・堅実なブラッシュアップ!
・一目でピュアドラと分かる外観
・打球感はアルデンテのよう
・前作より柔らかく感じやすい
・汎用性は十分
・尖ってないがライバルには負けない
・堅実に売れそうな予感
・発売日は2025年1月中旬
今回は約4年ぶりにモデルチェンジされる大人気ラケット『バボラ・ピュアドライブ2025』を先行レビュー。
ダブルス | ・・○・・ | シングルス |
ボレー | ・・○・・ | ストローク |
低弾道 | ・・○・・ | 高弾道 |
多彩さ | ・○・・・ | 安定性 |
柔らかい | ・・・○・ | 硬い |
スイートエリア 先端寄り | ・・○・・ | スイートエリア 手元寄り |
イージー | ・・・○・ | スパルタン |
新型は全体的に堅実なブラッシュアップが施されたという感じで、突出した部分はないけれど単複問わず無難に使いやすいという印象のラケットですね!
約4年ぶりのモデルチェンジ
新型ピュアドライブ
一番ユーザーの多いラケットと言えばバボラ・ピュアドライブ、というのがテニス界の常識となって早10数年。
そんな人気のピュアドライブですが前作(2021モデル)が発売されたのが2020年9月(※一部スペックが2021年1月発売)で、今回の新型は実に4年振りとなるモデルチェンジ。
最近になって流れは変わってきているものの、大手ブランドは2年サイクルでモデルチェンジすることが多かったので「メッチャ待ったよ!」という人も少なくないはず。
有明での先行試打会で
テストしてきました!
今回は有明会場で行われた試打会に当選し、約1時間でしたが新型ピュアドライブをテストすることが出来ました。
スタンダードな無印、軽量版のTEAM、攻撃力重視の98の3スペックを味見してきました。
ストリングはいずれもRPMブラスト125、ボールはバボラ・ゴールドを使用しています。
今回の試打会で実物を打っては来たものの変更点やスペック、素材等についての詳細な解説はありませんでした。
あくまでも私アドブロが打って感じたことをベースにレビューしています。
詳細な情報に関しては解禁され次第、改めて記事にまとめたいと思います。
新型ピュアドライブは
堅実なブラッシュアップ
新しいピュアドライブなんですが、前作のテイストを踏襲しつつ全体的に堅実なブラッシュアップを施されたラケットだなという印象ですね。
世界で一番モデルチェンジが難しいラケット(※大きく変えると既存ユーザーからクレームが来るし、かと言って何も変えないとそれはそれで文句が出る)なのは間違いないのですが、そういった状況の中では上手くまとめたのではないかと思います。
アエロやピュアストのような
大きな変化はない
2022年にはピュアアエロ、2024年1月にはピュアストライクがそれぞれモデルチェンジをしているのですが、この2シリーズは新旧でハッキリとした違いを感じるモデルチェンジでした。(※主にフレックスが柔らかくなったことによる感覚の変化が大きかったです)
この2つと比べるとピュアドライブのモデルチェンジによる変化は小さく感じますね。
それが良い事なのかどうかは人それぞれかと思いますが、特にピュアアエロ2022は変化が顕著(※APDへの原点回帰を意図したため)で過去作に比べて初動が微妙な印象もありましたので、ピュアドラが無難にまとめたのは賢明な判断かなと思います。
それではここからはより具体的に新型ピュアドライブについてインプレしていきます!
デザイン:左右対称で好印象
新型ピュアドライブは淡いブルーをベースにした左右対称デザインとなっており、個人的には非常に好印象。
このくらいシンプルで良いんだよバボラは、という心の声が試打会で漏れ出しそうになりました。
バボラのアイデンティティでもある2本線デザイン部分が前作・前々作とアシンメトリーな配色でしたが、今回は左右ともに黒になっていて非常にスッキリとした外観になっています。
またシャフトのロゴ部分には赤が差し色として使われていて、シンプルでシックな中にちょっとしたアクセントになっています。
ただロゴの部分の赤は昔の3D映像みたいな感じがして無くても良かったかも?と思いました笑
「ピュアドラ」の概念を
体現したデザイン
歴代モデルにない色味/デザインのはずなのにパッと見てピュアドラだねって違和感なく認識出来るのは凄いと思うんですよね。新モデルのデザインって見慣れるまで時間掛かることが多いのに新型PDはもはや既視感覚えるレベル。【ピュアドライブ】という概念を上手く体現した秀逸なデザインと評価。 https://t.co/Yo7p5OW583 pic.twitter.com/cOLBT6dsNv
— アドブロ / コトウダマサト(TRUEMAN) (@ADVNTG_kotodama) December 8, 2024
僕は今回のピュアドライブのデザインはピュアドライブという概念を上手く体現していて凄く秀逸なものだと感じました。
大体どのモデルも新しくモデルチェンジすると見慣れるまで多少なりとも時間が掛かることがほとんどなんですが、この新型ピュアドライブはもうパッとみてピュアドライブだと違和感なく認識できますし、なんなら既視感すら覚えるレベルなんですよね。
バンパーの構造なども前作を踏襲しており、これと言った変更点は見受けられませんでした。
ネガティブに言えば前作からあんまり変わってないという事かもしれませんが、個人的には今回のデザインは高評価・好印象です。
THE ALL-NEW EZONE.
— Yonex Tennis (@yonex_tennis) December 13, 2024
Featuring an extra-large sweet spot to increase power, while minimizing mishits.
Find out more at https://t.co/gRPEN4F8IX
Available worldwide on January 10, 2025.#PlayFullPower #EZONE #BlastBlue pic.twitter.com/IomXI3KeZf
最大のライバルであるEZONEはガラッと色味が変化しており、ピュアドラとは対照的。
2025年のラケット市場で覇権を握るのがどちらになるのかは要注目ですね。
打球感は「アルデンテ」?
※上の写真はデモンストレーション中の杉田祐一選手
打球感はインパクトで若干の食いつきやマイルドさを最初に感じ、そのあとすぐにフレームの剛性やカッチリさが伝わってきます。
基本的なフレームの硬さは変わっていないと思うのですが、インパクトで手に伝わる情報がマイルド寄りになっている気がします。
TEAMはより柔らかく感じる!
個体差なのか分からないのですがTEAMは特に柔らかく感じられ、最初は「これ本当にブラスト張ってる?RPMチームかエクサルトじゃないの?」と思ったほど。
前作よりもマイルドさが一段優れているようなイメージでした。
98ガッチリとした打ち応え
逆に98になるとフレームの強靭さが非常に強くなり、打球感も遊びの無いガチっとした硬めの印象に。
詳細は不明ですが10・2時部分がボックスみのある形状になっており、モールドやストリングパターンなど変更があちこち加えられていると思われます。
前作よりも柔らかいかも?
自分+友達4人の計5人が同じ試打会に参加したのですが、硬く感じたのは1人だけで5人中4人は前作よりも柔らかく感じるという結果に。
ちなみにこの4人の内訳は自分(ピュアスト98使用)、ぱんぴーさん(バボラー、歴代モデルほぼ制覇)、女性(アエロチーム使用)、女性(現行ピュアドラ使用)なので、バボラのラケットを使っている人からするとマイルドに感じやすいのかも?
ちなみにこの4人は前作のピュアドラ試打会でも一緒になっていたのですがその時は「前作より硬い」とか「硬いか硬くないかなんとも言えない」という感じだったので、それと比べると今回のピュアドライブはマイルドさを感じやすいモデルだと言っても良いのかもしれませんね。
それだけ試す人・発信する人が多いということなんだと思います。
ちなみに無印100を硬いと感じたずぉさん(X100使用)なんですが逆に98は硬さを感じなかったそうなので、グリップやスイングのスタイルで大きく感想が変わるというのを改めて実感中。
同等カテゴリーの中では
カッチリ寄りな印象
ただフレーム自体がしなる・たわむということはなく、あくまで手に伝わる情報として柔らかく感じられるという表現が正確なのかなと考えています。
最大のライバルであるEZONE100(2022)はもっとマイルドで軽やかな打球感ですし、同じカテゴリーの中ではピュアドライブは依然としてカッチリ寄りのフィーリングだとは思いますね。
【ピュアドラと比較すると?】
EZONE100
→もっとマイルドで軽やかな打感
ピュアアエロ100
→もう少ししなやかで打ち応えあり
ウルトラ100v4
→反発が強く手応えも軽い
BEAST
→段違いに柔らかく飛びは控えめ
FX500
→イメージは近いが若干PDのほうがしっとり
NOVA100
→意外と近い、NOVAの方が打ち応え強い
SPEED MP
→断然しなりが強く乗り/掴みが強く弾かない
CX400TOUR
→フレーム自体が動く感じが強く別物
いくつか比較として挙げましたが、ピュアドライブって意外とソックリさんのいないラケットなんだなと思いましたね。
(※そっくりにしちゃうと結局ピュアドラを買う人が大半だからというのもあると思いますが)
イメージ的にはFX500のカッチリ感、NOVA100の打ち応えをミックスしてちょっと薄めた感じですね(伝われ)。
性能的な変化はほぼ無し
無印100に関しては性能として前作から大きくは変化していないと思います。
打感の影響かは分かりませんが若干飛びは抑えられているかも?という感じはありますが、1時間の試打会で前作との極端な差を感じることはありませんでした。
性別や単複、プレースタイルを問わずに使える汎用性は十分にあると思いますね。
フラットからスピン系まで
打ち分けはしやすい
デモンストレーションで杉田祐一選手が打っている時に言っていましたが、フラットからスピン系まで打ち分けがしやすいのがピュアドライブの大きな魅力のひとつ。
ライジングでのフラットなスピードボール、大きなスイングでの高弾道スピン、コンパクトに合わせてもパンチの出しやすいボレーなど、バリエーションは豊富。
ポイント形式でサーブも打ちましたが、初めましてのラケット+緊張する場面でもダブらずに入れられるコントロール性+スピン量を出すことが出来ましたね。
若干飛びや反発力は
抑えられているかも?
ボールの飛び、特に反発力に関しては打球感も相まってか前作よりも若干抑えられているかも?という感じでしたね。
僕個人の感覚でもそれでも十分カッチリ+パワフルではあるんですが、現行(2021)を使っている人からすると飛びにくい・球が出ていきにくいと感じてしまう可能性はありそうです。
途中で持参したピュアスト98+REV120を使ってラリーしたんですが、めっちゃ柔らかく感じたし全然ボールが出て行かない(!!)感じがして「ピュアドラってパワフルなんだな」と実感させられました。
突出した部分はないが
ライバルに負けはしない
前作と比べて大きく変わった所はないと思いますし性能的に突出した部分が無い新型ピュアドライブではあるんですが、それと同時にライバルと比較して負けはしないと言う事も出来るかと思います。
おそらくトータルバランスで競えるのEZONE100くらいなもので、他のモデルは「○○ならピュアドラに勝てる!」っていうようなバランスで成り立っているモノがほとんどだと思いますね。
98はハードル高めの印象
98は本数の問題であまり球数を打つことは出来なかったのですが、100と比べても明らかに難しいラケットという印象ですね。
ガチっとしたフィーリングなのでパワーロスが皆無に近く、振り抜けた時は爆発的なスピードを感じられました。
一方でゆっくり振るとぽとりと落ちる緩い球になってしまいますし、弾道も上げにくいのでネットにパサリと引っ掛かりやすくなりますね。
杉田選手が98でラリーしている時もありましたが、普通にネットミスしたりしていたので100よりも扱いづらそうにしているように見えました。
フラットサーブ+直線的なストロークを武器にしたいハードヒッターにはオススメ、というか相変わらず尖った特性のラケットなのでターゲット層は狭いモデルだと思います。
堅実に売れそうな予感
デザインも打球感も性能も無難なブラッシュアップを施された新型ピュアドライブ、発売されれば堅実な売上になるだろうというのは間違いないと思います。
現行から不安なく乗り換えは出来そう
新しい要素でグッと引き付けるというよりも、全体を着実にブラッシュアップしたことで現行から安心して乗り換えられるモデルに仕上げているという印象ですね。
デザイン的には前作よりも少しだけ優しい色味になり、男女問わず使えるというのもセールス上のアドバンテージになりそうです。
新型EZONEが注目度では上かも?
そんなピュアドライブの最大のライバルであるEZONE100も同じタイミングでモデルチェンジとなり、SNS上の反応などを見ると新型EZONEの方が注目度としては上回っているのかなという印象。
EZONEは前々作(2020)でユーザーを拡大、前作(2022)は3年の長きに渡って安定して売上上位に君臨し続けた覇権ラケットに成長。
新型はモールドの微調整+新素材の搭載に加え、かなりポップなカラーリング+同色バンパーというトレンドをしっかり押さえた攻めのモデルチェンジじゃないかなと。
個人的には新型EZONEは派手過ぎて抵抗感あるし、新型ピュアドラのデザインの方が好きだなぁという感じなんですがみなさんはどうですかね?
発売日は2025年1月中旬
新型ピュアドライブの発売は2025年1月中旬となっています。
予約に関してはまだスタートしておらず、1月1日からの予約受付となっているようです。
まとめ:新型ピュアドライブ・先行レビュー
・堅実なブラッシュアップ!
・一目でピュアドラと分かる外観
・打球感はアルデンテのよう
・前作より柔らかく感じやすい
・汎用性は十分
・尖ってないがライバルには負けない
・堅実に売れそうな予感
・発売日は2025年1月中旬