・断面形状が変更され剛性UP
・重量配分を変えSWを再調整
・カッチリ＋乗り感のある打感
・低く深いフラットドライブが武器
・ライバルはラジカルやBLADEなど
・ストリング模索中
・2025年1月下旬発売予定
今回インプレするのは更なるスピードを求めて進化した『T-FIGHT300S 2025』です！
少し分かりにくいのですがこのスペックは前作のT-FIGHT300iso(面98)の後継機種にあたります。(※新型T-FIGHT300は前作295の後継機種で面100)
| ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
| ボレー | ・・・○・ | ストローク |
| 低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
| 多彩さ | ・・・○・ | 安定性 |
| 柔らかい | ・・・○・ | 硬い |
| スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
| イージー | ・・・・○ | スパルタン |
剛性の高さと若干の掴み感によって強烈なフラットドライブを打ち込むことが可能。
特にサーブとフォアハンドでは球威が出しやすく、面98＋23㎜とは思えない超火力で相手に有無を言わさず押し切るような攻撃的プレーと相性良し。
ショットの強弱、弾道の高低などバリエーションのあるショットメイクには難しさを感じるものの、ライバルモデルと比べても圧倒的な推進力が魅力のラケットです。
| メリット |
| フラットドライブの球威が凄い 振り抜くほど安定するショット 弾道が上がらず安心して振り切れる 少し食いつくフィーリング 振り抜きは良い |
| こんな人にオススメ |
| 真っ向勝負でも引かずに打ち合う 角度よりもスピードで勝負したい人 低めの弾道で打ち抜きたい 振り抜きの良さを求める人 |
テクニファイバー
T-FIGHT300S (2025)
今回はテクニファイバーから新たに登場するT-FIGHT300S 2025年モデルをインプレッション。
シフィオンテクなどが使用するT-FIGHT300isoflexの新モデルであり、スピードを意味するSがついてT-FIGHT300Sとなりました。
デザインは全スペック共通になっており、外観からスペックを判別するのはかなり難しくなっています。
スペック/仕様
| モデル名 | T-FIGHT300S 2025 |
| フェイス サイズ | 98 inch2 |
| 重量 | 300 g |
| バランス | 320 mm |
| スイング ウェイト | – |
| フレーム厚 | 22.5 23.0 22.5 |
| フレックス | – |
| ストリング パターン | 16×19 |
| グリップサイズ | 2,3 |
| 発売予定 | 2025年 1月下旬 |
| 価格 | 税抜 35,000 |
前作と基本的なスペックは継続となっていますが、前作22.5㎜のフラットビームだったのが22.5-23.0-22.5㎜と僅かにテーパーが付いた形になっています。
※実際に前作から厚みが変わったわけでなく、カタログ表記をより正確な数値に修正したという可能性もありそうな気がします。
実測値：SW280 / RA65
| 重量 | 298g |
| バランス | 318mm |
| スイング ウェイト | SW280 |
| RA値 | RA65 |
今回もライズテニスサービスさんで計測をして頂いた実測値が上記の通りでした。
少し軽めの個体ということもありますが、前作はSW284でしたのでスイングウェイトは少し下がっているようです。
変更点①
フレーム断面のボリュームが増加
新型の大きな変更点としてはフレームの断面形状が変更されている点。
基本的な設計はそのままにフープの内側のボリュームが増加、フレームの剛性が向上したことでパワーと安定性を高めています。
面100のT-FIGHT300よりもフープ内側のフラット具合が強く、BLADEのX-LOOPをベースにCX2021の台形断面もチョイ足ししたような感じのフレームですね。
変更点②
スイングウェイトを調整
2つ目の変更点としてはフレームの重量配分を見直し、スイング速度を高めやすいスイングウェイトへと再調整されています。
具体的な数値は公表されてはいないものの、前作T-FIGHT300isoflexと比べるとスイングウェイトはわずかに下げられているとのことでした。(実測値でも下がってました)
インプレのセッティング
| ストリング | テンション | 重量増加 |
| X-ONE バイフェイズ 1.24 | 45/43 | – |
| スーパー スマッシュ 1.20 | 47 lbs | – |
レッスンメインでX-ONEを使用、お試しで激安で入手したスーパースマッシュもテストしてみました。
【打球感】
基本はカッチリしているが
面100よりも乗り感が出る
| 柔らかさ | -1 | 少し乗るが基本カッチリ |
| 打ち応え | 1 | 面100同等の打ち応え |
| スイート エリア | 0 | 極端じゃないが若干シビア |
| 弾き感 | 0 | 少しだけ乗る印象 |
| 安定感 | 1 | フレームの強靭さは◎ |
| 減衰性 | -1 | マシになったが振動止め推奨 |
| 快適性 | -1 | 快適装備はほぼ無し |
基本はカッチリした打球感でフレームの剛性・強靭さを味わえるのですが、前作T-FIGHT300isoや新型T-FIGHT300(面100)と比べるとボールを少しだけ掴む・乗る感覚があるのが変わった点ですね。
そのおかげでこれまでのモデルよりも、前方向に力を伝えるというのが各段にやりやすくなっています。
打ち応え・手応えはしっかりしていて、特に前時代的で硬めのポリであるスーパースマッシュを張った時はさすがに頑張って打っている感じが強かったですね。
減衰性は前作よりいくらか改善されたことでしっとり感がプラスされていますが、基本的には振動止めを付けた方が快適かとは思います。
ライバルと比較すると
打ち応えは強いラケット
前作に比べると若干のホールド感が出たことによって、ライバル比でめちゃくちゃに硬いという感じは無くなったかと思います。
ただ最近はピュアスト98なども使っていますが、比べるとT-FIGHT300Sの方が打ち応えが強い・手応えが重い感じがしますね。
この感触を活かすという意味では強いスイング・速いスイングの方が好ましく、楽したいなぁっていう人には不向きだと感じました。
【性能】
低く深く威力で押し込める
| ストローク | 2 | フォアの火力が増大 |
| ボレー | 0 | コントロールしやすい |
| サーブ | 1 | フラットの球速が◎ |
| フラット | 0 | 合わせるだけだと微妙 |
| ドライブ | 2 | 深さと伸びが最高 |
| トップスピン | -1 | 回転は若干掛けにくい |
| 弾道の高さ | -1 | 弾道は上がりにくい |
| スライス | 0 | 自力で飛ばす感覚 |
| パワー | 1 | 振り切って火力出る |
| 操作性 | 0 | 取り回しは比較的良い |
| 振り抜き | 1 | どんどん振っていける |
前作T-FIGHT300isoflexと比べるとフレームの安定性と乗り感がアップし、より低く・より前方向に力を伝えやすく感じるようになりました。
特に力感80%～フルパワーに近いスイングをした時の安定性・ブレなさは前作を遥かに凌ぐレベルになっており、強く打てば打つほど良さを引き出せるラケットですね。
弾道は低くなりがち＋上げづらい傾向があり、低めの打点からスピンで持ち上げたりループ系で繋ぐというプレーとはあまり相性は良くないです。
【サーブ】
球威と深さで主導権を握る
フラットのスピード感は面100のT-FIGHT300とほぼ同等で、自分の予想よりもスピードが出てくれるのでサービスゲームが非常に楽しく感じました。
スピン系に関しても少し食いついてくれるので、スパルタンなラケットにしてはこなしやすい印象ですね。
ただし高い弾道からスピンで落ちる・跳ねるという感じではないので、前方向に力を伝えつつ若干回転量を増やして制御するようなイメージでした。
【ストローク】
ドライブ系で相手を押し込む
火力を発揮
ストロークではドライブ系の伸びが非常に良いという事に加えて、強打した時の安定性・バラつきにくさも優秀。
面100のT-FIGHT300に比べると若干弾道は低く初速も控えめには感じますが、面98のT-FIGHT300Sのほうが相手コートに深く着弾し伸びるようなショットになっているように感じました。
強く振るほどにフレームの旨味を感じる一方、スイング強度の上げにくい片手バックハンドは中々良いボールが打てずに苦戦しましたね。
扱いやすくするなら多角形ポリｘ丸ポリのハイブリッドで弾道を上げやすくしたり、細ゲージにして軽やかさやシャープさを足したりするのが良さそうです。
【ボレー】
少しだけ押しを加えられる
反発力はある程度ありますが、若干の乗り感を活かして押しを加えるようなボレーの打ち方が可能です。
面100のT-FIGHT300がブロックして反発力で弾き返すのに対し、面98の方が回転を掛けたり強弱をつけたりという制御がしやすいと思いますね。
【総合評価】
火力で押し切るアスリートモデル
T-FIGHT300Sを使ってみて一番魅力に感じたのはサーブやフォアハンドストロークでの火力の出しやすさでした。
実戦の中でもこの火力を活かした相手を押し込むようなプレー、細かい駆け引きはせずに真向から打ち合って押し切るようなパワープレーが相性良く感じました。
前作T-FIGHT300isoflexと比べると、強打した時のパワーと安定性は各段に良くなっていますね。
バランスがコンセプトのラケットではあるものの、個人的にはやはり球威や伸びが最大の特徴だと思います。
なので色々上手くこなすというよりも問答無用で打ち抜いていくパワーで圧倒したり、ストイックなアスリート然とした打ち込みで相手を負かしていくプレイヤーにオススメしたい1本です。
【メリット】
面98としては強い推進力
・振り抜くほど安定するショット
・弾道が上がらず安心して振り切れる
・少し食いつくフィーリング
・振り抜きは良い
フラットドライブの球威が素晴らしく、とにかく振って振って打ち込むというプレーと相性良し。
弾道は上げにくいですがそれが強打時にもブレない安定性・安心感を生み出しています。
また面100のT-FIGHT300よりも若干食いつきがあり、より高い精度のコントロールがしやすく感じました。
【デメリット】
快適性と弾道調整力
・弾道の調整力は低め
・扁平グリップは好みが分かれる
手応えの重さや控えめな減衰性であることなどもあって、全体として見た時の快適性は低めの評価。(ハードヒットが増えるのも快適性の面ではマイナスに作用)
弾道の調整力は面100のT-FIGHT300よりも控えめになっており、特にディフェンスで時間を作りたい時には少しツラく感じました。
多角形ポリを上手く活用するなどして、少し弾道の出しやすさをプラスしてあげるのが良さそうです。
【ライバル】
ラジカルMPやBLADE98など
【ライバル】
・ラジカルMP
・RF01
・BLADE98 16×19
・CX200
・VCORE98
・EZONE98
・ピュアストライク98 16×19 など
面98＋300gというスペック的にはラジカルMPやRF01がメインのライバルにはなりますが、それ以外にもBLADE98やピュアスト98なども十分比較対象になってきますね。
T-FIGHT300Sの
推進力は随一
面98というカテゴリーで考えると非常にライバルは多いのですが、T-FIGHT300Sのフラットドライブの推進力の強さは随一。
スペックからは想像つかない推進力の強さになっていて、スピードと球威で相手を押し込んでポイントを取りたいプレイヤーとの相性は非常に良いと思います。
相性の良いストリング(ガット)
準備中
発売日・予約情報
2025年1月下旬からの発売予定となっています。(T-FIGHT300は3月発売予定)
テクニはラケットバッグも良い
テクニファイバーはラケットバッグのデザイン・機能性も非常に良いんですよね。
シンプルな白黒にブランドロゴ、めっちゃカッコいいラケットバッグからT-FIGHT300Sを取り出せば完璧ですね。
【まとめ】
テクニファイバー
T-FIGHT300S(2025)
・断面形状が変更され剛性UP
・重量配分を変えSWを再調整
・カッチリ＋乗り感のある打感
・低く深いフラットドライブが武器
・ライバルはラジカルやBLADEなど
・ストリング模索中
・2025年1月下旬発売予定
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