今回インプレするのは『プロスタッフ97L』です!

ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・○・ | ストローク |
低弾道 | ・○・・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・・○・・ | 安定性 |
柔らかい | ・○・・・ | 硬い |
片手バック 打ちにくい | ・・○・・ | 片手バック 打ちやすい |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
想像以上に柔らかく掴むような打球感で、良くも悪くもラケットがあまり働き過ぎないクラシカルなモデルですね!
メリット |
低く滑るような球が打ちやすい 掴むような柔らかい打球感 カスタムしやすい290g |
デメリット |
スピン性能は控えめ サポート機能は無し |
Wilson
PROSTAFF97L v14

今回は2023年2月に発売されたウイルソン・プロスタッフ97L v14をインプレッション。

これまでプロスタッフ=黒というイメージがありましたが、v14ではブロンズ色を採用。

角度によっては若干赤みが強く見えるカラーシフティングペイントになっています。

現在は97・X・97Lの3スペックのみの展開となっており、その中でも最軽量の97Lを自腹購入して試してみました。
松田龍樹プロが使っていた97L
松田隆樹選手が今シーズンダブルス2勝目🏆🙌🏻!!
— WilsonTennisJapan (@wilsontennisjp) May 28, 2023
松田選手はPRO STAFF 97Lを使いこなす素早い攻撃力が魅力のPLAYERです🎾
今後の活躍にも注目ください🔥#wilson#wilsontennis#ウイルソン#prostaff https://t.co/MvtFx9EVXu
高速スイングが武器の松田龍樹選手なんですが、以前はプロスタッフ97Lを使っていた模様。
スペック/仕様

モデル名 | プロスタッフ 97エル |
フェイス サイズ | 97 inch2 |
重量 | 290 g |
バランス | 325 mm |
フレーム 厚さ | 23 mm |
長さ | 27 inch |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップ サイズ | 2,3 |
素材 | BLX ブレイディッド グラファイト ケブラー |
発売予定 | 2023年 2月 |
価格 | 40,700 (税込) |
290g/325mmはプロスタッフシリーズの中でも最軽量、フレーム厚も23mmとやや厚め。
97平方インチで290gというのは現ラケット市場ではおそらく唯一無二の存在だと思います。
実測値:SW267、RA値67
フレーム | プロスタッフ97L (グリップ2) |
重量 | 289g |
バランス | 322mm |
スイング ウェイト | SW267 |
RA値 | 67 |
今回もライズテニスサービスさんで計測をしていただいた所、重量はほぼカタログ通りでした。
RA値は67とやや高め、しかしながらスイングウェイトが267とかなり低めの数値。
EZONE98L(285g)がSW275、ピュアストライクチーム2024(285g)がSW276でしたので、290gでSW267というのがかなり低めなのが分かるかと思います。
この重量とSWはダンロップCX200LSとほぼ同等で、面の小さいラケットの中では飛びぬけてSWが低い2本となっています。
特徴:グロメット径はやや大きい

通常の97などよりもグロメット径は若干大き目になっており、ストリングの可動性は引き出しやすそうに見えます。

クロスのストリングは面いっぱいに配置した広めのピッチになっている一方で、メインストリングの中央部分はややフォーカス気味になっています。
なので全体的なマス目の大きさは標準~僅かに広い程度だと思いますね。
セッティング
ストリング | テンション | 重量 |
アイコニック オール 1.30mm | 45ポンド | +15.1g |
エンデューロモノ 1.28mm | 45ポンド | +17.6g |

アイコニック・オール(ナイロン)1.30mmの単張り、エンデューロモノ(ポリエステル)1.28mmの単張りをそれぞれ45ポンドで試して来ました。
【打球感】
想像以上に柔らかく掴む
柔らかさ | 1 | 意外と柔らかく感じる |
打ち応え | 1 | ホールド+手応え十分 |
スイート エリア | 0 | 面97としては十分 |
弾き感 | -1 | 掴み感のほうが強い |
安定感 | -1 | 軽さで押し込まれやすい |
減衰性 | 0 | 不快な振動は来ない |
快適性 | 0 | 特に問題はない |
2つのセッティングで試してみましたが、打球感は意外と柔らかくホールドする感触が強め。
スペックからしてもっと反発力が強くて球離れが早い感触かと思っていましたが、若干のしなり+ストリングのたわみによって球を乗っけて力を伝えていくようなスイングのほうが相性良し。
過去モデルよりも柔らかい印象

v14がリリースされた時に昔のプロスタッフのフィーリングを再現(近づけた)というようなコンセプトがありましたが、実際v10(※初めて面97になった世代)以降のプロスタッフと比べると柔らかさが感じやすいですね。
23mm厚・RA67ですが硬さはほぼ感じず、クラシカルで柔らかいフィーリングを楽しめるようなラケットに仕上がっています。
【性能】
フラット系を軸に丁寧に打つべし
ストローク | 0 | フラット気味主体なら〇 |
ボレー | 0 | 制御しやすいが集中力必要 |
サーブ | 0 | 滑るようなフラット系になる |
フラット | 1 | 一番気持ち良く打てる |
ドライブ | 0 | 推進力がそれほどない |
トップスピン | -1 | 掛からなくはないが相性△ |
弾道の高さ | -1 | 若干低めに出やすい |
スライス | 1 | 浮かさず低く打ちやすい |
パワー | -1 | 思ったよりも掴んで飛ばない |
操作性 | 2 | 加重しても操作しやすく◎ |
振り抜き | 1 | 空気抵抗は少ない |
シングルス・ダブルスの両方で使ってみましたが、フラットで打ち抜いた時は気持ち良くボールが飛んで行ってくれます。
フラットやスライスを丁寧に打ちつつ相手のミスを引き出していく、そんなプレーと相性が良かったですね。
逆にスピン系は打った割に球が走らず相手に打ち込まれがちなので、いかに球を弾ませないかっていう意識でプレーするほうが良さそう。
滑るようなフラット系が行く

このラケットの武器は間違いなくフラット系のショットで、サーブにしろストロークにしろクリーンに捉えられるとバウンド後に若干滑ってくるかのような低いボールになってくれます。
相手がこのボールに慣れていないとフレームショットやミスショットを誘発しやすく、無理に左右のコースを狙うよりは相手コートのセンターにまとめるような配球にするとより効果的。
要所でスライスでテンポと弾み方に変化を付けることで、コースは厳しくないけど返しづらいっていう嫌らしいプレーになるはず。
パワーは加重がマスト

ほぼノーマルの状態で使いましたが、ホールド感が強いので想像よりも球が走らず結構頑張って振って飛ばす感じでしたね。
正直打球感に対して290g・SW267だと全然パワー不足。
取り回しは良いけど振り回すようなスイングとは相性がイマイチという感じなので、楽にプレーするためにも加重・チューニングはマストかなと思います。
相性の良いストリング(ガット)
意外とホールド感が強く出やすいため、ストリングで軽やかさやシャープさをプラスするのもありかと思います。
シンプルかつ軽やかなフィーリングを出すという意味ではポリツアープロが無難。
ナイロンで楽をしつつある程度しっかり打てるコシのある打感を求める人にはアスタリスタ・アーマードがオススメ。
ライバル比較:CX200LSが対抗馬
【ライバルラケット】
・CX200LS
・TF40 290g v3
ボックス系で面が小さくて軽量というラケットはほぼ絶滅しかけており、100平方インチ未満に絞って考えるとCX200LS、TF40 290gの2本ぐらいですね。
特にCX200LSは重量・バランス・SW・RA値がほぼ同じになっていることもあり、比較対象となりやすいモデル。
若干のスイートエリアの広さと薄ラケらしい振り抜きを重視するならCX、クラシカルなフィーリングとフラット系の弾まなさを重視するならプロスタッフ97Lかなと言ったところですね。
【個人的評価】
面白いけど前時代的ではある
このプロスタッフ97Lを買ったのはラケット選びに行き詰っていた時で、慣れ親しんだプロスタッフかつ290g+23mm厚で実用性やカスタム性も高そうというのが理由でした。
実際使って見るとイメージよりも柔らかい打球感で、好意的に捉えるなら過去のプロスタッフで芯食った時の柔らかく包むような打球感を無理なく味わえるようになったと言えそうです。
一方でライジングの時のレスポンスや重みによるパワーは不足感は否めず、カスタムありきなスペックだと思いますね。
307g/315mmにチューンしたら重みを使ったフラット・スライスが使いやすくはなったんですが、同時にテストしたのがウルトラ100v5だったということもあってプロスタッフの使用感・性能が前時代的だなというのは否めない感じでした。
良くも悪くもラケットがあまり仕事はしない感じなので、そういったラケットを求めている人にはオススメできそうです。
ただv14で人気は急落、RF97は廃止された一方でRF01が新規でローンチ済み、この状況でv15が出せるのかは非常に怪しいところ。
BURNのように”一応売ってます”っていうレベルのシリーズになってしまわないか心配をしています。
(逆にプロラボ系列の扱いにして高価格化っていう可能性もありますね)