06-パフォーマンスアップ

【テニス】セルフジャッジはシステムとして破綻していると思う件。

テニスのセルフジャッジは難しい
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セルフジャッジは悩みのタネになりやすい要素

diadem elevate 2023(ダイアデム・エレベート)でボレー

テニスでは一般的な仕組みであるセルフジャッジ。

しかしながらジャッジを巡って意見がぶつかりあったり、イライラしてしまったりと、悩みのタネになりやすいのも事実。

僕は「アウトじゃないでしょ!インでしょ!?」って怒りに潰されそうになったり、逆に「やべぇ、アウトって言ったけど入ってたかもしんない」と罪悪感でいっぱいになってしまったりしたことも数え切れません。

ミスジャッジ?イモられた?良くある光景。

テニスをしている人な一度はセルフジャッジで悩んだり怒ったりガッカリしたりした経験があるんではないでしょうか。

あれはミスジャッジだ!
イモられた、ちくしょう!
ちゃんとジャッジしろよ!

こんな風に心の中でつぶやいた人もいるでしょう。

勝てればまだマシなほうで、もしもミスジャッジがらみで調子を落として試合にも負けた日には・・・もう最悪な気分ですよね。

今回はそんなセルフジャッジについて深掘り・解説をしていきます。

結論:システムとして破綻している。

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以前からセルフジャッジに対しては「システムとして破綻している」と考えています。

その理由をいくつか挙げて解説していきますね。

前提:主審+線審でジャッジしても完璧ではない

規模の大きな大会、特に終盤の試合になると主審+線審(最大9人)という大人数でジャッジを行なっています。

近年の大会ではそこにさらにチャレンジシステム(ホークアイなど)の電子デバイスも補助的に導入されており、ジャッジの精度や信頼性を高めようという取り組みがされています。

しかしそれでもジャッジをめぐるトラブルが起きることは珍しくありません。

10人+機械を使ってもそれでもなお絶対的に正確で間違いのないジャッジはそもそも不可能なのです。

プレイヤーがジャッジもするっていうのは難しい

大人数でもジャッジが難しいテニスにおいて、コート内でプレーしているプレイヤー同士がジャッジをするっていうのがいかに無謀か?っていう話ですよね。

動きながら数センチレベル、場合によってはミリレベルの判断が求められる・・・これは明らかに難しすぎます。

仮に他のスポーツに当てはめてみると、よりセルフジャッジの難しさが良く分かると思います。

【野球】
バッターがストライクかどうか判断する
【サッカー】
オフサイドを選手同士で判断する
【競馬】
僅差のゴールはジョッキーが順位を判断
【剣道】
選手同士が1本かどうか決める


もしもセルフジャッジをするとこんな感じのシチュエーションが生まれるわけですが、どう考えてもトラブルが起こるのは間違いないですよね。

精度=客観性の問題は必然的に発生するもの。

セルフジャッジには問題を生じさせる問題がたくさん存在しています。

1. 距離と方向が一定ではない
2. 動きがある中での判断は難しい
3. 情報処理の速度の問題
4. 心理的影響は避けられない
5. プレー速度に対する慣れが必要
6. コートや太陽など環境要因

① ジャッジする距離と方向が一定ではない

テニスは広いコートに複数のラインが引かれている上に、色んなポジションに移動してボールを打たなければなりません。

したがってジャッジする時のボールとの距離、見ている方向が一定ではないんです。

ベースライン後方からサイドラインに落ちたボール、ネットプレー中に頭上を超えてベースライン際に落ちたボール・・・

ジャッジは近すぎても遠すぎても難しいので、適切な距離感を保てないというは大きな問題ですよね。

② 動きがある中でジャッジするのは難易度高い

激しい動きの中で視覚的な情報を正確に判断をするのは至難のワザ。

上下左右に視線がブレる中、高速で動くボールの着弾点を正確に判断出来る・・・そんな動体視力を有している人がどれだけいるというのでしょうか。

(そんな動体視力があれば試合負けないのでは)

③ 情報処理の速度が追いつかない事が多い

テニスはとにかく視覚的にも処理しなければいけない情報が非常に多い競技。

相手の打ってきたショットの勢い、回転量、バウンドの高さ、自分がフォアで打つかバックで打つか、スピンかスライスか、どこに狙うか、どこに動くか・・・

そんな感じでCPUをフル稼働させながらプレーする中で、素早く正確にジャッジするだけの余裕がある人はそう多くはないことでしょう。

④ 心理的な影響は避けられない

「このポイントは落とせない」とか「ここはアウトしてほしい」といった心理状態にある時に、正確なジャッジや相手有利のジャッジを出来る人はかなり限定されるでしょう。

意識的・無意識問わず、少なくとも願望がジャッジに与える影響はゼロにするのは困難と言えるでしょう。

⑤ プレー速度に対する慣れが必要

普段プレーしているレベル帯でも難しいのに、自分よりも上のレベル帯の人とプレーするとより一層ジャッジは難しくなります。

例えば200km/hのサーブが打てる人が相手だったとして、正確なジャッジが出来るでしょうか?無理ですよね。

これは極端ではあるものの、普段受けないような速度のボール、体験したことのない弾道・変化量で飛んでくるボールに対しては、慣れていないとジャッジはかなり難しくなります。

⑥ コートなど環境的な影響も避けられない

ラインが消えかかっているコート、砂で覆われていて見にくいコート、逆光で眩しい状況、風でボールが予想外の動きをする時・・・

こういった環境的な要因によってもジャッジの難しさは影響を受けてしまいます。

他にもたくさんあると思いますが、パッと思いつくだけでもこれだけの要素が影響しているというワケです。

100%正確なジャッジが出来る人は1人もいない。

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これまでの要素を踏まえると100%正確で正しいジャッジを出来る人はこの世に1人もいないと言えます。

精度の差はあれど”主観”で判断するしかない

セルフジャッジの根本的な問題、それはどう頑張っても主観で判断するしかないという点。

ハッキリ言ってしまえば「入ったかどうか」ではなく「入っているように見えたかどうか」という主観をジャッジしているのです。

これは良いとか悪いとかではなく、システム上そういうものなんです

時々「自分は相手有利になるようにジャッジしている」というツイートやコメントを見かけますが、(※めちゃくちゃ素晴らしい心掛けだと思いますが)客観性や精度という点で考えるならば別に大きくは変わらないワケです。

自分自身も”主観”で判断していることを忘れてはいけない

相手がイモってると感じた時、その背景には「自分のジャッジは正しい」っていう気持ちが存在していますよね。

ですがここまでの話を踏まえれば、このジャッジすら”主観”の域を出ないという点では同じなんですよね。

相手とはボールとの距離も角度も違うので、見え方が違うのは当然ですよね。

精度を上げるには客観的なフィードバックが必要だが・・・

もしもセルフジャッジの精度を高めようとするなら、客観的な情報によるフィードバック=答え合わせをする必要があります。

「自分にはアウトに見えるけどあのくらいはインなんだ」っていう感じの補正をかけられるようにするってことですね。

方法としては録画した試合の動画を見直す、現場にいた第三者に意見をもらうとかが考えられますが、正直無理な話ですよね。

録画は画角やレンズの歪み、フレームレートなどに大きく影響を受けてしまいますし、第三者に意見を聞いて修正を繰り返すというのも現実的ではないですよね。

セルフジャッジとどう向き合う?

じゃあこの破綻したシステムの中で、どのようにセルフジャッジと向き合ったらいいのか?っていうことを考えてみました。

相手にイラついても仕方ない。

セルフジャッジでもめた時、1番最悪なのはイライラしてプレーの調子を落として試合に負けてしまうことだと思います。

そんな時は「システムが破綻してるんだし仕方ねーか」くらいに考えられたらマシになるのではないでしょうか。

怒って心拍数が上がりすぎてしまうと息切れしやすくなりますし、集中力も低下しますし、結局パフォーマンスが下がって自分が損するのはバカバカしいですよね。

相手をリスペクトしてみる。

相手のジャッジに対してイライラしている時、その背景には「相手は格下」とか「自分が勝って当たり前」のような気持ちがあると思います。

冷静に考えるとギリギリのショットが決まらないと優位に立てない場合、相手は決して格下ではないということなのではないでしょうか。

むしろ相手の実力を適切に評価し、リスペクトして戦いに望む方がプレーしやすくなると思います。
(※もちろん過剰にリスペクトする必要もありませんが)

センターセオリーを使ってみる。

相手が明らかに芋ジャッジをしてくると分かった時、具体的な対応策を用意しておくとイライラしにくくなるはずです。

例えばライン際を狙うとアウトにされがちな時にはセンターセオリーを心がけ、その中で回転や弾道で変化をつけてみるなどの工夫をしてみる・・・といった具体的な行動の方にフォーカスする事で勝利の確率を高められるのではないでしょうか。

ロービングアンパイア(レフェリー)を呼ぶ。

相手がひどいジャッジを繰り返ししているとか、サーブの時にめっちゃコートの中に入った状態で打ってるとか(笑)、どうにもならない時はロービングアンパイア(レフェリー)を呼ぶようにしましょう。

相手に直接文句を言ったとしても、最初に触れた通り”主観”のぶつかりあいになってしまうだけなので解決する可能性は低いでしょう。

困ったら客観的な立場から発言の出来る第三者を読んで、仲裁をしてもらうのが1番現実的だと思います。

とはいえセルフジャッジにはメリットもある!

散々文句を言ってきたセルフジャッジですが、もちろんテニス全体で見た時には十分メリットがあるシステムであることも補足しておきたいと思います。

もしもセルフジャッジがなかったら負けた人が審判に入るなどのルールが必要になるため、自分の試合が全部終わったとしてもすぐには帰れないっていう状況が生まれる可能性があります。

その試合が長引いたり、微妙なジャッジでもめたりと、とにかくストレスを受ける場面が増えるかもしれません。

システムの問題点は理解しておきつつ、システムの良いところを上手く享受出来るように付き合っていくのが大事ですね。

まとめ:テニスのセルフジャッジ

・セルフジャッジを深掘り
・精度の面では破綻してるシステム
・主観で判断するしかない仕組み
・誰も100点のジャッジは出来ない
・上手に向き合うのが大事
・セルフジャッジの利点もある


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テニス系ブロガー
コトウダマサト (TRUEMAN)
・30代男性
・テニス歴約20年

・オールラウンド器用貧乏
・EZONE98Lがメイン,,,??
・クセの少ないラケットが好き
詳しいプロフィール

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