット/ストリングを調査!Nick Kyrgios

COVER PIC : “Wimbledon 2016” by rhurril is licensed under CC BY 2.0

圧倒的爆発力と想像力に溢れたプレー

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オーストラリア出身のニック・キリオス(Nick Kyrgios)。
プレーを形容するならば「爆発力」「想像力」という言葉が相応しいのではないでしょうか。

彼のこれまでのスーパープレー、トリックプレー、そして悪態を25分に凝縮した動画がこちら!(観てて退屈しないから本当に!)

“悪童” = ピュアさと繊細さの裏返し?

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キリオスがニュースになると多くの場合、”悪童”という枕詞がセットになって報じられています。
実際、過去に複数回に渡り問題行動で警告や罰則・罰金を受けて来たので、こういった表現をされてしまうのも納得ではあります。

その一方で、国別対抗戦では圧倒的な集中力で活躍するだけでなく、仲間を鼓舞するムードメーカー的な立ち振る舞いがとても印象的。

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デミノーと見せたダブルスは感情とエネルギーがを爆発させた1戦でもありました!

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そして新しく入れた右腕のタトゥーは、亡くなったNBAのレジェンド:コービー・ブライアントに捧げるものなんです。
悪童だけどとても繊細で仲間思いなヤツ・・・それがキリオスです。

キリオスのプロフィール&キャリア

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父のGeorge(Giorgos)さんはギリシャ出身、母Norlailaさんはマレーシア出身。
フルネームはNicholas Hilmy Kyrgios
1995年4月27日生まれの25歳(※2021年1月時点)。

子供の頃の憧れはフェデラーとツォンガ、NBAではレブロン・ジェームズ / ケビン・ガーネット / マイケル・ジョーダンだったそうです。
(でも好きなチームはセルティックスらしいw)

6歳からテニスをスタート。

キリオスがテニスを始めたのは6歳の頃。
お母さんと一緒にプレーを楽しんでいたそうです。

今のキリオスの体型からは想像出来ませんが、当時は”太っちょ”だったのです。

ジュニア時代:全豪OPジュニア単優勝 / Jr. No.1

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そんなふ太っちょだったキリオスですが、家族の協力のもとで練習に明け暮れ、10歳になる頃にはジュニア・デビスカップのオーストラリア代表に選ばれるほどに成長を遂げました。

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2013年には全豪オープンジュニア・男子シングルスで同国のタナシ・コキナキスを破って優勝、世界ジュニアランキングも1位を獲得。
同年にプロ転向、同時にデビスカップ(※ジュニアではなく)のオーストラリア代表としてデビューも果たしました。

ブレークスルー:2014WBでのナダル戦

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そんな彼のブレークスルーとして挙げられるのが2014年のウィンブルドン・ナダル戦。
当時世界ランク144位だったキリオスが、世界ランク1位のナダルを3-1で撃破するという快挙を達成。

200km/hをゆうに超えるビッグサーブ、肘主導のコンパクトなテイクバックから爆発的に加速するフォアハンド、そして股抜きショットなど相手が予想も出来ないショットクリエイション能力の高さ。
まさにセンセーショナルな勝利となったのでした。

2016年にはキャリアハイの13位を記録

プロデビューした2013年末には182位だった世界ランキングも、2016年10月にはキャリアハイとなる13を記録。
プロデビューからわずか3,4年でTOP10間近までランキングを上昇させ、次世代を担う選手として大きな期待を背負う存在となっていったのでした。

苦悩:悪童と呼ばれて。度重なる怪我。

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しかしこの頃あたりから、より一層キリオスの”悪童っぷり”が露呈する出来事が頻発するようになるのでした。

2015年ロジャーズ・カップでは、対戦相手のワウリンカ(のガールフレンド)を侮辱するような発言をした上に試合を途中棄権。
2019年ウィンブルドンではナダルのボディを狙ったショットを放ち(※それ自体はなんらルール違反ではないけれど)、試合後の会見では「当ててやろうと狙った。謝る気なんてない」と発言。
同年のATP1000 ローマのC・ルード戦ではコートにイスを投げつけ試合を放棄、失格となりました。

また近年では怪我が相次いでおり2018年には11大会、2019年には7大会、2020年にも2大会を、肘や手首、股関節の負傷などの理由で棄権。
2021年開始時の世界ランキングは47位となっています。

グランドスラムタイトルを獲得出来るか?

キリオスのATP通算タイトルは6。
最高はATP500のタイトルで、ATP1000やグランドスラムでの優勝経験はありません。
グランドスラムでは2014ウィンブルドンベスト8、2015全豪ベスト8が最高戦績となっています。

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高すぎる身体能力と溢れ出る創造性を生かし時にセオリー無視を厭わないプレースタイルに加えて、メンタル的な浮き沈みもあるため、2週に渡って勝ち続ける必要があるグランドスラムでは周囲が期待するような結果を残せずにいます。

2つ年上のティエムは全米を制し、自分より若いメドベデフやズベレフもGS決勝進出を経験。
キリオスの心中も穏やかではないはず。

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気性が荒くメンタル的な問題点を指摘されてたサフィンやイバニセビッチだって最終的にはGSタイトルを獲得出来たので(※この2人は大分早い段階でGS決勝を経験していますが)、キリオスにも遠からずチャンスは巡ってくるのではないかと予想しています。

キリオスが実際に使用しているアイテム

ここからはキリオスが使用しているとされるラケット、ストリングについて解説して行きます!
外観上は市販品と同じペイントされていますが、どうやら実際の中身は過去に発売されていたモデルの可能性が高いようです!

ラケット:YONEX EZONE98

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キリオスが使用しているとされるのはYONEX EZONE98 (ヨネックス いーゾーン)

2020年のモデルチェンジ以降、ホールド感とパワーが高い次元でミックスされた性能もあって非常に人気のモデル。
大坂なおみ選手もEZONEを使用しており、爆発的パワーをコントロールするのにも向いているラケットである事が分かります。

そして写真の通りグリップはレザーに巻き替えてあり、2019Fever-Tree Championshipsでは(なぜか)片手打ち選手のようなオーバーグリップの巻き方をしていました。

中身はEZONE Xi 98の可能性が高い。

Tennisnerdさんの記事によると、キリオスが使用しているラケットの中身は過去のモデルであるEZONE Xi 98の可能性が高いとのこと。

https://www.yonex.co.jp/company/pr/pdf/20111109.pdf

トッププロは長い時間を鍛錬に費やし体力も技術も超一流なので、(一般人とは違って!)ラケットの性能や感触を大きく変えてしまう事を嫌う傾向にあります。
キリオスも同じ理由で、中身はXi98、外観は市販のEZONE98になっているのだと推測されます。

ストリング:POLY TOUR PRO 1.20mm

キリオスが使用するストリングはYONEX POLY TOUR PRO(ヨネックス ポリツアープロ)。
なんとゲージは驚きの1.20mm!!
(しかもこれYONEX HPにちゃんと記載されてる情報!)

ボールを切れ味よく弾き飛ばしてくれる感触のあるポリツアープロですが、トッププロ、しかもキリオスのような爆発的スイングスピードの選手が1.20mmなのはびっくりの一言ですよね。

キリオスのような切れ味が欲しい人は1.20mmを試す価値アリかも?

最後に:知れば知るほど魅力的な選手!

僕は正直キリオスって全然好きじゃなかったです。
一見やる気のなさそうなショットを放ったと思いきや、反応も出来ないような速度のショットを急に打ってきたり・・・プレースタイルはもちろん、言動も予想が出来ないプレイヤーの1人。

フェデラーやナダル、ティエムといったプレイヤーが好きな自分としては、あまりの自由奔放さ(そして憎たらしさ)ゆえに好きになる事が出来ないでいました。

ただ、コービーの事故のショックに打ちひしがれながらも懸命に戦った姿や偲ぶ気持ち、昨年のCOVID-19に関連した選手たちの(ある意味無責任な)行動に対する批判・・・など、知るほどに気性が荒いというよりも繊細な人なんだなっていう事に気づかされました。

それを考えると、オンコートでも気持ちが爆発してしまうキリオスが愛おしく思えてきて・・・だんだんと応援したい気持ちが湧いて、今回の記事を書き上げるに至りました。

元アンチ(?)が書き上げた特集記事、皆さんに少しでも繊細で仲間思いなキリオスの魅力が伝わってくれると嬉しいです。

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