データや理論などでテニスを考えるのも大好きなコトウダマサト(@advntg_kotodama)です。
今回は読者さんから頂いた質問に回答・解説をして行きたいと思います。
「飛び」
「威力」
「スピード」
こういった言葉の違いがいまいち良く分かりません・・・
確かにどの言葉もよく耳にしますが、意外と正確な意味合いについては解説されてなかったりしますよね・・・
結論からいうと、ボールにどのくらい大きな力を加えられたか?を示すのが「パワー」、相手の手元に届いた時にどのくらいのパワーが残っているか?を示すのが「威力」だと考えています。
パワーを左右する要因としてスピードや回転数が存在している・・・そんなイメージですね!
・球に加えたエネルギーの大きさがパワー
・相手が打つ時のパワーの残量が威力!
・スピードだけでは威力は決まらない
この記事では改めて「ショットの威力」について深掘りをしています!
ショットのパワーや威力ってなに?
今回のご質問に回答するにあたり、まずはみていただきたいのがこのツイート。
5 of the fastest forehands *ever* recorded on the ATP Tour…
— Tennis TV (@TennisTV) March 17, 2022
=1. Monfils (124 mph)
=1. Murray (124 mph)
3. Kyrgios (119 mph)
4. Isner (117 mph)
5. Monfils (115 mph)
Blink and you’ll miss ‘em ⚡️ pic.twitter.com/wG0VzzMd1h
ATP TOURにおける歴代最速フォアハンドTOP5をまとめた動画になっています。
尋常ではない「スピード」で放たれたショットは、間違いなくとんでもない「威力」となっています。
ではショットの「威力」は「スピード」だけで決まるのか?
そんなことはありません!
テニスをプレーされている方なら感覚的に理解されているかと思います。
ですが、それぞれの意味となると意外と説明しにくい・わかりにくいものですよね・・・
ですのでここからは、質問して頂いた「パワー」「飛び」「威力」「スピード」について、それぞれ解説をしてきます!
ショットのスピードや飛び、威力を深掘り解説!
今回の結論を図にしてみるとこんなイメージです!
威力とパワーはほとんど同じような意味ではあるものの、それを構成する要素としてスピード・回転数・飛びなどが相互に関連して存在しているという感じ!
ここからは各要素について、順を追って深掘りして行きます。
スピード = ボールの移動速度
・ショットの速さ、移動速度のこと
・速度が上がるほど回転数は下がる傾向
ショットの数ある要素の中で一番分かりやすいのがスピード。
シンプルにどのくらいの速度が出ているかという指標。
時速100キロなのか、時速150キロなのか・・・という話ですね。
データ測定などをしていると、球速が上がるほど回転数は下がる”反比例“の関係にあることが分かります。
飛び = ボールが着弾するまでの飛距離
・打った場所から着弾までの飛距離
・どのくらい楽に飛距離が出るか
・球速が上がるほど飛距離は上がる
・弾道が上がると飛距離も上がる
ボールの「飛び」とは、打った場所からどのくらいの飛距離が出るか、どのくらいコートの深くまで飛ぶか?という意味。
同じ弾道ならスピード(球速)が上がるほどに飛距離は伸び、同じスピードなら適度に高い弾道の方が飛距離が伸びます。
面が大きいラケットや厚いラケットなど、反発力のあるラケットを使うと小さいスイングでも飛距離が出やすいですよね。
パワー = どのくらいのエネルギーを持ってるか
・どのくらい大きなエネルギーを持ってるか
・威力とほぼ同じ意味
・スピードと回転数が重要
ショットのパワーというのは、球速と回転数の合計値みたいなものだとアドブロは考えています。
ボールに対してどのくらい大きなエネルギーを加えられたか?っていうことを表現しているといってもいいかもしれません。
上の写真でいうと130km/h+1000rpmのショットと100km/h+1500rpmのショットは、”パワーがあるショット”と表現できると思います。
一方で真ん中のロブみたいな低速・低回転のショットはパワーがないということになります。
スピード優先か、しっかり回転をかけるか、という違いは存在するものの、ボールに加えられたエネルギーの大きさという意味ではどちらも大きいはず。
威力 = 相手の手元に届いた時のパワー
Embed from Getty Images・相手がどれだけ返しづらいかの指標
・パワーだけでなく深さも影響する
・スピード+回転数+飛距離(弾道)
正直「パワー」とほぼ同じ意味ではあるものの、「威力」はボールが相手の手元に届いた時にどのくらいのパワーが残っているか?という意味が近いと思います!
バウンド後の伸び・跳ね方なども含めた結果として「威力」が存在しているのではないかと考えています。
スピードや回転数があって、さらに深い位置まで飛んでくる・・・これが威力のあるショットと言えるのではないでしょうか。
また、同じパワーであっても環境次第で威力は変わってくると言えるかもしれません。
パワーと威力、似てるし同じような意味だし・・・でも深掘りすると、微妙に違う部分はあるのかなと思います。
意味が分かればインプレの理解も深まる!
とはいえスピードや威力などの言葉の意味を正確に理解することで、インプレを見たり読んだりした時にテスターがどう感じたのか?何を伝えたいのか?というのが分かりやすくなるというメリットも!
少しでも参考になっていると嬉しいです!
まとめ:パワーや威力は複数の要素で成り立ってる
・威力を構成するのが速度、回転数、飛距離など
・それぞれが相互に関連して存在している
・威力だけで実力は決まらない
・理解しておくとインプレにも役立つ!