今回インプレするのは左右非対称シャフトという強烈な個性を持った競技者向けラケット『プリンス X98TOUR 2024』です!
前作にあたるX97TOURからモールドを刷新し、98平方インチ化+ラウンド気味の断面形状+CTSになったことで更なるパワーアップを実現。
Xシリーズは勿論、プリンスのラインナップの中でも屈指のハードヒッター向けのラケットと言えるかもしれません。
こんな人にオススメ |
強打で相手を押し切りたい しっかり打ち応えが欲しい ストロークは厚く叩くスタイル アシスト感よりも安定性重視 |
メリット・デメリット |
○ 強打しても安定 ○ 減衰性は非常に高い ○ 中身が詰まった打球感 ○ 推進力が出しやすい × しっかりしたスイングが必須 × 擦るスピンはNG × アシストは控えめ |
この記事では『Prince X98TOUR』を発売前に先行して打たせてもらった感想をまとめています。
X98 TOUR 2024年モデル
左右非対称シャフトという唯一無二の個性を持ったXシリーズにおいて、最もハードヒッター向けのスペックであるX98TOUR(2024年モデル)。
今回はテキストリームxトワロンを採用しているだけでなく、前作の97平方インチから98平方インチに変わるとともにモールドも全面刷新となっています。
フェイス外側がラウンド気味なのに加え、フレームトップにかけて厚みを増す設計なので、これまで以上の剛性を感じられるようになっているはず。
スペック/仕様
ブランド メーカー | Prince プリンス |
モデル名 | X98 TOUR |
フェイス サイズ | 98 inch2 |
重量 | 305 g |
バランス | 315 mm |
スイング ウェイト | 290 |
フレーム厚 | 25-24-23 mm |
フレックス | – |
ストリング パターン | 16×19 |
グリップサイズ | 2,3 |
発売予定 | 2024年 2月下旬 |
価格 | 42,000円 (税込46,200円) |
Xシリーズの中で唯一、このX98TOURのみフェイス外側がラウンド形状になっている点。
CTS(トップに向けて厚みが増える)のもこのX98TOURのみで、スペックからも先端寄りでパワーを出しやすく設計されているのではないかと予想されます。
特徴・コンセプト
新型モールドのトレンドの98平方インチ/305gのフラットドライブ系プレーヤー向けXツアーモデル。
トリプルチューブテクノロジーに加え、テキストリームxトワロンテクノロジー、ATSを搭載。面剛性が非常に高く反発性が増した競技志向のプレーヤー向けのスピード性に優れたモデル。
https://princetennis.jp/product/7tj218
インプレ:全力で打っても全くブレない
評価項目 | X98 TOUR | X100 TOUR | X100 |
サーブ | +1 | +1 | +1 |
ストローク | +1 | +1 | +1 |
ボレー | -1 | 0 | +1 |
ドライブ | +2 | +2 | 0 |
トップスピン | 0 | 0 | +1 |
スライス | +2 | +1 | +1 |
弾道の高さ | -1 | 0 | 0 |
反発力 | -1 | -1 | 0 |
パワー | +1 | +1 | +1 |
ホールド感 | +1 | +1 | 0 |
安定性 | +2 | +2 | +1 |
操作性 | 0 | 0 | +1 |
振り抜き | 0 | +1 | +1 |
減衰性 | +2 | +1 | 0 |
快適性 | -1 | -1 | +1 |
X98TOURの大きな特徴は、X100TOUR以上に強く打ってもブレない安定性が強化されている点。
新規モールドになったこともあり、特にトップ寄りで捉えて威力を出していくようなショットで性能をフルに発揮させやすく感じました。
ちょい先出し。
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) December 25, 2023
とにかくブレない。
擦るな。叩け。打て。 https://t.co/IoP3nK0huu pic.twitter.com/xOkKTK45Fl
打球感:高い密度の打ち応え
TOUR XX SPINを張ったものを打ちましたが、中身が詰まった感触が非常に強く打ち応えも強め。
X100/X100TOURとはモールドが完全に別物になったことで、打球感もほかのスペックと比べると別物感が強くなっています。
特にトップ寄りの厚みが増えたことやATSが入ったことなどで、フェイスの上寄りで捉えた時の安定性・球威が高められています。
性能:直線的+想像以上に飛ぶ!
特に直線的に打ち込むフラットドライブで性能が発揮されやすく、ボールを潰す・叩く感覚で打ち込みたい人には最適。
厚みはありますが反発力で飛ばす感覚は抑え目で、スイングの強さ・大きさでボールに力を伝えていくイメージですね。
フォアハンド:後ろから前に振り抜き火力を発揮
とにかくブレない・負けないフレームなので、相手の強打に対しても正面から打ち合って火力勝負に持ち込みやすいです。
ただX100TOURと比べると弾道の高さの範囲は狭め。
弾道やアングルのバリエーションで勝負するよりは、速くて深くて伸びるショットを軸に相手を押し込んでいく戦い方をする方が効率が良いと思います。
バックハンド:少し遠目で捉えるスライスが伸びる
ただし少し遠目のボールをフェイス先端寄りで捉えた時に、他のスペックでは感じなかった鋭い飛び+深さを出せたのが驚きでした。
横に走らされた時のスライスが深くに入るので、意外なほどディフェンス力も高いラケットだと感じました。
ただしほかのXシリーズに比べるとツイストしたシャフトによる恩恵は若干感じにくく、自分自身でどうにかするという意識は必要だなと思います。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・ドライブ系の球威 ・スライスの深さ ・先端寄りのパワー ・ブレない打ち負けない ・密度の高い打球感 |
・要求されるレベル高め ・回転量は掛けにくい ・スイートエリア狭い? |
X98TOURのメリットはドライブ系の球威、スライスの深さが出しやすいというところ。
先端寄りで捉えた時のパワーや安定性は非常に優れているので、大きなスイングでガンガン打っていきたい人には最適なラケット。
X100/X100TOURに比べるとプレイヤー自身に求められるレベルは高めなので、しっかり振り切れる人でないと恩恵は感じにくいかもしれません。
オススメのプレイヤー、ターゲット
ダブルス | ・・・○・ | シングルス |
ボレー | ・・・・○ | ストローク |
高い弾道 | ・・・○・ | 低い弾道 |
スピン | ・・・○・ | フラット |
バリエーション | ・・・・○ | 安定性 |
スイング小さい | ・・・○・ | スイング大きい |
柔らかい | ・・○・・ | 硬い |
イージー | ・・・○・ | ハード |
X98TOURはストロークでガンガン打ち合うようなシングルスで特徴や恩恵を感じやすいラケット。
X100はバリエーション、X100TOURは安定性、X98TOURは球威によるゴリ押しといった感じ。
Xシリーズは楽にプレーしたい人から、ハードヒットした人まで幅広くカバー出来るようになってますね。
X100TOURとの違い・選び分け
同じシリーズではありますが、X98TOURとX100TOURを比べると結構別物かなと思います。
どちらも中身の詰まった打球感、しっかりとした打ち応えは共通していますが、98の方がより密度が高く感じるし手応えも強め。
深さや球威、より先端寄りで捉えた時の球威が欲しいなら98がオススメ。
ライバルラケットとの比較
ライバルとしては低めの弾道で打ち込みやすく、ある程度打ち応えのあるラケットたちになってくると思いますね。
X98TOURを選ぶ理由:密度の高い打感+パワー
ライバルたちと比べてX98TOURが優れている点としては、密度の高いしっかりとした打ち応えがありつつもしっかり飛んでくれるという点。
面98で最大厚25mmというラケット自体が少なく(※SX300TOUR、EZ98くらい)、さらにトップが一番厚いものになると同社のBEAST98くらいになってきます。
打ち応えが強くなるほどボールの飛距離も抑え気味になってしまうのですが、X98TOURは想像以上に飛んでくれるのが大きなアドバンテージになっています。
面98、最大24.5㎜のEZONE98はX98TOURよりも打球感は軽めになっていて、コンパクトに引っぱたくようなスイングでもスピードが出しやすいのが特徴。
弾道的にはX98TOURと近いイメージになるので、重みのある打ち応えが欲しい人はX98TOUR、軽やかに打ちたい人はEZONE98がオススメ。
フレーム厚は若干異なりますが、アエロ98もターゲット的にはかなり近しいラケットだと思います。
どちらもドライブ系を全開でひっぱたいていけるラケット。
減衰性が高くトップ寄りの剛性が高いのがX98TOUR、全体が程よくしなやかで食いつきを感じつつ打っていきやすいのがアエロ98といったところ。
発売日は2024年2月予定
X98TOUR(2024)の発売予定は2024年2月頃となっています。
まだしばらく時間はありますが、それまでに購入するための軍資金を準備しておきましょう!
X100TOURと色味が近く、控えめなデザインで通勤やカジュアルな場面でも浮きにくいシンプルなラケットバッグも用意されています。