・面97+310gの硬派なスペック
・優れた振り抜きとクセの少なさ
・汎用性はあるがパワー控えめ
・ほどよいしなやかさ+安定性
・しっかり振り切ってこその性能
・8月末から発売開始!
今回はブイコアプロ97の後継機種になる『ヨネックス・パーセプト97』をインプレッション。
面97+21mm厚により鋭い振り抜きが可能になっており、高速スイングでのプレーで魅力が光るフレームです!
ボールの飛距離はシリーズ内でも一番控えめですが、すべてのショットを振り切って制御したい高レベル帯のプレイヤーにはフィットする1本ですね!
こんな人にオススメ |
ラケットを振り切ってプレーしたい 振り抜きの良いラケットが好き 柔らかめの打球感が好き アシストは控えめでOK |
メリット・デメリット |
○ 振り抜きの良さ ○ ほどよくしなやか ○ 操作性が高い ○ クリアな打球感 × アシストは控えめ × 飛距離は出にくい × 筋力・技術が必要 |
ヨネックス・パーセプト97
(YONEX PERCEPT 97)
ブイコアプロ97のDNAを継承した新型テニスラケット:ヨネックス・パーセプト97。
いわゆる競技者者向け/ハードスペック寄りのラケットですが、今回のモデルチェンジにより淡いグリーン系の”ちょっとカワイイ”配色へとデザインが大幅に刷新されました。
スペック/仕様
モデル名 | YONEX PERCEPT97 |
フェイス サイズ | 97 |
重量 | 310 g |
バランス | 310 mm |
フレーム厚 | 21mm |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 2,3 |
発売予定 | 2023年 9月上旬 |
価格 | 40,700 |
スペックは前作ブイコアプロ97を踏襲しており、モールドにも変更は無し。
面97、フレーム厚21mmフラットビーム、310g/310mmといういかにも”競技者向け”という香りがするスペックになっています。
面97のラケットとしては珍しくグロメット径は大きく(パーセプト100と同等)、ストリングの動きを引き出しやすそうな設計。
なお97Dになるとグロメット径は小さいものへと変更されています。
パーセプト・シリーズの実測値
スペック | スイング ウェイト (ストリング込み) | RA値 |
97 (ポリツアーレブ125) | SW313 | RA59 |
97D (ポリツアーレブ125) | 332 | 60 |
100 (ポリツアーレブ125) | 318 | 64 |
100D (ポリツアーレブ125) | 320 | 64 |
100L (レクシスコンフォート125) | 308 | 64 |
104 (レクシスコンフォート125) | 302 | 62 |
ライズテニスサービスさんで計測してもらった数値が上図の通り。
97は主要なスペック(97D・100・100D)と比較してみるとスイングウェイトが313と最も小さく、RA値も59で最も低くなっています。
これらの要素から97はシリーズの中でもラケット自体のパワー(ポテンシャル)は控えめになっているという事が推測出来ますね。
特徴・コンセプト
今回のモデルチェンジの目玉はSERVO FILTER(サーボフィルター)を新たに採用したという点。
それに伴いグリップ部分に搭載されていたVDMは廃止となりました。
パーセプト・シリーズの詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
グリップについて:ちょい扁平+ちょい太め
【現行ヨネックスのグリップ】
・僅かに扁平っぽさがある
・バボラに近い握り心地
・形状は標準的なものに近づいた
・WILSONより少し太く少し扁平
・PrinceやDUNLOPよりも太い
メーカーによってグリップの太さや形状は様々ですが、ヨネックスは僅かに太めですが形状的には標準~ほんのり扁平という感じですね。
扁平率や太さなど握り心地はバボラに近く、標準的な形状と言えるものになっているので、他社からの乗り換えもしやすくなっています。
ここら辺もヨネックスラケットのシェア拡大に貢献しているのかもしれませんね。
インプレ:気持ち良く振り抜ける
ストローク | -1 | スイング速度が必須 |
ボレー | 1 | シャープさが快適 |
サーブ | 0 | 可もなく不可もなく |
ドライブ | 1 | 安定して叩ける |
トップスピン | 1 | 16×19の恩恵あり |
弾道の高さ | 0 | 100>97>100Dの順 |
スライス | 1 | 普通に打ちやすい |
反発力 | -1 | 弾くタイプじゃない |
パワー | -1 | 一番の弱点かも |
ホールド感 | 0 | しなやかさは感じる |
安定性 | 1 | 面小さいので良好 |
操作性 | 1 | 取り回しは悪くない |
振り抜き | 2 | ビュンビュン振れる |
減衰性 | 1 | 悪くない印象 |
快適性 | 0 | パワー面で減点 |
ボールの飛びが想像以上に控えめになってしまったのが気になったものの、振り抜きやすさと平均値以上の汎用性の高さが魅力のラケット。
しっかりフルスイングしつつ色んなショットを駆使してプレーしたい人に最適なスペックだと思います!
打球感:適度なしなやかさ+安定性
ポリツアーレブ1.25mm(47lbs)で打ちましたが、フレームのしなり感はありつつも面97なので100よりもクリアな打球感になってますね。
RA59ですがすんごいしなるという感じはせず、ほど良くしなやかさを出しながら前作以上にブレにくい安定したフレームになっているんじゃないかなと思います。
EZONEやVCOREで感じたアイソメトリック特有のクセのようなものもほとんど感じず、クセが少ないフィーリングと言えますね。
性能:飛びにくいが汎用性は高い
ボールの飛びは控えめではあるものの、ストロークからボレー、強打からタッチ系まで幅広く対応出来る汎用性の高さがパーセプト97の魅力。
パーセプト100もオールラウンドなモデルなので、100のパワーやアシストを絞ったスペックが97と考えるとちょうど良いと思います。
振り切らないとだめです!笑
他スペックと比べてボールが飛びにくく感じたので、ストリングによる調整、鉛による加重カスタマイズを検討した方が良いかもしれません。
サーブ:振り抜き良いので不満無し
サーブでも振り抜きの良さはハッキリと感じられ、特にスピード重視のサーブはとても気持ち良く打ち抜く事が出来ます。
回転が凄い掛かるワケではないですが、面97のラケットとしては大きな不満なく使える仕上がりといったところ。
ストローク:他スペックに比べると少し寂しい
全スペックを打たせてもらったのですが、97のストロークはちょっと寂しいというか目立つ部分がなかったなという感じ。
実測値からも分かる通りパワーは控えめで、合わせるようなスイングになると一気に浅いチャンスボールを相手に献上してしまいがち。
97Dのような重みを活かした一撃はないし、100ほどスピンの掛けやすさがあるわけでもない・・・よく言えば万能なのですが、器用貧乏に近い部分もあるかもしれません。
ボレー:取り回しの良さとシャープさが◎
アシストは少ないラケットですが意外とボレーは好印象。
310gですがトップライトなので取り回しは悪くなく、面が97になったおかげか100よりもシャープな球離れが感じられボレーでは快適。
特にクラシカルなタイプ、ボックス系薄ラケなどを使ってきた人であれば、全然問題なくボレーは捌けると思いますね。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・振り抜きが良い ・ほどよいしなやかさ ・操作性は良い ・思い切り振り切れる ・汎用性はある |
・パワーが控えめ ・際立つ魅力が少ない |
パーセプト関連動画はこちら!
同社ラケットとの違い・選び分け
ヨネックスのブイコア、イーゾーン、そしてこのパーセプトで競技者向けラケットの3本柱が勢揃い。
パーセプト97はパワーこそ控えめですがクセの無い打球感・使い心地が他2本(ブイコア98、イーゾーン98)よりも優れていると思います。
そのためアシストやスピン性のよりも自然なフィーリングや使い心地を優先する人にはパーセプト97がオススメ。
他社のボックス系・薄ラケからスイッチする場合にも、アイソメトリック独特のクセなども感じにくいのでパーセプトがスイッチしやすいでしょう。
ライバルラケットとの比較
<ライバル>
・プロスタッフ97
・ファントムグラファイト97
・BOOM PRO
・CX200
・TR960(16×19)
・TOUR98
・ピュアストライクVS など
ライバルとして挙げられるのはしなやか系の薄ラケですね。
特にプロスタッフ97やグラファイト97、BOOM PROなどはしなやかさなども似ており、購入時に比較検討する人も多いモデルではないでしょうか。
発売日:2023年9月上旬
パーセプト97は2023年9月上旬発売と表記されていましたが、実際には8月25日頃には発売開始となっていますので購入可能です。
まとめ:ヨネックス・パーセプト97
・面97+310gの硬派なスペック
・優れた振り抜きとクセの少なさ
・汎用性はあるがパワー控えめ
・ほどよいしなやかさ+安定性
・しっかり振り切ってこその性能
・8月末にすでに発売開始済み!