スナップバックがTwitterで盛り上がってる・・・
皆さんはどう思いますか?
— KASA@BREAK BACK⑫ 1/8 (@KASA_TENIS) October 29, 2021
「回転をかけるのにスナップバックは関係ない」というコーチに何人かあいます。
理由は…
○インパクトの一瞬にそんな現象は起きない
○ストリングをアロンアルファで固めてスナップバックが起きないようにしても、回転がかかった
○スイングスピードによって変わる
いつものようにTwitterを眺めていたら、KASAさんのスナップバックに関するツイートが盛り上がっているのを発見。
こういうふうに言うコーチが何人かいたとのこと。
コメント欄にも様々意見が飛び交っています・・・
僕なりの意見・解釈をまとめてみた!
スナップバックとスピンの関係については、正直いろんな意見があると思いますし、それで良いと思ってます。
ただ僕自身、ストリングはこれまでに100種類以上テストをしてきて、いろいろ学んだ事、感じた事がたくさんあるので、それを記事にまとめてみました。
ストリング選びの1つのヒントとして活用してもらえたら嬉しいです!
そもそも論:スナップバックは知覚出来るもの?
・スナップバックそのものが手に直接伝わるワケじゃない
・スナップバックしやすいラケットやストリングはある
・経験的に”スナップバック”らしきものを感じとってるのかも?
スナップバックって直接手に伝わる現象じゃない
ボールを打った時に、スナップバックそのものが手に直接伝わるか?ってなると、まぁそんなことはないですよね。
硬い⇄柔らかい
重い⇄軽い
接触時間の長い⇄短い
振動が多い⇄少ない
インパクトで手に伝わる、そして明確に言語化出来る情報は上記の要素ぐらいじゃないでしょうか。
スナップバックが増えてるのか、減ってるのか・・・ってインパクトで手に伝わってくる要素のどれに、どう影響してるかなんて、はっきりとは言えないと思うんです。
つまり、スナップバックを語るのはすごく各個人の感覚ベースにならざるを得ないわけです・・・そりゃ色んな意見があってしかるべき。
スナップバックしやすいラケット、ストリングはある
Embed from Getty Imagesスナップバックという現象自体は間違い無く起きてはいますし、それを生み出すための設計をされたラケットやストリングが多数販売されているのはみなさんもご存知の通り。
スナップバックという言葉が本格的に市民権を得ることになったのは・・・ウイルソンのSラケが出てきたあたり・・・2010年代中盤くらいですかね?笑
直接知覚する事はできないけれど共通点はある
Embed from Getty Imagesじゃあインプレでスナップバックが効くとか表現として使ったら嘘なのか?っていうとそうともいいきれないんです。笑
スナップバックに優れた(※優れているとされる)製品をたくさん使っていると、なんとなく使用感や性能に共通点があることがわかってくるんです。
その部分を言語化は出来なくとも感じ取る事が出来るようにはなるので、それをインプレに反映するようにしています。
嘘言ってるワケじゃないんです。笑
スナップバックはスピンに無関係?
・関係ないとは断言出来ない
・いろいろある中の1つの要素
・プレイヤーの筋力やスイングで左右される
・そもそもスピンがかかってるてどう知覚する?
無関係と断言はできない:スピンに影響する要素の中のひとつ
ようやく本題の『スナップバックはスピンに無関係』なのかどうかですが、関係ないとは断言できないと思いますね。
・反発力
・摩擦係数
・弾性/粘性
・テンション
・断面形状
・断面構造 etc.
ストリングで考えても色んな要素が相互に影響しあってスピンが掛かるワケですよね・・・
スナップバックは様々な要素が組み合わさって発生する”現象”なので、ここだけに焦点を当てて議論するのもいささか無理があるんじゃないかと思うのです。
僕自身はスナップバックはスピン量に貢献していると考えてます・・・
プレイヤーやスイング次第で変わるもの
Embed from Getty Images冒頭のツイートにもある通り、そもそもプレイヤーの筋力やスイングスピード、スイングの軌道・・・
そりゃもう千差万別!
なのでスナップバックがショットにどう影響するかっていうのも、それぞれに異なる部分があるのは自然なことかなと思います。
(※男子の強烈なスイングなら多角形、標準〜速めのスイングならスナップバックしやすい丸型タイプの方がいい・・・と、個人的には考えてます。)
スピンが掛かってるかどうかも意外と知覚するのは難しい。
Embed from Getty Imagesで、これもそもそも論になるんですが、スピンがかかってるかどうかってどう知覚してますか?
ボールの引っかかりが良い、弾道があげやすいっていうのをスピンがかかりやすいと表現していた時もありました・・・
でもデータ計測を続けていると必ずしもそうじゃないっていうことが分かってきました。
引っかかり感はかなり少なく感じたハリアーレスポンスが、回転数は1位だったんです。
(トラックマンを使った計測でも2/3人が最多スピンを記録)
スナップバックが直接知覚出来ないのと同じとは言わないですが、実はスピンも正確に知覚するのってものすごく難しいんですよね。
(多分球速の速い・遅いを判別するより何倍も難しいと思います)
例えば球速が100km/hから120km/hになったらすぐに分かると思うんですが、回転数が1000rpmから1200rpmになっても正直違い分からない人がほとんどだと予想・・・
スナップバック+スピン・・・そらもう感覚の世界。
Embed from Getty Images直接知覚するのが難しいスナップバック、正確に捉えるのが難しい回転数。
この2つを組み合わせて議論すること自体、めちゃくちゃ感覚的だと思うんです。
議論はすごく素敵だし楽しいのでどんどん広がれば良いと思うし色んな意見が出れば良いと思ってます・・・が、何か1つの解を導き出そうとするのは無理なんじゃないですかね。
全員トラックマンやホークアイを使ってデータ検証でもしない限り、ゴールにはたどり着かないのではないでしょうか。笑
そうじゃないとそれこそお互いが信じる宗教の正しさを主張しあうようなもんですもん。
僕は滑りの良いストリングが大好き
まぁ散々こんなこと言ってきましたが、ワタクシは滑りのいいストリング=スナップバックが良く起こるとされるが大好きです。笑
そういう感触を得るのにスナップバックという概念はすごく役に立ちました。
滑りが良くてスナップバックが起こりやすいストリング!
自分に適したものを探す指標になるなら最大限活用するべき
スナップバックが良いとか悪いとか、それはあくまでも1つの要素ですが・・・自分の好みのストリング(フィーリング)を探すのに役立つのであれば最大限活用するべきものだと思います。
スナップバックが起きやすいとされるタイプが好きなのか、それとも逆にそういうタイプは好きじゃないのか・・・そんな感じで、ストリング選びの1つの指標として活用してしていけばいいんじゃないでしょうか!
まとめ:スナップバックはスピンに無関係?
・これは難しいテーマ(笑)
・ただ無関係と断言はできない
・そもそも知覚するのが難しい
・スピンもスナップバックも感覚的
・感覚の話をしてもそれは人それぞれ
・スナップバックという概念をうまく活用するのが吉